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雲南病院の市立化

 
雲南病院の市立化

 
公立雲南総合病院を市立病院とすることについて、雲南市の取り組みを報告します。
 
 
地域医療対策室 0854‐40‐1018
 
現状
公立雲南総合病院は、昭和23年3月、雲南共存病院として開設され、昭和36年4月に大東町外9ヶ町村雲南共存病院組合の管理による自治体病院となりました。現在、雲南市、奥出雲町及び飯南町による一部事務組合を構成し、内科、外科を始めとする14診療科目、一般病床204床、療養病床48床を含め334床の入院病床を有し、雲南圏域の2次医療の提供を行っています。

近年の公立病院にとって、平成14年改定以降診療報酬がマイナスとなっていることや新医師臨床研修制度の導入に伴う医師の不足等による経営悪化が大きな課題となってきています。雲南病院も経営が悪化し、平成19年度に構成市町の新たな負担が必要となりました。

こうした中、平成20年2月に奥出雲町、飯南町から一部事務組合を脱退したいとの意思表示がありました。奥出雲町と飯南町はそれぞれ町立病院を抱え、雲南病院を支える新たな負担が困難な状況です。
 
市立化の検討
平成20年度、雲南市は関係機関と(1)市立化に伴う雲南市への影響、(2)市立病院化する上での調整事項を協議してきました。

昨年10月には、地域医療対策室を設け、市立病院の検討と病院の健全経営に向けた取組みを強化しています。その中で、コンサルタントによる病院の診断を行い、今後の病院のあり方について、広く意見をうかがう機会として「公立雲南総合病院あり方懇談会(雲南保健所長・永岡秀之座長ほか委員12人)」を開催しました。そこで出された意見を踏まえ、雲南市は、市民が安心して生活していくためには地域医療の存在は不可欠であり、公立雲南総合病院の医療機能を存続させるため、一部事務組合を解散し、雲南市立病院とする方針を示しました。
 
市立病院開設に向けて
(1)病院の機能
市立病院は、市民のみなさんに安定した医療を提供できる体制を維持していくため、
○住民・患者に選ばれる病院
○1次医療機関(開業医)に選ばれる病院
○医師看護師に選ばれる病院
をめざします。そのために、次の項目に重点を置いた医療の提供を行います。

(1)市民生活の安全安心のための医療充実に努めます
地域医療の拠点病院として急性期の医療、救急医療体制を維持していきます。
(2)高度先進医療及び地域医療機関と連携を強化します
松江市や出雲市の3次医療機関(高度医療)との連携や市内1次医療機関(開業医)との連携を図り、急性期と回復期の中心的な役割を担います。
(3)地域保健の充実と介護・福祉との連携に努めます
市の保健、福祉と一定化した地域医療サービスや糖尿病などの生活習慣病の重要化予防に力をいれます。
(4)地域医療を安定的に提供するための健全経営に努めます
病棟再編や診療科の見直し、人材育成等を図り、経営の効率化により、経営基盤の強化に努めます。

(2)運営形態と市立病院移行時期
病院の運営形態は、地方公営企業法の一部適用や全部適用、地方独立行政法人、民間活力を生かした指定管理制度や民間移譲等があります。その中で、病院の経営責任が明確化や時代の変化に併せた迅速な対応が可能であり、市(行政)の意思が反映され、病院への直接的な関与と支援ができる、地方公営企業法全部適用を選択しています。

現在、一部事務組合の管理者は雲南市長ですが、地方公営企業法全部適用では、業務執行権及び代表権を持った事業管理者を置くことができます。これにより、病院の自立的な運営を確保するなかで健全経営に向けた取組みが図られます。

また、市立病院への移行に係る期間を概ね2年は必要と考えており、平成23年4月開設をめざしています。
 
 

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