(5)布須神社・釜石(ふすじんじゃ・かまいし)
「御室山(みむろやま)。郡家の東北一十九里一百八十歩なり。神須佐乃乎命(すさのおのみこと)、御室(みむろ=神の御座所)を造らしめ給ひて、宿らせる所なり。故、御室と云ふ。」
(出雲國風土記より)
出雲國風土記に記載されている※1御室山(みむろやま)は、木次町宇谷と寺領にまたがる室山(むろやま)であると考えられており、※2布須社(ふすのやしろ)は室山の山腹に位置する布須神社(ふすじんじゃ)であるといわれています。
布須神社の祭神はスサノオノミコト、イナタヒメノミコトですが、ご神体は室山全体で、頂上付近に古代の人々が神が宿ると考えた盤座(いわくら)と思われる大きな岩塊があります。この盤座を拝むように拝殿のみが建てられている古い神社様式を残しています。
また、室山の麓にある岩は「釜石(かまいし)」といわれ、スサノオノミコトがオロチ退治の時「八塩折の酒(やしおおりのさけ)」を作らせた釜跡であると伝えられています。
※1 出雲國風土記に記載される御室山を大東町海潮の室谷地内の山とする説もあります。
※2 布須社は加茂町延野地内に鎮座する「布須神社(ふすじんじゃ)」ともいわれています。 |