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市長施政方針(9月定例会)

 
市長施政方針(平成24年雲南市議会9月定例会)

 雲 南 市 議 会 9 月 定 例 会
平成24年雲南市議会9月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

■ はじめに
平成24年雲南市議会9月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 (以降、各項目をクリックしていただくと内容をご覧いただけます。)
   はじめに
 

■ 施政方針内容
次に、6つの施策について申し述べます。
 (以降、各項目をクリックしていただくと内容をご覧いただけます。)
   市民が主役のまちづくりについて
   定住環境の充実について
   安心安全のまちづくりについて
   人が輝く教育・文化の振興について
   ふるさと産業の創出について
   5つの施策を実現していくための行財政運営について
   議案等について
 

平成24年9月7日
雲南市長 速水雄一
 
市長施政方針(平成24年雲南市議会9月定例会)

■ はじめに
 さて、平成20年11月より、市長としての2期目の重責を担わさせていただき、その職務を遂行して参りました。
 今議会は、議員の皆様におかれましても、私にとりましても任期最後の議会となります。任期中市政運営にあたりましては、議員並びに市民の皆様、関係機関等から献身的なご尽力と建設的なご意見、ご提言を賜りましたことに対し、心から敬意を表するとともに深く感謝申し上げます。
 われわれは住民に最も身近な基礎自治体として、その歩みに停滞は許されません。振り返れば雲南市誕生以来、市民が主役の自治のまちを目指して地域自主組織による地域づくりの推進、教育支援コーディネーターや社会教育コーディネーターの配置による教育の充実、産業振興センターの設置による企業誘致の推進や雲南ブランド化プロジェクト、スイーツ・スパイスプロジェクト等の地場産業の振興など、皆様方のご協力により、着実に前進することができました。
 一方で、この間、職員数の削減や人件費の縮減、補助金、施設利用料金の見直しなどの取り組みにより、全会計を合わせた市債の残高(借金の額)は、平成23年度末が756億円と平成16年度末から186億円減少し、基金の残高は、平成23年度末が92億円と平成16年度末から19億円増加させることが出来ました。「財政非常事態宣言」の解除も、市民の皆様のご理解ご協力があったからこそ達成できたものであり、心から感謝申し上げます。
 これまでの取り組みを基盤に、さらに市政運営に邁進していく決意でありますので、引き続き議員並びに市民の皆様のご理解ご支援を心からお願い申し上げます。

 次に、7月6日の大雨による被害についてご報告致します。
 夕刻から降り始めた雨は、21時からの1時間に掛合町多根で73ミリ、三刀屋町鍋山で67ミリという非常に激しい雨を観測しました。これにより、三刀屋川坂山橋観測所において氾濫危険水位を超え、三刀屋町の大門町自治会に避難準備情報を、旭町1及び2自治会に避難勧告を発令し、37名の方が避難されました。雲南市内の被害状況は、住家への床下浸水が4箇所、非住家(土蔵)の全壊が1箇所、道路・河川343箇所、農地114箇所、農業用施設132箇所、林道ほか23箇所などの被害が発生しました。被害を受けられた皆様に衷心よりお見舞い申し上げます。
 また、緊急に対応が必要であった応急復旧費、測量委託費等を専決処分により予算計上いたしました。市道の交通規制など市民の皆さまにはご不便をお掛けしますが、今後、災害復旧に全力で取り組んで参りますので、ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。

 続いて、市政懇談会についてであります。
 6月25日から7月26日にかけ、市内9か所で市政懇談会を開催しました。
今回は、主要課題として「今後の地域づくりのあり方」及び「雲南市立病院の建設」の2点について説明を行い、また、昨年の市政懇談会で主要課題としていた「雲南市新庁舎建設」、「組織見直しにかかる総合センターのあり方」及び「医療と保健の融合による健康づくり拠点整備事業」について、その後の状況を報告しました。9会場で約1,000人の市民の皆様に参加していただき、活発に意見交換をさせていただきました。懇談会でお伺いしました、多くの貴重なご意見・ご要望・ご提案につきましては、今後の市政に活かして参りたいと存じます。

 続いて、全国中学校軟式野球大会についてであります。
 昨年に引き続き、中国地区ブロックの代表として出場した大東中学校野球部は、8月18日から21日まで群馬県で開催された全国大会で第3位という素晴らしい成績を収められました。初戦、東海地区代表を9対1。2回戦、九州地区代表を3対0。準々決勝では関東地区代表を5対2で破るという快進撃を続け、準決勝では北信越代表の星陵中学校に3対5で惜敗はしましたが、3位は過去の島根県代表の最高成績と肩を並べる立派な成績であります。
 保護者の皆様はもとより、学校を支えてくださる多くの方々の温かいご声援、ご支援に厚く御礼申し上げ、選手の皆さん一人ひとりの努力と精進を讃えたいと思います。
 さて、国会では、社会保障・税一体改革の関連8法が去る8月10日に可決・成立しました。この法案は、今後、高齢化の進展により社会保障費の増大が見込まれる中、安定財源を確保するため、消費税率を現在の5%から2014年4月に8%、15年10月に10%へ引き上げるなどの内容となっています。
 持続可能な社会保障と地方財源の確保のためには、消費税の引き上げを含む抜本的税制改革は不可欠であると考えますが、国民の負担を伴う改革である以上、増税によって何が変わり、何が生まれるのか、国民に対して丁寧な、そして十分な説明を求めるものであります。
 また、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や新たなエネルギー戦略など、日本経済を左右する重要施策は先行きが不透明なほか、近いうちに衆議院の解散が三党合意されており、今後、来年度の予算編成に向け、政局の動向を注視して参りたいと存じます。

■ 市民が主役のまちづくりについて
 次に、6つの施策について申し述べます。
 施策の1点目は、市民が主役のまちづくりについてであります。
 まず、市民が主役のまちづくりの推進に向けた制度の見直しについてでありますが、雲南市が発足して以来進めて参りました地域自主組織を地域づくりの中核の組織としてより充実したものにするため、本年度、「市民が主役のまちづくり推進検討会議」を設置し、検討を進めています。この中で、地域自主組織の皆様との意見交換を行ったところ、交流センター職員の雇用形態や施設管理・整備のあり方のほか、「新しい公共」の視点を交えた公共サービスのあり方、地区福祉委員会と地域自主組織の福祉部との関係等、様々なご意見を伺っております。
 今後、さらに地域自主組織の支援強化策の検討や地域委員会の見直しにも取り組み、来年度以降、可能なものから実施に移して参ります。

 続いて、「うんなん幸あり月」についてであります。
 銅鐸が出土した10月14日から1カ月間を「うんなん幸あり月」と名づけ、雲南の「人と自然と歴史と食の幸」を大切にし、交流を通じて理解してもらうことを目的として、各種イベントを開催して参ります。
 特に期間中の10月20日、21日には、三刀屋中学校を会場に教育委員会を中心に実施される「早寝早起き朝ごはんフォーラム」と、昨年に引き続き雲南市を応援いただいている各界の皆様によって、未来に向けて様々な縁を結ぶシンポジウムを実施致します。

■ 定住環境の充実について
 次に施策の2点目は、定住環境の充実についてであります。
 まず、原子力防災対策についてであります。
 去る8月29日、島根原子力発電所周辺自治体連絡会議のうち島根県側の出雲市、安来市、雲南市の三市長連名で中国電力に対し、原発立地自治体と同様な取り扱いとするよう「原子力安全協定の締結に関する要求書」を提出したところであります。
 また、原子力規制委員会設置法の施行により、今後、原子力規制庁の発足と同時に原子力災害対策指針が国において告示され、現在、半径8キロメートルから10キロメートルのEPZ(防護対策を重点的に充実すべき地域)が、半径30キロメートルのUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)に移行することに伴い、告示後半年以内に地域防災計画(原子力災害対策編)の策定が必要となるため、今年度中を目途にその策定に取り組んで参ります。

 続いて、雲南市で3箇所目となる地域活性化インターチェンジ及び地域活性化施設の名称についてであります。
 地域活性化インターチェンジの名称につきましては、吉田町・掛合町の代表者の方々からご意見を伺い検討をした結果、「雲南吉田」を雲南市案として、先般、国土交通省に回答したところであります。今後、標識適正化委員会や国土交通省での審査を経て、10月中には正式に決定される予定であります。
 また、雲南吉田インターチェンジ(仮称)に建設しています地域活性化施設の名称につきましては、名称選考委員会で検討した結果、「たたらば壱番地」としました。現在、道の駅の登録申請を行っており、9月中には、登録証が交付され、正式に決定する予定であります。
 今後は、雲南市の南の玄関口となる雲南吉田インターチェンジ(仮称)と、道の駅「たたらば壱番地」の組み合わせを最大限に活用し、観光客の増加や地域振興に繋げる取り組みを進めて参ります。

 続いて、市営墓地の整備についてであります。
 雲南市土地開発公社により、三刀屋町古城地区に整備を進めておりました市営墓地53区画の造成工事が完了いたしました。
 墓地の名称を「一宮墓地」とし、今定例会において条例改正と整備された墓地の購入費の補正予算をお願いしております。10月以降使用者の募集や整備地の所有権移転登記などの事務手続きを進めて参ります。

 続いて、農業集落排水施設の汚泥改質機の活用についてであります。
 昨年度、多久和地区農業集落排水施設に、汚泥改質機を設置しました。これは、処理場の臭気抑制と、汚泥の減量に効果があり、さらに、処理水は牛などの糞尿の臭いを軽減するとともに、野菜の生育を早めることが期待されています。現在、試験的に農作物等に使用しており、その効能が確認されれば、幅広く活用していただきたいと考えています。

 続いて、限定特定行政庁の設置についてであります。
 現在、県が取り扱っております市内建築物の建築確認事務を、市において取り扱うこととする「限定特定行政庁」を、平成25年4月に設置することとし、建築行政における新たな事務権限の取得により、市民サービスと行政効率の向上を図ります。
 今年度中に、限定特定行政庁の設置に向けての環境整備や法令上の手続きなど、諸準備を進めて参ります。

 安心安全のまちづくりについて
 次に施策の3点目は、安心安全のまちづくりについてであります。
 まず、雲南市立病院の改築についてであります。
 雲南市立病院建設基本構想をまとめるにあたり、雲南市立病院建設検討委員会を設置し、これまで2回の会議を終えたところです。検討委員会では、雲南二次医療圏における中核病院としての役割や、地域医療を守っていくためのご意見ご提言をいただいております。また、市政懇談会では、病院の早期改築への期待の声を多くいただきました。今後、こうしたご提言などを参考に、基本構想をまとめていきたいと考えております。

 続いて、雲南市障がい者虐待防止センターの設置についてであります。
 昨年6月に制定されました「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(通称「障害者虐待防止法」)が、本年10月1日から施行されることに伴い、障がい者虐待に関する通報や相談等の窓口となる「雲南市障がい者虐待防止センター」を健康福祉部内に設置し、障がい者の虐待防止に取り組んで参ります。

■ 人が輝く教育・文化の振興について
 次に施策の4点目、人が輝く教育・文化の振興についてであります。
 まず、就学前の教育・保育の一体化に向けた取り組みについてであります。
 経済状況や保育ニーズの変化により、更なる幼児教育と保育の充実が求められていることから、幼稚園と保育所の一体化について検討を進めて参りました。
 このほど、木次幼稚園と木次保育所について、「幼保連携型」の認定こども園を平成25年4月から開設することとし、島根県に認定申請を行うことといたしました。
 引き続き保護者の皆様との協議を進め、質の高い教育・保育の一体的な提供、保育サービスの更なる充実に努めて参ります。
 また、保育業務委託につきましては、平成26年4月から掛合保育所の保育業務委託を目指し、保護者の皆様と協議を始めたところです。今後、十分な期間を設けて保護者の皆様と協議を行い、不安の無い保育体制の確保に努めて参ります。

 続いて、幼児期の運動促進事業についてであります。
 平成22年度に策定いたしました「夢発見プログラム幼児期版」では、身体を動かし基礎的体力を育成する重要性を掲げています。この具体的な取り組みとして、文部科学省事業を活用して、雲南市独自のプログラムを策定し、市内全ての就学前の幼児の運動促進に取り組んで参ります。

 続いて、『夢』発見ウィークについてであります。
 9月25日から27日までの3日間、『夢』発見ウィークと銘打った中学生の職場体験学習を行います。本年は147事業所にご協力いただき、市内7中学校全ての3年生が、校区を越えて体験学習を行います。事前の面接において面接官を引き受けていただいた市民、事業所、保護者の皆様のご理解ご協力に心から感謝申し上げます。今後も、こうした貴重な体験を積むことにより、子ども達の将来の夢や希望を育み、勤労観や職業観を育てて参ります。

 続いて、幸雲南塾inさんべの開催についてであります。
 「幸雲南塾inさんべ」を10月13日から1泊2日で、三瓶青少年交流の家において開催いたします。
 本年は、雲南市名誉市民であり、ホシザキ電機株式会社会長の坂本精志氏の特別講演や吉野塾 吉野敬介塾長の講演のほか、キャリアアップワークショップとして、各業界で活躍されている市内外の講師の方々をお迎えし、夢をもつことや夢に向かって努力すること、働くことの意義、大切さなどについて考えてもらうことにしています。対象の中学3年生の皆さんが多数参加されることを期待しております。

 続いて、特別支援学校高等部分教室設置についてであります。
 平成24年6月の県議会において、雲南圏域への特別支援学校高等部分教室設置に関する陳情が趣旨採択されました。雲南市に分教室が設置されれば、特別支援学校高等部に進学を希望される生徒の皆さんの選択肢を広げ、より身近で専門的な教育を受けることが可能となります。また、雲南圏域における特別支援教育のセンター的役割も期待でき、市といたしましても協力を惜しまない考えであります。

 続いて、第22回島根県雲南市「永井隆平和賞」発表式典についてであります。
 平成3年に永井隆博士の崇高な精神を後世に伝えていくことを目的に創設した「永井隆平和賞」は、今年で第22回目を迎えます。今回は、全国35都道府県と遠くはオーストラリア・ドイツ等海外からも「愛」と「平和」の作文1,993点の応募があり、「平和」や「いのち」、「家族」について、心惹かれる作品が数多く寄せられました。今回の最優秀賞については、小学生低学年の部及び中学生の部において、雲南市内からの選出となりました。
 なお、今年の発表式典は、来る9月9日日曜日、13時より、三刀屋文化体育館アスパルで行います。式典では、最優秀作品の朗読はもとより、広島平和記念公園の原爆の子の像のモデルで、12歳でこの世を去られた佐々木禎子さんの甥であるシンガーソングライター佐々木祐滋さんのミニコンサートを、昨年に引き続き計画しています。禎子さんへの想いを曲にされた「INORI」の演奏をはじめ、音楽を通じて平和の大切さを多くの人に伝えて参ります。

 続いて、菅谷たたら山内保存修理事業についてであります。
 かねてから計画を進めてまいりました、菅谷たたら山内保存修理工事につきましては、今後5箇年をかけて行う予定であり、本年は、高殿・元小屋の仮設・解体・屋根工事などに着手いたします。施工にあたっては、操業当時の面影が偲ばれ、製鉄に従事していた人々の生活や習慣、息づかいが伝わってくるような佇まいを残し、たたら製鉄の歴史を次代に継承するよう進めて参ります。

 続いて、能楽のワークショップについてであります。
 日本の古典芸能である能楽のワークショップを、古事記編纂1300年を記念して出雲大社にて行われる公演に先立って、11月7日に三刀屋中学校で行います。今回は、能楽界に名を残す能楽シテ方金春流櫻間家(のうがく してかたこんぱるりゅう さくらまけ)の第21代当主で、重要無形文化財総合指定保持者の櫻間右陣(さくらま うじん)様を始め、囃子方も揃った本格的な能楽を、三刀屋中学校と、吉田中学校の生徒が鑑賞します。我が国の伝統と文化を尊重する機会となることを期待しており、来年の5月には他の中学校において同様のワークショップを行うこととしております。

■ ふるさと産業の創出について
 次に施策の5点目、ふるさと産業の創出についてであります。
 まず、企業立地計画の認定についてであります。
 去る8月10日、加茂町南加茂企業団地に新たに進出されるメトロ電気工業株式会社の企業立地計画の認定を島根県とともに行いました。メトロ電気工業株式会社は、愛知県に本社があり、白熱球やカーボンヒーターを製造する光源と熱源の老舗専門メーカーで、この度の立地計画では、新製品の開発を視野に入れた新たな国内の製造拠点として工場を新設されるものであり、3年後に常用雇用者20名増が計画されています。また、これに先立ち6月には、同じく南加茂企業団地内の株式会社丸八ポンプ製作所が事業所の増設に着手されており、本市にとって誠に喜ばしい企業立地が相次いだところでございます。
 今後、市としましては、これら誘致企業において円滑な事業展開が図られ、更なる業績拡大や新たな雇用創出につながるよう引き続き支援を行っていくとともに、企業誘致に必要な企業用地の確保、整備、立地助成制度の充実等について、企業団地整備アクションプランの策定に合せて引き続き検討を進めて参ります。

 続いて、森林バイオマスエネルギー事業の取り組みについてであります。
 森林バイオマスエネルギー事業につきましては、去る6月15日に設立されたエネルギー供給事業体の「合同会社グリーンパワーうんなん」を核に推進を図っています。この中の「市民参加型収集運搬システム」には、2回の講習会を通じて、これまで39名の市民の皆さまが参加登録をされ、6月18日より林地残材を搬入頂いております。また、募集していました地域通貨の名称は「里山券」に決定し、収集運搬された方に、吉田、掛合町内の31店舗でご利用頂いております。
 今後、今月中に3回目の講習会を開催し、林地残材の収集並びに里山券の利用拡大をさらに推進するとともに、波多温泉「満壽の湯」へのチップボイラー整備も進めて参ります。
 
 続いて、農業の振興についてであります。
 去る8月2日、雲南市内の協業経営型集落営農組織が21組織集まり、集落営農ネットワーク協議会を設立されました。この協議会は、生産調整への取り組み、機械の共同購入によるコストダウン、新たなオペレーターの育成など単一組織では難しかったことに積極的に取り組み、各組織の経営の安定化と集落営農組織間の連携を図ることを目的としております。
 今年度は、県事業により大豆・そばコンバインを2台導入し、協議会で刈り取りの受託農作業を行って参ります。
 続いて、第10回全国和牛能力共進会についてです。
 今年10月に長崎県で開催される第10回全国和牛能力共進会に向け、去る7月27日に県代表牛最終選抜会が行われました。
 雲南市からは、7区肉牛の部にJA雲南吉田肥育センターの星栄号が県代表牛に決定いたしました。
 この間、出品牛を飼養頂きました農家の皆さま方に厚くお礼申し上げますとともに、星栄号の上位入賞を祈念するところです。

 続いて、畜産振興についてであります。
 JA雲南肥育センターの再編につきまして、これまで6センターを一体的に運営する「(仮称)奥出雲和牛センター」構想について検討を進めて参りました。しかしながら、6センターを運営する「新たな経営体」への出資や、多額の運営経費の負担が困難などの理由から、この設立を断念し、更に検討を深める中から、去る7月2日に雲南3市町として適切な支援を講じることを念頭に、JA雲南に肥育センターの運営を継続して頂く要請を行いました。
 奥出雲和牛の振興を図る上で、肥育事業は極めて肝要な事業でありますので、早期に一定の結論を出すため、雲南農業振興協議会において、さらに検討を行って参ります。

 続いて、雲南市・出雲縁結び空港連絡タクシーについてであります。
 雲南市では、これまで観光誘客や市内来訪者拡大の面で課題であった出雲縁結び空港と市内を結ぶ2次交通手段について、株式会社一畑トラベルサービスとの協議を重ね、去る7月1日より連絡タクシーの運行を始めました。
 利用前日の午後6時までにお申し込みいただくと、空港からJR木次駅または下熊谷バスセンター間が、2名以上であれば往復便それぞれ利用者1人あたり1,500円の料金でご利用頂けるというものです。
 こうした民間事業者と連携した市内誘客拡大手段の確保に大いに期待するとともに、事業のPRを図りながら認知度向上に努めて参ります。

 続いて、神話博しまねについてであります。
 神話博しまねは、7月21日~11月11日の期間、「神々の国しまね」プロジェクトのシンボル事業として、出雲大社周辺を主会場として開催されており、期間中、総来客数は合計140万人、特設会場の入場者数40万人の目標達成に向け順調な出だしとなっているところであります。
 会場には、雲南市に馴染みの深いヤマタノオロチ退治を超ワイドスクリーンで見ることが出来る「神話映像館」が設けられているほか、しまね魅力発信ステージでは、市内から多くの郷土芸能団体が出演し、神楽や和太鼓の上演が華を添えているところです。10月20、21日の両日は市町村デーとして、雲南市・奥出雲町・飯南町が一体となって雲南地域の魅力をPRいたします。
 また、平成22年度から取り組んでおります市内「ヤマタノオロチ伝承地探訪ツアー」は、今年は44回の催行を予定しており、これまでに、北海道、東京など多くの県外の皆様にご利用頂いております。
 会場を訪れた観光客の皆さまが、市内の古事記縁の地に足を運んでいただく絶好の機会であり、また市民の皆さまや出身者の方々にもふるさと「雲南市」のすばらしさを再発見いただき、ふるさとへの愛着と誇りに繋がるものとなるよう、大いに期待をしております。


■ 5つの施策を実現していくための行財政運営について
 次に、これまでに述べました5つの施策を実現していくための行財政運営についてであります。
 まず、市役所新庁舎建設についてであります。
 雲南市新庁舎建設設計者選定につきましては、去る8月4日に6設計共同企業体による公開ヒアリングを行い、設計共同企業体を選定したところです。今後、ワークショップ等により、市民の皆様のご意見を伺いながら、基本設計に取組んで参ります。
 新庁舎建設のスケジュールにつきましては、合併特例債の発行期限が5年間延長となる法律の一部改正が、去る6月に施行されたことに伴い、設計及び建設等に要する期間を十分確保するため、施工期間を1年間繰り延べ、事業完了年度を平成27年度とさせて頂きたいと存じます。合併特例債の発行期間の延長につきましては、雲南市建設計画の変更に係る市議会の議決など、諸手続きが必要となりますが、市民の皆さまに親しみやすく身近に感じられる新庁舎にするために、十分な時間を確保する必要があると考えますので、ご理解を賜りたいと存じます。

 続いて、財政状況についてであります。
 本議会に平成23年度決算を提出していますが、普通会計決算では、国の経済対策の終了等に伴い、歳出決算で295億4千2百万円となり、前年度比9.8%の減となりました。また、財政調整基金・減債基金の繰入を行わないこととなり、引き続き収支均衡が達成され、健全化判断比率につきましては、実質公債費比率が17.6%と、前年度比1.9%低下し、改善が図られました。
 しかしながら、今後の財政見通しとしましては、平成27年度からの普通交付税の一本算定を見据えた財政運営が肝要であり、今後も財政規律を堅持し、併せて交付税の見直しも求めて参ります。

■ 議案等について
 次に、補正予算についてであります。
 一般会計は、市営墓地整備事業9百万円、予防接種事業9百万円、地域貢献型集落営農ステップアップ事業補助金1千4百万円、急速充電器整備事業9百万円、高速道路整備関連事業9百万円、起債道路整備事業8百万円、道路維持補修事業2千4百万円、地方債の繰上償還元金4億3千6百万円の追加などを計上しております。
 また、特別会計等におきましては、国民健康保険事業特別会計、簡易水道事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、土地区画整理事業特別会計、ダム対策事業特別会計、清嵐荘事業特別会計、水道事業会計、病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う補正予算を計上しております。

 その外、議案として、承認事項1件、条例6件、規約変更1件、一般事件4件、認定事項として決算認定13件、諮問事項1件、報告事項9件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようよろしくお願い申し上げ、開会にあたっての施政方針といたします。