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市報うんなん2015年3月号

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雲南病院だより

『あなたの勇気で助かる命があるのです』~助かるはずの命を助けるには~

心臓突然死でなくなる方は年間6万人と言われています。体育の授業中、スポーツの最中など、心臓突然死はいつでも誰でも起こりうる可能性があります。さっきまで元気だった大切な家族が、友人が倒れた時にあなたは何ができるでしょうか?こわくて何もできない方々が大半でしょう。
雲南地域では救急車が到着するまでの平均時間は15分です。その間私たちにもできることがあることを、是非知っておいていただきたいのです。東京マラソンで倒れた人がAEDで救命されたり、野球ののボールが胸にあたった高校生がAEDで救命されたという報道もあります。
胸骨圧迫(心臓マッサージ)、AEDのやり方をぜひマスターしましょう。

【一次救命処置の手順】

【胸骨圧迫・AED蘇生法】
胸骨圧迫(心臓マッサージ)
・強く!早く!
・少なくとも5センチは圧迫する
・少なくとも1分間に100回のテンポで
・胸を毎回元の位置に
・圧迫の中断は最小限に
AED(心臓救命装置)
・まず電源を入れる
・音声指示に従う
・ショックを行うときは誰も患者に触れていないことを確認する
・ショックの後はすぐに胸骨圧迫を開始

▲胸骨圧迫部位(乳頭と乳頭を結ぶ線の真ん中)

私たち医療従事者も、救急処置が必要な場面に遭遇した時に適切な行動がとれるよう、院内・院外の研修会へ参加し、常にスキルの維持に努めています。昨年行われた島根メディカルラリー(島根県内の医師や看護師、消防隊員らで編成した医療チームが、災害現場での救助活動技術を競う大会)に参加し、雲南市立病院・飯南町立飯南病院・雲南消防署で編成した雲南チームは3位になりました。
また、市民の皆さんに少しでも救急時の対応を覚えてもらえるように、病院祭で心臓マッサージ、AED体験コーナーのブースを開設したり、出前講座で指導したりしていますので是非ご活用ください。


▲院内研修会の様子

▲病院祭の一時救命処置コーナー

▲島根メディカルラリーの様子
 

助産外来『ここまち』

平成26年4月に助産外来『ここまち』がスタートしてから、1年が経とうとしています。今回は助産外来の活動や利用者の声などを紹介します。

助産外来とは?

助産外来では、正常経過の妊娠婦の健康診断と保健指導を助産師が自立して行います。近年の産科医不足や分娩施設の現象といった社会的背景をうけて、全国的にこのシステムを導入する病院が増えています。厚生労働省も「産科医の負担軽減」や「妊娠婦への多種多様なニーズへの対応」といったメリットがあることから助産外来の普及を支援しています。
通常医師の診察では、妊娠の経過に異常がないかチェックすることがメインですが、助産外来では妊婦さんが本来持っている自然の力(セルフケア能力)を発揮しやすいように、生活や食事改善のアドバイスなどに力を入れているところが特徴です。また平均診察時間も30分と、医師と比べてゆっくりと対応できるため、日ごろ聞きにくいことを質問したり悩みを打ち明けたりしやすい場でもあります。
このような社会的な流れの中、雲南市立病院での助産師が中心になって「ぜひ雲南に助産外来を立ち上げたい」と数年前より計画し準備を進めてきました。たくさんの方のご協力を得て、平成26年4月2日に助産外来ここまちが産声をあげました。現在、島根県内では9つの助産外来が誕生しています。

ここまちの実際の活動

ここまちでは、正常な経過の妊婦さんの妊婦健診、母乳育児相談や乳房ケアなどを行っています。毎週水曜日の午後行っており、予約が必要です。診察時間は一人平均30分で、妊婦さんの中には日ごろ聞けないような小さな疑問を、メモにしてこられる方もおられます。雲南市民の方は、育児相談のみなら初回受診料無料ですので、雲南市立病院以外で出産された方も、お気軽にご利用ください。

利用した方の感想

皆さんの声を反映し、よりよい助産外来を運営するために、受診された方にアンケートをお願いしています。今回そのアンケートより一部利用された方の感想を紹介します。

・優しく話を聞いてもらいアドバイスがもらえて嬉しかった。
・先生より聞きやすくてよかった。
・出産に向けてお世話になる助産師さんと話しができる機会が増えて良い。
・一人ひとりに1対1でアドバイスしてもらえるという安心感がある。
・出産に向けて近い存在に感じるので、安心感に繋がる。

ここまちを担当している助産師も、妊娠中から関わることで妊婦さんの不安や希望、家族のことなどが分かり、お産やその後の母乳育児のケアの充実に繋がっていると実感しており、忙しい中でもやりがいを感じながら妊産婦さんと接しています。


▲育児相談の様子

ここまちの利用状況(平成26年4月~12月) 【単位:人】
20週
妊婦健診
34週
妊婦健診
育児相談 育児相談+
マッサージ
合計
18 22 7 22 69

助産外来『ここまち』
【日時】毎週水曜日13時~16時
【場所】産婦人科外来
【予約受付時間】平日13時~16時(事前の予約が必要です)
【問い合わせ先】雲南市立病院3階西病棟 電話0854-43-2396

平成26年度医療機器購入一覧表

No 設置部署 機械器具名 No 設置部署 機械器具名
1 内科 下部内視鏡システム 14 検査技術室 全自動血液分析装置
2 眼科 光干渉断層計 15 全自動最近検査システム
3 皮膚科 最小紅班量・最小光毒量測定装置 16 デジタル脳波計
4 看護部 ホットパックハイドロタイザー 17 筋電図・誘発筋電図計
5 スケール付ストレッチャー 18 小型便潜血分析装置
6 2階病棟 電動診察台 19 システム顕微鏡
7 3階西病棟 分娩台 20 薬剤科 薬剤科システムサーバー
薬袋発行システム
8 分娩監視装置 21 薬用冷蔵ショーケース
9 透析室 血圧監視装置 22 栄養管理科 スチームコンベクションオーブン
10 中央手術室 LED無影灯 23 器具消毒保管庫
11 薬用冷凍冷蔵庫 24 厨房用冷蔵庫3台
12 過酸化水素低温滅菌器 25 ガステーブル
13 体外式デマンドペースメーカー 26 DMAT 携帯型人工呼吸器

※1 DMAT(ディーマット):災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム

今年度は老朽化した機器の更新を中心に行いましたが、その中でも新規に購入した機器について紹介します。

(2)光干渉断層計(ひかりかんしょうだんそうけい)

眼科外来で使用する機器で、眼底に弱い赤外線を当て、反射して戻ってきた波を解析することにより、針を刺したり造影剤などを使うことなく、安全に目の組織の断面像を観察することができる検査装置です。現在も増加傾向にある加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)(※2)をはじめ黄斑疾患や緑内障の早期発見が行えることから患者さんにとっても有用であることから、この機器を導入しました。

※2 加齢により網膜の中心部である黄斑(視覚の最も鋭敏な部分)に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気。


▲光干渉断層計により検査を行っている様子

(12)過酸化水素低温滅菌器

中央材料室(診療器材の洗浄・消毒・滅菌を行う部署)で使用する機器で、病棟や外来・手術室等で使用された器材の滅菌を行う機器です。過酸化水素を使用して殺菌し、従来の機器に比べ短時間で行うことができます。また滅菌後、過酸化水素は水と酸素に分解されるため人体への影響軽減や周囲の環境保全にもつながるようになっています。従来の滅菌方法は、高温の蒸気によって殺菌する高温蒸気(オートクレーブ)滅菌とガス(酸化エチレンガス)で殺菌するEOG滅菌により行っていました。特にEOG滅菌は滅菌に使用される酸化エチレンガスは発がん性やオゾン破壊の影響があるとされているため、より安全に作業ができるようこの機器を導入しました。


▲過酸化水素低温滅菌器により滅菌を行う様子

雲南市立病院 奨学生募集

◆奨学金制度の目的は
 看護師及び助産師を志す人に奨学資金を貸与し、修学を容易にすることにより、安定的な看護職の養成を図ることを目的としています。

◆貸与することができる人は
 高等学校を卒業し看護大学、助産師学校、看護短期大学、看護学院(以下「看護学校」という。)に入学が決定した人及び看護学校に在学中の人。

◆奨学資金の額は
 奨学資金の額は、月額5万円とします。

◆貸与期間は
 奨学資金の貸与期間は、看護学校に在学する期間とします。

◆貸与人数は
 貸与人数は、各学年3人を目安としています。

◆奨学資金の申請は
 奨学資金の貸与を希望する人は、雲南市立病院看護師等奨学資金貸与申請書を、3月13日(金曜)までに総務課へ提出してください。

◆貸与の決定は
 貸与については、申請者の審査及び面接を行った上で決定します。

◆返還の免除は
 看護学校を卒業後、看護師及び助産師として、雲南市立病院に継続して6年間勤務した人。

この制度についての詳しい内容は下記まで問い合わせください。
雲南市立病院 総務課総務係 電話0854-43-2441

院内サロン ふれ愛

【3月・4月の開催日】
 3月13日(金曜)・27日(金曜)
 4月10日(金曜)・24日(金曜)
【時間】
 午後1時30分から3時30分
【場所】
 雲南市立病院 南棟2階 ドック検診室

お気軽にお越しください。

病気についての不安を抱える患者さま・ご家族の交流の場であり情報交換・学習の場です。参加費等は必要ありません。
どなたでも自由に参加できるサロンです。

問い合わせは・・・雲南市立病院 保健推進課 電話0854-43-3602


もしもに備えて

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