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雲南病院だより

市報うんなん2011年10月号

 
◆禁煙に挑戦しませんか
雲南市立病院 内科 田中敬康
雲南市立病院
 内科 田中 敬康
 最近、多くの職場や公共施設で禁煙や分煙化が叫ばれるようになり、これを機会に禁煙をしようと考えている人が多くなっています。日本における喫煙率は、男性43%、女性12%で、男性の約4割強、女性の1割が喫煙をしています。
 国は、今後の課題として喫煙者を男性25%、女性5%に、減らすように目標設定しています。
 喫煙に伴う身体に及ぼす影響はどうでしょう。タバコの煙には、有害物質がたくさん含まれています。何と、4,000種以上の化学物質がふくまれ、200種以上は有害物質です。
 その中で3大有害物質と言われているのは、「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」です。
 ニコチンは依存症を作ります。タールには43種の発癌物質・発癌促進物質と毒性物質が確認されています。一酸化炭素は動脈硬化促進作用とともに低酸素血症を作ります。
 非喫煙者が吸うことになる「副流煙」には、主流煙に比べて有害物質が2~4倍多く含まれています。
 親がタバコを吸う場合、子どもは気管支喘息や気管支炎になる率が高くなります。
 そして、妊婦または夫の喫煙により、低体重児の生まれてくる率が高まります。
 喫煙者の死亡率は、男性で、1.55倍、女性で1.89倍高くなります。詳しく見ていくと、心疾患・脳卒中の死亡数は男性で1.41倍、女性で2.72倍と、かなり高い数字が確認されています。また、喫煙本数が増えるほど糖尿病の発症リスクが高まります。
 癌による死亡数は、非喫煙者より喫煙者のほうがはるかに高く次の表のように報告されています。 
肺癌  咽喉頭癌 
4.5倍  32.5倍 
胃癌  肝癌 
1.4倍  3.1倍 
 喫煙習慣とは、タバコをくゆらせて一件落着、さまざまな行動の締めに存在する喫煙をいいます。たとえば、食事の後、仕事の後などにタバコをくゆらせて終了という人を多く見受けます。「タバコを吸うとイライラが取れ落ち着きます」という人がいます。これは、ニコチン切れに対してニコチンを補給しているにすぎないのです。
 「やめたいのにやめられない」というのはニコチン依存症に陥っているためといえます。
 WHOは(世界保健機構)は、「喫煙は病気の原因の中で予防できる最大にして唯一の原因である」と言っています。自分自身の健康のため、更には家族の健康のため禁煙しませんか。禁煙外来治療中に、今までの喫煙習慣に変わる生活習慣を身につけ、禁煙を確実なものとしてください。
 禁煙すると直接的には、
 (1)咳、痰が止まります 
 (2)目覚めが爽やかになります
 (3)食べ物の味がよくなります 
 (4)息切れしなくなります 
 (5)呼吸が楽になります
 そして何よりも最大の効果は、自分自身が気持ちよくなるということです。
 また、経済的にも効果は絶大です。1日に一箱400円として1ヶ月で12,000円。1年で144,000円、10年で1,440,000円。1日二箱なら2,880,000円となります。煙とともに消し去るより有効利用を考えたらどうでしょう。
 診療活動に禁煙指導を日常的に組み込むことによってさまざまな喫煙関連疾患の予防や予後の改善に貢献したいと思っています。 
  
◆第1回 病院祭を開催しました 
 第1回雲南市立病院祭
第1回雲南市立病院祭 9月10日(土曜)に第1回雲南市立病院祭を行い、約350名の皆さまにご参集いただき、盛大に開催することができました。メイン会場では、オープニングイベントとして院内保育所「ほたるキッズ」の園児9名の自己紹介とくす球割を行いスタートしました。その後、島根県立中央病院、救急救命科部長の山森祐治先生による「フライトドクターが語る救急医療」と題した基調講演をいただき、6月から県内で運行が開始されたドクターヘリの概要や運行状況、今後の救急医療への課題などについてお話しいただきました。午後には、病院ボランティアの皆さんによる安来節ショーや病院職員有志で結成した合唱団とオーケストラによる演奏会を行い、たくさんの方々を楽しく和ましてもらいました。また、南棟4階では、専門職による各種相談コーナーや、縫合体験や内視鏡体験などの体験コーナー、病院の歴史展などの展示コーナーを設け、多くの市民のみなさまと交流することができました。今回はじめての試みではありましたが、多くの市民のみなさまにご来場がいただき職員一同たいへんうれしく思いました。今後も様々な形で市民のみなさまと交流し、よりよい病院作りを進めていこうと思います。 
  
◆平成23年度第1回改革プラン評価委員会開催報告
 第1回改革プラン評価委員会開催報告
 
第1回改革プラン評価委員会開催報告 8月25日、今年度第1回目の改革プラン評価委員会を開催しましたので、概要を報告します。この委員会は、総務省から示された「公立病院改革ガイドライン」に基づき作成した、改革プラン(当院ではステップアッププランと命名)の進捗状況の検証や評価を行う外部委員会で、改革プラン策定後3年間の評価が必要とされており、今年度が最後の年となります。
 今回の委員会では、ステップアッププランに基づき取り組んでいる、果たすべき役割の進捗状況と、平成22年度の経営状況(平成22年度決算)について報告しました。果たすべき役割では、8月1日から電子カルテシステムおよび画像配信システムを稼動したことや、医療出前講座「飛び出す!雲南病院講座」の開催状況、ケーブルテレビにおいて放映している病院特集番組「病院プレパラート」(H23.4より「メディカルガイド医診伝診に改名」の放映状況、医師・看護師確保の取り組み状況、地域医療人育成センターにおける取り組み成果などについて報告しました。経営状況につきましては、14年ぶりに黒字化が図れ、内部留保資金もステップアッププランの目標額を上回る積み立てができたことなど、順調に経営回復している状況について報告しました。
 委員の皆様からは、各種活動の成果や経営改善が図れたことなどについて評価いただき、松井病院事業管理者、大谷院長を中心に職員が一丸となって様々な取り組みがなされ、市立病院として新しく生まれ変わる姿が伝わってきていると、好評をいただきました。
  
◆電子カルテについて 
● 導入の経緯
 平成16年11月より総合医療情報システム(オーダリングシステム)を構築し、医師の指示等を紙伝票から電子的に行うよう整備いたしました。この時点で、電子カルテは次ステップの導入と位置付け、カルテは従来通り紙での運用を行ってきました。
● 導入の目的
 従来、外来カルテにおいては14診療科毎の紙カルテ、また入院カルテは入院毎の紙カルテでしたが、電子カルテ化することにより、外来および入院のしばりなく診療状況がパソコンで集中管理できるようになります。このことにより、チーム医療の充実による医療の質の向上や、医療の安全の向上を目的に導入することとしました。 
● 導入の内容
 次のシステム等を導入し、平成23年8月1日より稼働いたしました。
 1) 電子カルテシステム
 2) 分娩管理システム
 3) 病歴システム
 4) インシデント・アクシデントシステム
 5) 看護人事管理システム
 6) 画像配信システム(レントゲン画像、生理検査画像)
 7) 再来受付機システム
 8)患者認証システム(リストバンド)
 9)通信回線の光ファイバによる2重化
● 現状
 稼働にあたりましては、再来受付機の更新、或いは移行期の混雑等のため、たいへんご迷惑をお掛けしていることと思いますが、電子カルテが使えない等の大きなトラブルもなく稼働させることができました。
 現在、診療データの蓄積とともに電子カルテのメリットを実感しながらも、職員一同、問題点の整理、検討を行い、安全でスムーズな運用、そして皆様にご満足いただけるように取り組んでいるところです。
 今後も、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
  
◆健康管理センターからのおしらせ 
糖尿病教室 
日 時 平成23年12月4日(日曜) 10時~12時
場 所 雲南市立病院 4階大会議室
内 容 講演『合併症予防のために知っておくこと』 服部修三 統轄副院長
 『フットケアについて』 看護師
 スタッフによる相談会
 インスリン注射手技指導 
 ふだんの生活で役立つ講義です。相談会もありますのでお気軽にお越しください。予約の必要はありません。 
問い合わせ 雲南市立病院 保険推進課 電話0854-43-3602 
  
◆お知らせ 
 当院では本年度より、雲南夢ネットの番組で『メディカルガイド医(い)診(しん)伝(でん)診(しん)』を放映しています。
 内容は、病院内各部署での様々な取り組みについて特集を組んで放映しています。
 放映日は毎月第3土日曜日に放映しています。ぜひ、ご覧ください。
 雲南市立病院 総務課 
  
◆展示コーナーのご紹介 【9月の展示作品紹介】
9月の展示作品紹介
 
 
 
 
 

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