市報うんなん2016年4月号

雲南病院だより
【栄養管理科より】患者さんの期待に応えられる食をめざして
当院栄養管理科では、入院中の患者さんの体調や食に対する希望に答えられるよう、日々試行錯誤しています。2月には「適切なトロミを付けるための調理基準を作ろう」をテーマに、研修会を行いました。
栄養管理科では、トロミ付けのためにミキサー食を利用します。ミキサー食とは、食材や料理に水分を加えてミキサーにかけて均質でなめらかな状態にし、トロミ調理食品(葛くず湯ゆ のようにトロミを付けられる調理食品)を加えて、かきまぜ、べたつかず、まとまりがあるピューレ・ペースト状に調整した食事のことです。
ミキサー食を提供する場合としては、
(1) 脳卒中後遺症などで飲み込みに障害のある場合
(2) 明らかな飲み込みの障害はないが、歯が無い状態のために噛み切ったりすりつぶしたり等(咀嚼(そしゃく))が難しい場合や、咀嚼が可能であっても固形物だと吐き出される場合
(3) 消化管の狭窄(きょうさく)などの理由で固形物を食べると詰まってしまったり、窒息のリスクがある場合などがあげられます。
研修会では、トロミ剤メーカーに講師を依頼し、トロミ剤の特性や正しい使用方法について学びました。トロミ剤は、水分の量によってトロミの度合いが決まるということや、温度でも変わってくるので一定の室温できちんとトロミを評価することが大切であることなども学ぶことができ ました。
今回の研修をうけ、職員で試作したミキサー食調理基準を適用して
(1) おかずの分量
(2) だし汁の分量
(3) トロミ剤の分量
の早見表を作成し、職員の誰もが同じトロミを付けることができるようになりました。
今後も、栄養管理科は、患者さんの病状の変化に応じて、その時々で適正なトロミに調整した食を提供できるように努めます。
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うんなん若者会議医療チームが病院視察
![]() ▲「うんなん若者会議医療チーム」のメンバーと病院職員 |
![]() ▲うんなん若者会議の様子 |
3月5日(土曜)、「うんなん若者会議医療チーム」の10人が、病院視察されました。医療チームの皆さんは、主に将来医療職になりたいという希望を持っている地元高校生や大学生で構成されています。
当院の看護師と作業療法士が視察に対応し、なぜ雲南市で働くことにしたのか、患者さんに対してどのように接することを心がけているのかなど話しました。地元の学生が自ら地域医療に関心を持ち、現場に足を運び、生の声を聞くことは当院職員にとっても励みになります。今回の視察内容は、4月2日(土曜)、3日(日曜)の「雲南市桜まつり」で発表される予定です。うんなん若者会議医療チームの発表をぜひご覧ください。
※うんなん若者会議とは
高校生・大学生・社会人が医療・食・アートなどの関心分野に分かれて、自分たちにもできる地域づくりの形を話し合い、お互いに成長しあう場として開催されています。話し合うだけでなく、グループで立てた計画を実行することにより参加者が成長していくことがうんなん若者会議の特徴です。
火災避難訓練を行いました
2月18日(木曜)に平成27年度2回目の火災避難訓練を行いました。
今回の訓練では、患者さんの避難誘導および搬送を重点的に取り組み、病院ボランティア「てごっ人(と)」の皆さんに模擬患者役として協力していただき、緊張感を持って訓練を行うことができました。また、水消火器による消火訓練も行い、参加者全員(職員、ボランティアの皆さん)で消火器の取扱方法を確認しました。
今後も訓練を行うことにより、防災意識を高く持ち、患者さんの安全を守れるよう努めます。
訪問看護師ってどんな仕事?
2月10日(水曜)に西小学校で、深ヶ迫美佳(ふかがさこみか)看護師(訪問看護ステーションうんなん)が訪問看護について話をしました。
看護師については知っていても、訪問看護師についてはよく分からないという子どもたちが多く、住み慣れた自宅での療養生活を支える訪問看護の仕事の大切さを知ってもらう良い機会になりました。
子どもたちは、訪問カバンの中身を見たり、聴診器を使ったりすることで医療や看護を身近に感じてくれたようです。地域医療を守っていくには、これからを担う地域の子どもたちに、医療や看護への関心を持ってもらうことが大切です。当院は、子どもたちへ医療や看護体験を行ってもらう機会の提供に積極的に取り組んでいきます。
認知症について知っておきたい基礎知識
「単なるもの忘れ」と「認知症」はどうちがう?
歳をとると誰でも忘れっぽくなりますが、たとえば、食べたメニューを思い出せないのは、「単なるもの忘れ」です。
しかし、食べたこと自体を覚えていなければ、「認知症」の疑いがあります。
「認知症」って、どんな病気?
認知症とは、「脳や身体の病気が原因で記憶・判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が困難になる状態」をいいますが、いくつかのタイプがあります。
【アルツハイマー型認知症】
脳の神経細胞が減って脳が小さく萎縮してしまうために症状が出るタイプ
【脳血管性認知症】
脳の血管が詰まったり破れたりして、その部分の脳の働きが悪くなるために症状が出るタイプ
【その他の認知症】
レビー小体(異常な構造物)が大脳皮質にたまってしまうことによる「レビー小体型認知症」など
なお、脳腫癌(のうしゅがん)やビタミン不足などによる病気で認知症の症状がみられることがあります。(認知症の約1割程度)
この場合は原因となる病気を治療すれば、治る、あるいは症状が軽くなることがあります。これを見分けるためにも、早めにかかりつけ医に相談することが大切です。
「おや?」と思ったら相談を
認知症は徐々に進行する病気ですが、早めに症状にあった「治療と介護」を始めれば、進行がゆるやかになることがあり、認知症とともに穏やかに暮らしていくことができます。「ひょっとしたら・・・」と思ったら、当院総合相談窓口(本館1階)に相談ください。
雲南市立病院 総合相談窓口 電話0854-43-2390
第69回開院記念式典を開催しました
当院では毎年3月1日に開院記念式典を開催し、勤続30年になる職員を永年勤続表彰しています。
69回目となる今年の開院記念式典では、田部井邦夫(ためがいくにお)診療放射線技師、小林孝子(こばやしたかこ)看護師、栗間優子(くりまゆうこ)看護師の3人へ表彰状が贈られました。3人は、今回の受賞を励みとして、今後も地域の皆さんの命、健康、生活を守るため、一層の努力を続けることを誓いました。
写真中央左:栗間看護師
写真中央:小林看護師
写真中央右:田部井放射線技師
院内サロン ふれ愛
4、5月の開催日(毎月第2・第4金曜日)
4月8日(金曜)・22日(金曜)
5月13日(金曜)・27日(金曜)
【時間】
13時30分から15時30分
【場所】
雲南市立病院 南棟2階 ドック検診室
お気軽にお越しください。
院内サロンとは:
病気についての不安を抱える患者さん・ご家族の交流の場であり情報交換・学習の場です。
参加費は必要ありません。どなたでも自由に参加できるサロンです。
問い合わせ 雲南市立病院 保健推進課 電話0854-43-3602
展示コーナーの紹介
院内には地域の皆さんの協力により、さまざまな作品展示を行っています。皆さんぜひご覧ください。
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吉田書道教室 |