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市報うんなん2014年7月号

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雲南市市政懇談会

今年度の市政懇談会は、次のとおり市内8会場で開催します。
今回は、「市政10年の振り返りと今後のまちづくり」について、市民の皆様との対話を行うことにしています。たくさんの市民の皆様のご参加をお待ちしています。

市政懇談会の日程

開催町 会場 開催日時
大東町 塩田交流センター 7月10日(木曜)午後7時~
掛合町 掛合総合センター 7月15日(火曜)午後7時~
三刀屋町 三刀屋交流センター 多目的ホール 7月17日(木曜)午後7時~
吉田町 吉田健康福祉センター 7月24日(木曜)午後7時~
大東町 春殖交流センター 7月28日(月曜)午後7時~
吉田町 田井交流センター 7月29日(火曜)午後7時~
木次町 チェリヴァホール 大会議室 8月4日(月曜)午後7時~
加茂町 ラメール ふれあいホール 8月5日(火曜)午後7時~
※開催日順
※どこの会場へ参加されても構いません。

※市政懇談会で説明する「市政10年の振り返りと今後のまちづくり」は、雲南夢ネットの番組で7月3日(木曜)、17日(木曜)、31日(木曜)に放送し、市民の皆様に事前に情報提供しますので、ぜひご覧ください。
また、子育て世代の皆様にも安心して参加いただけるよう各会場に臨時の託児所を開設します。なお、託児所を利用される場合は、開催日の3日前までに開催町の総合センターへ申込みください。

市長あいさつ

これまでの10年。市民の皆様には、地域自主組織の活動など雲南市のまちづくりに本当に頑張って取り組んでいただきました。また、厳しい財政状況のなか、施設使用料や補助金の見直し、あるいは公共事業の圧縮など、あらゆる面でご協力いただき、財政も健全化してきたところであります。
これからのまちづくりに向け、第2次雲南市総合計画策定委員会では、持続可能な地域づくりのため、人口の社会増をめざすことが重要であるとされています。
私も同感であり、今後、全力で人口の社会増をめざす決意であります。そのためには、「安全・安心」「活力と賑わい」「健康長寿・生涯現役」などをめざしたまちづくりをすすめ、特に20歳代・30歳代を中心とした子育て世代に向けた施策を積極的に行います。
市民の皆様にも、地域の課題解決に向けこれまで以上に取り組みをお願いします。

1.私たちが歩んできた10年

1 「協働・行政経営」分野のこれまでの歩み

市内全域に地域自主組織が設立され、地域の振興・発展のため、NPO法人やまちづくりグループ、行政と協働して課題解決に向けた取り組みが進められています。
また、田舎暮らしをトータルサポートする専属スタッフ(定住推進員)を配置し、平成25年度までに619人の定住実績を積み上げています。
一方、市は平成17年4月に「財政非常事態宣言」を発し、普通建設事業の圧縮や補助金の見直し、職員数や人件費の削減など、市民の協力により財政健全化を進め、平成24年3月31日に宣言を解除しました。
さらに、他の自治体と連携し、国に対し様々な制度改正を要望し、実現してきています。

【主な取り組み事例】
◆地域自主組織の設立(43組織[H26.4.1現在])
◆交流センターの整備
◆定住推進員や空き家バンク制度等を活用した移住・定住の促進
 ※H17~H25年度実績【240世帯、619人(うち市外からの移住145世帯、355人)】
◆財政の健全化及び国への制度改正要望(交付税制度など)
 ※交付税の復元見込み11億2千万円
◆男女共同参画都市宣言(H25.9.30)

2 「定住環境」分野のこれまでの歩み

道路、上下水道など社会資本の整備水準の均衡に努めてきました、
住環境の面では、市営住宅の改修と建設を促進するとともに、関係機関と宅地開発を進め、約180区画の整備・分譲をしてきました。
さらに、市民バスは地域の実情に合わせ、デマンド運行などのきめ細やかな運行に努めています。

【主な取り組み事例】
◆計画的な道路網整備
◆高速道路松江自動車道全線開通(H25.3.30、延長71.6km)
◆水道未給水地及び下水道整備の促進
◆市営住宅の改修、建設
◆良好な住宅地の提供及び新築住宅に対する固定資産税の課税免除の制定
◆だんだんタクシーや福祉タクシー等多様な交通サービスの提供(デマンドバス11路線、61便)
◆携帯電話不感地域の改善(27基地局整備)

3 「保健・医療・福祉」分野のこれまでの歩み

子育て支援では、保育サービスの充実、保育料の軽減や小学校卒業までの医療費無料化など、保護者の経済的負担の軽減を図ってきました。
高齢者、障がい者福祉では、相談支援の充実や施設整備によるサービス提供体制を強化するとともに、在宅福祉の充実を図り、新たな認知症対策も取り組んできました。
保健医療では、市立病院の改築に着手したほか、地域運動指導員(194人)や食生活改善推進員(53人)を育成し、健康づくり推進協議会が中心となって健康づくりや介護予防を推進してきました。

【主な取り組み事例】
◆雲南市立病院の健全経営と改築に着手
◆身体教育医学研究所うんなんの設立と健康づくり団体等との協働による健康づくりの推進
◆地域包括支援センターの充実等による相談体制の充実
 (高齢者相談件数15,215件(H25)、認知症サポーター養成 延べ4,925人)
◆子ども医療費無料化(H22.4~就学前まで、H25.7~小学校卒業まで)
◆保育料の軽減(第3子以降3歳未満児保育料の2分の1軽減、5歳児の基準額の上限設定)
◆待機児童解消のため、幼保一体化施設「木次こども園」の開園(H25.4.11)

4 「教育・文化」分野のこれまでの歩み

全国に先駆け、教育支援コーディネーターや社会教育コーディネーターを全中学校区(各7人)に配置し、『夢』発見プログラム(キャリア教育)を進めるなど、全国に誇れる特色ある教育施策を展開してきました。
一方、園児、児童数の減少(H17 3,070人⇒H26 2,222人 △848人)から、適正配置に向けた幼稚園、小学校の統合を進めてきました。また、市内全校への太陽光発電システムの設置や全施設の耐震化をいち早く完了するなど、教育環境の整備に努めてきました。

【主な取り組み事例】
◆「夢」発見プログラムの実践(ふるさと学習、職場体験学習、弁当の日の実施等)
◆教育支援・社会教育コーディネーターの配置
◆学校施設の耐震化(H25耐震化率100%)及び市内全28校に太陽光発電システムの設置
◆加茂岩倉遺跡の国宝指定(H20.7.10)及び菅谷たたらの改修

5 「産業振興」分野のこれまでの歩み

農業では、生産基盤の整備・保全に努め、意欲ある経営体の育成などの様々な農業振興対策を講じてきました。
商工業では、産業振興センターを設立し、企業立地や新産業の創出を図り、雲南市農商工連携協議会による地域資源を活かしたプロジェクトを進めてきました。また、高速道路の開通に伴い、道の駅「たたらば壱番地」を整備して観光客誘致に努めてきています。
一方、平成23年度には「たたらの里山再生特区」による雲南ブランド化プロジェクトの推進や里山の利活用に戦略的に取り組むこととなりました。現在、木質バイオマスエネルギーの利用拡大を図っています。

【主な取り組み事例】
◆産業振興センター設立による企業立地の推進
 (33件の企業立地認定、776人の新規雇用計画)
◆産業振興のための「プレミアム商品券」の発行や「軽トラック市」の開催。
◆出雲神話やたたら、映画「うん、何?」との協働や高速道路松江自動車道などを活かした観光の振興。
 (H18年観光入込客数63万人⇒H25年観光入込客数143.8万人)
◆農商工が連携した「スパイス・スイーツ・たまご」などのプロジェクトによる新商品の開発。
◆ほ場や農道などの基盤整備、集落営農組織や認定農業者など「担い手」の育成
◆たたらの里山再生特区による里山の再生をめざした木質バイオマスエネルギー事業の取り組み。

2.雲南市の課題

「1.私たちが歩んできた10年」で述べてきた取り組みを進める一方、市の財政健全化も果たしてきました。
こうした中、これからは、何と言っても、持続可能な地域づくりのため、人口の社会減を食い止め、社会増を進めます。

人口の推移

雲南市の財政状況(単位:億円)
  H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24
地方債残高(普通会計) 556.4 541.8 520.2 496.8 472.8 442.8 409.0 382.8
基金残高 65.9 63.5 60.7 62.0 71.3 85.9 92.6 100.5
収支不足額(基金繰入額) △10.2 △4.3 △4.4 △1.2 0.0 0.0 0.0 0.0

地方債:道路や学校などを建設する場合のように、長期間にわたって多くの市民が利用することができ、多額の費用が必要なもののために、市が政府・銀行などから調達する長期的な借入金。

基金:財政調整・減債基金のほか、永井隆博士顕彰基金、木次さくらのまちづくり基金などの特定の目的を計画的に実施できるように積み立てた基金の合計額。

3.これからのまちづくり

雲南市では、平成27年度から向こう10年間を見据えた、第2次総合計画を策定中です。総合計画策定委員会(加藤一郎委員長ほか19人)で議論している第2次雲南市総合計画(案)の概要をお知らせします。

「生命(いのち)と神話が息づく 新しい日本のふるさとづくり」

「課題先進地」から「課題解決先進地」へ

1 総合計画基本理念案(要約)

私たちは、自治体合併を選択し、平成16年11月雲南市が誕生しました。そして、「生命と神話が息づく新しい日本のふるさとづくり」をまちづくりの理念に掲げ、笑顔あふれる地域の絆、世代がふれあう家族の暮らし、美しい農山村の風景、多彩な歴史遺産、新鮮で安全な食と農という私たちのふるさとが継承してきた5つの恵みを、さらに磨き高め、交流を盛んにしていこうとまちづくりに踏み出しました。

そして、この10年、5つの恵みを活かし、地域自主組織の創意工夫した地域づくりや、どこにも負けないキャリア教育、雲南ならではの産業振興など様々な分野への取り組みが始められています。一方、次世代の育成や、私たちの思いをもっと外へ伝えていくということが不十分であるという課題も生まれています。

これからの10年。私たちは力を合わせて課題を乗り越えるという合併時の決意を忘れず、さらに歩みを進めます。
人口減少の中、安全・安心に暮らしていくための支え合いの仕組みづくり。そして、何よりも持続可能な地域に向け、人口の社会減を食い止め、社会増をめざした挑戦。
私たちは、雲南市が継承してきた恵みを活かし、助け合い、情報を共有し、互いに学び合い、そして、外へ伝え、外とつながっていくことで、これらの課題に立ち向かいます。

私たちは、「人と自然と歴史と食の幸」を受け継いできたことに感謝し、大切にしていきます。

私たちは、その幸を活かし、市民力を結集し、課題に立ち向かいます。

私たちは、挑戦を通し交流を生み出し、世界につながります。

2 めざす姿

(1)雲南市の挑戦
雲南市は、人口の社会増を最優先の課題として取り組みます。そのためには、「安全・安心」「活力と賑わい」「健康長寿・生涯現役」などをめざしたまちづくりをすすめます。
「課題先進地」から「課題解決先進地」へ。多彩な地域づくり組織(※1)や市民、行政が協働して未来を創る。私たちは、失敗を恐れず挑戦します。

※1 地域づくり組織・・・地域自主組織や、NPO法人、まちづくり団体などを総称していう。

(2)分野ごとの将来像
◆みんなで築くまち(協働・行政経営)
私たちは、地域づくり組織に参画し、さまざまな地域課題の解決に挑戦します。また、訪れる人も住みたくなる魅力あふれるまちをめざします。
行政は、地域づくり活動や若者のチャレンジを支援する一方、中間支援組織(※2)の育成など、時代を先取りする行政経営に挑戦します。

※2 中間支援組織・・・行政と地域の間にたって様々なまちづくり活動を支援する組織のこと。

◆安全・安心で快適なまち(定住環境)
私たちは、美しい農山村の原風景を守る活動や、再生可能エネルギーの活用に取り組みます。
行政は、安全・安心のための生活基盤の整備等のほか、自然災害や原発事故などに備える体制の整備をすすめ、地域自主組織の自主防災・防犯の活動を支援します。また、定住のための住宅行政を一層、すすめます。

◆支えあい健やかに暮らせるまち(保健・福祉・医療)
私たちは、住み慣れた地域で支えあいの輪を広げ、健康で生きがいをもち、安心して暮らせるまちをめざします。
行政は、医療体制を充実するとともに、介護サービス・障がい者福祉サービス基盤の充実を図り、事業者とともに、自立に向けた支援をします。また、子育てしやすい環境を一層、充実させます。

◆ふるさとを学び 育つまち(教育・文化)
私たちは、子どもたちが人権を尊重し、確かな学力と健康・体力、豊かな人間性、社会を生き抜く力を身につけるよう総力をあげて取り組みます。若者たちは、いきいきと未来を語り合い、その個性と能力を発揮し、まちづくりに参画します。
また、芸術・スポーツを振興するとともに、まちの文化を学び、磨き、その価値を多くの人に伝えることで、ふるさとに誇りをもった人を育てます。

◆挑戦し活力を産みだすまち(産業)
私たちは、地域資源を大切にし、6次産業化や地場産業の連携、農商工連携の活動を一層強め、地域経済の好循環を生み出す取り組みをすすめます。また、地域資源をさらに磨きあげ、積極的に市外へ伝え、交流を拡大し、産業として育てるよう努めます。
行政は、企業立地のための環境整備に努め、経営者の活力ある産業振興に向けた挑戦を支援します。

3 『人口の社会増』への挑戦

(1)私たちの挑戦
私たちは、前期計画(H27~H31)期間中に、社会動態による人口の減少を食い止め、後期計画(H32~H36)期間中には増加に向け挑戦します。

(2)人口の現状
雲南市の総人口は、合併時(平成16年11月)の45,019人から減少し続けています。このまま推移すると、基本構想の目標年度となる平成36年には、35,029人になると推測されます。
特に、20歳代・30歳代の市外流出が大きくなっています。高等教育機関がないことから、18歳から22歳にかけての転出がすすみますが、その後のUターンが弱いことが原因です。そこで、この世代を対象とする施策を強力にすすめます。

年代別原因者社会動態(平成25年人口移動調査)

(3)人口増に向けた施策
私たちは、20歳代・30歳代を中心とした子育て世代に向けた大胆な施策を進めるとともに、市外流出の抑制、移住・交流人口の確保に取り組みます。特に、子育て環境の向上、質の高い教育の提供、雇用や住宅施策などを優先的に推進し、転入人口の増加を誘導します。さらに、「人づくり」「仕組みづくり」「若者誘致」をすすめ、若者がいきいきと課題解決にチャレンジするまちをめざします。雲南市は、若者が失敗を恐れず挑戦していくための支援や活動の場づくりを行います。
雲南市の若者と全国から集まった若者が、市民とともに雲南市の課題を解決していく「課題解決先進地」に挑戦します。


もしもに備えて

防災情報

急病時の医療機関