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市長施政方針(9月定例会)市長施政方針の全文を掲載しますのでご覧ください

市長施政方針(9月定例会)

令和2年度雲南市議会9月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

施政方針全文

令和2年雲南市議会9月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

始めに、「雲南市役所の爆破予告」についてであります。
9月1日午後、市役所本庁舎を爆破するとの予告があったため、本庁舎に来庁される皆様の安全を考慮し、同日正午から午後3時までの間、本庁舎を閉庁いたしましたが、予告時間を過ぎても異常はなく、不審物も発見されませんでした。
市民の皆様には、ご心配とご不便をおかけいたしましたが、皆様のご理解とご協力に対し、お礼申し上げます。

次に、「令和2年7月豪雨」についてであります。
日本付近に停滞していた梅雨前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、7月3日以降、九州や岐阜、長野など各地で記録的な豪雨となり、亡くなられた方や行方不明の方は80名を超え、住宅被害は全半壊約1千7百戸、床上床下浸水約1万7千戸の大きな被害が発生いたしました。この豪雨災害で犠牲になられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに被災されました方々にお見舞いを申し上げ、被災地の早期の復興を願うところであります。
雲南市では、7月13日から14日にかけて大雨となり、幸いにも人命に関わる被害はありませんでしたが、県道2路線及び市道18路線、農地26か所、農業用施設16か所、林道1か所、林地崩壊24か所などの被害が発生いたしました。引き続き、迅速な災害復旧に努めて参ります。

次に、「新型コロナウイルス感染症対策」についてであります。
去る7月22日、24日に公表いたしましたとおり、雲南市職員3名が新型コロナウイルスに感染いたしました。これを受け、7月27日には、市役所本庁舎を閉庁したところであり、市民の皆様にご心配とご不便をおかけしましたことを重く受け止めているところであります。市民の皆様が安心して市役所に来庁いただけるよう、毎日の健康管理や消毒、間仕切りの設置、一部業務の分散化などの感染リスクを抑えるための取組を徹底し、引き続き感染防止対策に全力で取り組んで参ります。
加えて、雲南市立病院におきましては、全国的に感染者が拡大している状況から今後の感染拡大に備え、専用病棟及び帰国者・接触者外来の継続的な運用をはじめ、感染症対策に必要な各種備品の整備を図るなど、県との連携を強化しながら引き続き体制整備に努めているところです。
また、先般、松江市でのクラスター発生によって100名を超える感染が確認されたことをはじめ、県内において130名を超える感染者数が確認されており、島根県及び関係する自治体においては、感染拡大防止に懸命に取り組まれているところであります。感染された方々の一日も早い回復を願うところでございます。
さて、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として実施いたしました国の特別定額給付金につきまして、本市は5月8日から申請の受付を始め、8月10日に受付を終了したところです。申請漏れが発生しないよう周知などに努め、最終99.9%の申請となり、各世帯の家計への支援につながったものと考えております。
また、今議会において、農林業に対する新型コロナウイルス感染症対策に伴う市独自の支援を新たに提出しているところであります。
まず、農業関係への支援といたしまして、全国的な飲食店等の営業自粛や市内道の駅の産直店舗等の休業による農畜産物の売上減少に加え、酒米生産農家では日本酒の需要減少に伴う主食用米への作付転換による酒米苗の廃棄などの被害が生じています。こうした被害への支援策として、生産品目別に売上が昨年同月比20パーセント以上減少している農業者並びに酒米生産農家に対し、市独自の補助制度を創設して支援を行って参ります。
さらに、畜産関係では、牛肉の取引価格の下落から子牛市場の価格が大幅に下落した繁殖和牛農家に対し、国、県の支援に加え、畜産環境の改善や家畜防疫等の徹底を図るための市独自の支援を行って参ります。加えて、肥育農家、酪農農家、養鶏農家に対しても、同様に市独自の支援を行って参ります。
さらに、林業関係においても、木材価格が低迷しており、先の見えない長期的な景気の冷え込みが予想されています。国の木材の流通や販売への対策に加え、本市においても、森林環境譲与税を活用して、切捨間伐経費に対する市独自の支援を行うとともに、市産材の価格や流通の維持を図るための支援を行って参ります。
また、市内の温浴施設等の利用中止により、森林バイオマスエネルギー事業の木質チップ供給量が減少したことに対しても、市独自の支援を行って参ります。

次に、5つの政策に沿って申し述べます。
最初に「みんなで築くまち」に関わる政策についてであります。
まず、地縁法人制度の動向について述べます。
地域自主組織に見合った法人制度の創設を国に求めておりますが、本年6月に第32次地方制度調査会から内閣総理大臣に答申がなされ、地縁法人制度の再構築が盛り込まれたところであります。具体的には、認可地縁団体制度の目的要件を緩和するものとなっており、求めてきた新たな法人制度とは、まだかなり隔たりがありますが、これまでの様々な取組により第一歩を踏み出すことができたと考えております。
しかしながら、まだ不十分であり、全国の自治体等で組織している小規模多機能自治推進ネットワーク会議(直近の自治体会員数268)の組織力を活かし、引き続き新たな法人制度の創設を国へ求めて参ります。

続いて、空き家条例の制定についてであります。
本市では、平成29年3月に空家等対策基本計画を策定し、空き家の現状把握に努めて参りましたが、このデータを基に利用可能な空き家を積極的に活用するとともに、管理不全となる空き家の発生を抑制し、周辺環境の保全を図るため、かねて協議しております雲南市空き家等対策の推進に関する条例を本議会に提出しております。
議決後、新たに空き家対策協議会を設置し、市民の皆様の声を反映した、具体的な支援策を検討して参ります。

続いて、ケーブルテレビ伝送路(FTTH化)整備についてであります。
新型コロナウイルス感染症対策として措置された国の2次補正予算では、高度無線環境整備推進事業が増額され、遠隔教育や遠隔診療などにも対応できるよう国全体で光ケーブルを使用した高速通信環境の整備が推進されることとなりました。これに伴い、本市においても、この財源を最大限活用できるよう、ケーブルテレビ伝送路整備計画の見直しを行い、令和2年度から3年度にかけて、掛合町外1町の宅内までの整備及び全市内の小中学校への引き込みを行い、その他4町については幹線を整備いたします。また、令和4年度以降に周辺部から宅内引き込み工事を開始し、令和7年度末の完了をめざして、整備を進めて参ります。

続いて、国勢調査の実施についてであります。
国勢調査は、統計法に基づき、国の最も重要な統計調査として、日本に住んでいる全ての人や世帯を対象に5年ごとに全国一斉に実施される調査であります。この調査結果は、国や地方公共団体における各種の行政施策を立案するための基礎資料として用いられるほか、研究・教育活動、経済活動などの幅広い分野で利用され、国民生活に役立てられているところです。
今回の調査においては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、調査書類の配布や回収に関し、調査員と世帯が直接対面しない非接触方式の導入など調査員及び世帯の安全確保策を検討しながら準備を進めているところです。市民の皆さまには、積極的に調査にご協力いただきますようお願いいたします。

続いて、市政懇談会に代わる市政番組についてであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、今年度は市政懇談会を中止とし、ケーブルテレビを活用した市政番組を放映し、市民の皆様からご意見を伺うことといたしました。番組は、4回シリーズとして、7月16日から8月31日までの間で、計18日間、「地方創生の取り組み」や、新型コロナウイルス対策、食の幸発信推進事業などの「今年度の主な取り組み」を説明し、現在、市民の皆さまからのご意見等を取りまとめているところであります。
今後、ご意見等に対する回答を早急に取りまとめ、自治会や地域自主組織へ公表するとともに、皆様からいただいた貴重なご意見やご提言を今後の市政に活かして参ります。

続いて、第17回公共建築賞・優秀賞の受賞についてであります。
この度、雲南市役所本庁舎が、公共建築の総合的水準の向上を目的として一般社団法人公共建築協会が実施する公共建築賞・優秀賞を受賞いたしました。この賞は、単に建築物の設計や施工が優れているだけではなく、設計の背景、施設稼働後の運用管理や地域への波及効果等に対する審査も行われており、竣工から3年を経過した建築物を審査対象とされております。
雲南市は、たたら製鉄を育んだ里山の活用をめざし、地産地消のバイオマス資源である木質チップの有効利用システムを構築し、省エネと環境負荷低減の効率的な設備や再生可能エネルギーの積極的な利用が評価されたものです。この度の受賞を契機に、市民の皆様とともに環境にやさしいまちづくりをめざし、より一層、省エネルギーの取組を推進して参ります。

続いて、上下水道部庁舎の建設工事についてであります。
去る5月28日及び6月9日に入札を行い、建築主体工事につきましては、田中工業・都間土建特別共同企業体、電気設備工事につきましては、三和電工・神州電気特別共同企業体、機械設備工事につきましては、島根水道株式会社雲南支店が受注されたところであります。去る8月1日に起工式を執り行い、令和3年6月の庁舎完成をめざし工事を進めて参ります。

次に、「安全・安心で快適なまち」に関わる政策についてであります。
まず、雲南市消防団の組織再編について述べます。
去る4月23日に雲南市消防団から提出のあった「雲南市消防団組織再編検討報告」を踏まえ、団員定数の見直しや機能別消防団員の配置など組織再編に関する条例改正案を今議会に提出しております。地域防災・消防力の低下を招かぬよう、また、全国的にも多発・大型化する自然災害にも柔軟に対応できるよう、令和3年4月に新たな組織体制へ移行して参ります。

次に、「支えあい健やかに暮らせるまち」に関わる政策についてであります。
まず、雲南市立病院の経営状況について述べます。
令和元年度の病院会計決算につきましては、一般病床の利用率が91.6%と高い水準を維持いたしましたが、病院建設に伴う減価償却費の増額や旧本館棟解体などに伴う特別損失の計上など、現金支出を伴わない費用の影響により、当期純損益が6億7千9百万円の損失となりました。
一方で、経常収益は前年度比1億9千3百万円増額の45億8千7百万円となり、過去最高の収益となったところです。これにより、内部留保資金も7百万円の上積みとなり、引き続き健全経営が図られているところであります。

続いて、身体教育医学研究所うんなんの公益財団法人化についてであります。
身体教育医学研究所うんなんは、大学機関、他自治体、民間団体等との連携を一層深め、さらに積極的な活動展開ができるよう、市の直営から「公益財団法人」への移行に向けて、まずは「一般財団法人」の設立準備を進めているところであります。そのため今年度に入り、6月23日に第1回財団法人設立準備委員会を開催し、定款等の協議を進めており、7月3日の身体教育医学研究所うんなん運営委員会においても、その内容の協議を行ったところであります。
今後も、関係の皆様からご意見をいただきながら、令和3年7月の一般財団法人設立、その後の公益財団法人化をめざし取り組んで参ります。

続いて、高齢者及び障がい者の福祉向上のための計画策定についてであります。
高齢者や障がい者が住み慣れた地域で安心して暮らすための施策を推進するため、法律に基づく計画策定に取り組むこととしております。
具体的には、まず「雲南地域第8期介護保険事業計画」であります。この計画は、雲南広域連合が主体となり、構成市町と調整しながら策定するものであります。全国の後期高齢者人口が最大となる2025年、さらには高齢者全体の人口が最大となる2040年を見据え、必要となる介護サービス及び介護予防の充実や認知症施策のほか、災害及び感染症対策についても盛り込むこととなっております。
続いては、障がい者福祉施策の数値目標やサービス必要量を定める「第6期雲南市障がい福祉計画」及び「第2期雲南市障がい児福祉計画」であります。現行計画の実績や障がいのある方のニーズを踏まえ、市における障がい者福祉施策を計画的に推進していくための具体的な指針を定めて参ります。
この高齢者及び障がい者に関する計画については、令和3年度から令和5年度までの3年間を計画期間としており、今年度中の策定に向け、検討を行って参ります。

次に、「ふるさとを学び育つまち」に関わる政策についてであります。
まず、ICTを活用した教育支援の実証事業について述べます。
新型コロナウイルス感染症対策に起因する国の緊急事態宣言により、4月中旬から約1か月間、市内の小・中学校を臨時休業といたしましたが、オンライン授業や児童生徒1人1台のパソコンの必要性について、市内のみならず全国的にも大きな課題となりました。そうした中、この度、新型コロナウイルス感染症対策に役立ててほしいと、市内にお住いの方から匿名で1,000万円のご寄附をいただきましたので、この貴重な浄財を活かし「ICTを活用した教育支援実証事業」に取り組んで参ります。
具体的には、モデル校におけるAI教材等を活用した個々に応じた授業の実践や、それに係る教職員研修の実施、さらにおんせんキャンパスにおける遠隔教育等を行い、令和3年度から整備を行う児童生徒1人1台のパソコン配備に対応すべく、推進体制の整備に努めて参ります。

続いて、戦没者御遺骨伝達式についてであります。
去る7月29日に、旧ソ連抑留中死亡者埋葬地から帰還された三刀屋町の石飛(いしとび) (とみ)()様の島根県戦没者御遺骨伝達式が、ご遺族様、雲南市遺族会様のご出席のもと、大東地域交流センターにて執り行われました。
先の大戦が終わりを告げてから75年の長い年月を経て、富衛様の御遺骨と対面されたご遺族様の深い悲しみに触れ、改めて「平和を」の都市宣言のもと、恒久平和への努力を重ねていく責任を改めて強く感じたところであり、富衛様の御霊(みたま)の安らかならんことを心からお祈りいたします。

次に、「挑戦し活力を産みだすまち」に関する政策についてであります。
まず、食の幸発信推進事業について述べます。
今年度は、用地測量や地盤調査を行うとともに施設建物の詳細な設計を実施するなど、令和3年度からの建設工事の着手に向けた準備を進めて参ります。一方、生産振興の面におきましては、生産品の計画的出荷を導くための栽培計画を生産者や生産組織と共に構築して参ります。また、既に事業実施を決定されているJA島根雲南地区本部と連携し、引き続き施設運用に係るルール作りに向けた協議を進めて参ります。

最後に「行政経営」についてであります。
まず、財政状況について述べます。
始めに、本議会に提出しています令和元年度決算につきましては、一般会計におきまして、減債基金を1億2千万円取り崩す結果となりました。収支不足に伴う基金の取り崩しは、平成17年度以来14年振りとなります。また、普通会計の歳出決算額は、清嵐荘整備事業や学校給食センター建設事業など大型の普通建設事業の影響により309億3千8百万円で、前年度と比べ6.7%増加しました。財政健全化比率は、実質公債費比率が対前年度比0.3ポイント増の11.1%となりました。
今後の財政運営につきましては、令和3年度以降の地方交付税の水準を慎重に見極め、将来の借入金の返済を見定めながら、地方債の発行とのバランスを図りながら、引き続き健全財政の維持に努めて参ります。

次に、補正予算についてであります。
一般会計は、雲南市飯南町事務組合負担金(CATV事業)1億5千6百万円、林地崩壊防止事業4千8百万円、雲南市飯南町事務組合負担金(清掃事業)4千4百万円、交付金活用道路修繕事業2千7百万円、起債道路整備事業2千2百万円、農業者緊急支援事業補助金2千1百万円、商業・サービス業感染症対応支援事業補助金2千万円、公共土木災害復旧事業(合計)1億2千9百万円、農地・農業用施設災害復旧事業(合計)1億2百万円、前年度各種事業補助金返還金(合計)7千4百万円の追加などを計上しております。
また、特別会計等におきましては、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、水道事業会計、病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う補正予算を計上しております。

その外、議案として、条例7件、一般事件1件、定款事項1件、認定事項9件、諮問事項3件、報告事項7件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようお願い申し上げ、開会にあたっての施政方針といたします。

 

令和2年9月4日 

雲南市長 速 水 雄 一


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