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重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」保存整備審議会

重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」保存整備審議会 会議要旨(要約)

1.はじめに

雲南市吉田町は、出雲地方屈指の鉄師(たたら経営者)であり、かつて松江藩の鉄師頭取を務めた田部家の本拠地である。「菅谷たたら山内」は、この田部家が永代たたらを操業するために営んだ集落である。

菅谷たたらの操業は、宝暦元年(1751年)から大正10年(1921年)まで続けられたが近代製鉄法により鉄が大量生産されるようになり、和鋼の需要が衰退したことからついにたたら操業の火は消えることとなった。

菅谷たたらが操業を終えた後も、たたら操業の中核施設である高殿を始めとしたたたら関連施設はもとより、かつての従事者の居住区であった集落が現存している。これら一帯を称して「山内」とよばれ、我が国唯一の残存として重要であり、昭和42年(1967年)重要有形民俗文化財に指定された。

高殿や元小屋など文化財に指定された建物は、古くからの木造建築のため、腐朽、劣化が極度に進み、文化財としての保存、公開が困難になっていた。雲南市の合併(2004年)以来、度々建築物にき損が発生し、その都度文化庁の指導を得ながら応急対策を行ってきたところである。

平成22年(2010年)、田部家より雲南市へ指定物件の寄附があったことを受けて雲南市は同年、文化庁に対し建造物保存修理事業申請を行い、採択された。これにより、文化庁の指導を得て重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」の本格的な保存整備が実施されることとなった。 

2.重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」保存整備審議会の発足にあたって

雲南市教育委員会では、たたら製鉄関連施設の保存修理工事に伴い、「菅谷たたら山内」の円滑な保存整備と活用の充実を図ることを目的として文化庁の指導の元、平成23年6月、重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」保存整備検討委員会を立ち上げた。さらに平成25年4月より本委員会は、諮問機関としての機能を有した重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」保存整備審議会として発足することとした。

3.審議会の構成

審議会には、実質的な工事の修理方針や復原方法などについて審議を行う保存整備部会と、菅谷たたら山内の保護、活用のあり方を審議する活用部会を設けた。なお、各部会における審議内容は次のとおりである。

保存整備部会
(1)保存修理計画の具体的方針について
(2)解体調査の検証および資料に基づく保存、復原方法について
(3)山内の景観、情景と調和した保存整備のあり方について
活用部会
(1)菅谷たたら山内の魅力をより多くの人々に知ってもらうために、文化遺産としての価値を高めた情報を発信することが重要である。そのための戦略はどうあるべきか。
(2)保存整備によって復元される「菅谷たたら山内」の建造物と、たたら操業当時の面影を今に伝える歴史的価値の高い山内一帯の整備、活用のあり方について。

4.審議会委員と組織 (平成26年度現在、敬称略)

  • 田中義昭 (審議会委員長・保存整備部会座長)
  • 前田幸二 (審議会副委員長・活用部会座長)
  • 角田徳幸 (保存整備部会)
  • 永田和宏 (保存整備部会)
  • 和田嘉宥 (保存整備部会)
  • 青木千栄子(活用部会)
  • 朝日光男 (活用部会)
  • 陰山義広 (活用部会)
  • 辻 けい (活用部会)
  • 内藤芳文 (活用部会)
  • 錦織靖雄 (活用部会)

5.保存修理の基本方針

菅谷たたら山内の中核である高殿については、昭和34年(1959)以降、屋根や外壁等の修理や内部施設の改修が行われており、創建当初の概観を保持していないことが判明した。また、高殿や元小屋については建築部材の老朽に伴う耐震の安全性が危惧された。このことから建物の保存修理に当たっては次の3点を基本方針とした。

  1. (1)建物の復原時期は、最終のたたら操業が行われていた大正10年当時の姿を目指す。
  2. (2)建物の構造診断を行い、耐震や積雪荷重への対応を考慮した構造補強を行う。
  3. (3)修理に当たっては、可能な限り当初材を残すものとするが、構造補強が必要な部分については新材への交換や補強材の追加などを行う。ただし、特に高殿内部の空間については、現在の姿や見学の方法を極力変えることのないような補強方法を検討する。

6.審議会の進捗状況

雲南市教育委員会では、これまで審議会を3回開催し、併せて保存整備部会を5回、活用部会を3回行ってきた。これまでに各部会から示された意見、検討事項および最新の各部会審議の概要は次のとおりである。

1.保存整備部会の意見・検討課題集約一覧 (平成25年6月現在)

項番 検討事項 提案・意見 決定事項・検討課題
(1) 高殿、元小屋の修理について a.当初計画では積雪による屋根の倒壊が心配される高殿を優先的に修理する予定であったが、元小屋も雨漏りと屋根材の腐食が進行しており、どちらも早急に修理する必要がある。
b.平成23年度で建物の応急修繕を行い高殿の仮設・解体工事に着手、続いて元小屋の仮設工事に取り掛かることは可能である。 
c.屋根葺きの材料が木材の場合、屋根は20~30年ごと、建物は70~100年に一回の解体修理が目安となる。
a.高殿、元小屋については早急に修理に取りかかる必要があり、平成24年度から両方を工事着手すべきである。
(2) 高殿復原年代について a.大正10年には水車小屋、送風装置、小銅場があったが、これらも復原しないと元の姿とはいえない。
b.炉の地下構造の解明はどうするのか。
c.復原年代を操業時に戻す場合、高殿の屋根にあった開口部を復原することになり、強度や防水の面で問題が生じる可能性がある。
a.大正10年(菅谷たたらの最終操業時)を基準として復原する計画を進めるが、解体時の調査結果をふまえて本年度再度検討を行う。
b.屋根の仕様については解体時の調査を基に検討する。
C.水車や山内全体の復原が困難であれば復元のための調査検討を行った上で、模型展示する方法もある。
(3) ボーリング調査結果について a.高殿付近の地質は粘土質で、建物を確実に支持できる地盤まで5m程度の深さがある。
b.元小屋は建物の支持層までは浅いものの、建物の耐震補強をする際は何らかの対策が必要。
(4) 高殿の耐震診断、構造補強検討について a.積雪の場合、特に中央部4本の柱に過大な荷重がかかることが判明。 b.地盤支持力が不足しているとしても150年も高殿が保持されていることは評価できる。遺構を破壊しない範囲で現状の基礎調査を行ってほしい。 a.高殿を地盤補強した場合、遺構を破壊する可能性が高い。高殿の補強工事は、上屋を中心として行い最小限にとどめる。
(5) 防災・排水計画について a.すべての施設の防災管理を行う必要がある。
b.放水銃の水源として約100m3程度の地下貯水槽を設置する。ポンプ室は景観等を考慮し、大銅場内に設置する。
c.高殿周囲に排水路がないため排水路を設置する。
a.地下貯水槽の設置場所については、絵図等の資料と照らし合わせ、発掘調査を行った上で配置検討を行う。
(6) 実測図作成・記録調査について a.保存修理の方針を検討するため、これまで行ってきた修理履歴の把握が必要である。
b.修理工事着手後、仮設足場を利用し高さ寸法や計画寸法を調査する。
a.元小屋については基礎および地盤の補強はやむをえないが、事前に調査が必要である。
(7) その他調査等 a.元小屋脇の護岸石積は現況調査が必要。
b.高殿の各部屋は、風の通りを考慮して配置されている。建具などの機能を想定しながら解体調査を進めてほしい。 
c.山内全体の建物調査を行い、集落全体の景観を保全・活用する手掛りとすることが重要。
d.現状での写真を記録保存したうえで解体修理を行ってほしい。
a.今後、山内周辺も含めた景観維持や活用を踏まえ条例的なものも整備していく必要がある。そのためにエリアを絞って考えていく必要がある。
b.水車の復原は本事業に該当しない。将来的な「菅谷たたら山内」活用の中では建物復原の可能性はある。
(8) 活用について a.今後の活用の主体は誰か明確にする。
b.継続的な保存活用を考える場合、収益性も考慮しなければならない。 
C.たたらの広域的また時間的な繋がりを考慮し観光に利用できるストーリーを検討する必要がある。
a.活用部会と協議する必要がある。

2.平成25年度 第一回重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」保存整備審議会保存整備部会会議録

日 時
平成25年11月28日(木曜) 10時50分~15時00分
出席委員
田中義昭(部会長)、角田徳幸、和田嘉宥
場 所
菅谷たたら山内および吉田町健康福祉センター
概 要
・高殿修理工事状況および発掘調査現場説明、元小屋解体状況説明
・平成25年度工事概要および進捗状況(報告)
・高殿の復原、補強等について(協議)
・元小屋の破損状況、修理方針について(協議)
・活用部会の審議状況について(報告)

高殿発掘調査の概要について(報告)

高殿の保存修理に伴い、屋根を支える押立柱の礎石地面の地耐力調査が必要となった。併せて菅谷高殿では、かつて押立柱が掘立てで構築されていた可能性も窺われることから南西側の押立柱の礎石東半分を掘削し、掘立柱の痕跡の有無を確認することとした。調査の結果、礎石は跡坪の埋め土を掘り込み、礎石接地面を粘土で地固めし、根石を用いて固定されていることが分かった。一方、掘削範囲内においては掘立柱の痕跡は確認できなかった。しかし、押立柱のすべてにおいて基部の一部が腐食しており、その部分には補強材が挿入されている。仮にこの腐食が掘立柱として使用されていたことによるものとすれば現在の押立柱に再利用された可能性も考えられる。
本発掘調査に伴い、高殿内に設置されている送風管基部の構造の調査も行った。明治38年(1905)までたたら炉への送風に使われていた天秤ふいごは、翌年、水車を利用したふいごから送られる送風に変わっている。
送風管基部は縦約90cm、横約53cmの粘土で造られた枡形の形状を呈している。四面のうち片側の長軸側壁面に外部から送られる風の取り入れ口用の土管を、また、両側の短軸の壁面にはたたら炉の両脇に風を送る送風用の土管が挿入され、枡形の三方に土管の口が出ている。さらに二面の長軸側の壁面内側には刳りこみが設けられ、板を差し込むようになっていたことが窺われた。枡形の上面は風漏れを防ぐため板で覆っていたものと考えられる。これまで詳細が明らかにされていなかった送風管基部の様相を本調査により確認することができた。

協議録概要

(1)高殿 屋根の火内打(ほうち)について

事務局
・火内打の復原について、昭和14年ごろ行われたたたら操業の際に火内打番をされていた湯村健吉氏(88歳)から当時の聞き取り調査を行った。湯村氏によると当時は屋根(火内打)が開いたままになっていた。火内打を開けるのは灰すらし作業のときもたたら操業時も常時開いていた。また、屋根には消火用の樽やはしごがあったとの証言を得た。
委員
・古写真(会議資料図2-1菅谷たたら高殿 操業時の古写真)でははしごの足がかりは6本になっている。どっちをとるか。
委員
・復原図には足がかりが2本しかないが、古写真には6本程度ある。足がかりの本数は、古写を根拠にして復原すべきである。
事務局
・火内打にあった樽とはしごは作っておいて、イベントの時だけ設置するのはどうか。
部会長
・樽やはしごの復原については今後の課題としたい。
委員
・火内打の棟押え板の継ぎ目を「L」字状に加工しているが、当時も、そのような加工を施していたのか。
事務局
・防水のための加工であり、当時は行っていないと思う。

(2) 高殿 外壁下見板について

事務局
・北・西壁には下見板がないので、耐久性に難がある。そこで、壁沿いには「排水施設」を、土台下部には「水切」を新設したい。
委員
・北・西壁沿いに排水施設を設ける場合、敷設予定地の発掘調査が必要。
委員
・オリジナルにない方法を取り入れると、操業当時にも存在していたと誤解する人が出てくるので、再度、検討すべき。

(3) 高殿 壁土について

事務局
・土壁の土は、既存の土壁に、近隣の赤土を混ぜたものを使用する。
・提案どおり了承

(4) 高殿 壁の小舞について

事務局
・小舞は、内外壁とも大半が割竹
事務局
・外壁は、粗朶(そだ)小舞で復原する。内壁は、粗朶小舞の痕跡が確認できなかったので、解体前と同じ竹小舞にする。
・提案どおり了承

(5) 高殿 補強案等について

〔補強〕
文化庁
・見えないところに付加的に鉄骨を使用するのはやむを得ないと思う。
・提案どおり垂壁内に鉄骨を採用
委員
・寝屋(ねや)の上屋構造の復原資料がない。
委員
・大正期には水車を利用しているため「番子(ばんこ)」はいない。根拠のない「寝屋(ねや)」を復原する必要性はない。
〔内部の活用〕
委員
・送風管は、本物が見えるようにガラス張りにするか、現地に写真を貼り付ける。
委員
・今のままでは掘り込みが崩落してしまうので遺構は埋め戻して保護が必要、映像で紹介する。
委員
・工事風景は映像でも残したほうがよい。
委員
・2月に予定されている杮葺(こけらぶき)を、一般公開したほうがよい。
事務局
・工事状況を考慮し、可能な限り公開したい
委員
・小鉄町と炭町の境の礎石は実測調査を実施する必要がある。

(6) 元小屋 破損状況について

事務局
・元小屋は何度も改築がなされている、特にクドは3回移動している。移動した理由を調査する必要がある。
事務局
・川沿いの土間が劣化している。
事務局
・土間は「中ドウ場」を壊して建てている。そのため、その部材の再利用箇所を確認する。
委員
・風呂場の移動回数と、建物の建て直し回数は一致するのか。
事務局
・水まわりの移動が、建て直し回数と一致する、と思われる。
事務局
・建て替えには、何らかの理由がある。そのため、聞き取り調査等で、その理由を解明する。
委員
・土間の段差は、大正と昭和の2時期あるので、発掘調査で確認すべき。
委員
・元小屋は、解体調査が進んでいないので、今後の成果に期待したい。

(7) 活用部会の審議状況について報告を行い、審議終了

3.活用部会意見集約 論点の整理 (平成25年6月現在)

活用部会においては、当初に揚げた審議を行っているが、菅谷たたら山内周辺にも田部家土蔵群、鉄の歴史博物館など、たたら製鉄の歴史、文化を伝えるエリアが広範囲にわたっていること。また、菅谷たたら山内における指定文化財の対象物件に土地も含まれていることもあり、検討事項が多岐に渡っている。このことから、現時点では審議をまとめる前段として各委員から自由な提言、課題をいただく段階となっている。

(1)菅谷の魅力・評価について

  • 高殿の空間は、古の空間を感じる貴重な場所であり、菅谷川の清流とマッチして「菅谷たたら山内」の象徴となっている。
  • 竜宮の遊歩道マップは非常に優れており、菅谷川の散策客は徐々に増えている。
  • 見学者から「来てよかった」と評価する声がある。

(2)活用部会委員からの提言について

a.遊歩道・渓流について

  • 菅谷は、竜宮線を歩いて渓流を楽しみながら山内にたどり着くプロセスに意義がある。
  • 遊歩道を設置するのは貴重な資源を台無しにするので、止めた方がよい。
  • 景観を損なわない遊歩道にすればよいのではないか。
  • 護岸の整備はビオトープを熟知した人が整備をしないと、景観だけでなく環境にも影響が出る。
  • 鉄穴流し、選鉱場と山内を一体化した整備が必要だ。

b.「菅谷たたら山内」の保護保存のあり方について

  • 日本人が誇りをもって菅谷を残していくにはどんな形で遺していかねばならないかが重要である。
  • すべてを観光地化することが活用になるのか、文化財の活用もいろいろなケースがある。
  • どこかで思い切ったことをしないと菅谷の自然と空間は守れないのではないか。
  • 菅谷の景観を守るためにはあえて見学者の利用を不便にすることも必要ではないか。
  • 文化財として価値を高めることと地域活性化が結びつくことが理想である。

c.活用の方策について

  • 「菅谷たたら山内」は、観光客が大幅に増えても、通過されるだけである。客層を絞ることによって活用方針に合った広告宣伝もできる。どうしたらたたらの素晴らしさがわかって山内の景観が残されるかを考える必要がある。
  • 高殿内で操業をしてはどうか。
  • 観光客が市内で宿泊できるようさまざまなことを考える必要がある。
  • 水車、水路を復元してはどうか。

(3)今後の課題について

a.活用の方向性について

  • 活用の具体的目標が曖昧である。観光客をできるだけ多く呼び込むのか、観光客は少ないが、一部の方が何度も訪れるようなところにするのかどちらかをハッキリさせるべきである。
  • 菅谷たたらが、世界に誇れるものであることをまず雲南市民に熟知してもらう必要がある。
  • 大型バスを入れるべきなのか考える必要がある。
  • 年配の方への配慮は必要だが、大型バスを高殿の近くまで誘導することだけが配慮ではないのではないか。

b.活用の具体的な検討について

  • 活用部会に与えられた課題は、1.「金属」をキーワードとした雲南市の独自性をどのように作るか。2.菅谷たたらの景観活用。3.雲南市独自の観光資源をどのように情報発信していくのか。である。
  • パーキングエリアの有効活用について。(人員配置など)
  • 岩波のタタラのビデオはすばらしいので、公開する場所を、鉄の歴史博物館だけにするか、菅谷たたらの両方で見せるのかを決める。
  • たたらを活用するには、見学者のターゲットを絞り、対象者を教育などに特化した観光を目指す必要がある。
  • 高殿で操業することは文化財保護法的に問題ないのか調べる必要がある。

(4)その他留意事項

  • 田部家では、観光客増加のため、特定のツアー客に限って庭と蔵1つを公開してもらうよう。当主にお願いをしている。
  • 神話は生命と共存して生まれるものであるが、その生命は人間だけを指すのではなく、すべての生物の生命を指すものと考えられる。
  • 先日、広島の観光客が、竜宮線の入口から歩き、自然を感じる観光を行なっていた。遊歩道は川の向こう側に部分的に作れる。近々、カンナ流しの洗い場から高殿までの遊歩道をつくる予定にしている。
  • 観光においては、持続性が必要であり、どこが観光の事業主体で、どこが人件費・宣伝費を継続的に賄うのか、収入の流れはどうなるのかをハッキリさせて、運営のバランスを考える。
  • 今の体制は補助金(保存修理ハード事業)であるが、運営体制(ソフト面)も整備しないといけない。
  • 観光にも教育的視点は欠かせない。子どもたちに川遊びさせるだけでも、すばらしい体験学習である。
  • 大学生がボランティアで川の掃除を手伝っている。この輪を広げていきたい。
  • ドイツのある美術館では、わざと駐車場が物凄く離れている上に、歩きにくく、美術館まで行くのがたいへんという状況を作ったことで逆に観光客が増えた例もある。
  • 菅谷の集落の景観を護るため、改築時の規制が必要である。

4.平成25年度 第一回重要有形民俗文化財「菅谷たたら山内」保存整備検討委員会活用

部会会議録

日 時
平成25年10月24日(木曜) 14時00分~16時15分
場 所
雲南市役所 4階会議室403号
出席委員
前田幸二(副委員長)、朝日光男、陰山義広、辻 けい、内藤芳文、錦織靖雄

協議事項

活用部会において菅谷たたら山内にかかる多岐にわたる提言、課題をいただく中で、教育委員会では菅谷たたら山内を取り巻く包括的なたたらの歴史的遺産の保護と活用を図るモデル試案として「たたらの生産システム」の保存と継承に基づいた「菅谷たたら山内フィールドミュージアム構想」を立案し、今後の活用部会での検討材料としていただくこととした。

菅谷たたら山内の活用構想について

  1. (1)「たたらの生産システム」の保存と継承について
    「菅谷たたら山内フィールドミュージアム構想」構想と課題(別紙資料)((株)文化財保存計画協会、教育委員会から説明)
  2. (2)雲南市のブランドプロジェクト事業について(担当課説明)
  3. (3)雲南市の観光事業の現状について(担当課説明)

審議状況

  • フィールドミュージアム構想については、隠岐の世界ジオパークと共通性がある。山内のコンテンツは、教育、観光などが考えられるが、分かりづらく一般性に乏しい。
    もっと、ビジュアルに訴えるなど、いかに一般性をもたせるかが課題である。
  • 石見銀山も同様で、説明がないと分かりづらいので、更にガイドの養成、充実が必要である。
  • 田部家の古文書は鉄山の管理やたたら製鉄の経営について、よく知ることができる。そういった資料や研究と結びつけていくべきだ。
  • 文化遺産を活かした事業については、自治体だけが行っても、民間だけが行っても持続しない。自治体、民間、関係団体がどう連携していくか議論を深めるべきだ。
  • 山内は宣伝、情報発信が足らない。現存する本物に勝るものはないので、十分集客は見込まれるはずである。
  • 野山や渓流、鉄穴流しなどを散策するには遊歩道の整備が必要である。地域で整備を進めるつもりである。
  • 山内は1日コース、半日コースでも十分楽しめるスポットである。ガイドも養成してほしい。
  • 神話を含めたストーリーを作ってはどうか、他町とどう連携し、どうストーリーを作るかが重要である。
■事務局
山内の活用計画については、遅くとも平成27年度半ばには基本計画をまとめ諮問したい。今後とも、皆様の貴重なご意見を計画に反映させていきたい。

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