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市長施政方針(9月定例会)市長施政方針の全文の掲載しますのでご覧ください。

市長施政方針(9月定例会)

令和6年度雲南市議会9月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

施政方針全文

令和6年雲南市議会9月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

始めに、梅雨末期の大雨及び台風10号への対応についてであります。

まず、6月下旬から7月上旬にかけて、梅雨前線の影響による大雨に見舞われました。特に7月9日から11日にかけては、梅雨前線の停滞により島根県東部の松江市、出雲市を中心として大雨となり、本市におきましても、9日に大東町春殖、幡屋、海潮の3地区と加茂町全域において、警戒レベル3高齢者等避難を発令いたしました。また、翌10日の夕方から再び強い雨が予想されたことから、前日の大東町及び加茂町の発令区域に加え、三刀屋町一宮地区において、警戒レベル4避難指示を発令いたしました。

この間の大雨において、市道5路線、市河川2河川、農地16箇所、農業用施設7箇所、林地崩壊5箇所などに被害が発生しております。特に大仁農道においては、大規模な法面崩落が発生し、現在、全面通行止めとしており、復旧までには相当な時間を要すると見込んでおります。市民の皆様には、ご不便をお掛けいたしますが、早期の復旧に向けて取り組んで参りますので、ご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。

続いて、台風10号についてでありますが、8月30日夜の初めごろから31日明け方にかけて、島根県に最接近し、本市におきましても、30日に大東町久野、海潮、塩田の3地区において、警戒レベル3高齢者等避難を発令いたしました。被害状況につきましては現在確認中でありますが、大きな被害はない様子であり、一安心しているところです。

避難所運営に迅速な対応をいただきました地域自主組織の皆様には、厚く御礼を申し上げる次第であります。

次に、市制施行20周年記念事業についてであります。

来る10月12日に、三刀屋文化体育館アスパルで開催する記念式典におきましては、20年間の歩みを映像で振り返るほか、速水はやみ 雄一ゆういち様に名誉市民の称号をお贈りし、顕彰を行うこととしております。また、演劇を通じた地域の魅力発信に大きく貢献されたかめ よしひろ様、音楽を通じた地域活動や交流人口の拡大に大きく貢献された故 白築しらつき じゅん様、「身体教育医学研究所うんなん」の設立など、本市の健康福祉の増進に大きく貢献された武藤むとう よしてる様、若者チャレンジの推進や住民同士が心と体の健康を応援し合うコミュニティナースプロジェクトにより、本市のまちづくりに大きく貢献された矢田やた 明子あきこ様、以上4名の方々に対し、20周年特別感謝状の贈呈を行う予定としております。

このほか、9月28日には木次町斐伊川河川敷で「水曜どうでしょうキャラバンin雲南市」のイベントを、10月の各週末には6町の地域イベントなどを予定しておりますので、多くの皆様にご参加いただきますようお願いいたします。

次に、第3次雲南市総合計画の策定についてであります。

令和7年度からの10年間のまちづくりの指針となる第3次雲南市総合計画につきましては、基本構想として、調和と多様性を示す、めざすべき将来像「えすこな雲南市」や、その実現に向けた基本理念「変わらず、変える」について、先般の6月市議会定例会において議会議決をいただいたところです。

この基本構想の実現に向け、各施策の方向性を示す基本計画の策定を進めております。庁内で検討した基本計画案について、市民ワークショップを7月6日に、タウンミーティングを7月12日から24日の間に開催するなどにより、多くの皆様から様々なご意見をいただいたところです。

今後、いただいたご意見などを参考にしながら、総合計画策定委員会や庁内での協議を進め、パブリックコメントを経て、年度内の総合計画策定に向けて取り組みを進めて参ります。

次に、5つの政策に沿って申し述べます。

最初に「みんなで築くまち」に関わる政策についてであります。

まず、市政懇談会について述べます。

去る6月10日から7月1日にかけて、5年ぶりに市内6つの会場で市政懇談会を開催いたしました。多くの市民の皆様にご参加いただき、また、開催方法について見直す中で、様々なご質問やご意見をいただくことができました。参加いただきました皆様に御礼を申し上げます。いただきました貴重なご意見につきましては、今後の市政に活かして参ります。

続いて、公の施設の使用料の見直しについてであります。

公の施設の使用料につきましては、近年の急激な物価の変動や賃金水準の上昇に伴う施設管理費が増高する一方で、今後も質の高い行政サービスや利用者の満足度を維持するために、やむを得ず、使用料を引き上げる条例改正案を今議会に提出しているところであります。改定時期につきましては、市民の皆様への十分な周知期間を確保するため、令和7年4月を予定しております。ご理解ご協力いただきますようお願いいたします。

続いて、特定空き家の解体についてであります。

本年2月に「特定空き家」に指定した大東町大東地内の空き家に対し、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、行政指導に向けた準備をしておりましたが、調査の結果、管理者となるべき者がいないことが判明いたしました。このまま放置された場合、道路利用者など不特定多数の第3者への被害の恐れがあると判断し、この度、本市による略式代執行により建物の解体を行う方針を決定いたしました。

本来は所有者個人の負担で行うべき建物の解体を公費負担で行う決断となりましたが、今後も所有者の管理義務の確実な履行に向け厳格に対応していくとともに、財源も含めた代執行制度の見直しを国などの関係機関へ要望して参ります。

次に、「安全・安心で快適なまち」に関わる政策についてであります。

まず、脱炭素社会に向けた取り組みについて述べます。

本年3月にとりまとめた雲南市脱炭素社会実現計画に基づき、市民、事業者の皆様と連携・協働し、取り組みを進めているところです。各地域や団体単位で、学習会にあわせたキエーロコンポストの製作により、ごみの減量化に取り組んでいただいているほか、廃棄される食品からできた「ねんど」を活用し、資源循環について学ぶ体験会も実施しております。本年度は、既に学習会の開催を21回、キエーロコンポストの新たな設置を130基、延べ350基を使用いただいており、今後も市民の皆様に取り組んでいただける活動を展開して参ります。

また、昨年度から株式会社山陰合同銀行、株式会社島根銀行、しまね信用金庫と共同で包括的コンソーシアムを形成し、中小事業所の皆様の脱炭素対策と次世代の人材育成を進めており、本年度も7月31日にキックオフフォーラムを開催したところであります。今後も、脱炭素による産業力の強化を引き続き推し進めて参ります。

このほか、再生可能エネルギーの導入に向け、地域エネルギー事業を来年度から展開できるよう、事業体の公募準備を進めているところであり、脱炭素社会の実現に向け、引き続き着実に進めて参ります。

続いて、JR木次線の利用促進に向けた取り組みについてであります。

JR木次線に乗って沿線を周遊し、スタンプを集めて特産品などの抽選に参加できる「木次線デジタルスタンプラリー」を、昨年に引き続き実施しております。参加者も多く、大変好評だったことから実施期間を7月26日から12月1日までと昨年よりも大幅に期間を延長して実施しておりますので、多くの皆様にご参加いただきますようお願いいたします。

さらに、今年で4年目となる「元気いっぱい!木次線まつり」の開催を、来る10月

14日の「鉄道の日」と12月12日の「木次線開通記念日」に合わせた同月15日の2回計画しております。10月は木次駅前周辺において、賑わい市と鉄道の日フェスタ、きすきマルシェとの同時開催でイベントを行い、12月は鉄道をテーマとしたシンポジウムや映画の上映を行います。映画は、今年で上映50周年を迎える「砂の器」を上映する予定で、ロケ地となった当時の木次線沿線を振り返るトークショーも予定しています。このほか、木次線の歴史を知っていただける内容を盛り込んだ「木次線カレンダー」を10月から販売を開始するよう準備を進めているところです。

また、観光列車「あめつち」におきましても、木次線区間は地元ガイドの皆様や沿線の皆様のご協力もあり、大変好評を得ております。

8月には、JR西日本から昨年度の1日平均乗客数が公表され、これまでの取り組みにより一昨年と比較して木次線全区間で18人の増とはなっておりますが、昨年度はトロッコ列車のラストランもあったことを考慮すると、短期的な増減に一喜一憂することはできません。引き続き、緊張感をもって木次線の利用促進と木次線を活かした地域振興に、沿線自治体で連携しながら取り組んで参ります。

続いて、一畑バス「大東線」の廃止に伴う雲南市民バス「大東松江乃木線」の運行についてであります。

9月末をもって運行が終了する一畑バス「大東線」に替わり、10月1日より松江市と連携し、雲南市民バス「大東松江乃木線」の運行を開始いたします。運行にあたっては、出雲大東駅から乃木駅の間を平日7往復、土日祝日5往復の運行を予定しており、運行開始に関する条例改正案を今議会に提出しているところです。

続いて、防災協定の締結についてであります。

市制施行20周年記念式典当日の午前中に、長野県東御市と災害時相互応援協定を締結する予定としております。東御市とは身体教育医学研究所の取り組みを通じ、合併前から20年以上の交流を続けているところであり、これを機にさらなる関係を深め、災害対応の充実につなげて参ります。

続いて、原子力防災についてであります。

去る7月20日に原子力規制委員会のやまなか委員長並びにばん委員と2県6市の首長との意見交換会が開催されました。島根県では初めての試みで島根、鳥取両県知事や松江、出雲、安来、雲南、米子、境港の6市長がそれぞれ意見を述べ、それに対する回答があったところです。主には、次の意見を申し上げたところです。

本年1月に発生した能登半島地震にかかる分析、検討が進められる中で、新たな知見等が得られたときには適切に反映されること。

規制委員会に設置された検討チームによる屋内退避にかかる議論について、複合災害時における有効性を上げる現実的な運用の検討と自治体はもとより市民にも分かりやすい説明をお願いしたいこと。

再稼働に向けての使用前確認や規制検査などを厳格に行うことや中国電力の安全文化についても厳格に対応すること。

特定重大事故等対処施設及び高経年化した原子炉の規制などについて、市民にも分かりやすく説明できる資料等の提供を検討いただきたいことなどであります。

これに対して、規制委員会としては厳格かつ適切な審査、確認を行うことはもとより、分かりやすい説明を行っていくとの見解が示されました。私としては、規制委員会として、真摯な対応をいただいたと感じたところです。

規制委員会との意見交換の後、内閣府の政策統括官などとの意見交換が行われ、私の方からは、バスによる避難の実効性の向上、避難手段としての鉄道利用の可能性、能登半島地震での家屋倒壊などを踏まえ屋内退避や災害支援活動等が可能な公共施設整備への支援などの意見、要望を伝えたところです。なお、内閣府としては、能登半島地震の状況を踏まえても島根地域全体の避難計画である「島根地域の緊急時対応」については、現時点で見直す必要はないとの見解でありましたが、出席者からは、その結果に至った経緯を含め具体的に分かりやすく示してもらいたいとの意見がありました。

また、去る8月18日には出雲市、安来市、雲南市の3市長で島根原子力発電所の安全対策工事などの視察を行いました。工事も大詰めを迎えておりますが、中国電力に対し、再稼働に向けては、工程ありきではなく、安全管理を十分に徹底した上で進めていただくことを改めて求めたところです。今後とも、主要工程ごとに状況確認に努めていく考えであります。

なお、今年度の原子力防災訓練のうち、本市の住民避難訓練については11月23日に行うこととなっており、詳細は現在調整中であります。引き続き、原子力防災対策にしっかり取り組んで参ります。

次に、「支えあい健やかに暮らせるまち」に関わる政策についてであります。

まず、雲南市立病院の経営状況について述べます。

令和5年度の市立病院会計決算につきましては、新型コロナウイルスが感染症法上の5類への移行後、入院、外来患者数は徐々に増加し、前年度を上回ったものの、新型コロナウイルス感染症関係補助金や受託料が大幅に減額となったことや、人件費の上昇、物価高騰による各種材料費及び諸経費などの増額により減収減益となり、約6億8千2百万円の純損失を計上いたしました。このような状況から、内部留保資金は約3億1千2百万円の取り崩しとなり、令和5年度末の繰越内部留保資金残高は約29億4千3百万円となったところです。

当面の間は、病院建設の償還額もピークを迎えているところであり、厳しい財政状況が続くことから、患者数の確保と経費節減等に努め、できる限り内部留保資金を保ちながら、安定経営に努めていただくよう期待するものであります。

次に、「ふるさとを学び育つまち」に関わる政策についてであります。

まず、子ども医療費無償化の対象年齢拡充について述べます。

島根県において、現行の小学生までを対象とした子ども医療費無償化を令和7年度から中学生まで拡充する議案を県議会6月定例会に提出され、可決されたところです。

本市においては、既に市独自で中学生まで医療費無償化を図って参りましたので、この県の子ども医療費無償化の拡充によって生じる余剰財源を利用して、令和7年度から高校生世代の満18歳までに拡充する条例改正案を今議会に提出しております。

引き続き、安心して子育てができる環境づくりに取り組んで参ります。

続いて、佐世小学校区の放課後児童クラブ整備についてであります。

放課後児童クラブにおける待機児童の解消を図るため、大東町の佐世幼稚園の空き教室を整備し、新たな放課後児童クラブを開設することといたしました。来年4月からの児童の利用開始をめざし、必要な施設整備等の準備を進めて参ります。

続いて、旧海潮中学校の利活用についてであります。

旧海潮中学校の利活用につきましては、現海潮小学校施設の老朽化への対応及び海潮地区のさらなる地域振興を図るため、様々な検討を継続する中で、まずは「旧海潮中学校に海潮小学校を移転することとし、今後は移転に必要な整備を行う」ことを市の考え方としてまとめ、学校及び海潮地区と協議を進めてきたところであります。8月には地元説明会を開催し、方向性については概ねご理解をいただいたところであり、早期の移転をめざし、具体的な改修内容等について検討を進めて参ります。

続いて、市内の屋外プール施設に係る今後の取り扱いについてであります。

学校や市営の屋外プールは、学校での授業活用を中心に一般の皆様にも開放するなど、市民の皆様に水に親しむ機会を提供するために運営して参りました。しかし、熱中症警戒アラートが頻繁に発令されるなど、気候条件が大幅に変化し、利用できる日数や利用者数が減少するなど、プールの建設当時と大きく状況が異なってきております。また、多くの施設が整備後40年を経過する中、維持管理に要する負担は年々増加傾向にあることに加え、プール監視員や管理人といった運営に必要となる人材の確保が困難な状況となっております。

こうした現状から総合的な判断として、老朽化が進んでいない吉田町、掛合町のプールを除き、市営及び学校の屋外プールは廃止し、廃止した地区の学校における水泳授業については屋内プールである加茂B&G海洋センターラソンテに、スクールバスでの送迎により集約する方向で、来年度から試行的に実施することとしたところであります。ご理解をいただきますようお願い申し上げます。

続いて、「雲南市二十歳の集い」の開催についてであります。

去る8月14日に三刀屋文化体育館アルパルにおいて、「雲南市二十歳の集い」を開催いたしました。当日は、255名の参加があり、友人たちと共に二十歳の節目を祝う式典となりました。参加者を代表して松村まつむら ゆうさんから「私たちの子ども、孫にもこの素晴らしい雲南市を残し、今は離れている仲間たちにも、いつでも帰ってきたいと思える故郷を残していかなければなりません。私も今後さらに地域のために考え、実行できる大人となれるよう精進していきます。」と挨拶され、二十歳の節目に誓いを新たにされました。

二十歳を迎えた方々には、社会を創る主人公として、ふるさと雲南市の誇りを胸に、ご活躍されることを期待するところです。

続いて、永井隆平和賞についてであります。

永井隆博士の「平和を」の崇高な精神を後世に伝えていくことを目的に創設した「永井隆平和賞」は、今年で34回目を迎えます。今年も、「愛」と「平和」をテーマとした作文を募集したところ、全国から952点の応募がありました。

その中から厳正な審査により、市内からは小学生低学年の部で三刀屋小学校の富田とみた そらさんの作品が選ばれたほか、小学生高学年の部、中学生の部、高校生の部、一般の部においては、県外からの応募作品が最優秀賞に選ばれたところです。

来る9月8日に「第34回永井隆平和賞発表式典」を三刀屋文化体育館アスパルで開催し、受賞者を表彰し、作品を発表していただく予定としております。

続いて、令和7年度全国高等学校総合体育大会雲南市実行委員会についてであります。

令和7年7月に三刀屋文化体育館アスパルにおいて、令和7年度全国高等学校総合体育大会中国インターハイのレスリング競技が開催される予定となっております。去る7月8日に、その大会の準備、運営を担う雲南市実行委員会の設立総会を、島根県高等学校体育連盟レスリング部部長 登城とじょう 智宏ともひろ様をはじめ、競技団体などの関係者15名で開催し、スポーツ振興、地域の魅力発信に取り組むことについてご審議いただきました。また、実行委員会では7月29日から8月5日にかけて開催された北部九州総体のレスリング大会を視察し、大会の運営方法等を調査したところであります。

今後、具体的な運営計画の検討や情報発信の準備を進め、インターハイの大会成功に向けて取り組むとともに、2030年島根かみあり国スポ・全スポの開催に向けた機運醸成にもつなげて参ります。

続いて、社会体育施設の取り扱いについてであります。

今後の取扱いについて検討を進めている大東体育文化センター、木次体育館、掛合体育館の3施設のうち、大東体育文化センターにつきましては、大東公園体育館の機能充実に向けた検討を進めているところです。今後は、大東公園体育館での具体的なスポーツ活動について、関係者の皆様からご意見をお聴きしながら、必要な機能の具体的な要件整理をするための調査費として補正予算を今議会に提出しているところです。

木次体育館につきましては、木次中学校整備検討委員会の検討状況を見ながら、引き続き検討を行って参ります。

掛合体育館につきましては、現在地での建て替えが困難なことから、地域や関係者の皆様と協議をした結果、掛合中学校の隣接地に整備することで概ねご理解をいただいたところであり、現体育館の解体工事費と建替えの方法を整理する基本構想策定のための補正予算を今議会に提出しているところです。

次に、「挑戦し活力を産みだすまち」に関する政策についてであります。

まず、産直用小型バーコード発行機購入の助成について述べます。

本年10月より、JAしまね雲南地区本部において、産直に関する新たなシステム運用を開始されることとなり、これに伴い、生産農家が所有されている産直用小型バーコード発行機を更新する必要が生じております。本市といたしましては、奥出雲町及び飯南町と足並みを揃え、新たなシステムによる効果的な生産販売を促進するとともに、負担の軽減により産直農家の農家数の維持・拡大を図るため、この更新費用の一部について助成することとしており、今議会において補正予算を計上しているところです。

続いて、観光振興についてであります。

燃料費やホテル代などの物価高騰の影響で観光での消費が減退する中、消費者の観光意欲を刺激しながら、市内の観光消費の拡大をめざすため、10月中旬から市内の宿泊施設に宿泊される方を対象として、旅行期間中に利用できる5,000円分の「プレミアム付うんなん観光券」を3,000円で販売いたします。この観光券を活用し、宿泊客の増加や宿泊施設及び観光施設等の売上げ確保に取り組んで参ります。

続いて、既存観光施設の活用、再生に向けた取り組みについてであります。

道の駅さくらの里きすきの整備につきましては、年度内に造成工事に着手するため、今議会に造成事業費の補正予算を提出しているところです。令和7年度内の事業完了をめざし、鋭意進めて参ります。

また、稲わら工房につきましては、8月20日に株式会社たなべたたらの里との売買契約を締結いたしました。吉田グリーンシャワーの森につきましては、無償譲渡に向けて協議を進めているところであり、引き続き、民間の活力を活かした観光振興を図るため、譲渡に向けた手続きを進めて参ります。

続いて、ビジネスホテル建設についてであります。

仮称「ドーミーインEXPRESS出雲の國 雲南」は、5月の着工後、順調に建設工事が進んでおり、来年夏頃の開業に向けて、様々な観光誘客に向けた施策を検討しているところです。また、このビジネスホテルの大浴場において、海潮温泉の温泉水を使用される予定となっており、本市といたしましては、全国的にも有名なホテルチェーンに海潮温泉の温泉水が使用されることは観光振興の観点から大きな宣伝効果があるものと期待するところであります。

なお、ホテルの建設工事を速やかに進めていただくため、開業までの建設地の無償貸付期間の延長について、また、温泉水を安全で安定的に供給するため、老朽化した貯湯施設及び関連する設備の改修にかかる補正予算を今議会に提出しているところです。

最後に「行政経営」についてであります。

まず、財政状況について述べます。

令和5年度の普通会計決算につきましては、歳出決算額は、322億3千3百万円余、前年度比1.9パーセントの増加となりました。これは、令和3年度7月豪雨に伴う災害復旧費をはじめ、低所得の子育て世帯生活支援特別給付金や住民税非課税世帯等臨時特別給付金など、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策などを実施したことに伴うものであります。また、財政健全化判断比率は、実質公債費比率が対前年度比0.3ポイント増の11.2パーセントなったところです。

令和5年度においては、将来負担の軽減を図るため、減債基金を取り崩して4億2千万円余の繰り上げ償還を行うなどの努力をしてきておりますが、今後の財政運営につきましては、令和7年度以降の地方交付税の水準を慎重に見極め、将来の借入金の返済と地方債の発行とのバランスを図りながら、引き続き健全財政の維持に努めて参ります。

続いて、補正予算についてであります。

一般会計は、道の駅さくらの里きすき活性化整備事業1億3千7百万円余、公共施設解体撤去事業(合計)5億4千6百万円余、林地崩壊防止事業5千万円、公共施設小規模修繕事業(合計)2千万円、各種事業補助金等返還金(合計)9千万円余、将来負担軽減のための繰上償還金5億円の追加などを計上しております。

また、特別会計等におきましては、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、水道事業会計、下水道事業会計、病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う補正予算を計上しております。

その外、議案として、条例9件、規約1件、一般事件6件、認定事項8件、諮問事項2件、報告事項10件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようお願い申し上げ、開会にあたっての施政方針といたします。

 

令和6年9月2日         

雲南市長  石 飛 厚 志


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