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市報うんなん2017年1月号

雲南病院だより雲南病院だよりのページです。

雲南病院情報

新年のごあいさつ

病院事業管理者 松井 譲(まついゆずる)

病院事業管理者 松井 譲(まついゆずる)

新年明けましておめでとうございます。
皆様方には、ご家族お揃いで新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
さて、昨年は雲南市および雲南市立病院の一大事業であります病院改築工事につきまして、近隣住民の皆様を始め多くの方々のご理解と、工事関係の皆様のご尽力により順調に工事を進めることができました。南棟4階の改築工事につきましては3月末で工事が完了し、4月21日に新しい介護療養病棟を開所いたしました。また、新棟建設工事につきましては、7月16日に起工式を行い、多くの皆様にご臨席いただく中で工事の安全を祈願し建設工事に着手いたしました。新棟工事は昨年末で基礎工事が完了しましたので、今年から鉄骨の組み立てを行い、12月末には完成し、平成30年3月に開院の予定であります。その後も、平成31年9月のグランドオープンに向け今しばらく工事は続きますが、引き続きご理解ご協力を賜りますようお願いいたします。
次に、経営面についてであります。地域の皆様に支えていただいたおかげさまをもちまして、平成27年度も経常収支の黒字化を達成することができ、これにより内部留保資金も12億円を超える蓄積が図れたところであります。これで4年連続の黒字化を図ることはできましたが、まだまだ課題は多く、接遇面を始め改善すべきことは多々あります。黒字経営が図れているということに胡坐をかくことなく引き続き健全経営に努めるとともに、当院の基本理念であります「地域に親しまれ・信頼され・愛される病院」という理念を職員一人ひとりが常に意識し、建物だけではなく中身も立派になったと言われるような病院をめざしていきたいと考えております。
地域医療を取り巻く状況はまだまだ厳しいものがありますが、昨年も新しい医師を迎えておりますし、本年も4月以降新たに常勤医師を迎える予定もありますので、少しずつではありますが体制を整えながら、雲南地域の中核病院としての役割が果たせるよう努力してまいる所存でございます。
最後に、平成29年も皆様にとりましてよい年となりますようご祈念申し上げまして新年のごあいさつといたします。

院長 大谷 順(おおたにじゅん)

院長 大谷 順(おおたにじゅん)

市民の皆様に謹んで新年のお祝いを申し上げます。さて、一昨年11月より着工いたしました新病棟建設でございますが、来年3月の竣工をめざしてほぼ予定通り進行しております。思い起こせば平成23年の病院市立化当初より、経営の健全化、新病棟建設を目標に掲げ、職員一丸となり走り続けてまいりました。市民の皆様の後押しもあり、念願かなって目標を達成しつつある私たちです。しかしながらそれに慢心することなく、次なる課題にも取り組んでおりますのでご紹介したいと思います。
ご存じのように、我が国は急速な少子高齢化、人口減少の道を進んでおり、とくに当地のような山間地、島嶼(とうしょ)部では、地域によってはすでに限界点を超えてしまったところもあるようです。昨年はテレビ報道などで特に危機感を煽あおられた年でもありました。
若い世代を中心とした人口流出は依然続くでしょうし、高齢者優位の年齢構成からは、間違いなく多死社会がやってきます。市長も随所で申しておりますが、これからは人口の減少を少しでも減らす努力が必要です。人口減少の抑制、増加への取り組みは、私たち市民の死活問題として、取り組むべき一大プロジェクトです。まず、若い世代にできるだけ残ってもらう、あるいはUIターンをしてもらうことにより、最終的には人口の社会増、自然増をめざさなくてはなりません。
この課題に対して病院は、安心して若い世代に住んでいただけるよう、診療機能の充実、特にこれまで以上に小児、周産期医療の充実を図るべく新病棟建設に併せ施設整備、人材確保に取り組みます。
また、立派な病院ができても、そこで働く人が居なくては何の意味もありません。病院で働き、地域を支え、さらには人口維持・増加にも貢献するという大きな役割を担ってくれる若い世代の育成、確保にも、地域医療人育成センター事業を通じて、これまで以上に力を注いでまいります。 医学生や研修医が研修を通じて地域の中でお世話になる場面や、小中高校生の職場体験や出前講座などもこれまで以上に増やしてまいりますので、地域の未来がかかった人材育成事業にご理解ご協力をお願いいたします。
病院としての一般的な機能の充実は当然のことですが、これからは、地域の存続を掛けた雲南市のプロジェクトに、微力ながら関わらせていただき、真に地域を支える病院となるための努力を続けてまいります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

第3回 男の健康道場

11月18日(金曜)、久野地区振興会で「男の健康道場」が開催され、当院の大谷順(おおたにじゅん)院長と渡部初枝(わたなべはつえ)保健師、江角小百合(えすみさゆり)看護師が参加しました。この「男の健康道場」は、病院が苦手な男性のために企画され、男性を中心に病気について関心をもち、日ごろ気になっている健康について話し合う場として開催されています。
第3回目の今回も50人以上の男性が集まり、認知症をテーマに早期発見と予防の重要性や認知症になりにくい生活習慣や自己診断チェックの紹介などさせていただきました。また、認知症予防につながるゲームを行い、会場は大いに盛り上がりました。講演後は、おいしい食事を囲んで皆さんでざっくばらんに意見交換を行いました。
認知症は家族、地域の方々の理解と支援が必要です。これからも地域の健康づくり活動に積極的に協力していきたいと思います。

講演の様子

講演の様子

認知症予防ゲーム

認知症予防ゲーム

雲南糖尿病サークル5周年記念講演

11月26日(土)、雲南糖尿病サークル5周年を記念した講演会が三刀屋文化体育館アスパルで開催されました。
雲南糖尿病サークルとは、医師会、行政、病院が連携をとり、顔の見える人間関係を構築しながら、地域での糖尿病を診る力の底上げを目的に平成24年から取り組んでいる活動です。
第1部では、奥出雲病院の和田昌幸(わだまさゆき)医師、平成記念病院の陶山紳一朗(すやましんいちろう)医師、当院からは芝原啓子(しばはらけいこ)看護師、松浦秋湖(まつうらあきこ)保健師によるそれぞれの5年間の取り組みの報告、今後の課題、展望等についての発表がありました。
当院では、昨年から症例報告に寸劇を取り入れグループワークをしていく独自の研修会を開催しています。同じ場面を共有できること、参加者が登場人物になった気持ちになれるといった点から効果的な話し合いができています。
第2部では、愛媛県市立八幡浜(やわたはま)総合病院の井上貴美子(いのうえきみこ)管理栄養士による特別講演会が行われました。市を挙げてのサポーター制度を取り入れ、医療職ばかりでなくいろいろな立場の方々が糖尿病について学び、サポーターとして活躍され、糖尿病予防に貢献されています。先駆的な取り組みであり、当院としても参考にできることを検討していきたいと考えています。今回の講演会は、糖尿病に対する知識の向上、また活動内容の情報共有化としても、非常に有意義なものとなりました。
今後も、雲南圏域の糖尿病の予防や知識向上に向け活動を継続していきたいと考えています。

座長 服部修三(はっとりしゅうぞう)あいさつ

座長 服部修三(はっとりしゅうぞう)あいさつ

ディスカッションの様子

ディスカッションの様子

防災訓練を実施しました

11月12日(土曜)に中国地区DMAT(ディーマット)※実働訓練を島根県で開催される防災訓練の日程に合わせて行いました。訓練には大東高校生、病院ボランティアの皆さんに模擬患者として参加いただき、職員と合わせて総勢93人が参加しました。
訓練は、午前5時、雲南市周辺で震度6強の地震が発生し、建物倒壊、傷病者多数発生という想定で、災害対策本部の立ち上げから病院内外被災状況の確認、傷病者受入れ訓練、炊き出し訓練、DMAT受入れ訓練という内容で行いました。これまでの防災訓練は机上で災害発生時の初動訓練を行ってきましたが、今回は、来院してくる傷病者のトリアージ※訓練や救護所の立ち上げ、救護所での治療・観察、救護所から対策本部への情報伝達などはじめての実働訓練でした。
傷病者受入れ訓練では、シナリオなしでの訓練にもかかわらず、スムーズに救護所設置が完了し、来院してくる模擬患者をトリアージエリアで重症度によって振り分けを行うことができました。さらに、担架・ストレッチャー等を使用して救護所まで搬送、救護所では、安定化処置、病状観察などが実施されました。
10時45分には岡山県の高たか梁はし中央病院DMATが到着し、災害対策本部での情報収集や救護所での診療の支援をしていただき、重症患者10人の内、入院2人、院外へ3人を搬送という訓練を行いました。
閉会式では、雲南消防、DMAT隊幹部の方々から、「これまでの机上訓練の成果が実働訓練にも出ていた。はじめての実働訓練とは思えないほどまとまった訓練でした」と講評いただきました。当院では毎年火災避難訓練2回、防災訓練1回行っています。今回の訓練を参考に引き続き雲南圏域の災害拠点病院として、災害時に迅速かつ適切に行動できるよう訓練を行いたいと思います。

災害対策本部

災害対策本部

被災状況報告

被災状況報告

トリアージ

トリアージ

搬送

搬送

救護所(黄)

救護所(黄)

岡山DMAT救護所支援

岡山DMAT救護所支援

救護所(赤)

救護所(赤)

「DMAT」とは
災害急性期に活動できる機動性を持ったトレーニングを受けた医療チーム
「トリアージ」とは
傷病者を重症度によって振り分けをすることで、赤、黄、緑と症状によって分けていく。(早く根本治療の必要がある傷病者は「赤」となる。)

腱鞘炎(けんしょうえん)ってなぁに? ~手を使いすぎていませんか~

毎日の仕事や家事で同じ動作を繰り返すことで、使いすぎ症候群を起こすことがあります。その一つに「腱鞘炎」があります。

【こんな症状ないですか?】

  • 手指の動かしにくさ(引っかかり感、曲げた指が伸びない)がある
  • 手のひら側や親指の付け根に痛み(圧痛)がある、腫れる

指の曲げ伸ばし時の「腱」を表した図

【どうして起るの?】

「腱」は筋肉を骨に結びつけている、ひも状の組織です。
「腱鞘」とは、腱を覆うトンネル様の組織で、腱を保護しています。
繰り返し手を使いすぎて、この腱周囲に炎症が起こると、先のような不快な症状が出ることがあります。
作業では、パソコン作業やスマートフォンの使いすぎなどで負担がかかりやすくなります。それ以外でも、加齢によるものや、女性では産後や更年期などホルモンバランスの乱れによって起ることもあります。

【生活の中で気を付けること】

手の管理方法は(1)休めること、(2)適度に動かすこと、(3)無理のない動作をすることが大切になります。

(1)休めること
作業はこまめに休憩をとりましょう
片手でしばらく動作を行ったら、反対の手に換えましょう
パソコンやスマートフォンはこまめに休憩を入れながら使いましょう
痛みが出たら、まずは安静をとりましょう
サポーターやテーピングで固定することも有効です
熱を持っていたら冷やします
(2)適度に動かすこと
リラックスするために伸びなどをして、体の緊張をほぐしましょう
お風呂の中で手をマッサージしたり、指をグーパーと曲げたり伸ばしたりしましょう
(3)無理のない動作をすること
物を持つときは、指先だけに負担がかからないようにしましょう
一度にたくさんの物を持たないようにしましょう
力のいる作業は姿勢に気を付けましょう
  • 物を持つときのよい例・悪い例
悪い例

悪い例

よい例

よい例

  • 力のいる作業時の姿勢よい例・悪い例
悪い例

悪い例

よい例

よい例

腱鞘炎は安静で症状が落ち着いたとしても、無理がかかると再発する可能性があります。負担になるような手の使い方、使いすぎになっていないかふり返ってみるのも大切です。
痛みが続く場合は我慢せず、他の原因も考えられますので、整形外科を早めに受診しましょう。

作業療法士 山根 優(やまねゆう)


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