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市長所信表明(3月定例会)市長所信表明の全文を掲載しますのでご覧ください

市長所信表明(3月定例会)

平成30年雲南市議会3月定例会開会に際し、市長の述べました「所信表明」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

所信表明全文

平成30年雲南市議会3月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

始めに、先月までの大雪による被害状況と対応についてであります。
記録的な寒波の襲来により、去る1月10日から2月7日まで、4度にわたり大雪警報が発表されました。市内各地において、水道管の凍結による漏水が多数発生するほか、多い所では1メートルを超える積雪を記録し、停電、農業用ビニールハウスの倒壊、高速道路や国道54号などの交通機能が大きく麻痺するなど、市民生活に大きな影響を及ぼしたところであります。これに伴い、迅速な除雪はもとより、道路の倒木等の除去、市民バス及びスクールバスの運休や迂回、幼稚園、小中学校等の臨時休園や休校などの措置を行いました。市としましては、市民生活の混乱への的確な対応に引き続き努めて参ります。これまでの間、被害に遭われました皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。

続いて、地域自主組織に関わる総務大臣表彰についてであります。
平成27年の過疎地域自立活性化優良事例表彰において雲南市の地域自主組織が総務大臣賞を受賞したことに続き、昨年の11月には、地域自主組織の活動や「子ども×若者×大人チャレンジ」など創意工夫による取組が高く評価され、地方自治法施行70周年記念総務大臣表彰を受賞しております。
さらに、本年度のふるさとづくり大賞の地方自治体表彰として、去る2月3日に東京都内で行われた表彰式で総務大臣賞を受賞いたしました。人口減少や高齢化が進む地域の課題解決に向け、市民の皆様とともに進めている地域自主組織の取組を我が国の先駆的なモデルとして高く評価いただいたもので、大きな励みとなるところであります。市民の皆様のご尽力に感謝申し上げますとともに、引き続き積極的なチャレンジをお願い申し上げます。

続いて、第8回地域再生大賞についてであります。
地域づくりに取り組む団体にエールを送るため、地方新聞46紙と共同通信社が設ける「地域再生大賞」において、市内のNPO法人「おっちラボ」が全国から推薦のあった50団体の中から大賞に次ぐ準大賞に輝き、去る2月9日に東京都内で行われた式典で表彰されました。「おっちラボ」は、地域課題を解決するための若者のプランの実現を支援する「幸雲南塾」を運営しており、在宅医療の推進など地域を支える事業を作り出すほか、UIターンや地域経済への波及効果を生み出していることが高く評価されたところであります。雲南市で挑戦する若者を育て、着実に起業・創業や社会参加につなげるなど、雲南市のまちづくりに欠かせない存在となっている「おっちラボ」のこれまでの活動に敬意を表し、この度の受賞を心よりお祝いするとともに、更なる活動の発展をご期待いたします。

続いて、省エネ大賞並びにサステナブル建築賞の受賞についてであります。
雲南市役所本庁舎が、木質バイオマス、地下水、太陽光発電など再生可能エネルギー等を積極的に活用し、ハイレベルな省エネを実現した建築物として高く評価され、去る1月23日に一般財団法人建築環境・省エネルギー機構が主催する「第7回サステナブル建築賞」の大規模建築部門で「理事長賞」を、2月14日には一般財団法人省エネルギーセンターが主催する「平成29年度省エネ大賞」の省エネ事例部門で「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました。この度の受賞を契機に、環境にやさしいまちづくりをめざしたプラチナシティの認定自治体として、より一層、省エネルギーの取組を推進して参ります。

続いて、平成30年度の取組についてであります。
東京一極集中などの事態の進展を踏まえ、国においては、昨年12月に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を改訂し、既存の取組を加速化する新たな施策により地方創生の新展開を図るため、大学改革や企業インターンシップの推進、プロフェッショナル人材の活用などを新たに打ち出しました。こうした国の動きを踏まえ、地方創生のより一層の推進を図る必要があるため、平成30年度も、引き続き「安全・安心」「活力と賑わい」「健康長寿・生涯現役」の実現をまちづくりの課題に掲げ、「定住基盤の整備」と「人材の育成・確保」に積極的に取り組み、「課題解決先進地」をめざして参ります。

一つ目に、「安全・安心なまちづくり」に関する取組を述べます。
雲南市立病院新本館がいよいよ完成の時期を迎えました。新本館の1階及び2階の半分には外来・各種検査・放射線科等を配置し、2階から4階に病棟を配置しています。病棟は、患者さんの安心感に配慮し、病棟中央のスタッフステーションを囲むように病室を配置しました。また、1床あたりの面積をこれまでより広く確保し開放感あるものとしています。さらに、相談室・面談室の設置や患者さんとご家族の懇談や食堂として利用いただけるスペースも確保したところであります。このほか、障がいのある方の就労機会の確保と社会参加の促進を目的とし、さらには病院利用の皆様のくつろぎの場としてのカフェもオープンいたします。3月3日は竣工記念式典、翌4日には一般見学会を開催し、3月22日に待望の開院を迎えます。なお、新本館開院後は既存病棟の改修・解体を進める予定としており、来年9月のグランドオープンをめざし、引き続き施設整備を進め、地域医療拠点の充実を図って参ります。一方、掛合総合センター・交流センター建設工事につきましては、建物は概ね完了し、3月中旬に完成する予定であります。新たな施設は「地域づくり」「防災」「福祉」「人材育成」の拠点として、4月23日から業務を開始し、同28日には竣工記念式典を行う予定であります。

二つ目に、「活力と賑わいのあるまちづくり」に関する取組を述べます。
まず、「定住基盤の整備」につきましては、「子育て」、「仕事」、「住まい」、「移住・定住」の重点分野について、一層の充実に力を注いで参ります。
子育て分野では、待機児童の解消をめざし、認可定員60人の「みなみかも保育園」を本年4月に開園いたします。整備にご理解、ご尽力いただいた社会福祉法人愛耕福祉会に改めて感謝申し上げます。一方、全国的な保育士不足の中、年度中途での保育士の確保が困難さを増しているため、年度当初から予め保育士を雇用する私立保育所及び委託保育所への支援制度を創設いたします。

続いて、仕事分野では、地元就職やUIターン就職を進めるため、地場企業のPR冊子の作成・配布と都市圏での転職相談事業をより一層進め、若い世代の回帰・定住促進を図って参ります。

続いて、住まい分野においては、市土地開発公社分譲地へのUIターン者の呼び込みを目的に、市内の不動産事業者と連携した取組を進めて参ります。このほか、移住・定住分野の支援策としまして、人口減少や高齢化が著しい都市計画区域外の地域に対し、子育て世帯を含む三世代同居を推進するための持ち家改修助成制度を創設し、若い世代の定着による地域の活性化や担い手確保を進めて参ります。

次に、「人材の育成・確保」につきましては、チャレンジ精神にあふれる中高生・大学生の学びと成長、若者の起業・創業を後押しする「スペシャルチャレンジ事業」制度を創設いたします。具体的には、中高生の国内・海外研修や大学生のインターン・海外留学に対する助成、さらには地域課題の解決に向け事業を立ち上げる若手起業家を支援するため、ふるさと納税による寄附金等を効果的に活用して本市の持続可能性を高めるリーダー人材の育成・確保を促進して参ります。
また、教育の一層の魅力化を図るため昨年5月に設置しました「雲南市教育魅力化推進会議」から、去る2月5日に、魅力ある高校教育の推進などを求める第一次提言を頂戴いたしましたので、市としましては「第一次教育魅力化推進構想」を本年3月末までに策定し、早急に取り組んでいく考えであります。特に、市内3つの県立高校については、市としても積極的な支援を行っていく考えであり、その一つとして、多様な学び合いとチャレンジの連鎖につながる人材育成と交流の拠点として、3校すべての寮機能も備えた「(仮称)チャレンジハウス」の整備をめざし、来年度、基本構想の策定に取り組んで参ります。

三つ目に、「健康長寿・生涯現役を全うできるまちづくり」に関する取組を述べます。
市の健康づくり拠点施設として加茂B&G海洋センターの改修工事を進めており、本年7月8日に竣工記念式典並びにオープンを予定しております。子どもから高齢者、障がいのある方誰もが体力や志向に応じ、体力づくり・健康づくりに取り組める拠点施設として安心してご利用いただけるよう、身体教育医学研究所うんなんとの連携による健康増進や介護予防に資する効果的なプログラムに加え、幼少期から運動習慣の定着化をめざす取組を進めて参ります。

次に、5つの政策に沿って申し述べます。
最初に「みんなで築くまち」に関わる政策についてであります。
まず、地域と行政の今後のあり方について述べます。
市内全域に地域自主組織が結成され昨年で10年が経過し、冒頭で述べましたように国から高い評価をいただいている中、これまで地域自主組織連絡協議会を通じ、担い手の確保や地域課題解決に向けた活動について様々なご意見をいただいております。このため、市では、行政組織の横断的な関わり方などを高めていくことや、今後の地域と行政のあり方について来年度から本格的に検討を進め、方向性を見出していく考えであります。一方、新たな法人制度の創設につきましては、冒頭で述べた国の総合戦略の改訂版に「地縁型組織の法人化の促進に向けて、更に具体的な検討を進める」必要性が盛り込まれたところであります。今後の動向を見極め、私が代表を務める小規模多機能自治推進ネットワーク会議の組織力を活かして引き続き国へ働きかけて参ります。

続いて、春殖交流センター整備についてであります。
春殖交流センターの建設につきましては、本年3月末に敷地の嵩上げなど造成工事を完成させ、来年度は建物本体の建設、完成を予定しております。その後、既存建物の解体撤去、駐車場の造成等を継続して行い、事業全体の完了は2019年度を予定しております。

次に、「安全・安心で快適なまち」に関わる政策についてであります。
まず、公営住宅整備事業について述べます。「雲南市公営住宅等長寿命化計画」で建替え対象としております三刀屋町内の基町団地につきましては、昨年7月に移転新築予定地の地権者のご協力により用地取得を完了し、今年に入り1月下旬から行っている造成工事を本年8月頃に完了した後、引き続き建築工事に着手する予定であります。来年度から2022年度までの5カ年間で、5棟20戸の整備を進めていく考えであります。

続いて、JR木次線と沿線地域の活性化に向けた取組についてであります。
JR木次線は、昨年12月に全線開通80年を迎え、駅舎を管理いただく皆様をはじめ、沿線の様々な団体、市民の皆様のご協力のもと、駅舎を活用した賑わい創出、列車を活用したウォーキングイベントの開催など、数多くの取組により木次線への関心が高められたものと大変感謝しております。来年度以降も、地域の皆様にご協力いただきながら様々な活動に取り組み、木次線の存続並びに沿線地域の活性化につなげて参ります。

続いて、環境政策についてであります。
昨年度から「第2次雲南市環境基本計画」の策定に着手し、パブリックコメントを経て、このほど市環境審議会からの答申も受けましたので、本年3月中に成案化を図ることとしております。本計画は、雲南市が誇る自然環境や歴史的景観などを次世代に伝えるとともに、今後10年間の環境に関する施策を総合的・計画的に取り組んでいく指針となるものです。本計画の推進にあたっては、市民・事業者・行政が主体となり、各目標の達成に向けそれぞれが役割を果たすとともに、連携・協働した取組を進めるため、「(仮称)雲南市環境会議」の設置や「(仮称)雲南市環境基本条例」の制定などにも取り組んで参ります。

続いて、空き家等の対策についてであります。
「雲南市空家等対策基本計画」に基づき、空き家の実態把握に取り組み、これまで市内全戸の外観調査を行った結果、およそ600戸の空き家を確認することができました。来年度は、空き家の利活用や解体について所有者への意向調査を行い、危険な空き家の特定や「空き家バンク」への登録などにつなげて参ります。

続いて、雲南市役所分庁舎の整備についてであります。
市役所分庁舎である上下水道部庁舎は、昭和56年に建設した庁舎や増築したプレハブ建屋を使用しており、地盤沈下や老朽化等により建物の傾きや雨漏りが顕在化しています。このため、重要なライフラインである上下水道の拠点施設としての機能を強化するため、来年度から上下水道部庁舎の整備に着手して参ります。

続いて、来年度の島根県消防大会及び県消防操法大会の地元開催についてであります。
第70回島根県消防大会を本年7月28日に加茂文化ホール「ラメール」で、第62回島根県消防操法大会を翌29日に木次小学校グラウンドで開催いたします。去る2月15日に、島根県防災部、島根県消防学校、島根県消防協会、雲南消防本部、雲南市消防団及び雲南市で構成する実行委員会を設立したところであり、大会の成功に向け万全を期して参ります。

続いて、雲南市消防団の組織再編についてであります。
雲南市発足と同時にスタートした雲南市消防団は、平成24年に組織編成基準を設け組織運営が図られてきておりますが、近年、団員充足率の低下などにより、分団及び部の円滑な運営に支障を来たしております。現在、消防団と市で検討協議を重ねており、消防団活動を今後も永続的に維持するため、消防力低下を招かないよう考慮しつつ、実情に即した組織再編について来年度中にお示しする考えであります。

次に、「支えあい健やかに暮らせるまち」に関わる政策についてであります。
まず、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組について述べます。
住み慣れた地域で誰もが自分らしい暮らしを安心して続けていくことができるよう、医療・介護分野の関係機関や地域住民の皆様と連携した取組を推進しているところであります。こうした中、社会福祉協議会等と一層の連携を図り、地域自主組織のご協力をいただきながら、日常生活における多様な支援体制の充実・強化や高齢者の社会参加の促進を一体的に図ることを目的に、来年度から新たに生活支援コーディネーターを配置することといたします。

一方、国民健康保険特別会計により市が直接経営し、地域医療を担っている掛合診療所は、現在、医療スタッフの確保や経営改善等の課題を抱えております。市内でも高齢化率が高く開業医が少ない掛合・吉田地域の状況を踏まえますと、継続的に地域医療を支える医療機関として果たすべき役割は重要であり、診療体制や医療サービスの充実を図る必要があります。このため、平成31年4月の雲南市立病院との経営統合に向け準備を進めて参ります。

続いて、国民健康保険制度改革についてであります。
国民健康保険は、市町村が運営する相互扶助制度として、国民の医療保険の最後の砦としての役割を担っていますが、勤務先で入る健康保険などと比較して1人当たりの医療費が高く、所得水準が比較的低い加入者には保険料負担が重くなる構造的課題があります。こうした背景を踏まえ、平成27年5月に法律が改正され、国が国保への財政支援を行い財政基盤の強化を図るとともに、来年度からは都道府県が市町村とともに運営を担い、国保制度の安定化を図ることとなります。なお、これにより国民健康保険加入者の皆様に新たな手続きや病院等での別途負担などは一切生じませんので、安心してこれまでどおりの方法で医療機関等をご利用いただきますようご案内いたします。

続いて、福祉施策の事業計画の策定についてであります。
このほど、雲南広域連合において第7期雲南地域介護保険事業計画が策定されました。本計画は、来年度から2020年度までの3年間の介護保険事業の具体的内容を定めたもので、地域包括ケアシステムを推進していくため、高齢者の自立支援、要介護状態の重度化防止、医療と介護の連携の推進、地域共生社会の実現に向けた取組などを展開していくこととしています。また、市では、2023年度までの6年間の障がい福祉施策の基本的な方針を定める第3期障がい者計画を本年3月末までに策定します。併せて、2020年度までの3年間を計画期間とする第4期障がい福祉計画及び第1期障がい児福祉計画も策定し、障がい福祉サービスの基盤整備や相談支援体制の充実、就労支援や住まいの確保などに取り組むことにより、障がい者福祉の充実に努めて参ります。

続いて、病児保育施設のオープンについてであります。
市立病院医師住宅の空室を改修し整備を進めています病児保育施設について、4名の病児・病後児双方が受入可能な施設として、本年4月のオープンに向け準備を進めています。なお、施設の名称は、これまでの病後児保育室の名称を継承し、だいとう病児・病後児保育室「つくし」として参ります。

続いて、放課後児童クラブの整備についてであります。
まず、加茂児童クラブについては、近年急速な利用希望の高まりがあり、現在の加茂子育て支援センターだけでは受け入れが困難になってきていることから、加茂まちづくり協議会が加茂交流センターで開設されている放課後子ども教室との連携により、同施設を利用して本年4月から加茂第2児童クラブを開設して参ります。
加えて、放課後児童クラブのサービスが無い小学校区の解消に向け、西小学校区に平成31年4月の開所をめざし、新たな放課後児童クラブ施設の整備に取り組んで参ります。
さらに、鍋山小学校児童の三刀屋放課後児童クラブへの移送及び田井小学校児童の寺領児童クラブへの移送について、それぞれ本年4月よりサービスを開始して参ります。

続いて、認定こども園化への取組についてであります。
本年4月より、西幼稚園を「認定こども園西こども園」に、吉田保育所を「認定こども園吉田保育所」に移行し運営を開始いたします。さらに、2019年度から田井保育所と掛合保育所を「認定こども園」に移行するよう取組を進める考えであります。

続いて、小規模幼稚園での預かり保育の実施についてであります。
佐世・寺領・西日登・鍋山の4つの幼稚園の「預かり保育サービス」について、入園児童の保護者への利用希望調査の結果に基づき、一定の利用が見込まれる佐世・寺領・鍋山の3つの幼稚園は各施設で、西日登幼稚園は寺領幼稚園への移送手段を整え、いずれも本年4月よりサービスを開始いたします。

続いて、雲南市母子健康包括支援センターの設置についてであります。
妊産婦や子育て家庭が抱える不安や孤立に対応するため、医療機関、子育て支援機関や関係部署が連携し、市民の皆様が安心して妊娠・出産・子育ての相談等ができる窓口として、本年4月より健康福祉部健康推進課内に母子健康包括支援センターを設置いたします。これにより、様々なニーズに対応したきめ細かな相談支援や情報提供を行って参ります。

次に、「ふるさとを学び育つまち」に関わる政策についてであります。
まず、「竹島・北方領土問題を考える」中学生作文コンクールにおける表彰について述べます。島根県等が主催する第8回「竹島・北方領土問題を考える」中学生作文コンクールで、木次中学校3年生の郷原鈴佳(ごうばらすずか)さんの作品が島根県知事賞を、同2年生の佐藤有華(さとうゆうか)さんが隠岐の島町長賞を、さらに木次中学校が学校賞を受賞され、去る2月2日に県庁知事室にて表彰を受けられました。本コンクールにおける木次中学校の作品の表彰は4年連続となり、心よりお祝い申し上げます。

続いて、統合学校給食センターの整備についてであります。木次・三刀屋・吉田・掛合の4つの給食センターの老朽化に伴う4施設を統合する学校給食センターの整備について、本年度行った実施設計に基づき、2019年度2学期からの供用開始をめざし、来年度から建設工事に取り組んで参ります。

続いて、新学習指導要領への移行に伴う取組についてであります。
小中学校の学習指導要領改訂に伴い、2020年度から小学校で「外国語」が正式教科となり、5・6年生が「外国語科」として、3・4年生は「外国語活動」として授業を行うこととなります。これまで本市では、新学習指導要領への円滑な移行に備え、平成26年度から小学校3・4年生の外国語活動に取り組んでおります。また、吉田中学校区においては4カ年にわたり国の研究指定事業に取り組んできておりますので、この実践内容や成果を市内の学校にも広げる考えであります。市としましては、指導主事による学校訪問などの支援体制のもと、正式教科として本格実施となる2020年度と同様な授業を2019年度から取り組んでいく考えであります。

続いて、大東図書館についてであります。
昨年の8月から進めて参りました大東図書館の増改築工事が完了し、現在、図書や備品の配置を行っております。これまで長期間休館し、市民の皆様にご不便をおかけしてきましたが、本年6月24日に再オープンを予定しています。市民の皆様の生涯にわたる学習を支援するため、利用者の皆様により一層親しまれる図書館運営に努めて参ります。

続いて、永井隆記念館整備事業についてであります。
永井隆博士の偉績を称える崇高な理念を顕彰する永井隆記念館につきまして、施設老朽化に伴い、現地での建替えを行うため、本年度、基本設計に取り組んでおります。来年度は実施設計、建物の取り壊し、敷地造成並びに隣接する市道の改良工事を行う予定であります。

続いて、大東ふれあい運動場陸上競技場の改修工事についてであります。
施設の老朽化やルール改正により、日本陸上競技連盟公認の陸上競技場の要件を満たさなくなったため、本年度、全面的な改修工事を行って参りました。現在、工事も概ね完了したところであり、本年3月末までに日本陸上競技連盟の検定を受け、引き続き公認陸上競技場として大会等を開催していく予定であります。

次に、「挑戦し活力を産みだすまち」に関する政策についてであります。
まず、中心市街地活性化事業について述べます。
ビジネスホテルの整備については、株式会社共立メンテナンス様と継続的に協議を進めており、早期のホテル進出に向け今後も詳細事項について引き続き協議を行って参ります。商業エリアの核施設「(仮称)SAKURAマルシェ」整備事業については、来年3月の完成をめざし、実施主体の雲南都市開発株式会社が、中心市街地活性化法に基づく事業計画の国への認定申請と国の補助金活用を予定していますので、積極的に支援を行う考えであります。また、市街地整備につきましては、本年度から事業着手し、現在、用地取得を進めております。来年度は市道要害6号線の改良と、広場、遊歩道及び公衆用トイレの整備を進める予定であり、商業施設の整備に合わせ早期に完成できるよう取り組んで参ります。

続いて、食の幸発信推進事業についてであります。
本事業の基本方針は、雲南地域の農産物を一同に取り揃えることに加え、雲南管内の農産物を主要原材料とした雲南市のPR・イメージアップに資する食品加工事業にも取り組み、食の幸の発信、販売力の向上を図るものであります。具体的計画については、民間のノウハウや企画力を最大限に活用するため、事業者を早期に選定し、2021年度のオープンに向け事業進捗を図って参ります。

続いて、企業立地促進助成金制度の拡充と企業人材確保制度の創設についてであります。
人口の社会増をめざし、魅力ある働き場所の確保に向け、新たな企業進出や地場企業を支援する企業立地促進助成金制度の拡充を図って参ります。加えて、UIターン者を正社員として雇用し入社支度金等を支給する企業に対し、助成制度を創設し、企業の人材確保を支援して参ります。

続いて、雲南市建設事業者等の資格取得支援事業についてであります。
建設業の皆様には、市民の皆様の安全・安心な交通確保のため、除雪作業などを行っていただいておりますが、特殊機械で公道を走行するためには資格が必要であります。しかしながら、建設業や除雪作業に協力いただく企業では、オペレーターの退職などにより有資格者が年々減少傾向にあります。このような実態を踏まえ、必要な人材の確保と後継者育成を促すことを目的に、来年度から公的資格取得に係る支援を行って参ります。

続いて、(仮称)加茂バスストップスマートインターチェンジの整備についてであります。
昨年7月に事業化が決定し、現在、測量、調査と設計業務を進めており、本年夏頃には実施設計が完了する予定であります。また、本年4月以降、用地補償調査業務に着手し、用地取得を進めて参ります。2022年の供用開始をめざし、引き続き国、県、西日本高速道路株式会社との連携により事業進捗を図って参ります。

続いて、雲南市農業ビジョンの策定についてであります。
雲南市の農業振興策につきまして、今後の課題や目標を整理し、国、県及びJAの農業戦略との整合性を図り、効果的に農業施策を推進するため、この度、新たに「雲南市農業ビジョン」を策定いたしました。来年度以降、生産者の代表、島根県、JA及び市が連携する雲南市農業再生協議会で各年度の目標を設定し、国・県に各施策の実施への支援を求めつつ、関係機関が一体となり目標の達成に向け総合的な対策を講じて参ります。

続いて、平成30年度新嘗祭(にいなめさい)の献穀米についてであります。
宮内庁の行事である「新嘗祭」に島根県から献納する献穀米を、来年度、吉田町農事組合法人すがや で栽培していただくこととなりました。新嘗祭は、天皇陛下が献穀米をお召し上がりになる祭事とあって、御田植式(おたうえしき)、抜穂式(ぬきほしき)など注目を集める行事が開催されますので、雲南市が良質米、安全・安心な農産物の生産地であることを発信する好機として捉え、取組を支援して参りたいと考えます。

続いて、菅谷地区県営ほ場整備事業についてであります。
吉田町菅谷地区のほ場整備計画が整い、来年度から事業に着手をいたします。一区画のほ場面積を概ね30アールで整備するもので、全体の事業規模は受益面積が約28ヘクタール、事業費は約6億円、6年での完成をめざし実施して参ります。

続いて、畜産振興についてであります。
4年後の第12回共進会に向け、継続して出品対策に取り組んでいく考えであります。具体的には、新たに肥育牛の血統的な分析による県有種雄牛の指定交配の取組や受精卵移植技術を活用した和牛子牛の生産拡大の継続など、雲南地域1市2町で協力して奥出雲和牛の振興に取り組んで参ります。

続いて、治山事業についてであります。
地元要望を受け、県に対し事業化を要望しておりました大東町川井地区及び三刀屋町殿河内地区の治山事業が、来年度の復旧治山事業に採択されることになりましたので、鋭意事業進捗を図って参ります。

続いて、インバウンドに関する取組についてであります。
外国人観光客の誘致については、雲南市観光協会を中心に雲南広域連合等と連携し、特に台湾をターゲットに取り組むことにしており、昨年12月には、台湾の旅行会社6社による雲南圏域へのモニターツアーを実施したところであります。来年度は、雲南圏域の市町、観光協会及び商工会等で組織する「うんなん観光ネットワーク協議会」において、宿泊や施設利用に対する補助制度の創設も計画されていることから、引き続き台湾をはじめとする誘客に向け、ツアーの実現などをめざして参ります。

続いて、国民宿舎清嵐荘改築整備事業についてであります。
現在の清嵐荘は、去る1月27日をもって営業を終了し、施設の解体工事に着手しています。2019年秋のリニューアルオープンに向け、本年夏頃から建築工事を開始する予定であります。

続いて、JR西日本の「TWILIGHT(トワイライト)EXPRESS(エクスプレス)瑞風(みずかぜ)」についてであります。
JR西日本の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の雲南市内での立ち寄り観光が昨年6月から行われており、市内の様々な幸や市民の皆様の温かいおもてなしの心に、お客様や関係者に大変喜んでいただいております。今後も多くの方に訪れていただけるよう、瑞風の立ち寄り観光地のブランドを活かした情報発信等を積極的に取り組んで参ります。

続いて、日本遺産魅力発信推進事業についてであります。
雲南市・安来市・奥出雲町で構成する鉄の道文化圏推進協議会では、昨年度から3カ年にわたる文化庁の日本遺産魅力発信推進事業に取り組んでおり、今年度は、普及啓発と人材育成に重点を置き、県内ケーブルテレビでの番組放送や日本遺産シンボルマークの民間利用の促進、ガイド養成講座などを進め、市内外での認知度向上を図ってきたところであります。また、来たる3月5日には女性向け情報誌の出版会社との連携による東京都内でのイベント、同7日からは「出雲國たたら風土記」を学ぶ合宿プログラム「たたらの里山三日籠り」などを予定しています。来年度は、本事業の最終年度となることから、日本遺産を活かした地域づくりに向け、自治体間連携とともに官民が一体となり、更なる人材育成や「たたら文化」の魅力の発信に重点を置き、引き続き誘客につなげる取組を進めていく考えであります。

続いて、雲南市桜まつりの開催についてであります。
雲南市最大の集客を誇る「雲南市桜まつり」のメインイベントを来たる4月7日、8日の土日に開催いたします。JR木次駅前の特設ステージでの郷土芸能ショー、木次商店街での雲南食堂、中高大学生や若者のアイディアによるプロジェクトなど、各種イベントを開催いたしますので、例年以上の賑わいを期待するところであります。

最後に「行政経営」についてであります。
まず、大東総合センターの移転に伴う施設整備について述べます。
老朽化している大東総合センター庁舎を、現在の「大東健康福祉センター」に移転整備することとし、来年3月の竣工をめざし、本年秋に改修工事に着手することとしています。これに伴い、雲南市社会福祉協議会大東支部の事務所移転が必要となることから、事前に大東町地域福祉センターを改修整備し、今年9月頃に移転していただく予定としております。隣接する大東町地域福祉センター、大東図書館及び大東地域交流センターの相互活用を可能とする立地条件を活かし、市民の皆様の福祉と利便性の向上を図って参ります。

続いて、公共施設等の適正化についてであります。
公共施設の適正化に向け、具体的な取組をお示しする「雲南市公共施設等総合管理計画実施方針案」を諮問した「雲南市行財政改革審議会」より、昨年12月に答申書を提出いただき、このほど最終案をまとめたところでございます。今後、パブリックコメントの結果を踏まえ、実施方針を決定いたします。
なお、実施方針の内容について、改めて市民の皆様にご説明する機会を設けたいと考えております。

続いて、特別養護老人ホームえがおの里の民営化についてであります。
「公の施設改革推進方針」に基づき、民間の専門的な知識・ノウハウを活用したサービスの向上を図るため、来年度から掛合町の特別養護老人ホームえがおの里を民営化することといたしました。これにより、施設の設置主体を現在の指定管理者である雲南市社会福祉協議会に移管し、市有地である敷地は有償貸付、建物は無償貸付といたします。

続いて、住民票の写し等の第三者交付に係る本人通知制度についてであります。
住民票の写しや戸籍謄本などを本人の代理人や第三者に交付した場合に、希望する本人に交付を通知する取組が全国的に広がっております。本市としましても、不正取得の抑制を目的に、来年度中に必要なシステム改修等を行い、早期に稼働できるよう準備を進めて参ります。

続いて、雲南市職員の給与減額措置の継続についてであります。
これまで、職員の協力を得て行っております給与減額措置について、平成30年度においても減額率を見直した上で継続することといたしました。この減額措置で生じる財源は、地域経済の活性化につながる事業に引き続き充当することとしております。

続いて、合併算定替終了後の交付税算定についてであります。
かねてより総務省に要望しておりました地方交付税の合併算定替終了後の算定見直しについて、最終分となる平成30年度の見直し内容が示され、その他の教育費における図書館及び社会体育施設に要する経費、保健衛生費における保健福祉に係る住民サービスのための経費について本庁からの距離に応じた経費の割増並びに商工行政費、地域振興費の見直しが行われることとなり、全国で500億円程度復元されることとなりました。なお、雲南市の復元額については、本年7月の普通交付税の算定時に示されることとなります。

続いて、平成30年度一般会計当初予算、平成29年度3月補正予算についてであります。
まず、平成30年度一般会計当初予算は、歳入における普通地方交付税の一本算定への移行等に伴う減額が見込まれるものの、清嵐荘整備事業、学校給食センター建設事業、三刀屋木次IC周辺地区都市再生整備計画事業、春殖交流センター整備事業、木次こども園建設事業、児童福祉施設整備事業等の普通建設事業費を計上し、前年度比6.5パーセント増となる299億14百万円で編成いたしました。
また、補正予算につきましては、一般会計では、除雪総務管理事業7千7百万円、退職手当特別負担金7千3百万円などを追加計上し、特別会計等では、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、土地区画整理事業特別会計、水道事業会計、及び病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う予算を計上しています。
その外、議案として、条例16件、一般事件9件、報告事項4件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようよろしくお願い申し上げます。

平成30年度の市政運営に臨む所信の一端を申し述べ、開会にあたってのご挨拶といたします。

平成30年3月1日

雲南市長 速水雄一


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