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市報うんなん2016年11月号

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雲南病院だより

災害派遣医療チーム(DMAT(ディーマット))第2隊結成

DMAT
左から 岡田敬一(おかだけいいち)、永瀬正樹(ながせまさき)、石原鮎子(いしはらあゆこ)、
大坂朋子(おおさかともこ)、坂本遥香(さかもとはるか)

9月14日(水曜)から17日(土曜)までの4日間、兵庫県災害医療センターで雲南市立病院第2DMAT隊としてDMAT養成研修を受講しました。
DMATとは災害派遣医療チームDisaster Medical Assistance Team(ディザスター・メディカル・アシスタンス・チーム)の頭文字をとって略してDMATと呼ばれています。医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職および事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。

当院は、医師1人、看護師3人、業務調整員1人の5人で受講し、チーム医療や災害時の情報の重要性について学びました。研修内容については、座学に始まり、ワークショップ、グループディスカッション、実技を経て試験を行い、最終日には実働訓練を行いました。非常に短期間かつ盛りだくさんの内容でしたが、4日間しっかり災害医療について学ぶことができました。実働訓練では、本部や他のDMAT隊、関係機関との連携、情報共有、指揮命令系統の確立の難しさを身を持って体験し、その重要性を痛感しました。
DMATの活動は現場の医療だけでなく、災害時に多くの患者さんが運ばれる被災地の病院機能を維持、拡充するために、病院の指揮下に入り医療行為を支援させていただく病院支援や、首都直下型、東海、東南海・南海地震など想定される大地震で多数の重症患者が発生した際に、平時の救急医療レベルを提供するため、被災地の外に搬送する広域医療搬送など、機動性、専門性を生かした多岐にわたる医療的支援も行います。
今回の研修で学んだことを生かし、技術と知識を研鑽し、有事の際には迅速かつ適切な行動を取れるように日ごろから準備をしていきたいと思います。

11月12日には当院で、近隣で大規模地震が発生した想定の防災訓練を予定しています。この訓練には、他県のDMATが参集し、合同で訓練します。今後の連携体制を強化していきたいと思います。

講習会の様子
講習会の様子

三刀屋高校インターンシップ

10月6日(木曜)から7日(金曜)までの2日間、三刀屋高校1年生の「地域産業研究」実習(インターンシップ)を受け入れました。今年は医療の道に興味を持つ4人の生徒が実習に参加しました。
初日は医療技術職場体験として健康管理センター(保健推進課・地域連携室)と検査技術科、放射線技術科で体験学習を行いました。生徒たちは各職種の業務範囲の広さに驚いていました。
2日目は2班に分かれ、看護師と一緒に病棟で看護現場の体験を行いました。
生徒からは「今後の進路の参考になった」、「仕事のたいへんさを知ることができた」と、医療の仕事のよいところやたいへんなことを感じていただけたと思います。
当院は次世代の地域医療を担う医療人の育成に力を入れています。医師、看護師だけでなく、さまざまな職種が連携し合って成り立つ医療の現場を、見て感じていただくことで、将来の地域医療を担う人材が増えてくれたらうれしいです。今後もたくさんの体験学習を受け入れていきたいと思います。

ポスター作成の様子
ポスター作成の様子

認定看護師とは

認定看護師とはどんな資格ですか?

看護師として5年以上の実践経験を持ち、日本看護協会が定める615時間以上の認定看護師教育を修め、認定看護師認定審査に合格することで取得できる資格です。審査合格後は認定看護師としての活動と自己研鑽の実績を積み、5年ごとに資格を更新しています。平成28年7月現在、1万7443人の認定看護師が全国で活動しています。

認定看護師はどんな活動をする看護師なのですか?

患者・家族によりよい看護を提供できるよう、認定看護分野ごとの専門性を発揮しながら認定看護師の3つの役割「実践・指導・相談」を果たして、看護の質の向上に努めています。

~たとえばこんな活動をしています~

  • 専門的な治療や看護が必要な患者・家族に対して最適な看護は何か、認定看護分野の専門知識に基づき判断し、実践します。
  • 他の看護師に対し、自らが手本となり専門知識や看護技術などを指導し、水準の高い看護を行えるように働きかけたり、看護の現場で直面する問題や疑問の相談に乗り、改善策を導き出せるよう 認定看護分野の専門知識に基づき支援します。

(出典:日本看護協会リーフレット 認定看護師ってどんな看護師より)

当院の感染管理認定看護師の活動

【感染管理認定看護師の活動の実際】

他職種(医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、事務員)で構成される感染対策チーム(ICT:Infection Control Team(インフェクション・コントロール・チーム))の一員として感染防止対策の実働を行っています。

《院内活動》

  • 週1回感染対策チームで巡視を行い、感染対策の確認、指導
  • 院内研修会や勉強会を開催し職員への教育
  • 感染防止対策委員会に所属し報告や提言
  • 職員からの感染対策に関する相談に対応
  • 感染対策が円滑に行えるように他部門間の調整

《院外活動》

  • 連携している医療機関の感染対策チームで合同の会議を開催
  • 山陰インフェクションコントロールセミナーや島根感染対策セミナーの世話人会に所属し、山陰地区や島根地区の感染対策の知識・技術向上のため、会の運営を補助
  • 外部の研修会の講師として出向き、感染症予防などの講義
    実績 雲南圏域内12回、雲南圏域外5回

(平成25年7月資格取得後から平成28年9月末現在)

9月9日(金曜)、平成28年度第2回感染防止対策連携医療機関による合同会議が当院を会場に開催されました。これは県内の連携している4病院が会場を持ち回りに年4回開催する会議です。
感染症の治療の過程において広い範囲の微生物に効果のある抗菌薬を不必要に使うことで、本来治療できるはずの抗菌薬が効かない微生物になってしまうことがあります。これを薬剤耐性菌といいます。この会議では薬剤耐性菌が出現しないような適正な抗菌薬の使い方がされているか、また薬剤耐性菌の検出状況等を施設ごとにまとめ、動向や対策について話し合います。その他、各施設からの感染対策の相談や情報交換、会場となった病院を他施設の感染対策チームが巡視を行い、感染対策における問題点を指摘します。
会議では一つのテーマや相談に対して各施設からの意見を聞くことができ、参考になる部分がたくさんあります。日常業務で、こういう場合にはどうすべきだろうと迷うことは、専門書には書かれていないことが多く、他の病院での方法を気軽に相談でき、正しい方向性を指示してもらえるという体制は、とても重要だと実感しています。こうした指導も参考にしながら病院の感染管理を行っています。

【感染管理認定看護師】

他職種と協働しながら、医療を提供する場にいる患者・家族・訪問者や医療従事者などすべての人を感染から守ることが感染管理認定看護師の主な役割です。
平成28年7月現在、2,560人の感染管理認定看護師が全国で活動しています。(島根県には18人、当院1人。)

実践演習の様子
実践演習の様子(雲南消防本部)

感染予防の講義
感染予防の講義(雲南消防本部)

ICT合同会議の様子
ICT合同会議の様子(9月9日)


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