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市長所信表明(3月定例会)市長所信表明の全文を掲載しますのでご覧ください

市長所信表明(3月定例会)

令和2年雲南市議会3月定例会開会に際し、市長の述べました「所信表明」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

施政方針全文

令和2年雲南市議会3月定例会の開会にあたりまして、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

所信表明に先立ち、雲南市議会議員 周藤(すとう) (つよし)様のご逝去について申し上げます。
昨年12月18日、雲南市議会議員 周藤 強 様が逝去されました。
周藤様は、平成16年11月に雲南市議会議員に当選され、以来15年の間に副議長、尾原ダム対策特別委員会委員長、議会運営委員会委員長などを歴任され、災害に強いまちづくりや市民が安心して暮らせるまちづくりのため議員活動に尽力されました。
ここに深く敬意と感謝の意を表しますとともに、謹んで哀悼の誠を捧げ、心からご冥福をお祈り申し上げます。

続いて、新型コロナウイルス対策についてであります。
昨年12月以降、国内外での新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大により、多くの人が集まる催しを中止する動きが広がる中、少なからず市民生活にも影響が出ているものと感じております。
市では、1月31日以降、市民の皆様に対し、ホームページやケーブルテレビにより予防方法や相談窓口の周知を行っており、2月17日には通常体制から警戒体制へ移行するなど、緊張感を持って対応しているところです。
現時点で、県内在住者の感染は確認されておりませんが、一昨日、政府より示された「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」に基づき、今後、島根県、保健所等とともに正確で分かりやすい情報提供、感染状況の把握などにより、感染拡大の防止に努めるほか、万一、県内在住者への感染が確認された場合は、直ちに対策本部を設置し、迅速に対応して参ります。

続いて、第2次雲南市総合計画についてであります。
本年度末で第2次雲南市総合計画の中間点を折り返しますが、これまで以上に人口対策に注力する所存であります。特に流出減が激しい20歳代、30歳代の子育て世代の流出の歯止めが必要であり、子育てに係るきめ細やかなサービスの提供に努めて参ります。併せて、子育てしながら働きやすい環境づくりや、松江市、出雲市に近い住宅環境の整備など、人口の社会増に向け、より一層取組を強化していく考えであります。
一方、雲南市が誕生して16年目に入りましたが、市民と行政の協働のまちづくりが、形となって見えてきていると実感しているところです。地域自主組織の活動をはじめとした地域づくりの担い手としてご尽力いただいている方々の「大人チャレンジ」、自らの意思でまちづくりを推進していただいている「若者チャレンジ」、その若者に続き中高生が学び合い、高め合う「子どもチャレンジ」、地域の課題解決に向けた企業による「企業チャレンジ」によって、様々な先行事例が生まれており、全国的にも注目されています。
そのうち、去る1月24日に新たに協定を締結した株式会社ヒトカラメディアにおかれては、三新塔あきば協議会と連携協働し、木次駅前の空き家を活用し、まちの新たな「働く場」と「集う場」の創出に向け取組が進められております。
こうした動きに加え、これまでおよそ30社の企業から訪問を受け、10社以上の企業に本市の取組に共感いただき、一緒にチャレンジすることを検討いただいているところです。引き続き、こうした企業との連携協力を進め、社会課題の解決に向けた「雲南ソーシャルチャレンジバレー」の実現をめざして参ります。

さて、令和2年度を迎えるにあたっては、これまでのまちづくりの経過を踏まえ、引き続き「安全・安心」「活力と賑わい」「健康長寿・生涯現役」の実現をまちづくりの課題に掲げ、市政運営に努めて参ります。

まず、「安全・安心なまちづくり」に関する取組について述べます。
近年、我が国においては、大規模災害が数多く発生する状況にあり、市民の皆様の生命、財産を守るためには、「危機管理こそ行政における最大の課題」と認識しております。そのため、災害時における停電や断線を想定し、無線による通信手段の確保や防災情報伝達の多重化を図ることを目的に、280(メガ)Hz(ヘルツ)デジタル同報無線システムの整備に向け、取組を進めております。
また、国や県の管理河川における浸水想定区域の変更や、予定される土砂災害特別警戒区域、通称レッドゾーンの指定に伴い、令和2年度に防災ハザードマップの見直しを行い、災害時における避難行動が安全にできるよう対応を図って参ります。
加えて、大規模災害時に備え、人命の保護と被害の最小化を図るため、「国土強靭化地域計画」を策定することとしております。この計画については、国土強靭化に関する予算を確保するための要件にもなっていることから、緊急輸送道路の強化や、耐震化、情報伝達手段の強化など、今後、取り組むべき対策を計画に盛り込み、必要な予算を確保して参ります。
このような取組を推進するほか、消防・防犯・交通安全等に係る業務の効率的な遂行を図るため、防災部防災安全課内に「くらし安全室」を設置し、市民の皆様が安全で安心して暮らせる地域づくりに努めて参ります。
また、島根原子力発電所に関わる諸課題の迅速かつ的確な対応を図って参ります。

続いて、「活力と賑わいのあるまちづくり」に関する取組について述べます。
中心市街地における新たな商業施設「コトリエット」が昨年7月にオープンし、以降、近接する公園の開園も相まって、来店客数は順調に推移しております。今後も、家族連れなどによる消費額の向上と活力・賑わいづくりを期待するものであります。これに加え、株式会社共立メンテナンスより、本年中にはビジネスホテル建設工事に着手し、早期のホテル開業をめざしたいとの意向を示されたところであります。今後、ホテル用地の賃貸借契約をはじめ、建設に向けての交渉、準備を進めて参ります。
また、企業団地の整備に向け、平成29年10月より進めている神原企業団地の造成工事が昨年末に完了し、本年1月より約1.8ha(ヘクタール)の分譲を開始いたしました。その結果、地元企業1社から申請があり、立地企業選定審査会での審査を経て、譲渡先として決定したところであります。今後、隣接エリアにおいて計画的に企業団地の整備を進める方針であり、関係機関との調整を図りながら、事業の進捗に努めて参ります。
なお、(仮称)加茂バスストップスマートインターチェンジにつきましては、令和4年の供用開始に向け、本年春から本格的に工事を進めて参ります。

続いて、「健康長寿・生涯現役を全うできるまちづくり」に関する取組について述べます。
令和2年度から令和6年度までの5カ年を計画期間とする「第4次雲南市総合保健福祉計画」、「第4次雲南市健康増進実施計画」及び「第3次雲南市食育推進計画」を本年度内に策定することとしております。子どもから高齢者まで、保健・医療・福祉における包括的な取組や持続可能な地域づくりを進め、食への関りを含め、市民誰もが健康で生涯を通じて安心して暮らせるよう、今後それぞれの計画に基づく取組を進めて参ります。
また、身体教育医学研究所うんなんは、平成18年4月の設立以来、高齢者に多い膝・腰の痛み予防に有効とされる体操や歩行運動の正しく効果的な実践方法の研究成果を発信しつつ、その知見を多方面に還元するなど、市民に身近な研究機関として活動しております。今後、大学機関、他自治体、民間団体等とのさらなる連携・共同による活動の拡大が期待されることから、「公益財団法人」への移行に向けた協議を進めて参りたいと考えております。
また、健康づくり拠点施設である雲南市加茂中央公園B&G海洋センター「ラソンテ」と他のプール施設等との連携強化や、身体教育医学研究所うんなんの機能・活動成果を活かしながら、市民の皆様の健康づくりを推進して参ります。

次に、5つの政策に沿って申し述べます。
最初に「みんなで築くまち」に関わる政策についてであります。
まず、地域と行政の今後のあり方について述べます。
平成30年10月に、地域と行政の今後のあり方合同検討プロジェクトチームで取りまとめられた報告書でご提言いただきました約40項目に及ぶ対策のうち、本年度は「地域経営カレッジ」の具現化に着手し、6月9日の開講以降、地域の担い手対策に取り組んできたところであり、地域の皆様からの評価も高く、来年度も継続する考えであります。
また、本年度の地域円卓会議については、防災、社会教育・生涯学習、地域の担い手の育成、サロン活動、交通の5つのテーマを掲げて開催して参りましたが、引き続き意見交換を行う機会を設け、学び合い・高め合いができるよう取り組んで参ります。

続いて、交流センターの整備についてであります。
久野交流センターについては、旧久野幼稚園舎の改修工事が本年3月末に完了する見込みであり、移転作業後の4月7日に開所式を、4月26日に竣工記念式典を行う予定であります。

次に、「安全・安心で快適なまち」に関わる政策についてであります。
まず、ケーブルテレビ伝送路設備の更新について述べます。
現在のケーブルテレビ設備は、町村合併前に難視聴対策として整備し、サービスを提供しておりますが、設備の老朽化に伴う故障や受信障害が年々増加しています。今後、設備の最も古い掛合町エリアから順次更新を進めていく考えであり、令和2年度から詳細設計に着手して参ります。
なお、更新にあたっては、光ファイバーケーブルによる設備更新が最善と考えており、現行のハイビジョン放送を超える超高画質の映像を実現する4K・8K放送や超高速インターネットにも対応できることとなります。
また、本年4月より「ICT戦略室」を政策企画部情報政策課内に新設し、第5世代移動通信システムやケーブルテレビ伝送路を利活用した地域情報化施策に係る総合的な調整を行いつつ、ICTインフラの整備を進めていく考えであります。

続いて、雲南市地域公共交通網形成計画策定についてであります。
「雲南市地域公共交通総合連携計画」策定から10年が経過し、「雲南市民バス再編計画」に基づく事業の効果を検証するとともに、公共交通の現状・問題点及び将来見通しの再分析を行ったところであります。
市としましては、今後の地域公共交通を取り巻く課題に対応していくため、令和2年度から令和6年度までを計画期間とする本市の公共交通のマスタープランとなる「雲南市地域公共交通網形成計画」を策定しました。
本計画に基づき、持続可能な地域公共交通網の構築に向け、取り組んで参ります。

続いて、水道未普及地域解消事業についてであります。
平成27年度から整備を進めてまいりました上久野地区水道整備事業は、本年3月末に完了することとなりました。これにより、新たに104の世帯等への安全・安心で安定した水の供給が可能となります。
また、令和2年度より大東町山王寺本郷地区の水道整備事業に着手し、令和6年度の供用開始に向け取り組んで参ります。

続いて、立地適正化計画の策定についてであります。
全国的に人口減少や少子高齢化が進む中、国は、都市再生に向け、医療施設や商業施設などの生活利便施設と居住地が公共交通でつながったコンパクトな街づくりを提唱しています。
こうした状況下、本市においては、これまでの街づくりの経過を踏まえ、子育て世代や高齢者にとって安心で快適な生活環境を実現するために持続可能で魅力あるまちづくりの基盤となる都市計画事業を進めるため、令和2年度から「立地適正化計画」の策定に着手して参ります。

続いて、空き家対策及び環境政策についてであります。
近年、増加する空き家等が、周辺地域の防災・防犯上の不安や景観の悪化など生活環境へ与える影響が懸念されていることから、これまで、空き家の実態把握に取り組み、利活用や解体について、所有者への意向調査を行い、危険な空き家の特定や「空き家バンク」への登録に努めて参りました。
今後、空き家の危険度判定や行政指導などに取り組む必要があるため、本年4月より「空き家対策室」を建設部都市計画課に新設いたします。
また、環境政策の推進にあたっては、組織体制を見直し、「環境政策室」を市民環境部市民生活課に新設し、引き続き良好な生活環境の確保に努め、市民の皆様とともに環境の保全と創造に取り組んで参ります。

続いて、雲南市消防団の組織再編についてであります。
近年、少子高齢化や人口減少に伴い、消防団員の確保が困難になりつつある中、持続可能な消防団組織の構築に向け、雲南市消防団において、地域の実情に即した方向付けや消防力の低下を招かないことを考慮した組織再編の検討を進めていただいております。
今後も、継続的に諸課題の整理検討を行いながら、令和3年4月の新組織体制へ移行する考えであります。

次に、「支えあい健やかに暮らせるまち」に関わる政策についてであります。
まず、雲南市立病院と奥出雲町立奥出雲病院との連携強化について述べます。
県が策定された「地域医療構想」においては、二次医療圏域における病床の機能分化や連携の推進が求められております。また、国から示された「医師偏在指数」では、全国に335区域ある二次医療圏域の内、雲南圏域は333位であり医師少数区域に指定されました。
このような状況の中、隣接する自治体立病院である雲南市立病院と奥出雲町立奥出雲病院とが、これまで以上に連携を強化し、雲南市、奥出雲町が積極的に関わり合いながら機能分化の協議や医師確保等に取り組んで行く必要があると判断し、その有効な手段である「地域医療連携推進法人」の設立について、1市1町と両病院で合意を図ったところであります。今後、本年中の設立に向け、関係機関と協議しながら準備を進めて参ります。

続いて、田井診療所での雲南市立病院による巡回診療の継続についてであります。
昨年の11月26日から本年3月31日までの間、緊急的対応として、毎週火曜日の午後、田井診療所において雲南市立病院による巡回診療を行って参りましたが、島根県と協議し、令和2年度も引き続き巡回診療を行うこととなりました。本年4月1日以降の巡回診療は、毎週火曜日の午前の診療とし、市民バスやデマンドタクシーでの利用がしやすくなります。
なお、令和3年度以降も、同地域で診療が継続できるよう引き続き島根県等と協議を進めて参ります。

続いて、放課後児童クラブの整備についてであります。
大東小学校区の「ちゃれんじクラブ」は、これまで、元大東幼稚園園舎を活用して運営していましたが、施設の老朽化により、大東小学校グラウンドの一角に新たな施設の整備を進めてきたところであります。去る2月25日に建設工事が完了しましたので、本年4月より、引き続き特定非営利活動法人ほっと大東に運営を委託し、新たな施設で開所いたします。

続いて、第2期雲南市子ども・子育て支援事業計画の策定についてであります。
幼児教育や保育、地域における子ども・子育て支援を総合的に推進していくため、令和2年度から令和6年度までの5年間を計画期間とする「第2期雲南市子ども・子育て支援事業計画」を策定いたしました。
今後、本計画に基づき、本市で生まれ育つ子、新たに本市に定住して育っていく子など、すべての子どもが健やかに育つために必要な支援や、地域全体で子育てを支える取組のさらなる充実を図って参ります。

次に、「ふるさとを学び育つまち」に関わる政策についてであります。
まず、第4次雲南市教育基本計画の策定について述べます。
昨年6月から、20名で構成される策定委員会での協議を経て、令和2年度から令和6年度までの5年間を計画期間とする「第4次雲南市教育基本計画」を策定いたしました。
本計画では、「自立した社会性のある大人への成長をめざす教育」としてキャリア教育を引き続き推進し、教育基本目標である「ふるさとを愛し 心豊かでたくましく未来を切り拓く 雲南市の人づくり」を達成すべく、3つの基本的な柱として「『夢』発見プログラムのさらなる充実」、「学校運営協議会の活性化」、「各種コーディネーターの効果的活用と連携強化」を盛り込んでおります。
今後、この基本計画を本市教育大綱に位置付け、学校、家庭、地域、行政が一体となって、雲南市の教育を推進して参ります。
また、本計画の推進にあたっては、教育委員会の体制の強化を図るため、本年4月より「キャリア教育政策課」を教育委員会に新設し、教育の魅力化をはじめとする取組の充実に努めて参ります。

続いて、永井隆記念館施設整備事業についてであります。
昨年秋から建物本体の建設工事に着手し、令和3年4月のオープンをめざし整備に取り組んでいるところですが、敷地内に設置するモニュメント「平和の鐘」へのふるさと納税額は、1,148万円になったところであり、ご賛同いただいた多くの方々に衷心より感謝申し上げます。

続いて、雲南市多文化共生推進プランの策定についてであります。
現在、雲南市には、200名を超える外国人の方が居住されていますが、昨年4月の「出入国管理及び難民認定法」改正により、外国人労働者が増加することが見込まれることから、外国籍の方も暮らしやすいまちづくりを進めていく必要があります。
誰もがお互いを認め合い、尊重し合いながら、暮らしやすい地域社会を築くため、雲南市における多文化共生の意義や基本的な考え方をより明確にした「多文化共生推進プラン」を本年3月に策定いたします。

続いて、東京2020(ニイゼロニイゼロ)オリンピック聖火リレー及びパラリンピック聖火採火式についてであります。
東京2020オリンピック・パラリンピック開催まで、いよいよ150日を切りました。この聖火リレーが、本年5月17日に雲南市役所前から平成記念病院まで通過することが決定しており、当日は、市役所前で出発式を行い、14人のランナーで聖火を繋ぎます。
また、パラリンピックについては、市町村ごとで採火式を行い、その後、県へ集めることとなっております。雲南市では、8月16日にスペシャルオリンピックス日本・島根所属のアスリートの参加をはじめ、たたらの炎や青銅器文化が感じられる演出による採火式を行う考えであります。
「平和の祭典」とも言われるオリンピック・パラリンピックの聖火リレーに、多くの市民の皆様に関わっていただけるよう取り組んで参ります。

続いて、ホッケー女子日本代表・景山(かげやま)(めぐみ)選手についてであります。
「さくらジャパン」の愛称で親しまれているホッケー女子日本代表メンバーとして活躍中の木次町出身の景山恵さんは、東京2020オリンピックへの出場が期待されています。景山さんは、昨年、所属のクラブチームで日本一に輝き、国際ホッケー連盟が選ぶベストゴールキーパー部門にも選出されました。まずは、オリンピック日本代表選手として選出され、メダル獲得を期待するものであります。

続いて、「運動器の健康・日本賞」の最優秀賞受賞についてであります。
市内保育施設の3歳児から5歳児を対象とした体力測定事業「幼児が楽しく体を動かす日々の保育につながる体力測定『わくわくうんなんピック』」が、去る2月15日、公益財団法人運動器の健康・日本協会の主催による「2020年度運動器の健康・日本賞」の最優秀賞である「日本賞」に決定いたしました。
これは、平成24年度から取り組んでいる本市の幼児期の運動促進に関する普及啓発事業の一環で、体力測定を継続実施してきたことや子どもたちが体を動かすことの楽しさを意識させた取組が高く評価されたものであり、引き続き、幼児期の運動促進に努めて参ります。

続いて、“幸せを運ぶコウノトリ”と共生するまちづくりの推進についてであります。
本年も、特別天然記念物コウノトリが、西小学校の巣塔で営巣をはじめています。市民の皆様には、これまで通り温かく見守っていただきたいと存じます。
市では、コウノトリの魅力を「(さち)」としてまちづくりに活かし、コウノトリとの共生を図っていくための基本指針となるビジョンに基づき、このほど、具体的な行動につなげていくためのアクションプランを策定いたしました。
また、島根県・出雲市とともに、本年度から環境省の補助事業を導入し、広域的にコウノトリなどの生息環境に関する学術調査や普及啓発等にも取り組んでいるところであり、関係機関とのさらなる連携により、アクションプランの実現を図って参ります。

次に、「挑戦し活力を産みだすまち」に関する政策についてであります。
まず、食の幸発信推進事業について述べます。
食の幸発信施設の整備につきましては、公募により選定した建築基本設計事業者の提案をもとに、基本設計及び用地造成計画の詳細を検討しているところであります。引き続き、各方面からのご意見もいただきながら基本設計をまとめ、早期に実施設計に着手できるよう取り組んで参ります。
また、今後は、事業予定者であるJAしまね雲南地区本部との連携体制を一層強化し、令和5年度の開設に向け事業進捗を図って参ります。

続いて、農業の振興についてであります。
雲南市農業ビジョンに基づく取組により、担い手育成において「農事組合法人みんだに」が本年1月に吉田町に誕生いたしました。農家の高齢化や減少が進む中ではありますが、新たな担い手の誕生により、農地や地域生活を組織的に守る農業経営の取組が大いに期待されることころであります。
また、農業担い手の広域連携組織の育成も進みつつあり、三刀屋町や吉田町の広域連携組織では地域自主組織に働きかけを行い、地域農業と地域づくりを一体的に進める動きも図られつつあるなど、農業は正に地域づくりそのものであると言えます。
こうした農業担い手への支援として、新年度では引き続き施設機械等の導入支援、農地集積や園芸振興に係るリースハウス整備への支援、本市のブランド米であります「プレミアムつや姫たたら(ほむら)(まい)」への支援などを積極的に行い、意欲ある担い手が将来にわたり持続可能な農業経営を行うことができる環境づくりに取り組んで参ります。
一方、中山間地域等直接支払制度は、令和2年度より5年間の新たな対策が始まります。これまで協定農用地全体を対象とした交付金の遡及返還要件が個別農地へと大幅に緩和されるとともに、10年後の農用地や集落の将来像などに関する「集落戦略」の作成、集落機能の強化やスマート農業の導入などの取組に対する加算制度が創設されることとなります。特に、集落機能の強化に係る加算につきましては、本市の地域自主組織と農業担い手連携組織の取組を参考に国で制度化されたものと聞いておりますので、多くの集落が積極的に取り組まれることを望む次第であります。

続いて、農作物の有害鳥獣対策についてであります。
農作物の鳥獣被害防止のために防護柵を設置される場合、その経費の一部を助成しておりますが、農業法人等で農地を一体的に防護しやすいように、防護柵の資材として「ガルバリウム鋼板」を加えることとしました。
引き続き、市猟友会の皆様にご協力をいただきながら有害鳥獣の捕獲を進め、有害鳥獣被害の防止に努めて参ります。

続いて、中山間地域総合整備事業についてであります。
農業生産基盤と農村生活環境を総合的に整備する国の中山間地域総合整備事業に、令和2年度から、大東町、加茂町、木次町、三刀屋町を対象とした雲南中央地区が新規採択される見込みとなりました。
この事業は、島根県が事業主体となり、令和7年度までの6年間、総事業費約15億4,000万円をかけて圃場整備や用排水路、農道、防災安全施設などを総合的に整備するもので、農業の生産性の向上や農産物の安定した輸送、そして農村環境の改善につながるものと大いに期待をしております。

続いて、農業委員及び農地利用最適化推進委員の推薦及び応募についてであります。
雲南市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員が本年7月19日に任期満了を迎えることから、それぞれ、推薦又は応募により募集を行います。募集期間は、本年3月1日から同31日までとし、市報やホームページ等で周知を図って参ります。

続いて、畜産振興についてであります。
2年後の第12回全国和牛能力共進会に向け、県の推進協議会をはじめとする関係機関の協力のもと、出品対策の強化に取り組んで参ります。雲南地域1市2町で協力して、全国和牛能力共進会のその先も見据え、優秀な県有種雄牛を活用した和牛産地づくりに尽力して参ります。

続いて、林業の振興についてであります。
森林経営管理法の施行に伴い、本年度から森林環境譲与税の交付を受けていますが、国においては、令和2年度から400億円規模の予算に倍増され、雲南市は5,600万円の交付を見込んでおります。この財源を活用して、新たに既存作業道改良、作業道開設、新植支援及び新規林業従事者の確保、定着等の取組を進めて参ります。
また、「新たな森林管理システム」を活用することによって市内の森林状況の把握や森林所有者の意向調査に取り組み、円滑な森林施業を推進して参ります。そのほか、引き続いて、島根県に職員を派遣して森林管理の実践的な職員研修を実施して参ります。

続いて、観光振興についてであります。
昨年11月19日にグランドオープンいたしました出雲湯村温泉国民宿舎清嵐荘は、特に年末年始にかけて多くの皆様にご利用いただいたところであります。雲南市の観光誘客の核となる施設として、市内外の皆様に気軽にご利用いただき、ご満足していただけるよう、さらなるサービスの向上に努めて参ります。
また、JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT(トワイライト) EXPRESS(エクスプレス) 瑞風(みずかぜ)」は、平成29年6月から運行が始まり、本年1月末までの間、計85回、約2,300人のお客様をお迎えしました。立ち寄り観光地はもとより、地元の食材を活かした食事や市民の皆様の温かい歓迎が大変好評であります。
なお、本年6月から11月までの間、車両点検のため瑞風は運休となりますが、再開後、引き続きお客様に訪れていただけるよう、雲南市のさらなる魅力発信に向けた取組を進めて参ります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大による影響については冒頭で述べましたが、影響がない見込みが立てば、雲南市最大の集客を誇る「雲南市桜まつり」のメインイベントを来たる4月4日、5日の土日に開催し、JR木次駅前の特設ステージでの神楽などの郷土芸能や地元中高生による吹奏楽、木次駅前商店街での雲南食堂、中高大学生や若者の参画による各種イベントなどを予定しています。
加えて、斐伊川堤防桜並木が、日本さくら名所100選に選ばれてから30年の節目を迎えることから、令和2年度に記念事業を実施する考えであります。

最後に「行政経営」についてであります。
まず、公平委員会委員の人事に関する同意案件についてであります。
平成28年12月14日から、本市公平委員会委員長としてご尽力いただきました本間良一様が、去る12月12日ご逝去されました。ここに深く敬意と感謝の意を表しますとともに、謹んで哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りいたします。
ご逝去による欠員に伴い、新たに松村(まつむら)千弘(ちひろ)氏を選任したく、地方公務員法の規定により議会の同意をお願いするものであります。

続いて、雲南市役所分庁舎の整備についてであります。
重要なライフラインである上下水道の拠点施設としての機能を強化するため、令和3年6月の竣工をめざし、令和2年度より本体工事に着手いたします。

続いて、下水道事業の地方公営企業法適用及び施設統合についてであります。
本年4月1日から、公共下水道事業については地方公営企業法を適用し、新たに「下水道事業会計」を設けます。これにより、一層の経営の効率化と健全化をめざします。
また、平成30年6月に策定した雲南市汚水処理施設整備構想に基づき、公共下水道事業と農業集落排水事業の施設統合を進め、本年4月からは西本郷地区農業集落排水施設を木次・三刀屋公共下水道施設へ統合します。

続いて、住民票の写し等の第三者交付に係る本人通知制度についてであります。
住民票の写しや戸籍謄抄本等を代理人や弁護士等の第三者に交付した場合、事前登録者を対象に、交付の事実を通知する取組が全国的に広がっています。本市におきましても、昨年度からシステム改修等の準備を進めておりましたが、本年1月6日より、本人通知を希望する事前登録者の受付を行っており、来たる3月2日より通知を開始します。
この本人通知制度の開始により、不正取得の抑制並びに人権侵害の未然防止を図ります。

続いて、令和2年度一般会計当初予算、令和元年度3月補正予算についてであります。
まず、令和2年度一般会計当初予算について述べます。
歳入における普通地方交付税については、令和2年度国の予算案により、交付税が対前年度2.5%増で編成されたことを受け、冒頭述べました「人口の社会増・地方創生」のさらなる推進を図るとともに、デジタル防災行政無線整備事業、木次こども園建設事業、分庁舎整備事業等の普通建設事業費を計上し、前年度比0.3%減となる293億7千万円で編成いたしました。
次に、令和元年度3月補正予算について述べます。
一般会計では、高速道路整備関連事業3千4百万円、後期高齢者医療事業特別会計操出金2千万円、退職手当特別負担金4千4百万円などを追加計上し、特別会計等では、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、土地区画整理事業特別会計、水道事業会計、及び病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う予算を計上しています。

その外、議案として、条例15件、規約2件、一般事件17件、同意事項1件、諮問事項2件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようよろしくお願い申し上げます。

令和2年度の市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、開会にあたってのご挨拶といたします。

令和2年2月27

雲南市長 速 水 雄 一


お問い合わせ先

政策企画部 政策推進課
〒699-1392
島根県雲南市木次町里方521-1
Tel 0854-40-1011
Fax 0854-40-1029
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(注意)メールアドレスの「@」は半角「@」に書き換えてください。

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