
市長施政方針(6月定例会)市長施政方針の全文を掲載しますのでご覧ください。
市長施政方針(6月定例会)
令和7年度雲南市議会6月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。
施政方針全文
令和7年雲南市議会6月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに、去る4月29日に発令された春の叙勲及び危険業務従事者叙勲についてであります。
春の叙勲において、吉田町の立石 幸様が林業振興功労により旭日双光章の栄に、吉田町の渡部 世津夫様が消防功労により瑞宝単光章の栄に浴されました。
また、危険業務従事者叙勲では、加茂町の佐藤 均様が消防功労により瑞宝双光章の栄に、木次町の細木 辰幸様が防衛功労により瑞宝単光章の栄に浴されました。
皆様の長年のご活躍とそれぞれの分野でご尽力されたご功績に深く敬意を表し、受章のお慶びを申し上げますとともに、今後とも、健康にご留意されご活躍されることを心より祈念いたします。
次に、第3次雲南市総合計画に掲げる「えすこに暮らす」、「えすこに育む」、「えすこに創る」の3つの柱に沿って申し述べます。
最初に「えすこに暮らす」に関わることについてであります。
まず、市政懇談会の開催について述べます。
昨年に引き続き市政懇談会を各町で開催いたします。第3次雲南市総合計画の将来像に掲げる「えすこな雲南市」を見据え、今年度は懇談会のテーマを「誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向けて」とした上で、広く市政全般についてもご意見をお伺いしたいと考えております。
また、少人数で話しやすい雰囲気の意見交換会、「変わらず変える! 市長と“えすこトーク”」の開催、広く市民の皆様から市政に対するご提案をいただく「市政への提案箱」についても、引き続き取り組んで参りますので、多くの皆様からご意見をいただきますようお願いいたします。
続いて、JR木次線の利用促進に向けた取り組みについてであります。
去る5月19日に木次線利活用推進協議会の総会を開催し、今年度の事業について承認をいただきました。木次線を利用した旅行への半額助成事業については、二次交通に係る助成額を増額いたします。また、観光列車「あめつち」については、大変好評をいただいている地元ガイドによる列車内での観光案内や特産品販売、駅舎でのおもてなしを継続するとともに、JR木次線を活用した観光ツアー造成など周遊観光策につきましても、沿線自治体、観光事業者等と連携し、積極的に取り組んで参ります。
加えて、市としましても、通学で木次線の定期券を購入した場合に、併せて利用する市民バスの定期券は無料とする取り扱いを今年度4月1日より高校生以外の通勤利用にも拡大し実施しています。新年度に入り4月1か月間の実績として、昨年度にご利用いただきました57人を大きく上回る124人の方にご利用いただいているところです。木次線の平均通過人員数にも大きく影響するものと考えております。
JR木次線応援団の募集や木次線を応援いただく団体との連携など、様々なツールを活用し、木次線の魅力を広く発信することで、利用促進を図っていきたいと考えております。
続いて、空き家対策についてであります。
地域活性化センター助成事業を活用し、公益財団法人うんなんコミュニティ財団が実施主体となって、三新塔及び八日市地域をモデルに、空き家を活用していくための取り組みを始めます。
この取り組みは、移住者や二地域居住者などに向けて空き家を活用した住まいの提供を進めるため、空き家に関する関係者で、空き家の相談や活用方法を検討する「プラットフォーム」を立ち上げ、地域ビジョンの作成や空き家の寄附の仕組みを構築していこうとするものです。
また、勉強会を通じて市内の他地域にも共有していく予定であり、市としましても空き家相談や地域ビジョンの作成、移住希望者と地域とのつながりなどにおいて連携を図りながら、より一層の空き家の活用を促進して参ります。
続いて、防災・減災に向けた取り組みについてであります。
今年も大雨が心配される時期となりました。本市では令和3年7月豪雨災害の教訓から、発災時の対応力を高めていくため、職員防災研修、地域自主組織との避難所運営研修、災害対策本部運営訓練を今年度も実施して参ります。また、今年度は、災害用備品として、交流センター等の指定避難所31施設に自動ラップ式トイレとトイレ用簡易テント等を配備する計画としております。
万一の災害に備え、今後も市報やケーブルテレビなどを通じて、防災意識の向上に努めて参ります。
続いて、大仁農道の崩落対応についてであります。
昨年12月15日に発生いたしました大東町大仁農道の法面崩落区間については、現地調査を進めながら復旧工法や法面の安全確認について国・県と協議を進めて参りました。
完全復旧に向けた全ての対策を行うには、一定の期間が必要となることから、地域の皆様の利便性確保のため、片側通行により開放するための暫定工事を行うこととし、関係予算を今議会に提出しております。
なお、国・県に対し大仁農道全線に渡り必要な点検や対策が進むよう、関係予算の確保や支援の要望を合わせて行っており、関係機関と協議を進めながら道路施設の安全確保に努めたいと考えておりますので、地域の皆様のご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。
続いて、民生委員、児童委員及び主任児童委員の改選についてであります。
民生委員、児童委員及び主任児童委員の任期が、本年11月30日をもって満了いたします。これに伴い、各地区において推薦準備会を立ち上げ、委員を推薦していただき、雲南市民生委員推薦会で推薦決定することとしています。
民生委員、児童委員及び主任児童委員は、地域で市民の福祉を支える極めて大切な役割を担っていただいており、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
次に、「えすこに育む」に関わることについてであります。
まず、スポーツ振興について述べます。
本年11月に聴覚障がい者の国際大会「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」が開催されます。この大会の走り幅跳び競技の日本代表選手に三刀屋町出身の須山 勇希さんが選出されました。これまでの日々の研鑽により世界大会で7位入賞、国内大会で優勝などの実績を踏まえて、選出されたものであります。大会出場の栄誉に輝かれましたことを心よりお祝い申し上げるとともに、そのご活躍を市民とともに応援したいと考えております。
続いて、令和7年度全国高等学校総合体育大会レスリング競技の開催についてであります。
令和7年度全国高等学校総合体育大会レスリング競技は、本年7月27日から30日にかけて、三刀屋文化体育館アスパルにおいて開催されます。これに向け、4月28日には雲南市実行委員会の総会を開催いたしました。市内の高校関係者、地域の皆様、商工関係者の皆様との連携を強化し、この期間に本市を訪れられる皆様にまた雲南市に来たいと思っていただけるよう、関係者とともに準備を進めているところであります。
全国各地の予選を勝ち抜いた団体48チームの他、個人男子384名、女子126名が、各々の階級で全国1位の栄誉をかけて競技に臨まれます。選手の皆様が最高のパフォーマンスを発揮できるよう準備を行って参ります。市民の皆様におかれましても、熱戦を繰り広げる選手たちへの熱い声援をお願いいたします。
この大会を一過性のイベントで終わらせることなく、その経験を本市のスポーツ振興に生かし、今後予定されている島根かみあり国スポ・全スポ 2030 に向けた準備を加速させる契機として参ります。
なお、これに先がけ、先般5月31日に隠岐島前高校で開催されました令和7年度島根県高等学校総合体育大会レスリング競技へ、創部1年目の大東高校レスリング部が出場され、男子個人の部55キログラム級で 吾郷 煌介選手、71キログラム級で 伊内 湊音選手が優勝、65キログラム級で金子 峻也選手が準優勝となり、本市開催の全国大会への出場を決められました。市民の皆様とともに応援し、7月の大会を大いに盛り上げていきたいと思います。
続いて、不登校などの児童生徒支援の取り組みについてであります。
不登校や不登校傾向にある児童生徒が増えている中、市として支援の更なる充実を図るため校内教育支援センター開設の準備を進めておりましたが、この度、必要となる人員の確保など体制が整いましたので、6月2日より正式に運営を開始いたしました。
今後は、学校、保護者及びおんせんキャンパスなどの関係機関と密接に連携しながら不登校や不登校傾向の児童生徒に効果的な支援を実施して参ります。
続いて、雲南市中学校部活動の地域展開に関するガイドラインについてであります。
本市では、少子化が進み中学校部活動の維持、継続が困難となる中、こどもたちの選択肢を広げ、自身のやりたいことができる環境をつくっていく観点から、令和4年度より、国の実証事業を活用し、中学校部活動の地域展開を進めて参りました。これまでも、指導者バンクを設立したり、全ての運動部活動と吹奏楽部で、休日部活動を合同で実施するなど、様々な取り組みを進めております。
これまでの活動を踏まえ、本市では令和7年3月末に「中学校部活動の地域展開に関するガイドライン」を策定いたしました。今後はガイドラインをもとに準備が整った部活動から、在籍する学校にないものも選択できる環境をめざし、誰でも参加しやすい環境づくり、新たな地域クラブの育成、指導者の確保・資質向上等に取り組んで参ります。
続いて、ふるさとミライカレッジについてであります。
この度、総務省から公募のありましたモデル事業、「大学等と地域が連携して取り組む地域課題プロジェクト(いわゆる「ふるさとミライカレッジ」)」について、全国94件の応募の中から採択を受けましたので、本事業にかかる補正予算を今議会に提出しております。本市では、これまで「雲南コミュニティキャンパス事業」として、地域課題に関心をもつ大学生に対しフィールドワークやインターンシッププログラムを提供し、全国各地の128大学から延べ695人の大学生を受け入れています。この度モデル事業の採択を受け、この取り組みをさらに発展させ、島根大学や早稲田大学、米子高専などの大学等のゼミ単位で受け入れる新たなプログラムを構築し、より多くの大学生が雲南市のまちづくりに継続的に関わる仕組みづくりに取り組んで参ります。
続いて、第3次雲南市男女共同参画計画「気づいて築くうんなんプラン」についてであります。
このたび、今年度から令和16年度までの10年間を計画期間とする第3次雲南市男女共同参画計画「気づいて築くうんなんプラン」を策定いたしました。市がめざす男女共同参画社会を「えすこな雲南市、互いに認め合い自分らしく暮らせるまち」とし、その実現に向けてジェンダーギャップ解消を重要な課題と位置づけ、市民の皆様、事業所の皆様とともに、本計画の推進に取り組んで参ります。
次に、「えすこに創る」に関わることについてであります。
まず、防災道の駅の選定について述べます。
去る5月14日に、道の駅掛合の里が国土交通省により防災道の駅として選定されました。防災道の駅は、広域防災拠点に位置づけられている道の駅で、全国では79か所、県内では唯一道の駅掛合の里が選定されたところであります。今後、国との調整を図りながら、防災機能の充実を含めた掛合道の駅の整備について検討を進めて参りたいと考えております。
続いて、道の駅さくらの里きすき活性化整備事業についてであります。
道の駅さくらの里きすきにつきましては、去る3月28日に公園造成工事を発注し、現在工事を進めているところでありますが、今議会に建築工事等にかかる経費を補正予算として提出しております。速やかな事業進捗を図り、年度内の完成をめざして参ります。
続いて、観光振興の取り組みについてであります。
今シーズンの桜まつりは、昨年より1か月遅れで開花した河津桜で始まりました。3月下旬に開花したソメイヨシノも、雲南食堂などメインイベントを開催した4月5日、6日には満開を迎え、また天候にも恵まれた結果、4月中旬に開花した御衣黄の見納めまでの期間中、約9万2千人の方にお越しいただき、多くの方で賑わいました。4月6日には、願い橋の復旧も概成する中で、斐伊川河川敷公園“さくらねがい広場”の完成記念式典も開催されたところです。
また、4月24日には、効率的で効果的な観光まちづくりを推進するため、市と雲南市観光協会が一層連携して観光振興を図るための拠点として、コトリエット内に新たに“うんなん観光案内所”を開設したところです。観光による経済活動の推進と交流人口の拡大をめざして取り組みを進めて参ります。
続いて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みについてであります。
再生可能エネルギーの推進につきましては、地域電力会社「株式会社うんなん共創エネルギー」が4月1日に市内で設立され、4月8日には同社と連携協定を締結したところです。今後、当事業所が主体となって、太陽光発電を中心とした発電事業として、まずは公共施設に太陽光パネルや蓄電池を設置するとともに、売電事業として、当該施設への電力供給の他に余剰分の電力販売を行っていく予定であります。今後、発電方法の多様化を含め、事業所・一般家庭への拡大を図っていくこととしております。また、このエネルギー事業を通じて、地域課題の解決や地域の活性化にもつなげて参ります。
省エネルギーの推進につきましては経済産業省から事業費全額を補助いただき、加茂健康福祉センター「かもてらす」の熱源設備を、老朽化したRDFボイラーから電気式ヒートポンプ設備に転換を図って参ります。今後、脱炭素を推進する観点からも既存温浴施設を中心に熱源転換に向けた調査を行うとともに、脱炭素社会について普及啓発する人材育成等にも取り組んで参ります。
また、公共施設の照明のLED化を進めていくため、リース方式の先行モデルとして19の公共施設を選定し、今年度LED化することといたしました。今後全ての公共施設のLED化に順次取り組んで参ります。
ごみの減量化につきましては、キエーロコンポストの普及に加え、廃食油の回収にも取り組んでおります。廃食油を市内で高純度バイオディーゼル燃料に再生できる環境を整えるため、公募によりカナツ技建工業株式会社を製造事業者に選定したところです。今後、事業者において製造装置の導入等を進められ、今年度中に事業を開始される予定です。引き続き廃食油回収の拡大に向けた工夫を行って参りますので、市民の皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
続いて、次期一般廃棄物処理施設の整備に向けた取り組みについてであります。
本市と奥出雲町、飯南町の3市町で進めています次期一般廃棄物処理施設の整備につきましては、これまでの間、建設候補地の選定に向け、施設整備検討会議に加え、外部有識者にも参画いただく用地選定委員会を開催し慎重に検討を深めて参りました。結果として、現時点で数か所まで有力候補地の絞り込みを進めたところであります。
一方で、世界規模での経済の混迷を背景に賃金・資材の高騰が進んでいる現状であり、建設費用についても、あくまで概算ではありますが、基本構想策定時に120億円程度としていたものが、180億円以上にまで膨れ上がり、財政に及ぼす影響もより大きなものとなることを懸念しています。
このような状況の中、20年、30年先の雲南市、雲南圏域の持続可能な未来を見据えた際に、現在の計画に従って施設整備を進めるべきかどうか、一度立ち止まって考える必要があると判断したところです。去る4月25日にも奥出雲町長、飯南町長とも協議し、今一度計画を再検討することを確認しております。
今後においては、従来通りの施設整備ありきの考えのみに捉われず様々な方法を、柔軟な思考で今一度模索していくことといたします。
次期一般廃棄物処理に向けた環境整備は、雲南圏域にとって喫緊の課題であるとの認識のもと、最適な仕組みを一刻も早く整えていく所存であります。
続いて、特別天然記念物コウノトリについてであります。
毎年、コウノトリが営巣している大東町の西小学校の人工巣塔では、3羽のヒナがふ化いたしました。これで、本市でのコウノトリのふ化は9年連続となりました。
また、昨年、コウノトリが営巣しました大東地域交流センターの人工巣塔に加えて、今年は加茂町神原の人工巣塔でも初めて営巣し、コウノトリの営巣場所も3か所に拡大したところです。生息数も増加したことで、コウノトリの繁殖地として安定したと評価できるのではないかと感じている一方で、更なる営巣数の増加に対して今後どう対応していくのかといったことの検討を進めなければならないものと考えております。
次に、補正予算についてであります。
6月補正予算につきましては、4月1日付け人事異動に伴う職員人件費の調整等を行うほか、一般会計では、道の駅さくらの里きすき活性化整備事業1億7千7百万円余、社会福祉施設整備事業として加茂健康福祉センター施設整備事業1億5千9百万円余、公園施設整備事業7千8百万円、大仁農道にかかる団体営農道整備事業3千万円などの追加をしております。
また、特別会計と企業会計においては、国民健康保険事業特別会計、水道事業会計、下水道事業会計、病院事業会計でそれぞれ事業内容の変更等に伴う補正予算を計上しております。
その外、議案として、承認事項7件、条例2件、一般事件5件、報告事項9件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようお願い申し上げ、開会にあたっての施政方針といたします。
令和7年6月12日
雲南市長 石 飛 厚 志
お問い合わせ先
- 政策企画部 政策推進課
- 〒699-1392
島根県雲南市木次町里方521-1 - Tel 0854-40-1011
- Fax 0854-40-1029
- seisakusuishin@city.unnan.shimane.jp
(注意)メールアドレスの「@」は半角「@」に書き換えてください。