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市長施政方針(12月定例会)

 
市長施政方針(平成25年雲南市議会12月定例会)

 雲 南 市 議 会 12 月 定 例 会
平成25年雲南市議会12月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

■ はじめに
平成25年雲南市議会12月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 (以降、各項目をクリックしていただくと内容をご覧いただけます。)
   はじめに
 

■ 施政方針内容
次に、6つの施策について申し述べます。
 (以降、各項目をクリックしていただくと内容をご覧いただけます。)
   市民と行政の協働によるまちづくりについて
   環境に配慮した安全・快適な生活環境づくりについて
   地域で支えあうくらしづくりについて
   ふるさとを愛し豊かな心を育む教育と文化のまちづくりについて
   賑わいあふれる雲南市について
   5つの政策を実現していくための行財政運営について
   議案等について
 

平成25年12月6日
雲南市長 速水雄一
 
 
 
市長施政方針(平成25年雲南市議会12月定例会)

■ はじめに

 まず、11月3日に発令された秋の叙勲等についてであります。
 木次町の永瀬豐美(ながせとよみ)様が教育功労により、加茂町の錦織恒德(にしこりつねのり)様が消防功労により瑞宝双光章の栄に浴されました。
 また、危険業務従事者叙勲では木次町の細木洋行(ほそぎひろゆき)様が防衛功労により瑞宝単光章の栄に浴されました。
 皆様の長年のご活躍と地域の発展に尽くされたご功績に深く敬意を表し、受章のお慶びを申し上げますとともに、今後とも、健康にご留意され、ご活躍されますことを心より祈念いたします。

 次に、市区町村議会議員総務大臣感謝状の贈呈についてであります。
 このほど、安井誉(やすいたかし)様に、市町議会議員として35年以上在職し、地方自治の発展に寄与されたことによる総務大臣感謝状が贈呈されました。
 安井様の長年のご功績に深く敬意を表し、お慶びを申し上げますとともに、今後とも健康にご留意され、ご活躍されますことを心より祈念いたします。

 さて、去る10月1日の閣議により、平成26年4月1日から消費税率を5パーセントから8パーセントへ引き上げることが決定され、同時に新たな経済対策の方向も打ち出されたところであります。一方、財務省は、平成25年7月から9月期の全国の景気判断を「緩やかに回復しつつある」として3四半期連続で上方修正し、松江財務事務所による島根県の経済情勢の総括判断においても、「持ち直しつつある」として3四半期連続で上方修正したところであります。
 消費税率の引き上げは、増大する社会保障費の財源を確保し、国の財政を立て直すための措置ではありますが、長引くデフレ不況、国民の消費減退、低所得世帯をはじめとする一般家庭の家計への影響は非常に大きいと予想されます。
 こうした中、本年の11月1日で合併10年目を迎えた雲南市でございますので、これまでのまちづくりを踏まえ、更なる発展を期さなければなりません。
 そうした観点に立ち、地方交付税の算定方法の見直しについて、かねてより総務省へ提案して参りましたが、去る10月16日には、「合併算定替終了に伴う財政対策連絡協議会」が241の合併市により結成され、私も幹事として総務省要望を行ったところであります。併せて、「自民党合併算定替終了後の新たな財政支援措置を実現する議員連盟」も発足したところです。
 引き続き、市民生活を守り、地域経済の活性化に必要な財源の確保を求めて参ります。

■ 市民と行政の協働によるまちづくりについて

 次に、6つの政策に沿って申し述べます。
 1点目は、市民と行政の協働によるまちづくりについてであります。
 まず、「うんなん幸あり月」についてであります。
 去る10月13日から11月17日までを「うんなん幸あり月」とし、雲南市の自然・歴史・食・人の「幸」の恵みを、この期間でしか味わえない催しとして集中的に広く情報発信したところであり、これまでに訪れていただいた方々との縁が、更に深まるよう取り組みを進めて参ります。特に、多くの高校生、大学生、若者に参加いただいた「幸雲南塾」、「うんなん若者会議」を中心とする若い世代を対象とした人材育成については、今後重点的に取り組む所存でございます。

 続いて、「雲南ゼミ」・「元気な地域づくり発表会」についてであります。
 去る11月9日から11日にかけまして、全国各地から26団体36名の地域づくりの関係者に参加をいただき、地域自主組織を中心とした活動について学びあう、通称「雲南ゼミ」を市内各地で開催いたしました。
 併せて、11月10日には、各地域自主組織の皆様の取り組みを相互に発表していただく「元気な地域づくり活動発表会」を、島根県東部地区公民館研究集会も兼ねて、加茂文化ホールラメールで開催したところであります。
 発表会では、16組織の皆様に、食に関する活動を発表していただきました。いずれも、地域の課題解決に向け積極的に取り組まれており、改めて敬意を表する次第であります。このような、相互に研鑽し、学びあう活動により、今後益々活動が活発に展開され、こうした小規模多機能自治の仕組みが全国に広がっていくことを期待するとともに、その取り組みを支える環境整備を模索して参ります。

 続いて、吉田小学校旧民谷分校の交流センター化についてであります。
吉田町民谷地区におかれましては、地域づくりを一層進めるために検討されてきましたが、このほど地域自主組織を発足されることとなりました。
 市といたしましては、これまで、地域おこし協力隊員を配置し、話し合いや活動を支援して参りましたが、平成26年度からは、旧民谷分校を交流センターとしてご活用いただくこととし、関係条例の改正案を今定例会に上程するところであります。

 続いて、新築住宅に対する固定資産税の課税免除制度についてであります。
雲南市の人口は、本年11月1日時点では、41,687人と合併直後に比べ約1割近く減少しております。
 こうしたことから、本市の人口減少に歯止めをかけることが喫緊の課題であり、関係部局におきまして、様々な定住促進策を進めておりますが、今回、新たな定住促進策の一環として、税制面から支援するために「新築住宅に対する固定資産税の課税免除制度」を創設することといたしました。このことにより、市外への人口流出防止と市外からの転入増を期待するものであり、平成26年4月1日から当分の間、実施することといたします。

■ 環境に配慮した安全・快適な生活環境づくりについて

 2点目は、環境に配慮した安全・快適な生活環境づくりについてであります。
 まず、原子力防災対策についてであります。
 去る10月17日に、出雲市、安来市及び雲南市は、島根県知事に対して、原子力安全協定に基づく計画等に対する事前了解など、島根原子力発電所に関する重要な判断や回答に当たって三市の意見が反映できるためのルール化を要請したところ、知事からは「三市の意見をよく理解し、誠意をもって対応する」など、要望に沿った回答をいただき、10月29日付けで「覚書」を締結いたしました。
 また、原子力災害対策指針が見直され、原発から30㎞圏が「緊急時防護措置を準備する地域」いわゆるUPZに定められたこと、原子炉の規制基準が強化されたことなど、情勢が大きく変化したことを踏まえ、10月18日には、中国電力に対して、改めて安全協定の締結を要求しました。これに対して、中国電力は10月23日付けで、「現時点では回答できる状況にない。」との回答であり、従前の姿勢を崩しておりません。
 また、11月6日には、長岡秀人出雲市長、近藤宏樹安来市長と共に、経済産業省、資源エネルギー庁に対して、施設の設置、変更などの事前了解等について、原発周辺自治体が意見反映できる制度を創設し、安全協定を制度化、義務化するよう要望を行いました。これに対し、「国は、安全基準を強化し、審査の独立性を確保するため原子力規制委員会を設置した。安全協定は、事業者と自治体で締結すべきものである。原子力防災については支援を行う。」との回答であり、満足のいくものではありませんでした。
 基本的に原子力防災は、立地自治体、周辺自治体が連携して調整を図りながら取り組む必要があることから、11月28日には松江市、出雲市、安来市、雲南市による協議を行い、原子力発電所の安全対策について情報共有が図られること、広域避難計画の実行性を高めるために4市の連携協力が必要であることなどについて、確認したところであります。
 また、11月5日には、島根県、鳥取県、雲南市をはじめ周辺6市及び関係機関が合同で参加する原子力防災訓練を実施しました。当日は、対策本部を立ち上げ、オフサイトセンター、島根県との情報連絡や、緊急時モニタリング等の訓練を実施いたしました。10日には住民避難訓練を実施し、手順の確認を行ったところであります。今後、更に、避難体制の構築、安定ヨウ素剤の準備、スクリーニングなどの手順が定められていく中で、訓練の充実を図っていく必要があると考えております。

 続いて、広域路線バス吉田大東線バス料金の改定についてであります。
 広域路線バスは、主に、市内の高等学校への通学や医療機関への通院、あるいは買物のための移動手段として、高校生や高齢者を中心に日常的にご利用いただいております。
 このバスの料金は、区間距離と路線開設当時の町村間の料金形態、民間バス事業者路線との料金形態などを勘案し200円から600円の料金となっていますが、特に、三刀屋町と掛合町間の料金が400円となっており、改善への検討を進めて参りました。
 こうした中、本年4月から民間バス事業者のバス路線が中国横断自動車道尾道松江線を通行することになり、広域バス路線との競合が解消され、料金の見直しが可能となったことから、料金体系の見直しを行い、条例改正案を今定例会に上程いたします。これにより、来年4月から一乗車200円に統一し、市民バスの利用を一層促進する考えでございます。

 続いて、水道事業運営と水道料金の改定についてであります。
 6月定例会施政方針におきまして、平成26年度以降は答申どおり料金改定を行うことと、市からの運営補助金の追加により不足額に対応することを申し上げたところであります。一方、平成26年4月1日からの消費税率引き上げに伴い、この増税分については料金改定に上乗せして単価改定を実施したいと考えており、今定例会に関係条例の一部改正案を上程いたしております。
 市民の皆様にはご負担をお願いすることになりますが、重ねてご理解賜りますようお願いいたします。

 地域で支えあうくらしづくりについて

 次に、3点目、地域で支えあうくらしづくりについてであります。
 まず、雲南市子ども・子育て会議についてであります。
 雲南市では、幼児期の学校教育・保育をはじめとした子育て支援を総合的に推進する子ども・子育て新制度の平成27年4月施行に向けて、「雲南市子ども・子育て支援事業計画」を策定します。
 この計画策定に向け、「雲南市子ども・子育て会議」を設置し、様々なご意見をいただきたく、去る10月25日に第1回の会議を開催しました。島根大学の肥後功一副学長を会長とした、15人の委員の皆様からそれぞれの立場でのご意見をいただいたところです。
 また、子育て中の市民の皆様に「ニーズ調査」を実施し、多様化している保護者ニーズを的確に反映した計画を策定して参ります。ニーズ調査は、子育て中の保護者全ての家庭を対象に実施いたしますので、該当の皆様のご協力をお願いいたします。
 なお、併せて、子育てに関する相談体制についても、平成26年4月1日の実施にむけて、早急に整備する考えでございます。

 続いて、掛合保育所保育業務委託についてであります。
 保育所保育業務委託につきましては、「公立保育所保育業務委託計画」に基づき、これまでに2園の保育所で保育業務を委託して参りましたが、平成26年4月から掛合保育所の保育業務を雲南市社会福祉協議会に委託することといたしました。
 雲南市社会福祉協議会におかれましては、多様化する保育ニーズに対し、安全かつ的確に対応いただけるものと考えております。
 なお、3年の更新時期となりました「かもめ保育園」につきましては、引き続き平成26年度からNPO法人明育会に業務をお願いする考えであります。

 続いて、民生児童委員・主任児童委員の改選についてであります。
 雲南市では、候補者を推薦いただくため、5月中旬から各町単位で推薦準備会を設置いたしました。
 各地区においては、委員の皆様の献身的なご努力により候補者を推薦いただき、8月中旬には市の推薦会において推薦決定いただき、県を通して、国へ進達しておりました。
 このほど、国において正式に決定されましたので、昨日、民生児童委員126名に対し委嘱状を、主任児童委員16名に対し委嘱状及び指名状を伝達いたしました。
民生児童委員・主任児童委員の皆様には、地域福祉の要として、地域福祉の増進に努めていただきますようお願いいたします。
 また、この度ご退任されました41名の皆様には、長年にわたり地域福祉の推進にご尽力を賜り、心より感謝申し上げる次第であります。

■ ふるさとを愛し豊かな心を育む教育と文化のまちづくりについて

 次に、4点目、ふるさとを愛し豊かな心を育む教育と文化のまちづくりについてであります。
 まず、学校給食調理業務等の委託業者の決定についてであります。
 雲南市の学校給食は、6つの給食センターで調理し、小中学校、幼稚園に提供しております。平成26年3月で雲南市学校給食会は解散されることとなり、加茂・吉田・掛合につきましては、平成26年4月から「株式会社魚国(うおくに)総本社」に、大東・木次・三刀屋につきましては、引き続き「株式会社給食雲南」に調理業務等を委託することといたしました。
 雲南市の子どもたちのために、引き続き安全で安心な給食の提供に努めて参ります。

 続いて、ひろがれ「弁当の日」in島根 雲南大会についてであります。
 「うんなん幸あり月」の一環として、PTAをはじめ、JA雲南、商工会、農商工連携協議会等関係者とともに、去る11月9日に開催したこの大会では、「夢」発見プログラムに基づき市内すべての小中学校での取り組みによる成果を発表したところであります。併せて、全国に広める活動に取り組んでおられる講師の方々や、精力的に実践されている県内の学校関係者とともに、その価値を、食の宝庫であるこの雲南市から全国へ情報を発信いたしました。
 今後も、学校・家庭・地域において、それぞれの立場で「弁当の日」の意義について考える機会を設け、食を通じ子どもの「生きる力」を育むために努めて参ります。

■ 賑わいあふれる雲南市について

 次に、5点目、賑わいあふれる雲南市についてであります。
 まず、農商工連携の取り組みについてであります。
 これまで、「オロチの爪」、「杜のズコット」、「うんなんオロチの焼きタンタン」の開発、オムライス提供店の拡大など、スパイス、スイーツ、たまご、さくら、山の幸と、農商工連携による商品化や販路開拓が年々進展し、産業振興に結びつきはじめているところであります。
 今年度は「スパイス鍋」の商品化をテーマに取り組む中で、市内全域から飲食店等16店舗から応募があり、11月から販売が開始されております。来る12月8日には、「松江市こだわり特産市」において、「うんなんスパイス鍋」と「松江市を代表する鍋」による鍋対決が行われることとなりました。
 また、去る10月22日には、東京都千代田区大手町のフランス料理店「ビストロ・リヨン」で、雲南市の商品や観光スポット等について、料理家、報道関係者、旅行関係出版社、食品バイヤーに直接PRする事業を実施しております。こうした活動を通して、雲南市の取り組みが専門家に認知されてきているところであり、今後の販路拡大に手ごたえを感じております。
 今後、農業、商業、工業がうまく連携する形をさらに強化して参りたいと存じます。

 続いて、米をめぐる情勢についてであります。
 今年の米の作柄は、概ね天候に恵まれ生育もよく、10月15日現在の出雲地域の10アール当りの予想収量は522キログラム、作況指数は102の「やや良」と見込まれています。
 しかしながら、夏場の高温障害により平坦部を中心に乳白粒など「その他未熟粒」による品質低下もあり、雲南市の1等米比率は、11月1日現在、コシヒカリで約39パーセントと昨年同期に比較して17ポイント低下いたしました。
 今後、1等米比率の向上並びに良質米の生産に向け、JA雲南など関係機関とともに指導、対策を強化していく考えであります。
 また、農家の皆様から要望のありました水稲種子の温湯消毒設備につきまして、市は、JA雲南と連携して、認定農業者や集落営農組織等の担い手農家への設備導入助成を行い、安全安心なエコロジー米の生産をより一層推進したいと考えております。
 一方、米の生産調整につきまして、先日、政府は5年後の2018年度に廃止することを決定しました。これにより1970年以降続いた米政策が抜本的に見直されることになりますが、米は本市の一番の基幹農作物でありますので、農家をはじめとする市民の皆様に混乱を招くことのないよう、国や県に対応を求めて参りたいと考えております。
 なお、平成26年産米の生産数量目標については、全国的に米の在庫が増加していることなどから大幅に削減される見通しであります。今後、国や県の動向を注視しつつ、迅速な情報提供に努めて参りたいと存じます。

 続いて、商工業の振興についてであります。
 昨年度から雲南市商工会と一体となり、地域経済の活性化の一環として、プレミアム商品券の発行による市内の消費需要の喚起や、経営相談体制の充実、資金繰り対策等、市内中小企業者に対する支援策に取り組んでいるところであります。
 プレミアム商品券については、本年度も1億円規模の商品券発行事業へのプレミアム支援を行い、去る10月15日に販売を開始し3日間で完売したところです。年末にかけて、市内消費需要の高まりに期待をするところであります。
 また、経営に関する相談体制の充実を図るため、昨年度から、商工会における弁護士、司法書士等との顧問契約による経営相談体制の整備に対する支援や、中小企業信用保証料補助金の上限額の拡充等の資金繰り支援策に取り組んでおります。中小企業信用保証料補助金については、平成26年1月から現行の島根県制度融資対象資金に加え、新たに島根県中小企業信用保証協会が取り扱う2つの融資資金を補助対象とし、更なる制度拡充を図って参る考えであります。
 一方、平成26年4月1日の消費税率引上げに際し、事業者の皆様方に適切に対応していただく必要があります。また、消費の動向についても懸念材料があろうかと考えております。
 そこで、事業者の方々に対して、「消費増税移行円滑化支援対策」と「市内消費拡大に向けた取り組み」の2つをテーマとしたセミナーを、商工会と一体となって開催する予定であります。併せて、駆け込み需要も想定される中、地域外へ流出する消費の流れを市内に向けるための広報・PR事業に取り組むなど、多方面での支援策を講じて参ります。
 加えて、「中小企業振興基本条例」の方向性と骨子を固めつつあり、今後とも皆様のご意見を頂きながら年度内の策定に向け、引き続き取り組んで参ります。

 続いて、森林バイオマスエネルギー事業の取り組みについてであります。
 本年度から市内全域に拡大して取り組んでおります「市民参加型収集運搬システム」につきましては、現在、155名の方に参加をいただき、10月末現在で約557トン、今年度目標800トンに対し約70パーセントの材を搬入頂いております。収集運搬に取り組んでいただいた皆様にお渡しする地域通貨「里山券」は、これまで1,912枚発行しているところであり、市内88の取扱店でご利用いただいております。
 また、本年3月にチップボイラーの稼働を開始した波多温泉「満壽の湯」は、これまで大きなトラブルも無く順調に稼働しており、現在、三刀屋健康福祉センターの給湯と空調を賄うチップボイラーの整備を進めております。
 更に、チップによる熱エネルギー利用に加え、本年度、薪の活用を探る調査事業を実施し、木材の利用促進の取り組みをより一層進めて参ります。

 続いて、神話や鉄の歴史にまつわる観光についてであります。
 先ほど申し述べた「うんなん幸あり月」の期間中に、絲原家、櫻井家、田部家の古文書調査を終え、奥出雲三大鉄師を通してたたら経営の歴史を考える「鉄の歴史村フォーラム2013」が、去る11月9日に開催されました。
 当日は、広島経済大学大学院の相良英輔(さがらえいすけ)教授の講演や、御三家当主がそろって意見交換を行われる中で、古文書を紐解くことから、たたら製鉄の歴史の解明につながるといった成果や、後世に伝える必要性が強調されるとともに、約300人の参加者の皆様も、たたら文化の継承に思いを馳せたところであります。
 今後も、斐伊川流域を中心とした鉄の歴史や文化を、近隣市町と連携し、広域的な観光振興に資する取り組みとして、広く情報発信して参ります。

■ 5つの政策を実現していくための行財政運営について 

 次に、6点目、これまでに述べました5つの政策を実現していくための行財政運営についてであります。
 まず、第2次雲南市総合計画策定状況についてであります。
 現在、平成27年度から平成36年度を計画期間とする第2次雲南市総合計画の策定を進めているところであります。これまで6回にわたる策定委員会の議論の中で、今後のまちづくりにおいては、「資源を活かす」「助け合う」「情報を共有する」「互いに学び合う」「外に伝え、外とつながる」といった5つのキーワードが、課題解決にむけて重要な視点であるとまとめられているところであります。
 一方、平成23年8月に地方自治法が一部改正され、基本構想の策定に係る規定が削除され、自治体の判断によるものとされました。
 しかしながら、雲南市では、適切な市政運営を進めるための指針として、総合計画の策定と、計画に即した市政の運営を図ることを目的とした、(仮称)雲南市総合計画条例の制定を進めて参ります。

 続いて、新庁舎建設についてであります。
 平成22年度に新庁舎建設基本計画の策定に着手し、本年は実施設計の取りまとめを行っているところであります。
 この度、財政負担の軽減を図るため補助事業の導入を目指しておりましたが、国土交通省所管の「住宅・建築物 省CO2先導事業」に採択されたところです。新庁舎における環境設備計画が先導的であること、また、他に波及・普及する可能性があることを評価、期待されたものであり、エネルギーの見える化を最大限活用し、環境に優しい庁舎の実現を目指すものであります。
 今後は、より良い庁舎建設の実現に向けて、雲南市における工事発注規程等に基づき、特別共同企業体を組んでいただき、建築主体工事、電気設備工事、機械設備工事に分割して発注することといたします。加えて、地元経済への波及効果と地元業者育成の観点から、特別共同企業体につきましては、地元業者の参画を考慮した構成とする考えであります。

 続いて、消費税率引上げに伴う公共料金等の改定についてであります。
 平成26年4月1日からの消費税率引き上げに伴い、雲南市では、税負担の円滑かつ適正な転嫁を基本として対処する考えであり、公共料金等の改定について関係議案を今定例会に上程しております。

 続いて、市職員の給与減額措置についてであります。
 職員の給与につきましては、平成17年度以降、減額措置を行っているところであります。
 この減額措置は、職員の理解を得ながら、平成26年1月1日から新たな減額措置として引き続き継続したいと考えております。減額により生じる財源につきましては、職員からも要望のある地域経済の活性化につながるような事業に優先してあてたいと考えており、次年度の当初予算に計上する予定であります。

 続いて、平成26年度当初予算編成方針についてであります。
 国においては、総務省の概算要求では、地方の一般財源総額については、平成25年度地方財政計画の水準を下回らないよう確保されていますが、消費税率が引き上げられることに伴いあらためて見直されることとなっており、社会保障分の変動等により、平成26年度の地方財政運営は、なお不透明な状況となっています。
 このような状況の中で、平成26年度当初予算編成については、財政調整基金、減債基金の繰入は行わず、普通建設事業の伸び、特に新庁舎建設事業などを考慮して、前年度に比べ8.4パーセント増となる305億円程度に設定したところです。

■ 議案等について

 次に、議案についてでございますが、まず、補正予算についてであります。
 一般会計では、災害復旧事業7千7百万円、小・中学校特別支援学級等設置事業1千9百万円、介護給付・訓練等給付事業1千7百万円、生活保護扶助事業1千6百万円、国道整備関連事業1千2百万円、有害鳥獣捕獲奨励事業1千2百万円の追加等と債務負担行為限度額として新庁舎建設事業31億6千4百万円等の予算を計上しております。
 また、特別会計等では、後期高齢者医療事業特別会計、簡易水道事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、水道事業会計、工業用水道事業会計、病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う補正予算を計上しております。

 その外、条例17件、一般事件2件、同意事項4件、諮問事項2件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようお願い申し上げ、施政方針といたします。