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市長施政方針(9月定例会)

速水市長雲南市議会9月定例会

平成28年雲南市議会9月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

はじめに

平成28年雲南市議会9月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
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施政方針内容

次に、6つの施策について申し述べます。
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平成28年9月8日

雲南市長 速水雄一

 


はじめに

平成24年11月より、雲南市長として3期目の重責を担わせていただき、その職務を遂行して参りました。任期中は、議員並びに市民の皆様、関係機関等から献身的なご尽力と建設的なご意見、ご提言を賜りましたことに対し、心から敬意を表するとともに深く感謝申し上げます。
雲南市がスタートして、最初の10年は健全財政の確立を図り、均衡ある生活基盤の整備を進め、地域自主組織など市民の皆様との協働によるまちづくりを推進した、いわば「基礎固め」の期間でありました。
特に、優先課題でありました財政の健全化につきましては、市民の皆様のご理解ご協力のもと、市債残高(借金の額)を218億円縮減する一方、基金残高(貯金の額)を38億円増加させ、安定した財政基盤の確立に努めて参りました。
加えて、地方交付税の一本算定への移行につきましては、本市の呼びかけにより中国地方の4市で策定しました「交付税制度研究会報告書」を参考に制度改正が進められ、本市では削減予定額31億円の7割程度となる約20億円が復元される見込みとなったところであります。なお、国全体では削減予定額9,500億円のうち6,700億円が復元される見込みとなったところであります。
地域自主組織の取り組みにつきましては、全国に先駆けて実践してきた取り組みが高く評価され、平成27年度過疎地域自立活性化優良事例表彰において、総務大臣表彰を受賞することができました。また、本市が中心となり同様な取り組みに挑戦する全国222の自治体等が参画する「小規模多機能自治推進ネットワーク会議」も立ち上がり、雲南市と同様なまちづくりが全国的に大きく広がっています。市民の皆様と積極的に地域づくりを進めて参った結果であり、皆様のこれまでの努力に深く感謝いたすところです。
また、法人制度の創設につきましては、同ネットワーク会議からの国への提言書を踏まえ設置された有識者会議で議論が重ねられており、年内には最終報告が取りまとめられると伺っておりますので、強く期待をしているところであります。
これからの10年は、この基礎固めの上に、将来の雲南市の発展を確固たるものにする飛躍の時にしていかなければなりません。引き続き、全力でさまざまな課題解決に取り組み、自ら先頭に立って、「新しい日本のふるさとづくり」に邁進する決意でありますので、議員並びに市民の皆様のご理解ご支援を心からお願い申し上げます。
さて、国においては、働き方や産業構造の一体改革に取り組み、成長力の底上げを図るため、事業規模で28兆1千億円の「未来への投資を実現する経済対策」を閣議決定され、2次補正予算の編成が進められています。子育て、介護の環境整備など「一億総活躍社会」の実現の加速化に向けた関連施策が盛り込まれており、本市においても積極的に取り入れることで、地方創生、人口の社会増に向けたより一層の取り組みが求められるところであります。
地方創生の取り組みにつきましては、今月19日に、山本幸三(こうぞう)地方創生担当大臣が来訪され、昨年の石破前大臣に続き、視察いただくこととなっております。また、これに先立ち、昨日は内閣官房まち・ひと・しごと創生本部の川合靖洋(やすひろ)事務局次長が来市され、地域自主組織や若者による地域づくり活動の取り組みなどを視察いただいたところであります。
このような中、去る7月1日よりふるさと納税制度をリニューアルし、地方を応援する全国の皆様から、地域自主組織の活動をはじめ地域の課題解決に貴重な浄財を提供いただける仕組みとしたところであります。
また、来る10月15日、16日の両日には、市内で子ども、若者、大人がつながり合う場として「子ども・若者・大人チャレンジが連鎖する2days(2日間)」を、加茂文化ホール・ラメールと加茂健康福祉センターかもてらすを会場に開催します。
1日目には、地域自主組織取組発表会を開催し、地域自主組織からの発表に加え、若者チャレンジや子どもチャレンジの発表も織り交ぜ、チャレンジの連鎖が進むよう、学び合い、高め合う場とします。また、これに先立ち10月13日から「雲南市に地域自治を学ぶ会」による雲南ゼミも開催し、小規模多機能自治を学ぶ機会を全国に開放することとしています。
2日目の午前中には、今年で通算25回目となる雲南市教育フェスタ2016を開催します。このフェスタでは、国・県・地域の教育関係者や保護者、生徒等が参加し、次代を担う人材の育成について議論を深めます。また、島根大学による「大学改革シンポジウム」を共同開催し、雲南市が取り組む「質の高い教育」と、島根大学が進める「地域貢献人財の育成」について、実践発表やワークショップなどを行うこととしています。
また、午後からは、幸雲南塾大人版の中間発表会を開催し、3組の塾生の事業計画の中間発表と、阿用・久野・入間の3地区で地域調査を行ってきたラボアカデミー生の成果報告を行います。来年2月に開催する最終報告会に向け、地域をはじめ金融機関や産業支援機関等の皆様に塾生の取り組みを塾知いただき、今後の活動の後押しをしていただけるよう進めて参ります。

政策1 みんなで築くまち

次に、5つの政策に沿って申し述べます。
最初に「みんなで築くまち」に関わる政策についてであります。

まず、雲南コミュニティキャンパス事業について述べます。
6月の開校式に併せ実施したスタートアップ合宿には、島根大学をはじめ早稲田大学や学習院大学など全国11大学から30名の意欲ある学生の皆さんの参加がありました。その後今月までの間、雲南市でさらにチャレンジしたい学生が、「教育」「地域づくり」「医療・保健・福祉」の3つの分野で、インターンシップやフィールドワークに取り組んでいるところであります。12月には、学生を交え成果報告会を開催する予定であり、成果と課題をしっかりと検証し、来年度以降の成果拡大につなげて参ります。
また、昨日までの3日間、東京大学大学院山内ゼミの皆さん16名が来市され、本市の地方創生の取り組みを視察されました。本市のまちづくりに関心をもつ大学や学生の皆さんとのつながりを深め、今後の取り組みに活かして参ります。

続いて、自治会集会所の整備支援についてであります。
本年度より自治会集会所建設事業の補助対象に修繕を加え、補助率と補助限度額の引き上げを図っております。本年度の実施希望を取りまとめたところ、24件、補助金額にして約9,000千円の要望が出されたため、今議会に補正予算を計上し、住民自治活動の推進を図る考えであります。

続いて、ふるさと会についてであります。
第5回雲南市東京ふるさと会交流会が、去る6月25日に会員や市関係者など約120名が参加して盛大に開催されました。本年は設立10周年を迎えたことから、雲南市大東町の出身であり、元宮内庁式部官長で株式会社森ビル特別顧問の苅田吉夫様による記念講演が行われました。本市からは、近況を報告するとともに、まちづくりへの協力、支援をお願いし、会員の皆様から温かい激励の言葉と貴重なふるさと納税を賜りました。会員の皆様に心からお礼を申し上げるとともに、雲南市のまちづくりに有効に活用して参ります。

続いて、30歳の成人式についてであります。
去る8月13日、「30歳の成人式in雲南市」が、30歳になる若者の実行委員会と市民活動団体が主催し、本市及びふるさと島根定住財団の共催で、木次経済文化会館チェリヴァホールにおいて開催されました。昨年度に続き2回目となるこの式典は、30歳の節目をきっかけに、ふるさとへの愛着を深めるとともに、未来について考え、互いを刺激し合う機会となりました。当日は、約100名の参加があり、旧交が温められ、Uターンの話も盛り上がっておりました。

続いて、結婚対策の取り組みについてであります。
雲南市では、市民団体、事業者及び行政による地域ぐるみの結婚支援活動を推進するため、結婚円卓会議等を通じて情報交換やネットワークづくりを進めています。今年度は新たに雲南市商工会青年部による出会いの場づくりイベントが開催されるほか、今月22日には、雲南市ふるさと定住推進協議会が主催し、市内外の独身男女の交流イベント「秋の婚活運動会」を初めて開催する予定であり、今後も多様な団体と連携を図り結婚対策を推進して参ります。

続いて、市政懇談会についてであります。
去る7月21日から8月8日にかけて、市内6か所で市政懇談会を開催しました。
主要課題として、「地方創生」「人口の社会増」へ向けた主な取り組みについて説明を行い、昨年を上回る461人の市民の皆様の参加があり、活発なご意見、ご提言をいただきましたので、今後の市政に活かして参ります。

政策2 安全・安心で快適なまち

次に、「安全・安心で快適なまち」に関わる政策についてであります。

まず中心市街地活性化事業について述べます。
中心市街地活性化基本計画につきましては、主要事業でありますビジネスホテルの誘致や民間商業施設の整備など都市再生整備計画の事業確実性をより高めながら、計画申請書の提出に向けて関係機関との調整を進めているところであります。

続いて、田井小水力発電所の島根県への無償譲渡についてであります。
田井小水力発電所は、昭和32年6月から発電を開始し、当時の田井農業協同組合からJA雲南、旧吉田村を経て、雲南市へ経営が継承され、約60年の間、自然にやさしい環境調和型エネルギーとして安定した電力を供給して参りました。
こうした中、昨年度、島根県企業局より県内小水力発電の出力増加を図るため譲り受けたいとの意向が示され、協議を進めて参りました。このほど手続きが整い、先般8月1日をもちまして島根県に譲渡したところであります。今後一層の活用が図られることを期待するところであります。

続いて、道路の法面点検についてであります。
本年5月4日に邑南町の県道法面で発生した落石死亡事故を受け、落石危険個所と判断した市道119箇所と農林道30箇所について、雲南市法面協会の協力を得て、6月から8月にかけ詳細な法面点検を実施しました。
この中で、特に緊急度が高いと判断した市道多久和六重線と川井箱淵線は早急な対応を行うこととしており、その他の箇所については、点検結果を今後精査し、必要に応じた対策を行って参ります。加えて、危険個所には路線名や連絡先を記入した「落石注意」看板も設置し、注意喚起を図って参ります。

政策3 支えあい健やかに暮らせるまち

次に、「支えあい健やかに暮らせるまち」に関わる政策についてであります。

まず、雲南市立病院の改築事業と経営状況について述べます。
病院改築事業につきましては、去る7月16日に雲南市立病院建設工事起工式を、島根県、島根県議会、雲南市議会を始め関係者87名の皆様のご臨席を賜り、盛大かつ厳粛に執り行いました。今後、本格的な工事の推進に向け、安全確保と適切な工程管理に細心の注意を払って参ります。
また、平成27年度の病院会計決算につきましては、経常収益において34百万円の利益が図られ、4年連続の黒字計上となりました。これにより、内部留保資金も累積約12億円となり、経営の健全化がより一層図られております。

続いて、ドクターヘリ専用離着陸場の整備についてであります。
ドクターヘリ専用離着陸場につきましては、市立病院からの距離や整備費用等の面から、候補地として大東町大東赤川大橋付近の市有地を選定し現地調査を行って参りました。しかしながら、調査の結果、周囲の安全確保などにおいて多くの課題が判明したことから、本候補地での整備については取り止めることといたしました。
今後、選定範囲を広げることも視野に、市立病院、消防署等との検討を深め、専用離着陸施設として利便性の高い有効な施設整備を進めて参ります。

続いて、雲南市立大東保育園の保育業務委託事業者の決定についてであります。
雲南市立大東保育園の保育業務委託事業者の選考につきましては、去る7月26日に選考委員会からの事業者選考結果の答申を受け、平成29年4月からの委託事業者を雲南市大東町の社会福祉法人 愛耕(あいこう)福祉会(ふくしかい)に決定いたしました。
今後は、市、愛耕福祉会及び大東保育園保護者の三者による協議を重ね、スムーズな業務引き継ぎや、保育サービスの向上が図られるよう取り組みを進めて参ります。

続いて、きすき児童クラブの整備についてであります。
木次小学校区の放課後児童クラブとして設置しています「きすき児童クラブ」は、これまで雲南市勤労青少年ホーム2階を暫定利用して参りました。本格的な活動に向け同施設1階の旧議員控室を改修し利用することとしておりますので、今議会に床や空調施設などの改修費用を予算計上し、来年3月の完成をめざし整備を進める考えであります。

政策4 ふるさとを学び育つまち

次に、「ふるさとを学び育つまち」に関わる政策についてであります。

まず、「『夢』発見ウィーク」と「幸雲南塾inさんべ」について述べます。
10月12日から3日間、『夢』発見ウィークとして、市内中学生の職場体験学習を行います。本年度は175事業所にご協力いただき、市内7中学校の3年生401名全員が、校区を超え市内全域で体験学習を行います。
さらに中学3年生の希望者を対象に、2日間のキャリアアップ合宿「幸雲南塾inさんべ」を11月5日から国立三瓶青少年交流の家において開催します。各界でご活躍の講師を市内外よりお迎えし、夢を持ち夢に向かい努力することの大切さなどについて考える機会とするものであります。
続いて、プラチナ未来人財育成塾についてであります。
福島県会津若松市を主会場に、去る7月31日から7日間開催されたプラチナ未来人財育成塾に市内7中学校から各1名の生徒を派遣しました。参加した7名の生徒は、昨年ノーベル物理学賞を受賞された東京大学の梶田隆章(かじたたかあき)特別栄誉教授など日本及び世界をリードし活躍されている講師陣より将来の夢や創造したい未来、さらには新たな時代を切り拓くリーダー像について学びました。加えて、毎日行われたグループワークでは、初めて出会った仲間の考えを聞き、多様な価値観に触れるなど、自らを高める絶好の機会となりました。
本育成塾で得た知見と経験を生かし、今後リーダーの一人として力を発揮してくれることを期待するとともに、次年度以降も派遣を継続したいと考えます。

続いて、リッチモンド・サマースクールについてであります。
去る8月7日から18日の12日間、アメリカ インディアナ州リッチモンド市へ、8名の中高校生を派遣しました。言葉も文化も異なる中で得られた経験を糧にし、次代を担う国際感覚豊かな人材として成長してくれることを願っております。

続いて、永井隆平和賞についてであります。
第26回永井隆平和賞を今月11日に開催し、本年は、長崎市立山里(やまざと)小学校の児童代表4名の皆さんと校長先生を始め3名の先生にご来場いただく予定であります。当日は、これまでの飯石小学校との平和交流を三刀屋小学校に引き継ぐための姉妹校調印式と山里小学校の皆さんによる平和学習の取り組み発表を行うこととしています。
また、本年も全国から約1400点の「愛」と「平和」の作文と小論文の応募があり、当日表彰を行うことにしております。

続いて、平成28年度全国高等学校総合体育大会ボート競技大会についてであります。
7月27日の公式練習から6日間、全国より138校、約1,200名が参加され、会場の島根県さくらおろち湖ボート競技施設において連日熱戦が繰り広げられました。
期間中、好天に恵まれ、心配していました水位低下による競技への支障もなく、成功裏に終えることができました。大会運営にご協力賜りました関係の皆様方に深く感謝申し上げます。

続いて、第1回さくらおろち湖トライアスロン大会についてであります。
今月4日に県内初となるトライアスロン大会がさくらおろち湖周辺において開催され、県内外から300名を超える選手の参加があり、沿道からも盛んに声援が送られるなど、素晴らしい大会となりました。
さくらおろち湖周辺を活かした様々な地域づくりの取り組みにより来訪者は年々増加しており、平成27年度には年間13万4千人となっています。地元をはじめ関係の皆様とともに今後も着実に取り組みを進めて参ります。

続いて、スポーツにおける市内の子どもたちの活躍についてであります。
7月22日から3日間、東京都内で開催された第33回全国少年少女レスリング選手権大会に、加茂B&Gレスリングクラブに所属する小学生11名の選手が参加され、全選手がベスト8以上の素晴らしい成績を収められました。金メダルは、斐伊小学校の吾郷煌介(おうすけ)さんが1年生の部20kg級、加茂小学校の松原壮亮(そうすけ)さんが同21kg級、松江市の小野こなみさんが4年生の部36kg級でそれぞれ獲得されました。銅メダルは、出雲市の福間翔(かける)さんと本多祐貴(ゆうき)さんが、1年生の部26kg級、2年生の部21kg級でそれぞれ獲得されました。
また、7月下旬に開催された島根県中学校総合体育大会においては、野球・ソフトボール・バドミントン・相撲・陸上・柔道・水泳で中国大会への出場を果たされました。
このうち、バドミントン男子個人戦ダブルスにおきまして、海潮中学校3年生の石飛廉(れん)さんと奥田陽介(ようすけ)さんのペアが、8月17日から石川県金沢市にて開催された全国中学校バドミントン選手権大会へ出場され、見事ベスト8に進出されております。
選手の皆様の健闘を称えるとともに、さらに鍛錬をされ、心身ともに成長されることを期待するものであります。

続いて、大東公園体育館の耐震改修工事についてであります。
大東公園体育館の耐震改修費用を今議会に補正予算計上し、10月から来年6月にかけて工事を行う考えです。工事期間中は全館利用できないことから市民の皆様に大変ご迷惑をお掛けしますが、ご理解ご協力を賜りますようお願いします。

続いて、加茂岩倉遺跡銅鐸出土20周年記念シンポジウムについてであります。
平成8年10月14日、加茂町岩倉で大量の銅鐸が発見されてから、本年10月で20周年を迎えます。これを記念し、来る10月1日に、加茂文化ホール・ラメールにおいて、加茂岩倉遺跡銅鐸出土20周年記念シンポジウムを開催します。当日は、基調講演とパネルディスカッションを通じて、国宝の加茂岩倉遺跡出土銅鐸に関わる最近の研究成果を明らかにしながら、銅鐸を巡る様々な謎に迫ります。また、弥生時代以降、今日に至るまでの「祈り」や「まつり」についても考える機会としていますので、多くの皆さんのご参加をお待ちしております。

政策5 挑戦し活力を産みだすまち

次に、「挑戦し活力を産みだすまち」に関する政策についてであります。

まず、食の幸発信推進事業について述べます。
本事業につきましては、6月に検討委員会を立ち上げ、鋭意検討を進めているところであります。現在、6次産業化の推進による農家の所得向上と市内の経済循環の強化に加え、道の駅や公園と連携した魅力的なエリア形成や食の幸の発信強化に向け、実効性の高い事業となるよう検討を進めており、年内には事業計画の概要をお示ししたいと考えます。

続いて、農業振興についてであります。
昨年から取り組んでおります「ブランド米」につきまして、名称を「島根県雲南市プレミアムつや姫 たたら焰米(ほむらまい)」に決定し、今月中旬からJAしまね雲南地区本部を通じて一般販売を開始いたします。
島根県産の「つや姫」は、全国の「米の食味ランキング」において、平成26年から2連続で最高ランクを獲得し高い評価を得ており、この「たたら焰米」は独自要件を設けてさらに厳選した、ワンランク上の「プレミアムつや姫」であります。
ふるさと納税の返礼品としての活用を始め、販売促進に全力で取り組んで参ります。

続いて、映画「たたら侍」のモントリオール世界映画祭「最優秀芸術貢献賞」受賞についてであります。
雲南市内のロケセットを中心に撮影されました映画「たたら侍」が、カナダで開催された第40回モントリオール世界映画祭におきまして、「最優秀芸術貢献賞」を受賞されました。錦織良成監督をはじめ関係者の皆様に心よりお祝い申し上げますとともに、今回の受賞が、世界に誇る「たたら文化」の一層の盛り上がりにつながることを期待するものであります。

続いて、出雲たたら村についてであります。
出雲たたら村は、映画「たたら侍」のオープンセットを活用した「たたら映画村」をはじめ、飲食の提供やオリジナルグッズを販売する「居酒屋えぐざいる」、物産店などが並ぶ「ご縁坂」の3つのエリアが楽しめるほか、EXILE(エグザイル)ファミリーによるミニライブ・トークショー・パフォーマンスなども行われ、7月15日のオープン以来、連日多くの皆様に来場いただいています。
本市としましても、多くの観光客にお越しいただけるようPR活動を実施し、会場内に観光ブースも設け雲南の魅力の発信を行っているところであり、10月2日の開催最終日まで、たたら製鉄のふるさとの魅力を精力的に発信して参ります。

続いて、JR西日本の豪華列車「TWILIGHT(トワイライト) EXPRESS(エクスプレス) 瑞風(みずかぜ)」の立ち寄り観光地の整備についてであります。
来年春の運行が予定されている「瑞風」の受け入れにつきまして、雲南の魅力を最大限に引き出し、観光客の皆様に楽しんでいただけるよう、JRや地域の皆様と協議を重ねているところであり、加えて立ち寄り先のトイレ改修が喫緊の課題の一つとなっているため、今議会に補正予算を計上し、本年度中に整備を行う考えであります。
続いて、国民宿舎清嵐荘改築整備事業についてであります。
現在、建築コストの検討や、経営面からの施設整備のあり方など、実施設計に向け様々な視点から検討を進めているところであります。観光振興の起爆剤としての機能を発揮できるよう引き続き取り組みを進めて参ります。

行政経営、議案等について

最後に「行政経営」についてであります。

まず、財政状況について述べます。
始めに、今議会に提出しています平成27年度決算につきまして、普通会計の歳出決算額は310億22百万円となり、前年度比0.8%の減となりました。また、財政調整基金・減債基金の繰入は行わず、引き続き収支均衡が保たれ、財政健全化比率については、実質公債費比率が対前年度比1.0ポイント減の12.4%となり改善が図られたところであります。
また、先ほども申し上げましたが、平成28年度普通交付税の算定があり、かねてより総務省に要望しておりました地方交付税の合併算定替終了後の算定見直しについて、平成28年度分の見直し額が示され、これまでの支所に要する経費や消防費・清掃費の経費に加えて、保健衛生費・徴税費等の経費も算定され、合計で約12億80百万円の復元額となりました。平成29年度も引き続き、農業行政費等の費目において制度改正が行われることになっており、平成32年度には約20億円の復元額となる見込みでございます。地方交付税の一本算定への移行を踏まえ、引き続き健全財政の維持に努めて参ります。

続いて、補正予算についてであります。
一般会計は、大東公園体育館耐震化事業8千9百万円、観光施設整備事業7千1百万円、電算総務管理事業5千万円、健康づくり拠点整備事業3千万円、道路維持補修事業3千万円、児童福祉施設整備事業2千3百万円、有害鳥獣捕獲奨励事業1千6百万円、災害復旧事業3千7百万円、前年度各種事業補助金返還金1千5百万円、地方債の繰上償還1億7千7百万円の追加などを計上しております。

また、特別会計等におきましては、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、簡易水道事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、水道事業会計、病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う補正予算を計上しております。

その外、議案として、条例6件、一般事件6件、認定事項9件、諮問事項1件、報告事項8件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようよろしくお願い申し上げ、開会にあたっての施政方針といたします。