市報うんなん2014年8月号
雲南で“ほっこり”~定住支援事業~
雲南市では、人口の減少をくいとめる施策の一つとして、積極的なUIターン者の誘致をすすめています。
具体的には、定住相談窓口として3人の定住推進員を配置し、空き家等の住宅情報の提供や就業・就農支援、定住後の地域での生活の支援などを行っています。また近年増加している田舎で暮らしたい都会からのUIターン希望者のために、移住支援コーディネーター1人を配置し、移住された方のネットワーク化を図るとともに、若い世代の移住定住に向けた情報発信に力を入れています。
さらに、定住情報サイト「ほっこり雲南」により、子育て世代に向けた発信を行うとともに、東京・大阪・広島での定住相談イベントに参加し、雲南市の定住支援情報を発信しています。
こうした取り組みを活用され、雲南市へUIターンされた方は、ここ4年で192人になります。
今回は、Iターンされた方の体験談やUIターン施策の取り組みについてお知らせします。
▲平成22年~平成25年までの移住者の推移
▲「定住環境」について(平成26年市民生活の現状に関するアンケート結果より抜粋)
UIターン interview
▲菅谷伸一郎(すがやしんいちろう)さん、洋子(ようこ)さん、優木(ゆうき)ちゃんご家族
【プロフィール】
菅谷さんは、神奈川県厚木(あつぎ)市のご出身。今年4月厚木市から大東町にIターン。
雲南市へ移住したきっかけは?
(伸一郎さん)
子どもが生まれたら自然豊かなところでのびのびと育てたいと思っていました。平成24年の雲南市空き家見学ツアーをインターネットで知り、ツアーに参加しました。
雲南市の風景にふるさとを感じ、住むことを真剣に考えるようになりました。
(洋子さん)
出産を控えていたので、ツアーに参加できませんでしたが、優木が生まれ、平成25年に家族3人で雲南市を訪問しました。以前、仕事の関係で山陰に住んでいたので、「縁」のようなものを感じました。
また夫と同じように雲南市の風景が気に入ったことと、地域の方々がみなさん良い人だったので移住を決めました。
お仕事は決まっていたのですか?
(伸一郎さん)
厚木市に住んでいる時から、デザイナーとして主に広告制作をしています。現在も引き続き、神奈川県からの仕事を受けています。
インターネットの環境が整っていればどこでも仕事ができます。今後は、チャンスがあれば島根県や雲南市の仕事もしてみたいです。
(洋子さん)
撮影の仕事をしていましたが、妊娠を機に活動を休止しています。山陰の写真家の方とも繋がりがあるので、何か自分にできることを見つけていこうと思います。
実際に住んでみての感想は?
(伸一郎さん)
優木が家の中を走り回っているのを見ると移住して良かったと思います。
(洋子さん)
地域のみなさんに気遣っていただき、「(雲南市に)来てくれてありがとう」と言われると嬉しいです。驚いたのは、雲南市の子どもたちは会うとみんな挨拶をしてくれることです。優木と公園に行くと、高校生が一緒に遊んでくれました。
また、子育て支援センターや子育てサークルなどもあり、子育て環境は充実していると思います。
定住を考えている方へメッセージ
家、生活環境、暮らしの様子を見に、雲南市へ一度きてみてください。
インターネットを使って仕事をされる方には、特におすすめします。
私たちも、定住を希望する方たちへ、雲南市でどんな暮らしをしているのか情報発信していきたいと思います。
移住支援コーディネーター interview
【プロフィール】
雲南市移住支援コーディネーター 酒井聖文(さかいまさふみ)さん
岐阜県出身。大学卒業後、横浜・都内の企業で設計システムやマーケティングリサーチの営業職を経て、平成22年8月に雲南市へ移住。平成22年から2年間、掛合町波多にある「さえずりの森」の管理人として働き、平成24年雲南市移住支援コーディネーターに就任。
雲南市の皆さん、移住支援コーディネーターの酒井です。
今まで雲南市の多くの方々に支えていただき、移住して丸4年を迎えることができました。雲南市に移住したきっかけは、家族や親戚が住んでいたわけではなく、たまたま、「雲南市で働かないか。」という知人の誘いがきっかけでした。私の故郷である岐阜県関(せき)市は刃物のまちで、たたら製鉄を通じて雲南と関は昔から深い繋がりがあり、ご縁がある地に住むことができて嬉しく思いますし、私にとって雲南市は住み心地が良いまちです。
移住支援コーディネーターとしての私の役割は主に3つあります。1つ目は、移住された方が雲南市で快適な暮らしができるように支援すること、2つ目は、雲南市への移住を検討されている方に対して、移住が実現できるように支援すること、3つ目は、雲南市の暮らしや取り組みの様子を外部へ発信することです。
最近、特に感じるのは、移住者もしくは移住相談者は、若い世代が多いということです。平成25年度に雲南市の定住支援制度を通して移住された方の中で、20~40代が9割を占めます。移住の目的はいくつかあるのですが、多くの方が言われるのは、“自然豊かなところで子育てがしたい”、“安全安心な食べ物を子どもに食べさせたい”という子育てしやすい環境が求められての移住です。移住者の方はもちろん、地域の方にとっても安心して子育てができ、誰にとっても住みやすい雲南市になるよう、自分たちにできることを考え互いに協力することが大切だと思います。
そして、移住者への支援を通して、地元の方が笑顔になられることを切に願い、雲南市への移住者及び雲南市への訪問者数を増やすことが、私が雲南市に対してできることだと思っています。せっかくいただいたご縁ですから、これからもこの地で自分にできることを精一杯努めたいと思います。
UIターン者誘致の取り組み
UIターンフェアin広島 広島にて、島根への移住を検討している人向けのフェア |
うんなん体験ツアー 雲南市への移住検討者と先輩移住者との意見交換会 |
うんなん医療見学ツアー 雲南市への移住を検討している医療関係者向けのツアー |
ぼくらの移住計画 東京・下北沢にて、地方への移住を検討している人向けのイベント |
雲南暮らしの情報発信中
雲南市の暮らしや取り組みを、雲南市定住サイト「ほっこり雲南」(http://hokkori-unnan.jp/)やfacebookページ「ほっこり雲南」(https://www.facebook.com/hokkoriunnan)で発信しています。是非、ご覧くださいね!
これからの課題
人口減少をくいとめるために
合併以降、雲南市の人口流出は続いており、特に20代~30代の世代を中心に、年間およそ150~200人減少し、人口の社会動態(転入者と転出者の差引)の改善が大きな課題となっています。
そのためには、地元出身者のUターン者や、20代~30代を中心とする子育て世代のIターン者を積極的に推進するほか、まちづくりの様々な分野で活躍できる人材の誘致・育成を積極的に行うことにより、地域の課題解決と発展につなげることが必要です。
移住定住に必要なもの
移住定住の相談を受ける中で、必ず聞かれる三つのキーワードがあります。それは「仕事」、「住環境」、「子育て・教育の環境」です。
「仕事」
雲南市の有効求人倍率は0.77倍(平成26年5月現在)で、島根県平均1.19倍(平成26年3月)より低い水準となっています。このため、更なる企業誘致や地元企業との連携強化による雇用の拡大、あるいは起業支援による新たな雇用の創出や、農林業などの担い手の確保と育成などが課題となっています。
「住環境」
市では、「空き家バンク」により移住定住のニーズに対応していますが、さらに地域との連携を強め、空き家の確保と活用を図ることが必要です。このほか、公営賃貸住宅の整備や民間賃貸住宅の建設を促す施策、若者にとって魅力のある分譲宅地の造成なども必要となります。
「子育て・教育の環境」
近年の若い世代では共働き世帯の割合が増えており、働きながら子育てできる環境を整えることがより一層重要になっています。このため、保育所の拡充や幼保一元化による受入れ定員を増やすことにより、保育所の待機児童を解消し、さらには、より良い保育環境のの整備などが必要となっていきます。
教育については、キャリア教育を推進するなど、雲南市は地域や関係のみなさまの協力により、先進的な教育を実践してきました。今後、さらに高校や地域、企業とつないだ新たなキャリア教育を展開していきます。
積極的な移住定住策を
地域課題の一つでもある過疎化、少子高齢化に対応するためにも、移住定住対策を進めていく必要があります。
雲南市では、三つの大きな課題を解決していくために、今後より積極的な取り組みをすすめてまいります。
また、具体的に事業をすすめていくうえで、地域自主組織のみなさまやまちづくり団体のみなさまと、ともに取り組んでいくことが必要です。
現在、平成27年度からむこう10年の雲南市のまちづくり指針となる第2次総合計画を策定中です。市民のみなさまからの具体的な提案をお願いします。
(問い合わせ)地域振興課 電話0854-40-1014