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さくら色々 最終回

市報うんなん2013年6月号

 
さくら色々 最終回

昨年7月号から、さくらに関する知識や「さくら守」として年間を通して手入れをする中で、経験したことを紹介してきましたが、今回が最終回となりました。1年間ありがとうございました。

 
   
 さくら守 遠田博 さん
新たな取り組み
桜の品種の一つに笹部桜と言うのがあります。これは、桜博士と言われた笹部(ささべ)新太郎(しんたろう)さんが、ソメイヨシノに代わるさくらを造り出したいと努力され生まれたさくらです。
このさくらは、成長が早く木も大きくなり、花は半八重(花弁6~20枚)で、花の色が咲き始めは白色で咲き進むにつれてピンク色に変わるという特徴があります。
笹部桜は全国でも雲南市(木次町)に最も多く植えられております。それは、笹部さんからこの桜の増殖・普及をまかされた久野(くの)(とも)(ひろ)さんと旧木次町が交流する中で、久野さんも高齢になられたこともあり、増殖・普及を図ることを条件に、木次町が苗木のすべてを譲り受けたことによるものです。
譲り受けたさくらは、久野川沿い、下熊谷公園、健康の森などに植えられており、毎年きれいな花を咲かせております。
ここからは、譲り受けの条件であった笹部桜の増殖・普及を図るための取り組みを紹介します。
 
久野川沿いの笹部桜 
 久野川沿いの笹部桜 
  
 1.これまでの取り組み 
(1)優良個体の特定
笹部桜として譲り受けた苗木には、種から育てた実生苗(遺伝的形質にばらつきがあるもの)と接ぎ木苗(クローン:親木と同じ形質を備えたもの)があり、それが前述の植栽地に明示しないで植えてあります。個々に観察すると花の色や花弁の枚数が異なっており、笹部桜本来の特徴を備えた個体を特定する必要があることから、平成2122年に個体ごとに調査を行い、32個体を優良個体として確定しました。
(2)優良個体からの増殖
平成23年度からは優良個体の増殖を試み、挿し木により23年度には4個体100本、24年度には5個体150本の苗木を得、これを苗畑で2年間育成し植栽可能な大きさにすることとしております。
     
 優良個体の名札    挿し付けて2年経過の苗木
 2.これからの取り組み

さくらを植栽するには、日当たりの良い広い土地が必要ですが、幸い平成24年度に完成した尾原ダムの周辺環境整備計画の中にさくらゾーンが設定されており、そこに植えるさくらの対象品種として笹部桜も入れていただいております。
その計画に基づき、下布施農村体験施設内にあるさくらゾーンでは、さくらを植栽するための客土などの作業を既に行っており、早いところでは平成25年度に植栽することとしております。そのほかにも植栽候補地があり、今後計画的に作業を進め、笹部桜の集団植栽地を造成していくことにしております。
(2)苗木の配布
挿し木による苗木の増殖が可能なことから今後は計画的に苗木を生産し、尾原ダム周辺への植栽の他に雲南市内各地のさくらの植栽適地には、希望があれば苗木を配布し笹部桜の普及を図っていく取り組みも考えております。
 
 
植裁地造成作業(尾原ダム残土処理地)
 
 
 今回を持ちまして私の「さくら色々」のコーナーは終了させていただきます。
1年間に渡りご愛読ありがとうございました。これからも雲南市のさくら保護育成に努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。

なお、さくら守の活動状況は、雲南市が新しく作りました観光サイト「うんなん旅ネット」(http://www.unnan-kankou.jp/)の桜守だよりに掲載しておりますのでご覧ください。
 
 
 

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