
三刀屋町峯寺の大日如来坐像・観音菩薩坐像を雲南市有形文化財に指定しました
三刀屋町峯寺の木造大日如来坐像、木造観音菩薩坐像
三刀屋町峯寺の木造大日如来坐像、木造観音菩薩坐像を雲南市指定有形文化財(彫刻)に指定しました。
峯寺本堂の本尊である木造大日如来坐像は、全体的に平安時代後期の都の作例に準じた穏やかな作風で、12世紀頃の制作とみられます。両肩から先、金銅製の宝冠などは後に補われたものですが、文政9年(1826)に「大日如来本堂」を再建したという棟札がありますので、この際に修理が行われたと考えられます。
峯寺観音堂の秘仏本尊像である木造観音菩薩坐像は、細身の体つきで頭部は小さく、全体に穏やかでおとなしい作風を示すことから、制作年代は平安後期、11世紀と考えられます。両腕半ばから先、金銅製宝冠などは後に補われたものです。安永2年(1773)に本像の台座・光背を新たに造立・供養したことを示す棟札がありますので、その際に修理されたとみられます。
大日如来坐像と観音菩薩坐像本像は、平安時代に遡る作例であることが確認できました。大日如来は密教の根本尊であり密教寺院では広く信仰されたものですが、県内に伝わる古像は本例の他には大東町の萬福寺に伝わる県指定木造大日如来座像が知られるくらいで、希少な存在です。また、観音菩薩坐像は、大日如来坐像より古い年代の作とみられます。これらは、後に補修された部分もありますが、平安時代後期のようすを概ね保ち、その造形水準は既に市指定文化財とされた彫像と比較しても遜色ないものです。
今回の指定により、市指定有形文化財は61件となります。
※大日如来坐像は、本堂にて常時拝観可能です(写真撮影は不可)。
※観音菩薩坐像は、通常は三十三年に一度しか御開帳されない秘仏であり、非公開です。前回は平成27(2015)年11月に現住職の晋山(住職就任)を記念して、特別に御開帳されました。次回の御開帳は、3年後の令和9(2027)年の予定です。

木造大日如来坐像/写真:雲南市教育委員会

木造観音菩薩坐像/写真提供:島根県立古代出雲歴史博物館
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