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平成20年度市長所信表明

「市報うんなん」2008年4月号

 
H20年3月議会での所信表明を行う速水雄一市長
 
平成20年度は、財政健全化に向けた行財政改革を引き続き進めるとともに、市民の皆様の信頼を得る「雲南ブランド」確立に努めます。
3月3日、平成20年雲南市議会3月定例会の開会にあたり、速水市長は次のとおり所信表明を行いました(要旨)。
 
国においては、活力ある経済社会の実現、地方の自立と再生、国民が安全で安心して暮らせる社会の実現をめざすと同時に、財政健全化に向けた改革の推進を図るため、地方財政対策として地方再生対策費が盛り込まれたところであります。地方再生対策費は、地方交付税の算定を通じて、市町村、特に財政状況の厳しい地域に重点的に配分されるものであり、近年の地方交付税の削減基調からの転換を歓迎するものでありますが、部分的なものであり、引き続いて、地方自治体の税財源の拡充を求めてまいります。
 
◆雲南ブランド化プロジェクト
「幸運なんです。雲南です。」体感フェアの様子(東京・丸の内)雲南市を、住みたいまち、住んで誇りの持てるまち、「日本のふるさと」としてブランド化することをめざして、平成20年度は、雲南の「食と農」のシンボル拠点構想とネットワークづくりをはじめ、ホームページの開設、さらには映画「うん、何?」の公開に併せた雲南ブランドを表現する本の発行などを予定しています。
また、「幸運なんです。雲南です。」体感フェアをさくら祭りのメインとなる4月5日(土曜)、6日(日曜)を中心に今月末から1週間程度開催します。木次の商店街において、郷土料理などの食を中心に、写真パネルの展示や映画「うん、何?」の映像紹介など、雲南市の恵みを総合的に表現します。雲南ブランドの発信と併せ、中心市街地の活性化にもつなげていきたいと考えております。
 
◆市民と行政の協働によるまちづくり
まちづくり基本条例
12名の市民の皆様によるまちづくり推進懇話会議において、約1年かけて、まちづくりの基本的な考え方や仕組み等を検討されてきましたが、3月中に提言をいただく予定であります。これを受け、平成20年度中の条例化をめざしてまいります。
懇話会議でも議論いただいている、ふるさと納税・寄付制度を活用して、市民が政策メニューの構築や選択ができる制度の構築について検討してまいります。
地域振興
地域振興補助金活用報告会の様子現在、地域自主組織をはじめ180を超す市民活動団体が雲南市市民活動団体の登録制度に登録いただいています。平成20年度からは、地域のニーズを明確にし、“公益性”を強く意識した事業展開が図られるよう地域振興補助金制度を一部見直して取り組みたいと考えます。
また、昨年より市民の皆様による「地域づくり活動検討委員会」において、「(仮称)交流センター」の設置による雲南市独自の新たな地域運営の仕組みが想定されているところですが、3月中にその検討結果を集約いただきご報告いただくこととなっております。この報告に基づき早急にその具体的仕組みを取りまとめるとともに、生涯学習活動の拠点としてきた公民館が「(仮称)交流センター」となりましても、社会教育行政推進体制の充実に向けて取り組んでまいります。
メールマガジン
 広報活動の充実のため、市からのお知らせやイベント情報など、行政情報を提供する新たな手段として、電子メールによる情報配信を平成20年度中に運用開始できるよう進めてまいります。
 
◆環境に配慮した安全・快適な生活環境づくり
都市計画の再編
合併に伴い、本市では、大東町・加茂町・木次町・三刀屋町でそれぞれ指定している都市計画を「雲南都市計画」として一つに再編することとしております。再編案については、「雲南市都市計画推進委員会」への説明を経て、昨年10月には市内12会場で住民説明会を開催し、住民の皆様のご理解を得たところであります。
今後、個別説明や個別協議を実施して法的手続きを進め、平成20年度中には「雲南都市計画」として決定する予定にしております。
告知放送設備整備
三刀屋町の防災行政無線設備は、設置から24年が経過し、その老朽化に伴い平成20年度より2カ年をかけ、新たに大東・加茂・吉田・掛合地域と同様なケーブルテレビ施設を利用したFM告知放送方式による整備を進めてまいります。
道路整備
高速道路三刀屋木次IC周辺まず、中国横断自動車道尾道松江線について引き続いて、早期の全線開通に向け努めてまいります。
そのほか、一般国道、県道、市道の整備につきましても、継続路線の早期完成をめざしてまいります。
市道の新規路線につきましては、継続路線完了後に必要性や緊急性の高い市道から着手したいと考えておりますが、平成20年度は掛合統合小学校関連で掛合高等学校線を整備することとしております。
暫定税率による道路特定財源については、国民が安心・安全に暮らすための生活に欠かすことのできない「道」であるとの原点に立ち、その堅持につきまして、市民の皆様には更なるご理解とご支援をお願いいたします。
上・下水道
市内各地で上下水道の施設整備等を進めてまいります。
下水道使用料につきましては、平成20年4月より料金統一を図り、新しい制度、あるいは料金としてスタートすることとなりました。
上下水道整備により、各家庭での接続が進み、水質や生活環境の改善が図られることを期待しております。
尾原ダム
来る3月23日にめでたく定礎の儀が挙行される運びとなりました。引き続き平成22年度完成に向けて事業全体が円滑に進むよう努めてまいる所存であります。
また、「尾原ダム地域づくり活性化研究会」において、ダム完成後を見据えた地元の地域活性化推進体制等について鋭意検討を進めていくこととしております。
 
◆地域で支えあう暮らしづくり
地域医療
まず、公立雲南総合病院への財政支援について奥出雲町と飯南町と協議を行なった結果、平成19年度分につきましては、緊急措置として2億円の長期貸付により対応することとしたところであります。
公立雲南総合病院のあり方について1市2町の検討機関を設置し、地方公営企業法に基づく一般会計からの繰出基準の明確化等も含めて、早急に検討を開始します。
続いて、医師確保対策について、引き続き大学当局のご協力もいただきながら最大の努力を傾注してまいります。なお、長期的な医療職の人材確保として実施されております地域枠推薦制度により、平成19年度、雲南市からは島根大学医学部に3人、石見高等看護学院に2人の志ある皆様が合格されました。
また、今後の病院経営効率化の実現に向けては、経営改革に強い意識を持つ人材を育成する事が大切であります。このためには、医師確保対策の情報共有化を図るため、雲南市へ雲南病院職員の派遣を受け、島根県健康福祉部医療対策課医師確保対策室で研修を行なうこととしています。
新たな高齢者医療制度の創設
新しい高齢者医療制度が平成20年4月からスタートいたします。
新しい高齢者医療制度は、まず、75歳以上の方(65歳~74歳までの一定の障害のある方を含む)は、独立した後期高齢者医療制度に移行され、制度は島根県後期高齢者医療広域連合がその運営にあたります。65歳から74歳の方は、前期高齢者として医療保険制度間の財政調整制度が始まります。退職者医療制度については、経過措置を設けながら廃止いたします。
このように高齢者医療制度は大きく変わりますが、適切な事務処理を行ってまいりたいと存じます。
手話通訳制度
行政サービスにおける聴覚障害者の方のコミュニケーション支援の充実を図るため、平成20年度からは、奥出雲町、飯南町との共同で、専任の手話通訳者を設置いたします。市役所での行政手続の際の手話通訳のほか、病院、銀行など庁舎外の窓口での手話通訳を行います。
子育て支援
かもめ保育園はこの4月からの保育業務委託に向けて、業務を受託いたしますNPO法人明育会の職員が参加し、保育と給食の引継ぎを順調に進めているところであります。
掛合小学校区には新たに放課後児童クラブを開設いたします。事前にアンケート調査を実施したところ、約20名の児童の入所を予定しているところであります。
 
◆ふるさとを愛し豊かな心を育む教育と文化のまちづくり
幼児教育
平成19年度に続き、幼保共通カリキュラムの整備や幼児教育振興プログラムの策定、また、幼稚園における子育て支援体制の整備拡充に向けた取り組みを進めてまいります。
なお、木次町の温泉幼稚園につきましては、平成19年度、幼児数の減少から休園しておりましたが、保護者の皆様をはじめ地域の皆様と話し合いを重ね、平成20年度は復園することといたしました。
学校支援体制の充実強化
地域教育コーディネーターの活動「サマーキャンプ」雲南ブランド化プロジェクトの一つとして挙げた「ふるさと雲南キャリア教育推進プログラム」を平成20年度から具体的に実施いたします。
また、島根県において重点施策として進められてきた「ふるさと教育」は、幼小中の連携を図りながら地域を挙げて取り組むことといたします。
さらに、平成20年度から文部科学省が新たな社会教育としての学校支援策として打ち出した「学校支援地域本部事業」につきましては、市として国が示している中学校はもとより、各小学校にもそれぞれの地域の有能な人材を活用した「地域コーディネーター」を配置し、地域の教育力の向上を図り学校教育の充実に取り組むことといたします。
教育支援コーディネーターは引き続き配置し、中学校を核として不登校対応や子どもの生活リズムの向上、幼小中の連携強化などを進めてまいります。
通学時や学校・幼稚園等における児童生徒の安全対策については、引き続き「雲南地域子ども安全センター」を中心に「雲南地域防犯ボランティア連絡会」等の協力を得て市民全体で見守る体制を整備していくことといたします。雲南市内でも学校を狙った不審電話など、子どもたちの安全が脅かされる事件も発生しており、関係機関との連携強化や市民の皆様のご協力を得て安全対策に取り組んでまいります。
新掛合小学校の開校
旧掛合町において5小学校の統合方針が決定され、雲南市として初の統合となる「掛合小学校」が4月に開校する運びとなりました。この統合に伴い、昨年12月には積雪時にも対応できる四輪駆動のスクールバスを3台購入し、統合に伴う小学生の登下校時の通学手段を確保いたします。
雲南市立小中学校及び幼稚園等適正規模適正配置
近年児童・生徒数が減少していく中、学校及び幼稚園の適正規模と適正配置について、平成20年11月には検討委員会での答申をまとめていただくこととしております。
雲南市内26カ所に設置されている「放課後子ども教室」は、「地域の子どもは地域が育てる」という地域教育力の向上にとって非常に有効な事業といえます。引き続き、地域における子どもたちにとって安心して過ごせる居場所づくりに努めてまいります。
 
◆賑わいあふれる雲南市
経済産業省との人事交流
経済産業省中国経済産業局では、中小企業の地域資源を活用した新たな掘り起こしや地域資源の価値向上(ブランド化等)に対する支援が行なわれていることから、制度事業の有効活用を図るため、同局との人事交流を平成20年度から2カ年間実施することといたします。
農業振興
平成20年産米の生産調整について、雲南市に対しては9,251トンが生産目標として通知され、6.3ヘクタールの転作を見込む必要がありますが、これについては、加工用米で取り組むこととしており、生産者の皆様には作付け意向のとおり行なっていただくこととしています。
品目横断的経営安定対策については面積要件が見直され、新たに市町村特認制度が創設されました。意欲ある集落営農組織など地域の担い手の加入促進を図ってまいります。
平成19年度から始まりました「農地・水・環境保全向上対策」については、現在75の組織が立ち上げられたところですが、平成19年度において取り組みが未着手の地域もあることから、今後、説明の場を重ねながら、平成20年度に新規地区として取り組みを開始していただくことにしております。
林業振興
昨年、市有林を核とし周辺の民有林を一体で整備することで、施業コストの低減など効果が望める「林業振興モデル団地」を市内2カ所で設定し、市有林については森林組合に経営信託を行ないました。
平成20年度においても、今後の林業振興策を図っていく上で、引き続き「雲南市林業振興モデル団地」に取り組んでまいります。
観光振興
長蛇の列を成す映画「うん、何?」鑑賞者昨年11月に完成した映画「うん、何?」は、プレミア上映会においてこれまでに9千人の皆様にご鑑賞いただいております。
今後、東京、大阪でのプレミア上映会のほか、急きょ岡山でも決定し、東宝系の映画館での上映会も開催される予定です。全国ロードショーは、本年5月中旬から本格的に展開される予定であります。
昨年2月から行ってまいりました雲南市観光ボランティアガイド養成講座には、市内から50名もの参加をいただき、研修を重ねてまいりました。受講生の皆様のご意思によりガイド登録をしていただき、平成20年度より観光客に対するガイドをしていただく予定であります。
 
◆推進計画
行政評価システム
雲南市総合計画の進行管理を適切に行っていくため、平成19年度から行政評価システムを本格的に導入し、この1月に施策評価、事務事業評価の結果を公表いたしました。平成20年度は、評価精度の向上を図るとともに、財政システム、組織改革、人材育成と連動した年間サイクルの確立をめざしてまいります。
島根大学との包括的連携
島根大学との連携による協働事業の重点研究プロジェクトとして、「中山間地域における住民福祉の向上」をテーマとした調査研究が平成17年度から3年間実施され、今月下旬には調査報告会が開催されることとなっています。
今後は、中山間地域における地域医療やまちづくりなど諸課題解決に向け、研究成果を活かしていきたいと考えております。
行財政改革の推進
公共施設のあり方については、早稲田大学建築学科の調査結果を踏まえ、今後、適正な市民サービスの確保と行政コスト節減の両方の視点から、同類施設の統廃合や有効活用に向けた他用途への転用、民間との役割分担を踏まえた譲渡など、個々の施設について財産処分も含めた積極的な見直しを進めてまいります。
 

 
 

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