市報うんなん2015年6月号

雲南病院だより
雲南圏域4病院・新人看護師合同研修
新人看護師の臨床実践能力を育成し、看護師の質の確保と早期離職予防を狙いとした新人看護職員研修が努力義務化されています。平成26年2月に改定された、厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン」では、施設の機能や規模に関わらず研修が行えるように、複数の施設間で連携することが勧められています。
雲南圏域では、以前より圏域病院合同での研修を始めており、今年度で4年目となります。今年度は、圏域4病院(雲南市立病院・町立奥出雲病院・飯南町立飯南病院・平成記念病院)合同で新人看護師研修を行っています。
合同研修は、4月から11月まで毎月1回、計8回開催します。島根大学医学部附属病院クリニカルスキルアップセンターと連携した研修を行っていますので、大学病院で行われるような高レベルの研修を受講し、確かな技術を習得できることは新人看護師の自信につながっています。
また、新人看護師にとって合同で研修を行うことは、多人数で行うことで不安な気持ちを共有したり、安心感が得られ、また交流の場ともなり、よい成果を得られています。
雲南圏域の新人看護師が、生き生きと働き、魅力を感じることができる病院であるために今後も充実した研修を行っていきます。
▲新人看護師合同研修の様子
看護学生さんにピーアール!
看護学生や看護師免許取得者を対象とした「しまねの看護師就職キャンペーン合同セミナー」が出雲市で行われ、当院も採用担当者、看護部長など6人が参加しました。
雲南市立病院のブースには50人以上の学生が訪れ、病院紹介や新人看護師研修の説明を熱心に聞いてくれました。
![]() ▲参加した職員 |
![]() ![]() ▲合同セミナーの様子 |
医療チーム紹介
病院では、様々な職種の職員が働いています。この様な異なる職種のスタッフがそれぞれの専門的技術を発揮しながら、連携、協同して治療やケアに当たることをチーム医療と言います。
当院でもいろいろなチームが活動し、患者さんのQOL(キューオーエル)(生活の質)の向上に取り組んでいます。
今回は、感染対策チーム、糖尿病サポートチームの活動を紹介します。
糖尿病サポートチーム
糖尿病の合併症予防と、QOLの向上を図ることを目的に活動しています。
- 糖尿病について理解・自覚してもらうため教育入院された患者さんのカンファレンス(治療についての話し合い)を行い、状態把握、情報共有を行います。
- より良い糖尿病療養指導が行えるように話し合いを行います。
- 院内外において知識の向上、指導のレベルアップを図るための勉強会を企画・実施しています。
▲糖尿病教室の様子
感染対策チーム(ICT)
ICTとは・・・医師・看護師・臨床検査技師・薬剤師・事務職員で構成される感染対策チームのことです。ICTは主に感染対策の実働的役割を担っています。
- 週1回程度、病棟を回り、各部署で感染対策が適切に行われているか確認しています。
- 院内感染対策研修会を開催しています。
- 感染対策手引きの作成や管理を行っています。
- 感染防止対策で連携している他の医療機関との会議に参加し、薬剤耐性菌の検出状況や抗菌薬の使用状況を報告しています。また、他の医療機関からの情報をもとに感染対策の改善を図っています。
▲感染対策を確認している様子
雲南市立病院医療出前講座「飛び出す!雲南病院講座」
総務課 電話0854-43-2441
雲南市立病院では、平成23年度より「病気の早期発見」「生活習慣病などの予防」や「医療に関する情報の提供」などを目的に医療出前講座を行っています。
この出前講座は、市内の各種団体の皆さんから大変好評を得ており、平成26年度は全57回、1,560人の方々に参加していただきました。平成27年度につきましても、地域住民の皆さんが“知りたい”“聞いてみたい”内容の講座となるよう多様なメニューを用意しておりますので、是非利用ください。
当院は、積極的に地域に出掛け、皆さんとふれあい、「地域に親しまれ、信頼され、愛される病院」となるよう心掛けていきますので、多くの皆さんに「医療出前講座」を利用いただきますよう、よろしくお願いします。
【対象】
原則、市内に在住、在勤、在学している10人以上の団体、グループなど
【会場】
市内に限る
【時間】
午後2時から午後5時まで(土・日・祝日を除く)のうち1時間程度です。
【講師料】
無料(ただし、実習費等については実費負担していただきます)
【申込み】
開催予定日の2ヵ月前までに市立病院総務課へ申込書を持参いただくか、電話・FAX・メールで申し込んでいただき、日程調整をさせていただきます。
【その他】
会場の手配、参加者への連絡等は主催者側でお願いします。
申込書は総務課に備えつけておりますが、市立病院ホームページ(http://unnan-hp.jp/)からダウンロードすることもできますのでご利用ください。
平成27年度 雲南市立病院医療出前講座「飛び出す!雲南病院講座」メニュー一覧
No. | テーマ | 内容 | 担当者 |
---|---|---|---|
1 | 腰痛について | 腰痛について質疑応答中心にお答えします。 | 整形外科 三木尭明(みきたかあき)医師 |
2 | 足腰の手術のタイミングとは? | 腰痛やその他の整形疾患について、具体的な手術のタイミング等を説明します。 | |
3 | 脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)について | 脊柱管狭窄症について質疑応答中心にお答えします。 | |
4 | 人工関節について | 人工関節について質疑応答中心にお答えします。 | |
5 | 救急医療について | 救命手当をいかに早く行うか?救急隊や医師が来るまでにできる応急手当について説明します。 | 森脇義弘(もりわきよしひろ)医師 永瀬正樹(ながせまさき)医師 |
6 | 睡眠時無呼吸症候群について | 無呼吸症候群の症状、治療方法などについて説明します。 | 耳鼻科 村田明道(むらたあけみち)医師 |
7 | いざという時役立つ救急法 ~わかりますか?AEDの使い方~ |
心臓マッサージとAEDの使い方を体験していただきます。 | 看護師 |
8 | 心配だけどだいじょうぶ?こどもの救急対応 | こどもの救急対応について、正しい知識を習得していただき、不安を解消します。 | |
9 | 病院の介護施設ってどんなとこ? 介護療養型医療施設とは |
施設の概要、入所から退所まで、施設での生活の流れについて説明します。 | |
10 | 今から始める介護の1,2,3 | 介護をしている人にも、これから介護をする人にもわかる、簡単な介護の方法について説明します。 | |
11 | 緑内障について知識を深めよう! | 緑内障の種類、症状、検査などについて説明します。 | 視能訓練士 |
12 | 腰痛予防 | 生活での注意点や予防体操などについて説明します。 | 理学療法士 |
13 | ひざ痛予防 | 生活での注意点や予防体操などについて説明します。 | |
14 | 肩痛予防 | 生活での注意点や予防体操などについて説明します。 | |
15 | 正しい検査結果を得るためにあなたにも出来ること | 検査データは検体採取前の“ちょっとした事”で変動します。その“ちょっとした事”“気を付けて欲しいポイント”を説明します。 | 臨床検査技師 |
16 | お薬の飲み方 | 薬の飲み方などについて、素朴な疑問を薬剤師と一緒に考えます。 | 薬剤師 |
17 | 薬剤師からみた糖尿病治療 | 糖尿病とはどんな病気?どうして治療が必要なの?など、糖尿病について説明します。 | |
18 | 薬剤師からみた緩和治療 | 痛みをがまんする必要がないこと、痛みをとることができることを説明します。 | |
19 | 乳がん検診について | 撮影(検査内容)、その他注意事項などを説明します。 | 診療放射線技師 |
20 | 初歩的な介護保険のおはなし | 初めて利用するときのために使用できるサービスと介護度について説明します。 | 相談員 |
21 | 健診の現場からアドバイスできること | 健診現場の実態から、健康生活へのアドバイスを行います。 | 保健師 |
22 | 若い人からお年寄りまで健康に過ごすための良い生活をアドバイスします!! | 年代に応じた生活全般(食生活や運動など)について受講者参加型の楽しく学べるお話をします。 | |
23 | 生活習慣病を防ぐ食事 | 糖尿病、高血圧、脂質異常症、骨粗しょう症などを予防する食生活について説明します。 | 管理栄養士 |
24 | 高齢者に大切な食事について | 高齢者向けの食生活について説明します。 | |
25 | 床ずれ予防について | 床ずれにならないようにするにはどうしたら良いか説明します。 | 褥瘡(じょくそう)委員会 |
26 | 流行している感染症から身を守ろう! | インフルエンザ、ノロウイルス感染症など様々な感染症の知っておきたい情報を説明します。 | ICT(感染対策チーム) |
27 | DMAT(ディーマット)(災害派遣医療チーム)について | 災害時における対応やDMAT(災害急性期に活動を行う災害派遣医療チーム)について説明します。 | DMATチーム |
28 | ふるさと教育 ~雲南の医療現場から~ |
小中高生へ病院のスタッフが出向きます。医療現場の状況や働く喜びなどについて説明します。 | 事務員 |
29 | 病院でお支払いされる医療費について | 保険診療のしくみ、医療費の計算方法について説明します。 | |
30 | 病院経営について | 病院の経営状況、人材育成事業・ボランティア活動などを紹介します。 | |
31 | 病院建設について | 病院建設における現状と今後の予定について説明します。 | |
32 | これからの地域医療について | 地域医療を取り巻く現状や課題、これからの方向性について説明します。 | 大谷 順(おおたにじゅん)院長 |
展示コーナー ~こども絵画教室~
病院1階の小児科フロア前で、大東町・加茂町の幼稚園から小学校までの子どもたち(こども絵画教室参加者)の作品を展示しています。微笑ましい絵画に、元気をもらえますよ。市民の皆さんも是非ご覧になってください。
院内サロン ふれ愛
3周年記念イベント開催しました
院内サロン「ふれ愛」の3周年記念イベントを4月24日に開催しました。当院に入院中や通院されている方、がんサロンの代表の方々など、約60人の参加者で賑わいました。
記念イベントは、院内サロン「ふれ愛」の世話人である松島美代子(まつしまみよこ)さん、小林貴美子(こばやしきみこ)さんの挨拶につづいて、雲南保健所の鈴宮寛子(すずみやひろこ)所長より祝辞をいただき、和やかに始まりました。
その後、勝部美津子(かつべみつこ)さん、橋本啓山(はしもとけいざん)さんによる筝曲(そうきょく)、尺八演奏が行われ、美しい音色に心癒される時間を過ごしました。また、院内サロン世話人と当院職員手作りの雲南市の郷土料理のひとつである焼き鯖寿司を振る舞い、和やかな雰囲気の中で会話や食事を楽しんでいただきました。参加者からは「病院で焼き鯖寿司が食べられるなんて、嬉しかったです。本当においしく食べることができました。」「看護師をはじめ、多くのスタッフの方が協力し合っている雲南病院は素晴らしいですね。」との嬉しい言葉をもらいました。これからも、院内サロン「ふれ愛」は、入院中の方だけでなく、地域の皆さんの心癒される場となるよう運営していきます。
(※院内サロンとは:病気に対する理解を深めたり、体や治療に関する情報を得ることのできる場です。また患者さんや家族同士が悩みを話したり、気持ちを分かち合ったりすることができる場でもあります。治療中の方やご家族の方はもちろん、どなたでも利用いただけます。)
▲世話人の小林さん(左)と松島さん(右)