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市報うんなん2016年1月号

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雲南病院だより

新年のあいさつ


病院事業管理者 松井 譲

新年明けましておめでとうございます。
皆様方には、ご家族お揃いで新年をお迎えになられた事と、お慶び申し上げます。
さて、昨年は大変多くの皆様のご理解とご支援を頂き、念願でありました病院改築工事に着手する事ができました。11月から本格的な工事に入り、現在新本館建設に向けて、南棟4階の改修や既存施設の解体、外溝工事などを進めており、本年夏ごろには新本館棟の工事に入る予定であります。
この改築工事におきましては、既存駐車場の使用制限や、大型工事車両の往来等で大変ご迷惑をお掛けいたしておりますが、平成30年3月の新本館開院、平成31年9月のグランドオープンをめざし、工事の安全に充分配慮して進めて参りますので、引き続きご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
次に、経営については、平成26年度も3年連続で経常収支の黒字化が図れたところであります。これにより、内部留保資金も目標としておりました10億円を超える蓄積を達成することができました。このことは偏に関係者の皆様のご支援と、支えてくれている職員のお陰であると感謝いたしております。今後も職員一同力を合わせて健全経営に努めて参ります。
地域医療を取り巻く環境は依然厳しい状況ではありますが、27年4月には内科1名、外科1名、泌尿器科1名の常勤医師を迎えることができました。本年も1月に整形外科医を1名、4月にも新しい常勤医師を迎える予定ですので、少しずつ明るい兆しが見えて来たと思っております。しかし、雲南地域の中核病院としての役割を果たす上におきましては、医師の体制も含めてまだまだ不十分であると思っておりますので、今後もより一層の努力をして行く所存であります。
最後に、平成28年も皆様にとりまして良い年となりますようご祈念申し上げ、新年のごあいさつといたします。


院長 大谷 順

新年明けましておめでとうございます。日々病院を支えていただいている市民の皆様に心より新年のお祝いを申し上げます。
さて、わが国の中山間地域は総じて高齢化、人口減少の問題に直面しておりますが、国は打開策として『地方創生』を掲げています。若者の都市部への流出を食い止め、さらにUIターンを増やす施策が急務とされていますが、『地方創生』を実現するためには、安心した暮らしの担保ともいえる地域医療の確保も重要で、地域医療なくして地方創生なし、といっても過言ではないものと思います。
現在、地域において地域医療構想の策定が行われており、わが雲南圏域でも病床数削減の可能性が話題になっていますが、私たちは国からの押しつけではなく、自分たちの目で見て、また住民の皆様方とも十分協議をした中で地域全体を考え、また、机上の空論ではなく、真の必要性に基づいた医療提供システムの構築をめざして参ります。その礎ともなる新病棟建設事業でございますが、昨年は建設着工の遅れなどで、市民の皆様には大変ご心配をお掛け致しました。11月から約2年半先の新棟竣工に向け建設工事が始まりましたことをご報告申し上げます。これからしばらくご迷惑をおかけ致しますが、皆様により良い療養環境を提供するための事業でございます。どうかご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。また、私たち職員一同も新病棟完成を励みに、「仏作って魂入れず」とならぬよう、日々の診療により一層精進を重ねて参ります。
最後に、本年が皆様にとって良い年となりますことを心よりお祈り申し上げて新年のご挨拶とさせていただきます。

【臨床検査技師より】 超音波検査頸動脈エコー

超音波検査は装置のプローブ(探触子(たんしょくし))に検査用ゼリーをぬって体に直接あて、臓器や組織の様子を画面で見ることができる検査です。腹部であれば肝臓・胆嚢(たんのう)・膵臓・腎臓等の他、子宮や前立腺なども観察できます。頸動脈は脳に血液を送っている血管で頸部(首)にプローブをあてます。左右にありますので、片方ずつ検査するため15~30分くらいかかります。
頸動脈エコーでは、動脈硬化で血管の壁が厚くなったり硬くなったりしている様子が画像で確認できます。血管のつまりの程度として血管の中が狭くなっていないか、閉塞していないかなどを観察します。また血管の壁が一部だけ山のように隆起しているのをプラークと言い、プラークが破れるとそのかけらが脳梗塞を引き起こすこともあります。こうして血管の壁の厚さやつまりの程度、プラークの大きさ・形状・内部の状態など、これらを観察し治療方針を決める上での情報の一つとして提供します。
昨年1月に紹介しました血圧脈波検査も動脈硬化を見る検査で、血管のつまりの程度や血管年齢がわかるものでした。当科では昨年から血圧脈波検査に“CAVI(キャビィ)(心臓足首血管指数)”を導入し、動脈硬化の指標として報告しています。これまで報告していた指標は血圧の高低が結果に影響するものでしたが、“CAVI”は血圧値の影響をほとんど受けない血管の硬さの指標です。
動脈硬化は年齢と共に進行し、あまり自覚症状はありません。放置すれば心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる疾患につながります。柔らかくしなやかな血管を保つにはやはり食事や運動に気をつけることですが、実行するのはなかなか大変ですね。自分の血管の状態を知ることから始めてはいかがでしょうか。動脈硬化の検査を受けてみましょう。

『新型』ノロウイルス感染症と検査

【ノロウイルス感染症】
乳幼児では冬季を中心に発生し、成人では二枚貝などを生か加熱不足で食べた場合に見られますが、最近ではヒトからヒトへの感染が多くなりました。
ノロウイルス感染症の症状は突然嘔吐・下痢が起こります。軽症の場合もありますが、発熱を伴うもの、重症では脱水症状が見られます。
最近『新型ノロウイルス』といわれる新タイプのノロウイルスの事をよく耳にします。これは従来のノロウイルスGⅡ・4などとは異なる遺伝子タイプで、ノロウイルスGⅡ・17型というタイプです。
新しいタイプのウイルスが見つかったのは事実ですが、現時点で従来のノロウイルスより毒性が強いという報告はありません。「過去に免疫が無いから・・・」という事もいわれていますが、そもそもノロウイルス感染症は免疫が成立しにくく、何度でも再感染します。このため、感染経路や症状、対処法は変わらないので、『新型』という言葉に惑わされず、従来通りの対策、まずは石けんでしっかり手を洗う事が重要です。

【ノロウイルスの検査】
ノロウイルス感染症の検査は3歳未満の患者、65歳以上の患者、悪性腫瘍の診断が確定している患者、臓器移植後の患者、抗悪性腫瘍剤や免疫抑制剤または免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者の方は保険が適用されます。
この検査は便の中にノロウイルスが居るかどうかを調べ、約20分で検査結果がでます。当院の検査では、『新型』ノロウイルスも検出可能となっています。

お正月は要注意?! 安全に食べたい「お餅」

平成28年、新しい年の始まりです。お正月に食べる機会の多い定番の食べ物といえば、おせち料理に「お餅」。特にお餅は、お雑煮にしたり焼いて食べたりと食卓に上る回数も多く、「毎日でも食べたい」という方も多いのではないでしょうか。
でも昔から、「餅がのどに詰まる」など、事故が多いこともよく知られています。新しい年を笑顔で始めるためにも、安全にお餅を食べるための情報をお伝えします。
まずはご自身の飲み込みの力「摂食・嚥えん下げ」の機能をチェックしてみましょう。

摂食・嚥下障害チェックシート

心がけたい「安全な食べ方」

お正月にお餅を安全に食べるには、どんなことに注意すればいいでしょうか。
調理の際や、食事中に気を付けたいポイントをまとめてみました。これらのポイントを押さえて、おいしくお餅を食べましょう!

調理時のポイント

お餅はなるべく小さく切る
大きなお餅はどうしても飲み込むのが困難になります。高齢者の方でも無理なく飲み込むことができるように、なるべくお餅を小さく切っておきましょう。

異なる食感の食材を使う
お餅だけでなく、異なる歯ごたえの食材を使うことで、噛む回数の増加が期待できます。お雑煮には根菜などの野菜、焼き餅には海苔を巻くなど、食感の異なる材料と一緒に調理してみましょう。

食事中のポイント

とにかく「よく噛む」
お餅を食べるときに大事なことは、よく噛むこと。一口分の、無理のない分量をよく噛んで食べましょう。

一人で食べない
お餅がのどに詰まるなど、何か緊急事態が発生した時でも対処してもらえるように、家族など他の人と一緒に食べるようにしましょう。

食べることに集中
何かに気を取られていたり、話しながら食べていると、ふとした時にお餅を飲み込んでしまい、のどに詰まってしまうことがあります。食べることに集中して、ゆっくり味わいながら食べましょう。

市立病院 初! 『医療の改善活動』全国大会優秀賞受賞

発表者 藤原 誠(ふじはらまこと)(検査技術科)

昨年7月号の市報うんなんにも掲載しましたが、検査技術科は昨年3月に開催された院内のQC活動発表大会で最優秀賞を受賞し全国大会への切符を手にしました。そして11月20日(金曜)、21日(土曜)に三重県伊勢市で開催された第17回フォーラム「医療の改善活動」全国大会in伊勢で発表してきました。
全国大会では当院での発表内容に磨きをかけ「血液検査データを早く転送し後工程に迷惑をかけないようにしよう!」というテーマで11分間発表しました。この結果、セッションKにおいて最高位の優秀賞を受賞し、当院のQC活動5回目にして初めての受賞となりました。
今回得た知見の一つとして、改善活動は目先の問題に取り組むだけでなく、めざすべき姿と現状の差異を把握し、そのギャップを選定して“強み(伸ばした方が良い点)”と“弱み(改善すべき点)”を捉え改善するやり方があります。そのため知識や手法を今以上に学び、それを実践していく中で部署内がまとまり対話を通して共通認識や理解と納得を築いていかなくてはなりません。そしてそうした取り組みを継続していくことがとても重要となります。
今回得た知見を院内で共有し、本年以降も市立病院から優秀賞が選ばれるよう今までよりステップアップした改善活動に取り組み、住民の皆さんの要望と期待に応えるには、どのようなサービスを提供できるか考えていこうと思います。
最後に全国大会までご尽力いただきました皆さんに感謝します。


▲左から、三萩野(みはぎの)病院 荒上文秀(あらかみふみひで)さん、須山真由美(すやままゆみ)臨床検査技師、板持(いたもち)さとみ看護部長、藤原 誠(ふじはらまこと)臨床検査技師

院内サロン ふれ愛

平成28年1・2・3月の開催日(毎月第2・第4金曜日)
 1月8日(金曜)・22日(金曜)
 2月12日(金曜)・26日(金曜)
 3月11日(金曜)・25日(金曜)
【時間】
 13時30分から15時30分
【場所】
 雲南市立病院 南棟2階 ドック検診室

お気軽にお越しください。

院内サロンとは:
病気についての不安を抱える患者さん・ご家族の交流の場であり情報交換・学習の場です。
参加費は必要ありません。どなたでも自由に参加できるサロンです。

問い合わせ 雲南市立病院 保健推進課 電話0854-43-3602

展示コーナーの紹介

院内には地域の皆さんの協力により、様々な作品展示を行っています。ぜひご覧ください。

小児科前フロアでは、全国高校総体ボート競技のポスター図案の入選作品を展示しました。


最優秀賞 高野寛子(たかのひろこ)さん(三刀屋高等学校)


優秀賞 森山梨仁(もりやまりひと)さん(三刀屋高等学校掛合分校)


優秀賞 山田寛子(やまだひろこ)さん(横田高等学校)


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