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市報うんなん2015年11月号

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雲南病院だより

運動を始めてみませんか?

雲南市立病院 リハビリテーション技術科 電話0854-43-23908(代)

「運動器とは」

人が自分の身体を自由に動かすことができるのは、骨、関節、筋肉や神経で構成される“運動器”のはたらきによります。骨、関節、筋肉はそれぞれが連動しており、どれか一つが悪くなっても身体はうまく動きません。

「健康寿命」

健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。平均寿命から健康寿命を引くと、男性は約9年、女性は約12年となります。誰もが最後まで、健康でいきいきとした生活を送りたいと願っています。
自立度の低下や寝たきり、つまり要支援・要介護状態は健康寿命の最大の敵です。そしてその要因の第1位は「運動器の障害」だということをご存じでしょうか。
要介護や寝たきりは、本人だけでなく、家族など周囲の人にとっての問題にもなります。自分だけでなく、あなたの大切な家族や友人などのためにも、運動器の健康を維持しましょう。

(チェックリスト)
□ 片脚立ちで靴下が履けなくなった
□ 家の中でつまずいたり滑ったりする
□ 階段を上るのに手すりが必要だ
□ 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用や、布団の上げ下ろしなど)
□ 2㎏程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
□ 15分くらい続けて歩くことができない
□ 横断歩道を青信号の間に渡り切れない

以上の項目はすべて、骨や関節、筋肉などの運動器が衰えているサインです。1つでも当てはまれば運動器の障害のために移動機能が低下している可能性があります。該当数ゼロをめざして運動を始めましょう!

運動の参考例

(1)ひざ痛に効果的

ⅰ 四頭筋(しとうきん)(太ももの前) ひざをゆっくりまっすぐ伸ばし、5~10秒止め、ゆっくり下ろす。(左右10~20回)

ⅱ 内転筋(ないてんきん)(太ももの内側) ひざの間に20cm程度のボール(またはタオル)を挟み、ゆっくり強く10秒挟んでゆっくり力を抜く。(10~20回)

(2)転倒予防

ⅰ 片足立ち 机等に手を添えて、床に足がつかない程度に上げる。目標は1分。

ⅱ かかと上げ 机などに手を添えて、立った姿勢で両足のかかとをゆっくり上げ下げする。(10~20回)

(3)ウォーキング

お腹をしめて、胸を張って姿勢よく、できればいつもより早いペースでスタスタ歩く。30 ~ 60分を2日に1回程度を目標に始める。靴はウォーキングに適したものにすること。

(注意事項)
―運動をする前に―
主治医から運動や歩行を控えるように言われている場合は、主治医に相談してください。また、痛み・腫れなどの症状のある方は受診をお勧めし ます。
―実際の運動―
痛みがある場合はやめておきましょう。また、運動は翌日に疲れが出ない程度に、1日おきでもいいので続けていきましょう。

皆さん、少しずつ運動を始めてみませんか?

【薬剤師から】 インフルエンザの季節到来

今年もあとわずかとなり、季節性インフルエンザの流行が懸念される季節となりました。インフルエンザの基礎知識・対策等について紹介します。

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスが引き起こす疾患です。いわゆる風邪とは全く異なるウイルスが引き起こします。現れる症状も違います。(下図参照)

加地正郎(かじまさろう)(久留米大学名誉教授):臨牀(りんしょう)と研究79:2049,2002一部省略
  インフルエンザ かぜ
発病 急激 ゆるやか
優勢症状 全身症状 のどや鼻などの上気道症状
悪寒 強い 軽い
発熱 高い、しばしば39~40度 ないか、あっても37度台
全身の疼痛 強い なし
鼻・咽頭炎 全身症状のあとから出る ひきはじめに出る・顕著
合併症 気管支炎・肺炎 少ない・中耳炎・副鼻腔炎
重病感 あり なし
経過 一般的に短い 短いが長引くことあり
発生状況 流行性 散発性

流行前には

インフルエンザワクチンを接種することをお勧めします。特にリスクの高い方(乳幼児・呼吸器疾患等持病をお持ちの方・妊婦・高齢者)は注意してください。乳児は生後半年から接種できます。
また、今年度からワクチンは4価(効果の期待できるインフルエンザウイルスの種類が4種類含まれている)となり、より予防効果の高いものとなりましたが、ワクチンは単にインフルエンザを予防するものではなく、発症や重篤化をある程度抑える効果のものであることを知っておきましょう。

流行したら

◆人混みを避け、外出を控える
◆外出時はマスクをつける
◆室内は加湿器などで適当な湿度を保つ
◆バランスの良い食事と、十分な休養をとる
◆うがい、手洗いをこまめに行う

インフルエンザの薬

◆薬の種類
インフルエンザの薬の種類は大別して2種類と多くありません。抗ウイルス薬と言われるものと対処療法(症状の緩和に用いられる)薬です。抗ウイルス薬はカプセル・ドライシロップ・吸入薬・点滴など多彩です。

◆薬の効果
インフルエンザウイルスは感染すると1個のウイルスが8時間後に約100個、1日で約100万個になると言われています。従って抗ウイルス薬はどれも「発症48時間以内」でしか効果は期待できません。
抗ウイルス薬と聞くとインフルエンザウイルスを殺すように思えますが、実際はウイルスの増殖を抑えて自然治癒に力を貸しているに過ぎません。治癒にかかる期間は1~2日短縮され、鼻や喉からのウイルス排出量や周りへの感染リスクが減ります。

流行期には

◆面会制限について
インフルエンザは人と人との接触によって感染します。人との接触を減らすことが未然に防ぐ有効な手段です。
したがって、当院では入院されている方がインフルエンザに感染した場合、重篤な症状になることが予想されるため、感染された方との面会を制限させていただくことがあります。


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