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市長施政方針(6月定例会)

 
市長施政方針(平成25年雲南市議会6月定例会)

 雲 南 市 議 会 6 月 定 例 会
平成25年雲南市議会6月定例会開会に際し、市長の述べました「施政方針」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

■ はじめに
平成25年雲南市議会6月定例会の開会にあたり、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、議員の皆様をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 (以降、各項目をクリックしていただくと内容をご覧いただけます。)
   はじめに
 

■ 施政方針内容
次に、6つの施策について申し述べます。
 (以降、各項目をクリックしていただくと内容をご覧いただけます。)
   市民が主役のまちづくりについて
   環境に配慮した安全・快適な生活環境づくりについて
   地域で支えあうくらしづくりについて
   ふるさとを愛し豊かな心を育む教育と文化のまちづくりについて
   賑わいあふれる雲南市について
   議案等について
 

平成25年6月7日
雲南市長 速水雄一
 
 
 
市長施政方針(平成25年雲南市議会6月定例会)

■ はじめに

 はじめに、去る4月18日、天皇、皇后両陛下からお招きをいただき、春の園遊会に出席させていただいたところでありますが、東日本大震災による被災地から出席された方々に励ましや労いのお言葉をおかけになり、被災地域の住民の皆様を気遣われる両陛下のお姿を拝見させていただきました。原発問題をはじめとする危機管理対策については、隣接市と情報を共有し、万全を期さねばならないと改めて決意したところであります。

 また、先月10日、出雲大社では、国宝・本殿の改修に伴って仮殿に移されていたご神体を再び本殿に迎える「本殿遷座祭(ほんでんせんざさい)」が昭和28年以来60年ぶりに営まれ、約1万2千人の参列者が全国から訪れたところです。昨年の古事記1300年記念「神話博しまね」に続き、須佐之男命・八岐大蛇伝説にゆかりの深い雲南市にとっても、観光行政の追い風となっているところであります。こうした中、長く待ち望んでおりました、松江自動車道(中国横断自動車道尾道松江線)の開通により、広島方面から雲南市への入込客が大幅に増加しております。雲南市ならではの地域資源、「幸」を活かした取り組みにより、更なる交流人口の拡大を図っていくべきと考え、必要な施策を進めていく所存であります。
 
 次に、市の歌制定についてであります。
 平成26年11月1日には、市制施行10周年を迎えます。そこで、平成26年度においては「記念式典」の開催や「雲南市の歌」の制定など各種の「記念事業」を実施することとし、本年度から計画に着手することといたしました。「雲南市の歌」の制定につきましては、期間を要することから、今年度から予算措置を行い、準備に入りたいと考えております。


 次に、第2次雲南市総合計画策定キックオフ・シンポジウムについてであります。
 先月25日と26日の2日間、木次経済文化会館チェリヴァホールにおきまして、平成16年に雲南市が誕生して以来取り組んできた「教育・人材育成」、「小規模多機能自治」をテーマに、地域自主組織、学校関係者、県内外の自治体職員、全国的な活動を実践されている有識者など、延べ900人の皆様の参加により、シンポジウムを開催いたしました。
 その中で、これまでの雲南市のまちづくりについて検証を行ったところですが、合併以来、市民と行政の協働により進めてきた雲南市のまちづくりの取り組みについて、多くの方から評価の声をいただきました。市民の皆様のご協力とご努力に改めて敬意を表し、感謝申し上げます。
 いただいた多くの意見、提案につきましては、第2次雲南市総合計画に反映させ、今後とも皆様とともに様々な課題の解決に向け、取り組んで参ります。

■ 市民が主役のまちづくりについて

 次に、6つの政策に沿って申し述べます。
 1点目は、市民と行政の協働によるまちづくりについてであります。
まず、地域自主組織における平成25年度からの制度改正の状況についてであります。
 本年4月中旬から5月中旬にかけまして各地域自主組織を訪問し、意見交換を行って参りました。
 特に、本年度から開始した交流センター職員の地域自主組織による直接雇用については、すべての組織において労務関係の事務手続きが完了し、この4月から実施されております。引き続きこの形態の定着に向け市として支援して参ります。また、社会福祉協議会における地区福祉委員会の見直しについては、ほとんどの地域自主組織において一体化され、一定の評価をいただいているところです。
 さらに、本年度からは地域円卓会議を本格的に導入し、地域福祉や防災、社会教育・生涯学習などをテーマに、地域の皆様との直接対話により課題を共有し、ともに課題解決を図っていくこととします。
 また、平成23年度に吉田小学校民谷分校が閉校しました吉田町民谷地域では、「民谷地域活性化委員会」により、今後の地域のあり方及び分校施設の利活用の方法について真摯に検討されております。去る3月20日開催された住民総会では、平成26年度に民谷地域における新たな地域自主組織を立ち上げること、その活動拠点として旧民谷分校を交流センターとして活用することなど、その実現に向けて取り組んでいくことが決定されました。市といたしましては、地域において、これまで熱心に検討されたことに対し敬意を表しますとともに、民谷地域において決定されたことが実現するよう支援して参ります。

■ 平成26年度環境に配慮した安全・快適な生活環境づくりについて

 2点目は、環境に配慮した安全・快適な生活環境づくりについてであります。
 まず、原子力災害対策についてであります。
 国においては、原子力災害対策指針の見直しが行われ、緊急時モニタリングの体制整備と、安定ヨウ素剤の予防服用の方針がまもなく示されるところです。さらに、8月下旬から9月上旬には、被ばく医療体制等の方針が示される予定であります。これらを踏まえながら、雲南市としては島根県及び周辺市と連携して地域防災計画及び広域避難計画の見直しを継続的に検討するとともに、国において措置されるべき防護対策等について、国、島根県に対して引き続き要望して行くこととしております。
 また、8月25日(日曜)には、「第2回 原発を考える文化講演会」を開催し、原発や日本のエネルギーの将来等について考える機会とするものであります。

 続いて、平成26年度以降の市営住宅等の管理についてであります。
 平成26年度より、島根県住宅供給公社に市営住宅等の管理を委託する予定であり、住宅管理システムオンライン化費用を本議会に上程し、今後準備を進めて参ります。

 続いて、水道事業運営と水道料金の改定についてであります。
 昨年10月、雲南市水道事業に関する審議会の答申を受けまして、12月議会定例会の施政方針において、平成25年度料金改定は行わず、平成26年度以降の収支不足については負担の在り方について検討することをご説明し、検討を重ねて参りました。
 水道事業は、今後も少子高齢化や節水機器の普及による水道使用量の減少が続き、現状の料金水準で水道事業を行っていきますと、健全な経営が困難となることが予想されます。
 こうしたことから、平成26年度以降の事業運営について答申どおりで料金改定を行い、なお不足する額については、一般会計からの運営補助金の追加により対応したいと考えております。
 市民の皆様にはご負担をお願いすることになりますが、ご理解賜りますようお願いいたします。

 

 地域で支えあうくらしづくりについて

 次に、3点目、地域で支えあうくらしづくりについてであります。
 まず、雲南市立病院の改築についてであります。
 市立病院の改築事業は、建設基本構想に基づき、平成28年度の完成へ向けて新棟建設の準備を進めて参ります。今年度は基本設計を予定しておりますが、この受注者選定につきましては、現在、公募型プロポーザル方式により進めているところです。来る6月23日には、大東地域交流センターにおきまして、公開ヒアリングを実施し、受注者の決定を行うこととしております。

 続いて、子ども・子育て支援事業計画の策定についてであります。
 平成24年8月の「子ども・子育て関連3法」の成立を受けて、子ども・子育て新制度の平成27年4月施行に向け、今年度から2ヵ年をかけて子ども・子育て支援事業計画を策定いたします。子どもや子育て家庭の実情を踏まえた計画となるよう、ニーズ調査の実施や、子育て当事者の皆様にも参加いただく「雲南市子ども・子育て会議」を設置し意見の反映を図ることとします。

 続いて、木次こども園の運営状況についてであります。
 今年4月より木次保育所と木次幼稚園において、幼保連携型認定こども園・木次こども園がスタートいたしました。開園に際しましての地域のご協力に、心から感謝申し上げる次第でございます。
 このことにより、待機児童はほぼ解消されたところであり、今後とも就学前児童の教育の一体化を目指し、より良い保育・教育が受けられる環境づくりに努力して参ります。

■ ふるさとを愛し豊かな心を育む教育・文化のまちづくりについて

 次に、4点目、ふるさとを愛し豊かな心を育む教育と文化のまちづくりについてであります。
 まず、「地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト」についてであります。このプロジェクトは、体育の授業やスポーツ活動の充実を図るために、文部科学省の事業により、総合型地域スポーツクラブ「Yu-Gaku(ゆうがく)加茂スポーツクラブ」が、教育委員会と連携して進めるものであり、様々な体育活動の外部講師を市内小学校に派遣して外部講師と教師が一緒になって取り組んで参ります。
 続いて、いじめ防止の市民運動についてであります。
 教育現場における喫緊の課題としていじめの問題があります。雲南市においてもこうした危機意識のもと、学校と家庭の連携によってその未然防止、早期発見、早期解決に取り組んで参りました。今後は、この取り組みをもう一歩進め、いじめ防止の市民運動を展開する考えであり、市内の関係団体のご協力を得て、親子活動としてのポスターや標語の制作を広く募集する活動や、優秀作品の周知等を通じ、「いじめをしない、させない」啓発活動を行って参ります。

 続いて、国際交流事業についてであります。
 まず、雲南市国際文化交流協会による2つの事業について申し上げます。
 最初に、「リッチモンド中高生受入事業」についてであります。
 アメリカ合衆国のリッチモンド市には、旧大東町時代から昨年度まで11回にわたり、雲南市の中高生を受け入れていただき、貴重な体験をさせていただいております。今回は、リッチモンド市から高校生6名と引率2名の計8名を雲南市に受け入れることとし、地域との交流や学校訪問を通じた学生同士の交流活動を行います。また、来る6月17日(月曜)の夜、「かもてらす」において、学生たちから市民の皆様に、アメリカ文化の紹介を行う集いを開催します。多数の皆様にご来場いただきたいと考えております。

 次に、第23回日米草の根交流サミット島根大会についてであります。
 本年7月に、雲南市へ数名のアメリカからの訪問団を受け入れる予定です。受け入れ期間中には市民団体との交流や座禅体験等の活動を実施します。

 続いて、雲南市青少年海外派遣等交流事業実行委員会による、韓国清道郡(ちょんどぐん)との青少年相互派遣交流事業についてであります。
 本年7月に清道郡から中高生が雲南市を訪問します。また、8月には、雲南市から清道郡(ちょんどぐん)へ中高生が訪問します。両国とも約10名の中高生が参加し交流を深める予定です。

 以上の3つの事業は、いずれもホームステイを通じた交流事業であり、これらを通じて、異文化への理解を深めるとともに、我が国の文化を再発見する機会にもなります。今後、より多くの国際的視野を持った市民の育成につながることを期待しております。

■ 賑わいあふれる雲南市について

 次に、5点目、賑わいあふれる雲南市についてであります。
 まず、松江自動車道開通後の観光の振興についてであります。
 去る3月30日(土曜)に開通した松江自動車の利用交通量(高野IC~雲南吉田IC間)は、開通直後の国土交通省の調査では、平日6,600台、休日9,100台でありました。また、有料区間(三刀屋木次IC~宍道JCT間)でも、平日5,100台、休日6,200台と、開通前の1.8倍となりました。
 初めて迎えたゴールデンウィーク期間中の交通量(高野IC~雲南吉田IC間)は、一日平均12,700台で、最も多かった5月5日(日曜)には、21,100台となりました。一方、有料区間(三刀屋木次IC~宍道JCT間)の日平均交通量は、10,100台で、対前年比2.4倍の交通量でありました。
 雲南吉田ICに併設する道の駅「たたらば壱番地」は、3月17日(日曜)に1,800人の皆様に訪れていただき盛大にプレ・オープンイベントを開催したところです。当日は、アニメ「秘密結社 鷹の爪」の作者であり、映画監督で映像クリエーターのFROGMAN(ふろっぐまん)さんにもご出席いただき、ステージトークや雲南吉田くんの除幕などのイベントを盛り上げていただきました。
 さらに、この日に「加茂岩倉パーキングエリア」の完成式も行われ、北の玄関口となる施設も整備されたところです。
 開通後の道の駅「たたらば壱番地」の状況については、開通効果、出雲大社の平成の大遷宮、桜の開花時期とも相まったことなどから、直後から多くの方で賑わい、以降も想定を大きく上回る方々に立ち寄っていただいており、オープン以降、一日平均が2,300人強で、最大時には4,000名弱と、連日賑わいを見せております。想定を上回る施設利用者により、トイレの一部制限や仮設トイレの設置及び駐車場制限等の緊急対策を講じる事態となり、ご不便をおかけしております。また、本線から雲南吉田インター線にかけての車両渋滞が断続的に発生したことから、国土交通省や島根県警と連携して、渋滞の緩和、交通安全対策を行ってきたところであります。このような状況を踏まえ、必要となる応急対策を、指定管理者との連携を図りながら早急に行っていくことといたしました。
 一方、高速道路開通による国道54号の通行量は、県境地点で平日、休日ともに5~6割程度減少している状況にありますことから、今後、沿線の観光交流施設等の活性化に向けた計画を本年度策定していく考えであります。
 また、加茂岩倉パーキングエリアにおいては、隣接する加茂岩倉遺跡への来場者の立ち寄りが多く、「遊学ボランティアの会」の皆様にパンフレットの配布等のPRを行って頂きました。今後、国土交通省等と協議が整い次第、隣接市有地を連結させ、パーキングエリアからの徒歩による岩倉遺跡へのアクセスを整備して参ります。続いて、公共建築物小規模営繕事業の実施についてであります。
 昨年度に引き続き、いくつかの地域経済の活性化対策を実施しているところでございますが、個人事業主を中心とする大工、左官業などの小規模事業者への対策については不十分であることから、市が管理する公共建築物を対象とする概ね30万円未満の小規模な営繕事業を実施することといたしました。

 続いて、南加茂企業団地内の道路改良についてであります。
 南加茂企業団地は、業務用冷蔵庫やポンプ、建築・梱包資材などの製造企業各社の進出に加え、この4月からはメトロ電気工業株式会社の操業も開始されるなど、本市の産業推進、雇用創出において重要な企業団地となっています。
 しかし、国道54号と接続道路が急こう配となっており、原料資材及び製品出荷時の冬季運搬に支障をきたすこと、また、いわゆる「行き止まり道路」となっており、防災観点上、さらには、現在進出いただいている企業に工場増設の機運もあり、道路改良について検討するため、関連予算を本議会に上程いたします。

 続いて、雇用促進住宅の取得についてであります。
 加茂町、木次町所在の3つの雇用促進住宅については、去る5月22日に「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」と売買の仮契約を締結したところであります。本年6月末を以って同機構から譲り受け、さらに7月1日からは雲南市の定住促進住宅に位置づけ、島根県住宅供給公社への指定管理を開始する予定であります。そのため、関係議案を本議会に上程いたします。

 続いて、台湾貿易促進支援事業についてであります。
 吉田町民谷の「農事組合法人宇山営農組合」におかれては、平成23年より台湾の農産物輸入企業である「鼎三國際企業有限公司(ていさんこくさいきぎょうゆうげんこうし)」を通じて「コシヒカリ」を輸出されています。このご縁で、鼎三(ていさん)から雲南市に対して、今年7月に台湾の高雄(たかお)市内の百貨店で開催される「日本フェアin台湾」への市内の農産加工品等の出品販売について打診を受けました。
 市といたしましては、この度のフェアが市内事業者の皆さんによる農産加工品等の海外販売を拡大する絶好の機会と捉え、出品販売される事業者の皆さんの支援を行うことといたしました。
 この機会を通じて、今後、台湾を始めとした海外に市内の農産物などの販売が進むことを強く期待するものであります。

 

■ 議案等について

 最後に、補正予算についてであります。
 職員人件費につきましては、4月1日付け人事異動に伴う調整、市町村共済組合の掛金率の変更により一般会計と特別会計の合計で1千4百万円を増額したほか、一般会計においては、地域総合整備資金貸付事業8千1百万円、公共建築物小規模営繕事業4千1百万円、災害対策等緊急事業3千5百万円、道の駅たたらば壱番地管理事業1千8百万円、住宅総務管理事業1千4百万円、保育士等処遇改善臨時特例事業補助金9百万円、消防施設整備事業9百万円などを追加しております。
 また、特別会計及び企業会計においては、国民健康保険事業特別会計、簡易水道事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、土地区画整理事業特別会計、ダム対策事業特別会計、清嵐荘事業特別会計、水道事業会計、工業用水道事業会計で人件費等の補正予算を計上しております。
 その外、議案として、承認事項10件、条例10件、一般事件3件、諮問事項1件、報告事項14件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようよろしくお願い申し上げ、開会にあたっての施政方針といたします。