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市報うんなん2016年4月号

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平成28年度 雲南市長所信表明

地方創生の正念場

3月3日(木曜)、雲南市議会3月定例会の開会にあたり、速水市長は平成28年度の市政運営における基本的な考え方を述べました。(詳しくは、雲南市ホームページをご覧ください。)

地方創生の取り組み

「人口の社会増」への挑戦

平成28年度は、飛躍の10年に向けての2年目であり、地方創生はまさしくこれからが正念場です。
その重要戦略として、子育て世代の流出抑制とUIターン人口の増加に向けた「定住環境基盤整備」と、少子高齢化に伴う地域の活力低下等の地域課題解決に挑戦する「人材の育成・確保」の2つに集中的に取り組みます。

・定住に向けた環境整備

「定住環境基盤整備」では「子育て」「仕事」「住まい」「移住・定住」の4つを重点分野として事業を推進します。
「子育て分野」では、保護者の皆様の多様なニーズ等に対応するため、認定こども園の推進を図るほか、医療費・保育料の無料化等による経済的負担の軽減に加え、教育・家庭相談窓口の充実などにより、子育てに係る切れ目のないきめ細やかなサービスの提供に努め、安心して子どもを産み育てることができる環境を高めます。
「仕事分野」では、企業誘致専門員の積極的な取り組みや企業団地の整備による魅力的な立地環境の提供を通して、事業拠点の新設・増設を推進し、雇用の拡大を図ります。また、地域の商業機能の維持のため事業承継や空き店舗等での起業・創業を促進するほか、市内産品の大都市圏等への販路拡大に取り組みます。
「住まい分野」では、利便性が高い住宅地を供給するほか、UIターン者の利用ニーズが多い賃貸住宅や空き家の提供に民間事業者や地域自主組織と協力して取り組みます。また、子育て世代等の住宅取得や定住促進住宅の家賃低減などをはじめ、住まいの確保に関する支援を行います。
「移住・定住分野」では、新たに介護人材や就農希望者の移住を促す事業に取り組むほか、定住支援員等による相談、支援を行います。

「人口の社会増」への挑戦

地域の課題解決に取り組む「人材の育成・確保」

「人材の育成・確保」では「子ども×若者×大人チャレンジの連鎖」による市民総働のまちづくりを進めます。
大人チャレンジでは、地域自主組織による地域主体のまちづくりを更に進めるため、全国の横断的組織・小規模多機能自治推進ネットワーク会議において、賛同する全国121自治体との連名により、去る1月20日、高市早苗(たかいちさなえ)総務大臣と石破 茂(いしばしげる)地方創生担当大臣に対して、法人制度の創設を求める提言書を提出しました。
石破大臣により、早速、この3月から「地域の課題解決のための地域運営組織に関する有識者会議」が設置され、精力的に開催されることになりました。同会議には、地域自主組織の立場から参画します。
若者チャレンジでは、保幼小中高のチャレンジを大学生につなげ、課題解決人材の育成確保をめざす、雲南コミュニティキャンパスを開校するほか、幸雲南塾(大人版)などを通じて若者のチャレンジへの支援や課題解決ビジネスの創出をより一層進めます。
子どもチャレンジでは、「国語」「算数・数学」「英語」を重点教科とし、確かな学力の更なる向上を図るため、この取り組みを支援する教育監を新たに配置してスーパーティーチャーとともに、小中一貫教育を強力に進めます。加えて、特に英語教育においては、高校までの一貫教育を進めます。

雲南市総合戦略 ~『人口の社会増』への挑戦~

組織機構の見直し

平成28年度より、受付業務を除く事業管理課業務を本庁に集約するとともに、保健福祉課の保健師を本庁に配置します。
さらに、教育委員会事務局組織も見直し、文化財・文化振興の体制強化、キャリア教育の更なる推進のため、課および室を新設します。
なお、組織見直しにより田井出張所を今月末で廃止しますが、吉田ふるさとセンター内に「雲南市民サービスコーナー」を設置します。

みんなで築くまち

・移住・交流の推進について

「住まい」「仕事」「子育て」「教育」分野における定住施策に加え、定住関連サイトで定住情報を発信するほか、定住情報冊子等の活用、都市圏で開催される定住フェアへの参加など情報発信をします。
一方、UIターン者を対象とした介護人材の確保事業や、地方での就農ニーズを踏まえた交流や学びの場を提供する新たな取り組みを進めます。

・結婚対策について

「雲南市内縁結びの会」をはじめとする結婚活動支援団体や各種団体との連携・協力を行い、独身男女への出会いの場の提供、結婚相談やマッチング等の取り組みを進めます。

安全・安心で快適なまち

・国道54号三刀屋拡幅事業について

里熊大橋から里方交差点までの500m 区間で4車線化の整備が進められた結果、3月末に同区間が供用開始されることになりました。
なお、残る区間の整備促進を引き続き要望するとともに、特に一般県道稗ひえ原ばら木次線までの区間の早期完成に向け、調整を進めます。

・市民バス再編計画の取り組みについて

「市民バス再編計画」に基づき、これまで実証運行を行ってきた大東町塩田地区につきましては、本格運行に向けた条件が整いましたので、本年4月より本格運行に移行します。また交通空白地域の解消と通院・買い物の利便性向上を図るため、木次町におきまして、本年4月からデマンド型乗合タクシーの実証運行を開始します。
さらに、今後、加茂町におきましてもデマンド型乗合タクシーの運行に向けた検討や準備を進めます。

・高校の通学環境改善の取り組みについて

市内全域から市内高校3校への通学環境を向上させるため、市民バスの運行見直しを行います。
見直しの内容は、ダイヤ改正に加え、吉田掛合方面から大東高校までの路線を増便することにより、登下校時の混雑解消や部活動に対応した運行を行います。

・木次線開業100年について

本年は、木次線が開業から100年目の節目を迎えます。これを契機に、木次線開業100周年記念事業実行委員会を立ち上げ、記念事業を展開します。

・原子力防災対策について

原子力施設の安全対策等について、技術的・専門的観点から幅広く指導、助言を得ることを目的として、平成28年度において「雲南市原子力安全顧問」を設置します。

支えあい健やかに暮らせるまち

・雲南市立病院改築事業について

改築工事につきましては、今月末に南棟4階改修工事が完了する予定であります。4月には介護療養病棟を移転・解体後、新本館棟の起工式を行い、本格的に工事を開始します。

・地域医療の充実について

雲南市の直営診療所であります掛合診療所について、雲南市立病院との更なる連携を図り、地域の皆様により良い医療を提供するための体制を整えます。

・健康づくりの推進について

市役所組織機構の見直しに伴い、保健師は本庁に集約し、各地域を複数で担当し、チームで迅速かつ効果的な健康づくりを進めます。加えて、在宅医療の推進を図るとともに、ドクターヘリ専用離着陸場の整備などにより救急医療体制の充実を図ります。

・高齢者福祉の充実について

国では、平成26年度と27年度に実施した所得の低い高齢者等への簡素な給付措置(臨時福祉給付金)の継続に加え、平成28年度新たに「年金生活者等支援臨時福祉給付金」の実施を決定されたので、迅速な支給処理に努めます。

・生活困窮者の方への支援について

生活保護に至る前の自立支援策の強化を図るため、雲南市社会福祉協議会に事業を委託し、生活困窮者自立支援事業を実施しておりますが、相談者のニーズの高い家計支援を充実するため、平成28年度から新たに家計相談支援事業を実施することとしました。

・認定こども園化の取り組みについて

保育所と幼稚園の機能を併せ持つ「認定こども園」の整備については、本年4月に海潮幼稚園、斐伊幼稚園、三刀屋幼稚園および加茂幼児園を認定こども園としてスタートいたします。特に、幼稚園から移行する「こども園」については、新たに保育機能を付加します。
平成28年度においては、大東幼稚園を平成29年度から「認定こども園」へ移行できるよう取り組みを進めます。

ふるさとを学び育つまち

・子ども家庭支援センターの取り組みについて

平成27年度に設置した「子ども家庭支援センター」には、子どもの発達や不登校、経済的な困窮や就労など、子どもや保護者が抱える様々な困難さについて、本年1月末現在338人の方から相談が寄せられ、支援を行います。
また、不登校やひきこもりについて、義務教育修了までに不登校で進路の定まらない子どもやその保護者を対象に、支援事業所等との連携による進路ガイダンスを実施し、教育と福祉が一体となった支援を進めます。

・小学校普通教室へのエアコン設置について

平成26年度より順次整備を進めています普通教室のエアコン設置につきまして、平成28年度、小学校の整備工事を実施します。当初は5年計画としていましたが、平成28年度末には県内他市町村に先駆け、市内すべての小中学校の普通教室にエアコンを設置します。

・全国高校総合体育大会の開催について

平成28年度、岡山県を主会場とする中国ブロックで全国高等学校総合体育大会が開催され、島根県内では6市町で4競技5種目が行われることになります。雲南市では、7月28日から8月1日の間、島根県さくらおろち湖ボート競技施設においてボート競技大会を開催します。

・加茂岩倉遺跡(銅鐸出土)発見20周年記念事業の開催について

国宝である銅鐸39個が出土した国指定史跡「加茂岩倉遺跡」が平成8年に発見されてから、本年で満20年を迎えます。10月に記念式典・基調講演およびシンポジウムを開催します。

挑戦し活力を産みだすまち

・中心市街地活性化事業について

計画に掲げる個別事業の確実性を高めていく必要があることから、早急に作業を進め、平成28年度の早い時期に国の認定が受けられるよう商工会、まちづくり会社等と連携して取り組みます。

・神原企業団地整備について

神原企業団地造成事業につきましては、平成30年度中の分譲開始をめざしているところであります。
さらに、国道54号から神原企業団地への基幹道路となる市道宇治三代線につきまして、平成28年度から改良工事に着手します。

・産業振興センターの強化について

産業振興センターでは、企業誘致・販路開拓・事業承継の3つを重点分野として、これらに精通した高い見識と多くの経験を持つ専門家を配置し、産業振興に努めます。

・畜産振興について

平成29年に宮城県で開催予定の全国和牛能力共進会(全共)を控え、市内で生産された島根県有種しゅ雄ゆう牛ぎゅうによる交配の推進や、優良牛の販売による市外流出を防ぐ保留対策などに引き続き取り組み、全共出場を果たし、上位入賞をめざした取り組みを強化します。

・農業振興について

島根県産「つや姫」は、平成26年、27年二年連続で日本穀物検定協会が発表した食味ランキングで最高ランク「特A」に選ばれており、全国的にも高い評価を受けているところであり、推進します。
また、安全で安心な農産物の「ブランド化」の取り組みや、園芸品目については、JAなどの関係機関との連携により、ビニールハウス等の施設整備支援など、積極的な支援を検討・推進します。
現在実施しています雲南市集落営農等ステップアップ支援事業の支援規模を拡大するとともに、名称も農業担い手フォローアップ事業と変更し、支援を強化します。

・たたら製鉄の日本遺産認定申請について

雲南市、安来市、奥出雲町の2市1町で構成しています鉄の道文化圏推進協議会より文化庁に日本遺産認定申請書を去る2月10日に提出いたしました。採択されましたら、情報発信媒体の多言語化やガイド養成などに取り組み、日本独自のたたら製鉄やその遺構が現存するこの地域の魅力を世界に発信したいと考えています。

・映画「たたら侍」のロケセットの活用について

映画の撮影も順調に終了し、編集作業に移っていると聞いており、来年早春の公開が待たれるところです。
市内にあるこの映画のロケセットは、「たたらの村」が再現されており、周辺の美しい景色とともに郷愁を呼ぶ風景になっております。更なる観光振興を図るため、このロケセットの活用について検討を進めます。

・重点「道の駅」について

去る1月27日に、国交省より、道の駅、「掛合の里」が、全国38か所の重点「道の駅」の一つに選定されました。
今後、国道54号沿線の道の駅「掛合の里」と飯南町、三次市の4駅が一体となり、サイクリングなどの体験型観光イベントや、広域的な情報発信、拠点施設の整備に積極的に取り組みたいと考えます。


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