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市報うんなん2015年1月号

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特集「未来へつなぐ うんなんの輪」

9月号でお知らせした「若者がチャレンジするまち」に続き、今年度から、新たに高校生や社会人のみなさんとの連携により、さらに人とのつながりが強くなった「雲南市のキャリア教育」と「うんなん若者会議」を紹介します。

「ナナメの関係」~教育と社会人の連携~

雲南市では、夢や希望を持ってたくましく生き抜く子どもの育成を目指す「キャリア教育」を行っています。
学習意欲を向上させ、将来への夢や希望を持つ子どもを育成するためには、自己肯定感、自尊感情を高めることが重要です。そのためには、先生や親といった「タテ」の関係ではなく、同じ考え方になりやすい友達との「ヨコ」の関係でもない、人生を少し先行く先輩との「ナナメ」の関係が有効であることに着目し、今年度から「ナナメの関係」を取り入れたキャリア教育を展開しています。
この取組の特徴は、生徒たちが年齢の近い先輩たちとの交流の中で、安心して活動し、かつ本音が語れる関係を築くとともに、話を聞いたり自らの体験談を語ったりすることにより、「自分の話を聴いてもらえた」という体験や「こんな大人になりた」という憧れが、将来へ踏み出す意欲を喚起する効果があることです。

幸雲南塾inさんべ
▲幸雲南塾inさんべ

【認定NPO法人カタリバ】
2001年任意団体カタリバを設立し、高校生のためのキャリア学習プログラム「カタリ場」を開始。2006年には法人格を取得し、全国約800の高校、約170,000人の高校生に「カタリ場」を提供しています。

【ALARE(アラーレ)】
「自分をつくり、時代をつくる」を合言葉に、20~30歳代の若手社会人の有志により2012年任意団体ALAREを設立。メンバーは、東京、名古屋、徳島、愛媛、岐阜、島根など全国各地から集まり、社会の第一線で働きながら、全国の高等学校や学習塾での出張授業などを行っています。

中学生×カタリバ 幸雲南塾inさんべ

平成21年度から実施している「幸雲南塾inさんべ」は、「『夢』発見プログラム」の取組の一環として、中学生の勤労観、職業観、仲間意識、コミュニケーション能力やふるさと雲南への自信と誇りを高めることを目的に行っています。
今年度は、市内の中学3年生100人と大学を含む認定NPO法人カタリバ(代表理事 今村久美(いまむらくみ)さん)のメンバー28人が参加し、9月20日~21日(1泊2日)に、国立三瓶青少年交流の家で行いました。
メインプログラムの「白熱教室」では、大学生を中心にした座談会を行い、先輩たちの多様な価値観や“自分は他人と違う、他人は自分と違う”ことを学びました。
市内外から15職種22人の講師を招き、仕事や人生について語る『キャリアアップワークショップ』では、勤労観や職業観について学びました。
最後に、生徒たちは2日間学んだことをもとに“今、自分にできること”を自分の言葉で、一緒に過ごした仲間に伝えることができました。
生徒たちは、「違う意見でも受け入れるという、自分にとって大切なものが見つかりました」「自分のやりたいことや自分にとって大切なことが何かわかりました」などと感想を述べていました。

中・高校生×ALARE 自分をつくる楽校(がっこう)

今年度から、土曜学習として市内の中学3年生と高校生の希望者を対象にした「自分をつくる楽校」(全6回)を行いました。
この楽校は、「社会には様々な価値観や選択肢があることを知り、自分を生かした将来像を描くこと」を目的に行い、ALARE(代表 渡部雄大(わたなべゆうだい)さん)のみなさんが座談会の進行役となり、生徒たちと一緒に今の自分やこれからの自分について語り合うプログラムです。
最初は緊張していた生徒たちも、社会人や仲間との交流を通して、だんだんと自分の思いを語ることができるようになり、最終回では、自分の将来の夢や生き方について、たくさんの聴衆の前で発表しました。
土曜日の活用により、多くの社会人や他校の生徒と交流ができ、「これからの自分を楽しくつくる」学習になりました。
参加した生徒は、「『自分をつくる楽校』で自分を変えることができた」「人前で発表することは苦手だったが、『自分をつくる楽校』に参加して自信を持って発表できるようになった」と語っていました。

ALARE渡部代表
▲ALARE 渡部代表

ALAREのみなさん

高校生×大学生×社会人 うんなん若者会議

うんなん若者会議2014

神在月に全国の神々が集まるという神話になぞらえ、多分野のゲストと市内外の若者が出会い、未来に向けて話し合う「うんなん若者会議」。
高校生・大学生・社会人が世代を超えて縁を結び、フラットに話し合い、刺激し合い、成長し合う場づくりを通じて、若者による地域づくり活動の活発化を目的に開催しています。
また、高校生が地域(社会)とつながるきっかけをつくるとともに、各ジャンルの第一線で活躍するゲストや、地域で活躍する大学生、社会人との出会いを通じて、自身の将来や進路を考える機会ともなっています。
今回は、市内外の大学生・社会人と市内の高校生合計約80人が参加して12月7日、加茂文化ホール「ラメール」で開催しました。
参加者が「食・場づくり」、「教育」、「医療」、「アート・演劇」の各テーマに分かれて、今、自分がやりたいことを話し合い、発表や意見交換を行いました。

グループの意見を発表する高校生
▲グループの意見を発表する高校生

ゲストコーディネーター(講師)からのコメント

【テーマ:教育】
NPO法人カタリバ代表理事 今村久美さん

私は出張や遠くに出かけた時などは、旅行情報誌などに載っていない様なお店に行きます。
その土地の人は、自分たちが行く「穴場」と思うお店は大切に隠しておくような気がしています。雲南市はそんな「隠しておきたい、とっておきの穴場」の様な街になれるんじゃないかと思いました。
そのためにも、高校生や大学生など若者がどんなふうにこの町に関われるかにかかっていると思います。「犬も歩けば棒に当たる」といいますが、ボーっと過ごすだけではチャンスは掴めない。今日のこの場に来たという事は巡り合いのチャンスを掴んだという事。楽しみながらこのチャンスを生かしてほしいです。

【テーマ:アート・演劇】
アーティスト ミヤザキケンスケさん

雲南のように若者からパワーを感じられる事はすごい事。自分の思いをどんどん言葉にして、「個性丸出し」でどんどんチャレンジしてほしいです。
将来の雲南市のために具体的な話も大切ですが、夢の様な事を語り合う事も大切。若者同士でもっともっと語り合って欲しいと思います。

【テーマ:食・場づくり】
NPO法人農家のこせがれネットワーク代表理事 宮治勇輔(みやじゆうすけ)さん

美味しいもの、美しい景色、よい温泉・・というのはどこの地域に行っても、たいていあるものです。一度訪れたあと、もう一回行きたいなと思う地域は、「もう一回会いたい人がいる地域」だと思います。雲南にはそんな地域になってもらいたいと思います。

【テーマ:医療】
NPO法人おっちラボ代表理事 矢田明子(やたあきこ)さん

全国で活躍する人たちと地元の若者・高校生が一つのフロアで「地域づくり」をテーマに話し合えるような場があるのは県内唯一ではないでしょうか。今日の出会いを宝物としてほしいと思います。
このきっかけを生かして自分のやりたい事に向かって一歩踏み出してほしいです。

(若者からの提案・感想)

グループで話し合った後、「乳がん・子宮頸がん検診啓発Tシャツを作成する」「地元の方や同級生と自分の夢や悩みについて語り合う場をつくる」「ネットを活用し雲南の食の幸を情報発信する」「桜まつりで空き家を活用した演劇をする」など、若者らしいアイデアを高校生が中心となって発表しました。
参加者からは「ふだんは話し合ったりするのは苦手だったが、他校の生徒や社会人と話し合うのは楽しかった」(高校生)、「自分よりも熱い想いを持った大学生、そして高校生がいることにとても驚き、自分も負けてたまるかと思った」(社会人)といった感想が聞かれました。

中・高校生×若者×先生 教育フェスタ

雲南市のキャリア教育は、社会を生き抜く力の育成であり、子どもたちが将来、職業的にも、社会的にも自立し、他者との協働を大切にしながら地域貢献をし、人生を豊かに生き抜く力を育む教育です。
11月8日、9日、三刀屋中学校をメイン会場に「教育フェスタ」を開催し、「つなぐキャリア教育の推進と土曜日の充実」をテーマに、学校教育と社会教育の協働による教育の推進についての講演や熟議を行いました。
9日に行った「ナナメの関係を活かしたキャリア教育の推進」では、「自分をつくる楽校」に参加した中学生が「価値観」や「大切にしているモノやコト」について発表し、高校生は「自分とは」、「将来の夢」や「どんな大人になりたいか」、「価値観」などについて自分の考えを述べました。
この「ナナメの関係」を活用した取組は、社会人や地域の方との協力により、来年度も継続して行う予定であり、さらに中学2年生を対象にした座談会「カタリ場」も行うなど、拡充した「キャリア教育」を展開する予定です。

うんなの未来へつなぐ

こうした取組が、高校生、大学生、若者、地域とのつながりがうまれ、学び、体験し、育っていくことが、持続可能な雲南市の地域づくり、雲南市の未来づくりへとつながっていくことと期待しています。

教育フェスタで発表する高校生とALAREのみなさん
▲教育フェスタで発表する高校生とALAREのみなさん

地域のみなさんの見守り

陶近年子どもたちを狙ったいたましい事件があとを絶たず、大きな社会問題にもなっています。
市内の各地域で、「子ども見守り隊」が結成され、安心して学校へ通えるよう、登下校する子どもたちを見守っていただいています。
この度、「下熊谷の子どもを事件から守る会(通称:くまっ子見守り隊)」(代表世話人 山本清治(やまもときよはる)さん)が、見守り活動や、子どもとの交流活動など、社会教育としての自主的な取組が高く評価され、文部科学大臣表彰を受賞されました。
今後も、雲南市の子どもたちの安全のために、地域のみなさんのご理解とご協力をよろしくお願いします。

下熊谷での見守りの様子
▲下熊谷での見守りの様子
伝達式の様子(速水市長と山本代表)
▲伝達式の様子(速水市長と山本代表)

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