トップ > 市政情報 > 情報公開 > 施政方針 > 令和4年度 > 市長施政方針(12月定例会)

ここから本文です。

市長施政方針(12月定例会)市長施政方針の全文を掲載しますのでご覧ください。

市長施政方針(12月定例会)

令和4年度雲南市議会12月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

施政方針全文

 令和4年雲南市議会12月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 はじめに、去る11月3日に発令された秋の叙勲についてであります。

 秋の叙勲において、大東町の細木ほそぎ 照子てるこ様が地方自治功労により旭日双光章の栄に、木次町の谷岡たにおか 美栄子みえこ様が更生保護功労により瑞宝双光章の栄に浴されました。

 皆様の長年のご活躍とそれぞれの分野でご尽力されたご功績に深く敬意を表し、受章のお慶びを申し上げますとともに、今後とも健康にご留意され、ご活躍されることを心より祈念いたします。

 次に、雲南市教育委員会教育長及び委員の選任についてであります 。

 12月8日をもって、景山かげやま あきら教育長が任期満了を迎えますが、引き続き教育長としてお願いしたく、本議会に同意案件を提出しております。

 また、 同じく任期満了を迎えられます教育委員の太田おおた 多美子たみこ委員におかれましては、3期12年の長きにわたり、市の教育行政の推進にご尽力いただきましたが、任期満了を迎え、この度ご勇退されることとなりました。教育振興に対するこれまでの多大なご功績に対し、心から敬意を表し、深く感謝申し上げる次第であります。

 後任の委員には、榊󠄀さかきはら ゆき子様を選任いたしたく、本議会に同意案件を提出しております。

 次に、令和3年7月豪雨に関する災害復旧事業の進捗状況等についてであります。

 公共土木施設災害につきましては、280件の復旧工事のうち217件を発注し、年度内に約50パーセントの完了を見込んでいるところです。

 農地、農業用施設災害につきましては、国の再査定が11月末に概ね完了し、準備ができたものから順次発注を行っているところです。しかしながら、入札参加者がおらず、不調となる入札も出てきており、周辺市でも同様の状況が発生してきていることから、公共土木施設災害の一部の発注を次年度に先送るなどの対応により、農地、農業用施設災害復旧の進捗を図っていく考えであります。

 なお、今後の災害復旧を進めるうえでは、十分な工期を確保するため債務負担行為により、年明け早々から工事発注を予定しているところです。

 次に、物価高騰対策及びポストコロナに向けた経済対策についてであります。

 新型コロナウイルス感染症による消費の低迷や原油価格高騰による物価の上昇が、市民生活や市内事業者に大きな影響を与えている状況にあり、今議会において、様々な対策を講じていくための補正予算を提案しているところです。

 まず、生活困窮者の支援については、国の物価・賃金・生活総合対策本部において、物価高騰の影響が特に大きい低所得世帯に対して、1世帯5万円の支給が決定されたことから、本市では10月17日に補正予算の専決処分を行い、事業を進めているところです。対象と見込まれる世帯へは、11月に通知いたしましたので、今後、速やかな給付に努めて参ります。

 続いて、事業者への支援についてであります。

 原油価格高騰の影響を強く受けているタクシー事業者については、燃料費に対して県と協調して補助を実施することで、タクシー事業者の事業継続を支え、市民の身近な交通手段の確保を図って参ります。

 保育所等については、食材費や燃料費等の一部を支援し、継続的、安定的な保育サービスの提供を確保して参ります。

 保育所・学校等の給食の食材納入事業者に対しては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休園・休校に伴い、食材キャンセルが生じ、経営に影響を及ぼしていることから、対象範囲を拡大するとともに支援内容を拡充して参ります。

 高齢者福祉事業所及び障害者福祉事業所については、県において実施を予定されている物価高騰支援の対象とならない高齢者福祉サービス及び障害福祉サービス事業所等に対し、本市独自の支援金を給付し、高齢者及び障がい者が地域で安心して生活できる環境づくりに努めて参ります。

 指定管理施設については、施設管理に要した電気、ガスなどの燃料費の高騰分に相当する経費を支援し、指定管理者の事業継続と施設の適切な維持管理を図って参ります。

 農業者等については、肥料価格高騰対策として、国による価格高騰分の70パーセント部分への支援に合わせ、残りの30パーセント部分を県と協調して補助し、農業経営への影響緩和に取り組んで参ります。

 続いて、市内の消費喚起策についてであります。

 額面3千円の商品券チケットを2千円で購入できる「雲南市飲食・タクシー業消費喚起支援事業」については、好評につきチケットが完売した事業者もあることから、追加発行いたします。また、市内の中小事業者が自ら取り組む消費喚起や販売促進活動を支援する「消費喚起・販売促進活動等支援事業」についても、対象事業者の掘り起こしを行いながら支援に取り組んで参ります。

 さらに、キャッシュレス決済で買い物をすることにより、還元率20パーセント、最大5千円分のポイントを付与する消費喚起策を来年2月の実施に向けて準備を進めて参ります。

 また、11月から実施している、額面4千円分を2千円で市内宿泊者に販売する「プレミアム付うんなん観光券」について、国の全国旅行支援の動きに合わせ、利用期間を2月末まで延長し、宿泊及び観光消費の拡大につなげて参ります。

 次に、中心市街地活性化事業にかかるビジネスホテル整備事業についてであります。

 これまで私自身も何度も訪問し、早期の事業着手を要望してきたところですが、11月29日の共立メンテナンス役員会におきまして、雲南市のホテル事業が可決承認されたとの連絡がありました。大変喜ばしいことであり、詳細なスケジュールはこれからとのことですが、早期完成と円滑な事業推進に向けて支援に取り組んで参ります。

 次に、第10回平和首長会議への参加についてであります。

 去る10月19日から20日にかけて、広島市で開催された第10回平和首長会議総会に加盟都市の市長として参加して参りました。全国の加盟自治体に加え、海外の都市からも多数の参加があり、「核兵器のない平和な未来を創造するために~市民社会に『平和文化』を根付かせよう~」を基調テーマのもと、活発な議論が行われました。

 「平和を」の都市宣言を行っている本市といたしましても、全世界の加盟都市と一体となって、核兵器のない平和な世界の実現をめざし、市民社会の立場から「平和文化」を振興し、市民社会に根付かせることで、為政者が核抑止力に依存することなく、対話を通じた外交政策をめざす環境づくりを推進する取り組みを進めて参ります。

 次に、5つの政策に沿って申し述べます。

 最初に「みんなで築くまち」に関わる政策についてであります。

 まず、マイナンバーカードの普及推進について述べます。

 国においては、デジタル社会のインフラとしてマイナンバーカードを位置づけ、令和4年度末までに、ほぼ全国民に行き渡ることをめざし、マイナポイントの付与やマイナ保険証の導入義務化など、マイナンバーカードの普及に取り組まれています。

 本市においても、地域、商業施設、イベント会場などでの申請サポートや、本庁での月1回の休日交付を実施するなど普及促進を図って参りましたが、交付率は10月末時点で45.0パーセントと、全国平均の51.1パーセントを下回り、山陰12市では最も低い状況であります。

 そうしたことから、本年11月から来年2月まで、各総合センターにおいても、平日の第2、第4木曜日の時間外に交付窓口を開設することとしたほか、市内18カ所ある郵便局でマイナンバーカードの申請手続きが可能となるよう、委託の予算を今議会に提出しております。市民の皆様には、この機会にマイナンバーカードを取得いただきますようお願いいたします。

 続いて、地方版図柄入りナンバープレートに関する検討結果についてであります。

 国土交通省より、「地方版図柄入りナンバープレート」の導入地域を新たに募集されたことから、出雲市、奥出雲町、飯南町の枠組みで導入されている「出雲」ナンバーの本市での導入について、市民アンケートの実施や関係団体への意見聴取などにより意向調査を行ったところです。

 市民アンケートは、1,500名を対象に実施し、770名の皆様からご回答をいただきましたが、「島根」ナンバーのままでよいとの回答が47.4パーセント、「出雲」ナンバー導入に賛成との回答が45.7パーセントと拮抗する結果となりました。その他、議会や関係団体から様々な視点からのご意見をいただきながら検討を重ねた結果、現時点においては「出雲ナンバーの導入は困難」と判断いたしました。

 しかしながら、「出雲」ナンバー導入に賛成の意見も多くの方からいただいており、広域観光の推進においてメリットも期待できることから、次回の募集に向けて、導入に係る検討を継続していく考えであります。

 続いて、デジタル社会の実現に向けた取り組みについてであります。

 国においては、デジタル田園都市国家構想を掲げ、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせるデジタル社会の実現に向けた取り組みが進められております。これを受け、本市では庁内に、行政サービスや地域社会のデジタル化を推進する検討会議を立ち上げたところです。今後、先進事例の調査研究や関係団体を交えた勉強会等を行いながら、デジタル化の将来像や先行的に取り組む事項について検討を進めて参ります。

 次に、「安全・安心で快適なまち」に関わる政策についてであります。

 まず、脱炭素社会の実現に向けた取り組み状況について述べます。

 6月23日に脱炭素宣言を行って以来、7月のキックオフフォーラムを皮切りに、脱炭素先行地域への視察や、住宅対策、バイオ炭の活用など、様々なテーマによる環境会議を開催し、学びを深めているところです。

 こうした先進地調査や現状把握に加え、全国の環境問題に関心を持つ大学生を本市で受け入れ、地域の皆様との学習会やコンポスト製作に取り組んでいるほか、地元の高校生とワークショップを行うなど、脱炭素社会構築に向けた大きな柱のひとつである「ごみゼロ社会の実現」に向けて、若い世代を巻き込んだ、雲南市らしい市民協働の取り組みを先行して取り組んで参ります。

 今後、実行計画の策定に向け、本年度中に骨子をとりまとめ、先行して実施できるものから来年度予算に反映していきたいと考えております。

 続いて、尾原ダム完成10周年記念行事の開催結果についてであります。

 去る10月16日にさくらおろち湖祭りに合わせ、尾原ダム完成10周年記念の集いを開催いたしました。当日は、国会議員などのご来賓の皆様、地元住民の皆様、移転された皆様、流域の関係自治体の皆様など、約200名のご出席を得て盛大に開催したところであります。また、松江市からは堀川遊覧船のダム湖での運航にご協力いただくなど、3年振りの開催となったさくらおろち湖祭りに花を添えていただきました。

 この10年の節目を契機に、残された大橋川拡幅の早期完成と、さらなる地域の発展につなげて参ります。

 続いて、コウノトリとの共生に関する条例の検討状況についてであります。

 3月議会での議案提出をめざし、専門家など16名の皆様による検討委員会で協議を重ねていただいており、11月30日には、加茂交流センターでコウノトリに関する学習会を開催し、コウノトリの野生復帰や共生などについて学んだほか、条例に関する意見も募ったところです。今後、年内に素案をとりまとめ、パブリック・コメントで広く市民の皆様のご意見が反映できる機会を設けて参ります。

 続いて、水道料金の見直しについてであります。

 水道料金については、平成29年4月に改定を行ってから5年が経過しておりますが、その間、人口減少などによる給水収益の減少や、施設の老朽化に伴う維持管理費の増加などにより、今後を見通すと厳しい経営環境になると見込まれます。

 下水道使用料の改定を先行し、改定時期を2年繰り延べてきましたが、将来にわたり、市民の皆様に安心してご利用いただくためには、水道料金の定期的な見直しが必要であることから、11月29日に雲南市上下水道料金等審議会へ水道料金の見直しについて諮問したところであり、今後、審議結果を答申いただく予定としております。

 続いて、原子力防災についてであります。

 去る11月7日と12日に、原子力防災訓練を実施いたしました。7日には初動対応等訓練として災害対策本部運営訓練及び、緊急時通信連絡等訓練や学校等の避難措置等訓練として情報伝達訓練等を行いました。

 また、12日は加茂町の加茂まちづくり協議会から住民の皆様35名にご参加いただき、避難措置等訓練を行いました。今回は広島県三次市のご協力のもと、初めての県外への避難訓練となりました。

 訓練内容は、「かもてらす」において安定ヨウ素剤緊急配布訓練を、「道の駅たたらば壱番地」において避難退域時検査訓練を行い、三次市に入り「みよし運動公園」を避難経由所とし、避難所となる「酒屋さけや体育館」において、避難所の運営手順を確認するとともに、原子力防災に係る基礎知識や防護措置等の学習会を開催し、原子力防災に対する理解の向上を図ったところです。

 今回の経験等を活かし、引き続き、国、県及び関係機関と連携しながら、広域避難計画の実効性を高めて参ります。

 次に、「支えあい健やかに暮らせるまち」に関わる政策についてであります。

 まず、新型コロナウイルスワクチン接種について述べます。

 本市では、雲南医師会、平成記念病院及び雲南市立病院のご協力により、オミクロン株対応ワクチンの接種を開始しております。オミクロン株対応ワクチンは、これまで2回のワクチン接種を完了した12歳以上の住民の方を対象としており、オミクロン株対応ワクチンの接種を希望される方で、2回のワクチン接種を完了されていない方は、早めの接種をご検討いただきますようお願いいたします。

 また、11月からは生後6ヶ月から4歳までを対象とした乳幼児接種を開始し、5歳から11歳までを対象とした小児接種についても、3回目の追加接種を実施しておりますので、保護者の皆様におかれましては、接種をご検討いただきますようお願いいたします。

 続いて、民生委員・児童委員及び主任児童委員の改選についてであります。

 本年は3年を任期とする一斉改選の年にあたり、候補者の選定につきましては、各町に設置した推薦準備会をはじめ、地域自主組織や関係自治会の皆様に大変ご尽力いただき感謝を申し上げるところです。市の推薦会で推薦決定いただいた候補者は、このほど、国において正式に決定され、今月から新たな任期がスタートいたしました。

 今回の改選では委員定数1名の増員が認められ、総勢143名体制となり、今月3日に民生委員・児童委員の皆様に委嘱状を、また、主任児童委員の皆様に委嘱状及び指名状を伝達することにしております。

 委員の皆様には、地域福祉の推進にご尽力を賜りますようお願い申し上げるとともに、この度ご退任されました委員の皆様には、長年にわたり地域福祉の推進のために熱心に取り組んでいただいたことに対し、衷心より感謝を申し上げます。

 続いて、斐伊保育所の保育環境の改善についてであります。

 斐伊保育所の保育室の保育環境の改善策について、関係者の皆様との意見交換を重ね、慎重に検討を行って参りましたが、この度、斐伊保育所に併設する木次子育て支援センターを近隣地域に移転・新築を行うことといたしました。

 これにより、斐伊保育所と木次子育て支援センターは、それぞれが独立した施設で活動することが可能となり、保育環境の改善とともに、双方とも充実した事業展開が期待できるものと考えております。

 今後、用地取得の手続きを進め、可能な限り速やかに事業を進めていく考えであります。

 次に、「ふるさとを学び育つまち」に関わる政策についてであります。

 まず、しまね教育フォーラムにおける吉田小学校のたたら体験学習の発表について述べます。

 島根県教育委員会では、11月3日を教育の日と制定し、くにびきメッセで「しまね教育フォーラム」が開催されました。「島根で学び、未来を創造する」をテーマに様々な発表がある中で、吉田小学校からの発表もありました。田井小学校とともに行った炭焼き、砂鉄採取、そして小だたら操業について、5・6年生の児童7人が、小だたら操業の大変さや感動、さらにはふるさと吉田への愛着が深まった等の感想を含め、多くの皆様に発信していただきました。

 引き続き、地域の特色を生かしたふるさと教育の充実に向け、今後さらに取り組みを進めて参ります。

 続いて、うんなんヒューマンライツ・フェスタ2022の開催についてであります。

 市民の皆様に人権について考える機会を提供し、人権啓発を一層推進していくため、「うんなんヒューマンライツ・フェスタ 2022」を開催いたします。

 今月1日から8日まで、木次町のマルシェリーズにおいて、人権啓発パネルの展示を行うほか、10日には、加茂文化ホールラメールにおいて、とよなか国際交流協会から三木みき ゆきさんを講師にお招きし、3年振りとなる人権講演会を開催いたします。

 続いて、スペシャルオリンピックスの取り組みについてであります。

 去る11月4日から6日までの3日間、広島県で「スペシャルオリンピックス夏季ナショナルゲーム2022広島大会」が開催され、雲南市からは6名のアスリートが出場されました。コロナ禍において十分な練習ができない状況の中ではありましたが、アスリートそれぞれが力を発揮され、金メダルを獲得するなど優秀な成績を収められました。

 出場されたアスリートの皆様の今後のご活躍を期待するとともに、アスリートのさらなる自立と社会参加が促進されるよう、引き続き市民の皆様の温かいご声援とご支援をお願いいたします。

 続いて、雲南少年少女レスリング選手権大会の開催についてであります。

 去る10月30日に、雲南市長杯第1回雲南少年少女レスリング選手権大会を、三刀屋文化体育館アスパルで開催いたしました。3歳から中学3年生まで全国から約200名の選手の参加があり、本市でレスリング競技の開催を予定している令和7年全国高校総合体育大会、そして令和12年国民スポーツ大会に向け、素晴らしい一歩を踏み出すことができました。この大会を開催するにあたり、ご支援ご協力いただきました皆様に感謝を申し上げるとともに、レスリングをはじめとするスポーツ文化の一層の振興を期待するものであります。

 次に、「挑戦し活力を産みだすまち」に関する政策についてであります。

 まず、農業振興について述べます。

 今年の米の作柄は、国の発表によると出雲地区の10アール当りの予想収量は昨年より4キログラム減少した525キログラムで、作況指数は100の「平年並み」でありました。また、本市のプレミアムつや姫は、9月上旬から中旬にかけて日照不足であったことから、出荷数量約10,200袋のうち、「たたら焰米」に認定した数量は約5,300袋・認定率約52%と昨年と同水準の結果となりました。

 本年の結果を検証し、プレミアムつや姫「たたら焰米」の栽培技術の向上とブランド力の強化をより一層進めて参ります。

 続いて、畜産振興についてであります。

 去る10月6日からの5日間、「第12回全国和牛能力共進会」が鹿児島県で開催され、JAしまね雲南地区本部吉田肥育センターの出品牛「かすみひさしげ432号」を含む3頭が出場した第6区総合評価群 肉牛の部で、見事、枝肉としての評価が日本一に輝き、さらに「かすみひさしげ432号」は特別賞「脂肪の質」も受賞いたしました。日本一は島根県初の快挙であり、これまでの奥出雲和牛の地域内一貫体制で取り組んできたことが実を結んだものであります。関係者の皆様に心よりお慶びを申し上げますとともに、これまでのご労苦に厚く感謝を申し上げる次第であります。

 こうした中、雲南市、奥出雲町及び飯南町で本年7月にJAしまねに対して要請を行った和牛肥育事業の継続につきましては、去る10月14日にJAしまね石川代表理事組合長から「生産者の皆様はもとより島根県及び雲南地域1市2町と十分協議を行い、最善の方策を見出し、引き続き雲南地域の畜産振興に取り組む」との回答を受け、雲南地域1市2町とJAしまね雲南地区本部で組織する雲南農業振興協議会を母体に島根県を含めた検討会議を設けたところであります。

 今後、生産者の皆様からご意見をいただきながら、奥出雲和牛のさらなる発展に向け、繁殖から肥育、牛肉販売までの最善の方策を検討して参ります。

 続いて、観光振興についてであります。

 木次線利活用推進協議会が進めている既存列車のラッピングについては、デザインを10月の臨時総会で決定し、2月末の完成をめざして進めているところです。さらに、11月から貸切列車のモニターツアーを実施しており、企画内容を検証しながら、観光による木次線の利用促進につなげて参ります。

 本市のさくらを活用した観光振興については、去る11月19日に、木次経済文化会館チェリヴァホールにおいて、「斐伊川堤防桜並木」日本さくら名所百選30周年認定記念式典を開催いたしました。当日は、細田ほそだ 博之ひろゆき衆議院議長をはじめとする国会議員の皆様、地域や関係者の皆様など、多くの皆様にご出席いただき、これまでの先人の努力を顕彰するとともに、市内外に広く「さくらのまち雲南市」を発信することができました。

 今後、地域が一体となって「日本一さくらのまちづくり事業」を推進していくため、市内全域の桜を管理できる体制づくりに向けた検討を進めて参ります。

 「たたら」を活用した観光振興については、雲南市たたらプロジェクト会議において、冊子「雲南のたたら文化」を発刊いたしました。さらに、来る1月28日に、この冊子を基に出題する「たたら伝道師検定試験」を実施いたします。この冊子や検定試験を通して、「たたら製鉄」や文化に興味、関心を持っていただく方を増やしながら、たたら文化を語り継げる伝道師の育成や情報発信につながるよう取り組んで参ります。

 続いて、既存観光施設の活用、再生に向けた取り組みについてであります。

 既存観光施設の活用、再生に向けた取り組みとして、道の駅活性化ビジョンの作成に向け、道の駅運営者の皆様と協議を進めるとともに、防災機能の強化などについて国土交通省との協議を進めているところです。

 去る11月12日には、道の駅掛合の里で市民参加のワークショップを開催し、道の駅を再生するために、どのような機能や仕組みが必要かなど、三刀屋高校掛合分校の生徒の皆様からの提案を含め、意見交換を行ったところです。今後、いただいた意見を参考にしながら、道の駅活性化ビジョンの年度内策定をめざして進めて参ります。

 続いて、よい仕事おこしフェア実行委員会としまね信用金庫との連携協定についてであります。

 市内中・小規模事業者の新規取引の開拓や地域産品の販路拡大とともに、観光による相互連携を図るため、東京の城南信用金庫が事務局を務める「よい仕事おこしフェア実行委員会」と、「しまね信用金庫」及び雲南市の三者による包括連携協定を、来年1月の締結に向けて進めているところです。全国の信用金庫のネットワークときめ細やかなサポート力を活かし、市内企業を支援するとともに、地域経済の活性化や地方創生を推進して参ります。

 最後に「行政経営」についてであります。

 まず、職員の定年引上げ及び給与の改定について述べます。

 地方公務員法の一部改正等により、地方公務員の定年が令和5年4月1日から段階的に引き上げられることに伴い、現行の条例に規定する定年年齢や定年引上げ後の再任用制度、職員の給与等について、見直しの提案を行っております。

 また、本年度の一般職員の給与改定につきましては、国の人事院勧告及び県の人事委員会勧告ともに勤勉手当の支給割合の引き上げと、4月に遡り30歳代半ばまでの若年層職員の給料月額を引き上げる勧告がなされており、本市においても引き上げを行う考えであり、併せて、会計年度任用職員の給料月額及び報酬額並びに期末手当の支給割合の引き上げを、今議会中に追加提案を行いたいと考えております。

 続いて、令和5年度当初予算編成方針についてであります。

 令和5年度当初予算編成にあたっては、令和3年7月豪雨災害からの復旧・復興を着実に進めるとともに、人口の社会増の実現に向けた持続可能なまちづくりの推進を優先課題として編成して参ります。また、新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰等の影響を受ける地域経済の回復はもとより、停滞した市民活動・スポーツ文化活動等の再開支援、さらにはより強靭な産業への転換に向けて取り組む考えであります。

 このような状況の中で、令和5年度当初予算編成については、一般会計予算の規模を、310億円程度に設定したところです。また、財政調整基金、減債基金については、収支不足による必要額を繰入れすることとしております。

 続いて、補正予算についてであります。

 一般会計では、雲南市・飯南町事務組合負担金(CATV)9億8千2百万円余、新型コロナウイルスワクチン接種事業1億3百万円余、政策選択基金積立金7千7百万円余、コロナ禍における電力・物価等高騰対策(合計)1億8百万円余などの追加の予算を計上しております。

 また、特別会計等では、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、水道事業会計、下水道事業会計、病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う補正予算を計上しております。

 その外、議案として、承認1件、条例7件、同意事項5件、報告事項4件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようお願い申し上げ、開会にあたっての施政方針といたします。

令和4年12月2日 

                                                                                                                  雲南市長 石 飛 厚 志


お問い合わせ先

政策企画部 政策推進課
〒699-1392
島根県雲南市木次町里方521-1
Tel 0854-40-1011
Fax 0854-40-1029
seisakusuishin@city.unnan.shimane.jp
(注意)メールアドレスの「@」は半角「@」に書き換えてください。

もしもに備えて

防災情報

急病時の医療機関