さくら色々 Vol.6
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このコーナーでは、さくらに関する知識や「さくら守」として年間を通して手入れをする中で、経験したことを紹介します。 |
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さくら守 遠田博 さん |
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寒さにめげず
よく、冬の寒い時期には仕事が無くて、さくらの花が咲く頃が忙しいでしょうと言われることがありますが、実はその逆で、冬が結構忙しいのです。
冬の仕事としては、まず剪定作業
があります。さくらを育てていく上では重要な作業です。特に若いさくらの木を理想の樹形に仕立てていくためには、欠かせない作業です。
また、てんぐ巣病やこぶ病などの病気に罹った枝や枯れ枝をこの時期に除去することにより、病気の拡大を防ぎ、健全なさくらを育てることにつながります。
もう一つの重要な仕事に、寒肥(かんごえ)の施肥があります。
斐伊川堤防桜並木の花はボリュームがあって見応えがあると、よそから来たお客さんに言われます。これも毎年この時期に欠かさずに施している寒肥の効果が大きいと考えられます。
近年、暖冬で雪が少なくなったとは言われますが、それでも年によっては、結構雪は降るし、気温が下がることもあります。
このような時期にこれらの作業を行いますが、作業日程を決めたら少々寒くても、雪があっても作業は行います。ただ、施肥だけは、鍬で地面を掘って行うので、あまり雪が多いと中止せざるを得ません。
特につらいのは剪定作業です。気温が氷点下にさがった日の朝は、指先が痛いぐらい冷たいうえ、伸ばすと5~6mで重さ3㎏程のアルミ製の長柄の鋸を使うので、アルミが冷えていてさらに冷たく感じます。その上、重くて長い鋸をもって、一日中、上を向いて作業をするので、首は痛くなるは、肩は凝るはで、なかなか大変な作業です。
このような作業を冬の間に行いますが、それでも三月の声を聞くとホッとするとともに、開花時期が気になりだします。 |
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施肥作業 |
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高所作業車と地上からの剪定作業 |
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