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市長所信表明(3月定例会)市長所信表明の全文を掲載しますのでご覧ください

市長所信表明(3月定例会)

令和4年雲南市議会3月定例会開会に際し、市長の述べました「所信表明」の全文を掲載しますので、ご覧ください。

所信表明全文

令和4年雲南市議会3月定例会の開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、市政における私の基本的な考え方を申し上げ、市議会の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。

今月24日、ロシアのウクライナ武力侵攻は、世界平和を希求する国際社会に衝撃を与えました。「『平和を』」の都市宣言」を行っている雲南市としても、事態を非常に憂慮するものです。今後の動向では、液化天然ガスや原油価格の高騰、小麦をはじめとする輸入農産物が品薄となることで、我が国の経済、ひいては市民生活にも影響が及んでくる可能性があり、引き続き注視していく必要があると考えているところです。

さて、昨年2月に市長に就任して、早いもので1年が経過いたしました。これまでを振り返りますと、甚大な被害をもたらした令和3年7月豪雨災害や、未だに収束が見通せない新型コロナウイルス感染症の感染拡大など、市民生活に大きな影響をもたらす出来事への対応に心血を注いだ1年でありました。

そうした中にあって、安全安心な市民生活の確保を優先しながらも、市政運営の停滞を招かないよう様々な対策を模索しながら、市議会をはじめ市民の皆様や多くの関係者の皆様にご理解とご協力をいただきながら取り組んできたところです。

令和4年度は、コロナ禍からの経済回復や災害復旧を進め、地域の活力を取り戻す「復興元年」となるよう、引き続き市民の皆様の声に耳を傾けながら、市民本位の行政運営を展開して参る所存であります。

次に、市政運営に臨む重点課題について述べます。

まずは、当面の最優先課題である令和3年7月豪雨災害の復旧・復興に向けた取り組みについてであります。

公共土木施設災害につきましては、年度内に103箇所の工事発注を進めており、補正予算により復旧工事のさらなる進捗を図って参ります。また、令和4年度当初予算において災害関連事業と合わせ約26億円を計上し、令和3年度繰り越し分を合わせると総額約36億円の事業費を確保し、全体の9割強の工事発注を終えるよう進めて参ります。

農地・農業用施設災害につきましては、1,253箇所の災害箇所認定を完了し、併せて、今春の耕作時期に間に合うよう必要な利水等の応急工事を実施しているところです。今後は、個別設計の実施や国の審査を受け、工事発注に向けた準備を進めて参ります。また、令和4年度当初予算において約18億円を計上し、令和3年度繰り越し分を含め約35億円の事業費を確保し、営農活動の早期再開に向け、工事発注を順次行い農業基盤の整備を進めて参ります。

さらに、災害の影響により水稲等の作付ができない農地については、営農意欲の維持を図り耕作放棄地の拡大を防ぐため、面積に応じた維持管理費の支援を行う考えであります。引き続き、一日も早い復旧・復興に向け、人材や予算を総動員し全力で取り組んで参ります。

続いて、新型コロナウイルス感染症対策についてであります。

全国的に感染力の強いオミクロン株が蔓延し、島根県内においても年明けから連日感染者が確認されている状況です。市内でも今月21日に児童福祉施設においてクラスターが発生し、感染が急拡大してきたことから、島根県知事の要請により、感染拡大防止のための予防措置として、木次町、三刀屋町の小学校6校及び中学校2校において、中学3年生を除き、今月24日から3月2日までの間、出校停止としたところです。雲南保健所と連携し、検査が必要な方にはPCR検査を行うなど、感染拡大防止に全力で取り組んで参ります。

ワクチンの追加接種につきましては、国から3回目の接種の実施方針が示されたことを踏まえ、接種間隔を7カ月から6カ月に前倒しし、雲南医師会、平成記念病院及び雲南市立病院の協力並びに島根県、雲南保健所のご支援により追加接種を実施しております。

令和3年12月から医療従事者への接種を開始し、今月から高齢者施設での接種や65歳以上の方を対象とした集団接種並びに個別接種を開始しております。また、18歳以上64歳以下の方の接種につきましては、教員や保育士などを優先して3月1日より接種券を発送し、その他一般の方については、3月14日より順次接種券を発送いたします。小児接種につきましては、国から具体的な指針が示され次第、速やかに接種できるよう体制を構築しているところです。

未接種の方につきましては、引き続き接種機会を確保しておりますので、ワクチン接種コールセンターまでお問合せください。

また、この度の第6波の感染急拡大を受け、市内経済はさらに大きな打撃を受けていることから、今後の国や県の支援の状況を踏まえつつ、適時、柔軟に市内経済の回復のための施策を講じて参ります。

まずは、市独自で事業者自らが業況回復のために行う消費喚起・販売促進活動等への支援や、地域農産物を使った新たな商品やサービス開発への支援に取り組みます。

さらに、雲南市商工会と連携し、スマートフォンによる電子決済機能を利用した地域通貨の導入事業を支援し、また、これを活用したポイント付与による消費喚起を促し、経済の地域内循環や市内の消費回復に取り組んで参ります。

続いて、地方創生・人口減少対策の取り組みについてであります。

これまでの取り組みにより、子育てしやすい環境だと感じる保護者の割合は年々上昇するなど、子育て世代をターゲットにした定住施策が一定の効果を発揮し、また、人材育成の面では、まちづくりに関わる実践者が多世代に広がり、地域自主組織の取り組みをはじめ市民主体による活動が行われています。

一方、依然として市外への転出超過が続いております。令和2年度国勢調査の結果では人口が36,007人となり、平成26年度に定めた総合計画の令和6年目標人口36,500人との乖離が生じているところです。こうしたことから、これまでの人口動態の推移を分析したうえで、目標人口の再設定を行い、令和6年度末の目標人口を33,800人と定め、この目標の実現に向けた対策の強化に取り組んで参ります。

定住施策においては、「結婚」や「住宅」を理由とする松江市、出雲市への若い世代の転出が多いことから、子育て世帯や新婚世帯に向けた住宅施策を強化するとともに、市土地開発公社や民間事業者との連携による魅力ある住環境整備に取り組んで参ります。また、将来的な人口の安定化に向けては、合計特殊出生率を高めていくことが必要です。これまでの出産、子育て支援を継続するとともに、若いときから結婚や家族等について考える機会をつくり、自ら選択ができる若者を育てて参ります。さらに、地域自主組織等と連携し、男女共同参画社会の形成と若者や女性が活躍しやすい環境づくりに取り組んで参ります。

若者や女性の定住・UIターンを促進する観点からは、地域資源を活用したビジネス創出や既存事業者のイノベーション支援に取り組むとともに、IT企業などの事務系職場の誘致を進めて参ります。そうした中で、東京を拠点にWEB広告のコンテンツ制作等を行う株式会社バントが、木次町内に雲南サテライトオフィスを開設されるなどの成果も出て参りました。新たに3名を雇用され、今後3年間で10名まで雇用を増やす意向があるとお聞きしております。こうした取り組みの支援を含め、引き続き若者や女性に魅力ある多様な働き場の確保に努めて参ります。

また、UIターンを促進する観点からは、良いニュースもございました。

宝島社発刊の移住希望者向け情報誌「田舎暮らしの本」の2022年度「住みたい田舎」ベストランキングで、雲南市が同規模のまちの中で、若者世代、単身者と子育て世代の住みたい田舎全国第1位に選ばれました。このランキングは、全国の市町村を対象に実施したアンケートの結果により決定されたものであり、人口の社会増をめざし、移住定住対策に取り組んでいる本市といたしまして、大変うれしいことであります。この結果を住みたい、住み続けたい雲南市の情報発信に最大限活かしていく考えであり、民間人材を活用し本市の魅力を積極的に都市圏へ発信して参ります。

また、農業や林業など人材不足を抱える分野の人材確保を進めるため、特定地域づくり事業協同組合の活用により、地方に関心をもつ人材のマッチングを図りながら、新たな人の流入を生み出します。

この協同組合は、いわゆる人材派遣の形態により季節ごとに複数の業務に従事することで、年間を通じた安定的な雇用環境と一定の給与水準を確保し、地域内外の若者等を呼び込むとともに、人材不足を抱える地域事業者の事業の維持や拡大を図るものです。特に人口急減が激しい地域にとっては、有効な制度でありますので、事業所の皆様と丁寧に合意形成を図りながら、できるだけ早期の組合設立に向け、引き続き取り組んで参ります。

人材の育成・確保においては、「子ども×若者×大人×企業チャレンジ」の取り組みを引き続き推進するとともに、地域で活動する学生や若者、事業者等のコミュニティづくりを進め、まちづくりの担い手育成を図ります。さらに、高校を含めた教育の魅力化や高校卒業後のつながりづくりなど、「人材還流」に向けた取り組みを進めて参ります。

以上の取り組みを進めるとともに、引き続き、若者や女性の定住促進に向けて効果的な対策の検討を進め、社会動態による人口の減少を食い止め、将来的な人口の安定化をめざし、取り組みを進めて参ります。

続いて、原子力防災についてであります。

島根原子力発電所2号機については、昨年9月15日に原子力規制委員会において設置変更許可がなされた以降、市議会では特別委員会での調査が進められるのに平行して、住民説明会を市独自の地区別説明会を含め多数開催し、また、雲南市原子力発電所環境安全対策協議会、雲南市原子力安全顧問会議を通じて様々なご意見等をお伺いしてきたところであります。

また、島根県が主催する島根県原子力発電所周辺環境安全対策協議会に出席し説明を受けるほか、島根原子力発電所の再稼働判断に係る知事・3市長会議において、安全性・必要性・防災対策等について、市民の皆様からいただいたご意見を踏まえた質問・意見を国及び中国電力に対して行い、疑義の解消に努めてきたところであります。

そうした中、昨年12月14日に、島根県から再稼働に係る本市の考えを、島根県との覚書に基づき示して欲しい旨の依頼があっております。

なお、立地自治体であります松江市では、上定市長が再稼働に対して理解を示すという意見を表明されました。

私としましては、立地自治体の意見を尊重しつつ、市議会12月定例会に提出された「島根原子力発電所2号機再稼働に慎重なる対応を求める請願及び陳情」に対する審査結果を踏まえて意見をまとめ、市議会に諮問する考えであります。

続いて、JR木次線の観光列車に関する検討状況についてであります。

JR西日本米子支社から、トロッコ列車「奥出雲おろち号」について令和5年度を最後に運行を終了する考えが示されてから、島根県、広島県、沿線自治体とJRとで構成する木次線観光列車運行検討会を5度にわたり開催して参りました。その中で、「奥出雲おろち号」は部品の確保ができない等の理由で、その存続は不可能であることを確認し、その後、後継の観光車両の導入について、協議を行って参りました。

去る1月20日にJR西日本から「財政支援の有無にかかわらず木次線への新たな観光列車の導入は行わない」という回答があり、それに併せて「観光列車『あめつち』の木次線への乗り入れ」、「既存定期列車の内外装の装飾の実施」、「観光振興策の共同での検討」の3点が提案されたところです。この提案は、最善とは言えないものの、今後の観光振興と合わせて活用する中で効果を生み出すことができる提案ではないかと考え、2月9日の木次線観光列車運行検討会において、この提案の方向で検討を進めていく方針に同意し、参加自治体の合意として決定されました。

また、同会議では、今後、JRの提案の具体化を木次線利活用推進協議会において検討していくこととされました。今後もJR、県及び沿線自治体と連携し、様々なご意見をお聴きしながら、広域的な視点も加えたより魅力的な観光振興策の具体的な検討を進め、市内の観光振興を図るとともに、生活路線である木次線の存続のために利用促進に取り組んで参ります。

続いて、松江シティFC株式会社との協議状況についてであります。

本市でのユースチームの設立について、松江シティFC株式会社との協議や庁内での検討を進めて参りましたが、このほど同社より、トップチームのJリーグ昇格に向けての準備を優先するため、設立時期を再検討するとの表明がありました。

本市としましても、令和3年7月豪雨災害からの復興や新型コロナウイルス感染症対策を最優先に取り組まざるを得ない状況であることを踏まえ、協議を中断することについて合意いたしました。

今後につきましては、市内高校の魅力化について、雲南コミュニティハイスクールコンソーシアムの場等において各高校と話し合いを継続し、具体的に検討を進めるとともに、スポーツ振興や健康増進の観点から大東公園多目的広場の改修等の必要な整備を進めて参ります。

次に、第2次雲南市総合計画にある5つの政策に沿って申し述べます。

最初に、「みんなで築くまち」に関する政策についてであります。

まず、地域自主組織との協働のまちづくりに関する基本協定についてであります。

平成27年度に地域自主組織との間で締結している「協働のまちづくりに関する基本協定」が本年度末に期限を迎えることから、更新に向け協議を重ねているところです。併せて、昨年の豪雨災害の教訓を踏まえ、新たに災害対応に関する基本協定も締結するよう最終調整をしているところであり、様々な面で地域自主組織との協働による力が発揮できる協定となるよう協議を進めて参ります。

続いて、地域の担い手対策についてであります。

地域活動における担い手対策は、当面の重要課題の一つであり、地域自主組織と取り組んでいる地域経営カレッジについて、より地域に密着した進め方を取り入れ、伴走支援を強化することで、一層の充実を図って参ります。また、各地域自主組織が取り組む担い手育成対策に対し、新たに補助制度を設け、活動支援を行って参ります。

続いて、交流センターの整備についてであります。

加茂交流センターの建設工事につきましては、予定通り3月中に竣工する見込みであり、4月から移転し、供用を開始いたします。

また、整備のスケジュールがそれぞれに異なる波多、幡屋、民谷の各交流センターにつきまして、計画的な整備を進めていく観点から、令和4年度から波多交流センターは改修に向けた実施設計、幡屋交流センターは建て替えに向けた基本計画の策定、民谷交流センターは建て替えに向けた敷地造成の測量設計にそれぞれ着手し、財政的負担も考慮しながらそれぞれの事業進捗を図って参ります。さらに、災害時の炊き出し等の問題を改善するため、指定避難所である大東地域交流センターへの調理室の整備に向けて実施設計を行って参ります。

次に、「安全・安心で快適なまち」に関する政策について述べます。

まず、脱炭素社会実現に向けた取り組みについてであります。

これまで、副市長を座長とした庁内プロジェクトチームにおいて、脱炭素宣言の考え方について検討を行い、昨年11月28日には雲南市環境会議に報告し、本年1月25日には雲南市環境審議会でご意見を伺ったところです。1月29日には、広く市民や企業の皆様からのご意見を伺う場として2回目の雲南市環境会議を計画しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため延期したところです。

今後、再度開催を調整し、参加者のご意見を伺ったうえで、令和4年市議会6月定例会に最終報告、その後、脱炭素宣言を行い、脱炭素社会構築に向けた実行計画づくりに着手して参ります。

続いて、尾原ダム完成10周年についてであります。

尾原ダムは、来年度で完成10周年を迎えます。そこで、10月のさくらおろち湖祭りに合わせて、地元の皆様や移転された皆様をはじめとする関係の皆様とともに、大橋川拡幅の早期完成と今後のさらなる地域の発展の契機とすべく、斐伊川流域からの参加を得て、記念式典を開催するとともに、公募による10周年記念のロゴマークを活用し、年間を通じて様々な記念事業を展開して参ります。また、周辺地域の振興計画となっている尾原ダム水源地域ビジョンについても、計画期間が満了することから、来年度中に関係者の皆様とともに次期ビジョンを策定して参ります。

続いて、ケーブルテレビ伝送路の光ファイバー網の整備についてであります。

雲南市飯南町事務組合が実施主体となり、市内全域の幹線工事及び吉田町並びに掛合町の引込宅内工事を進めておりますが、予定通り年度内に完了する見込みとなりました。来年度からは、残り4町において、民間事業者が高速通信網を整備していない地域から引込宅内工事を進め、早期に市内全域で高速通信サービスの提供ができるよう、引き続き進めて参ります。

続いて、雲南加茂スマートインターチェンジの開通についてであります。

本事業は、令和2年1月から西日本高速道路株式会社中国支社により着手され、昨年11月には名称を「雲南加茂スマートインターチェンジ」に決定されるなど、令和4年度中の開通に向け、順調に整備工事等が進められているところです。完成後は、企業誘致、定住促進、広域連携による周遊観光や交流人口の拡大など、雲南加茂スマートインターチェンジを活用した施策展開を積極的に図って参ります。

続いて、小型除雪機の整備についてであります。

除雪につきましては、市においても速やかな実施に努めているところでありますが、地域の皆様の自助・共助の力がどうしても必要とされており、そうした支え合いにこれまでもご尽力いただいておりますことに、厚く感謝を申し上げます。そうした支え合いの活動を支援する観点から、地域の除雪ボランティア団体から要望のありました小型除雪機につきまして、本市で2台購入し、全部で12台として貸与を行い、積雪時の通勤、通学路などの安全確保を支援して参ります。

次に、「支えあい健やかに暮らせるまち」に関する政策について述べます。

まず、令和4年度休日集団がん検診の拡充についてであります。

現在69歳までを対象として実施している休日集団セットがん検診につきましては、来年度から74歳まで対象を拡大して実施いたします。また、74歳までの国民健康保険加入者を対象に実施している休日スピード特定健診におきましては、希望者が特定健診に合わせ、胃がん検診、乳がん検診、肺がん検診、大腸がん検診も受けられるようにいたします。

受診者の利便性とがん検診受診率の向上を図り、がんなど生活習慣病の早期発見・重症化防止に努めて参ります。

続いて、ユニバーサルスポーツの普及を通じた健康づくりの推進についてであります。

運動やスポーツに対する市民意識の向上と積極的な参画は、健康長寿、生涯現役をめざすうえでも重要な課題だと考えております。そうしたことから、障がいの有無にかかわらず参加できる「ボッチャ」などのユニバーサルスポーツを、地域自主組織や市内関係施設等と連携しながら、普及啓発に取り組んで参ります。

続いて、民生委員、児童委員及び主任児童委員の改選についてであります。

民生委員・児童委員及び主任児童委員の任期が、本年11月30日をもって満了いたします。これに伴い各地区において推薦準備会を立ち上げ、委員を推薦していただき、雲南市民生委員推薦会で推薦決定することとしております。民生委員、児童委員及び主任児童委員の活動は、地域で市民の福祉を支える極めて大切な活動であり、是非、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

次に、「ふるさとを学び育つまち」に関する政策について述べます。

まず、市内小中学校のトイレの洋式化についてであります。

新型コロナウイルス感染防止対策として、市内の全小中学校の和式トイレについて、合計100基程度の洋式化工事を実施し、トイレの洋式化について、大幅な改善を図ります。また、手洗器の自動水栓化も進め、安全安心な教育環境の確保に取り組んで参ります。

続いて、スポーツ・文化活動の振興についてであります。

令和12年に島根県で開催される「第84回国民スポーツ大会及び第29回全国障害者スポーツ大会」につきましては、選手の育成や施設整備、プレ大会等の準備に、早い段階から取り組む必要があり、教育委員会社会教育課内にスポーツ文化振興室を設け、検討を進めて参ります。大会の成功は当然でありますが、これを一過性のイベントとして捉えるのではなく、本市にスポーツの文化を根付かせ、青少年の健全育成や健康維持、ひいては定住・UIターンの推進や地域づくりにつながる取り組みを進めて参ります。また、地域の文化振興につきましても、同様の観点から、積極的な支援を図って参ります。

スポーツ・文化活動への支援につきましては、市内スポーツ少年団を対象とした各種大会の開催やトップアスリートの招聘、文化芸術団体に対する活動支援や地域文化を広く啓発するための情報発信など、各種団体の活動に対する支援の充実を図って参ります。

社会体育施設につきましては、今ある施設を有効に活用することが重要と考えており、大東体育文化センター、木次体育館、掛合体育館について、来年度に耐震診断を実施し、その結果に基づいて、今後の施設整備方針を決定して参ります。

文化施設につきましても同様な考え方に基づき、計画的な改修整備に取り組んで参ります。木次経済文化会館チェリヴァホールは約30年が経過し、早急な老朽化対策が求められる状況にあり、来年度において耐震工事及び音響や舞台装置等の大規模な改修工事を行うこととしております。また、加茂文化ホールラメールにつきましても、設備等が老朽化しており、改修方法等に係る検討を進めて参ります。

次に、「挑戦し活力を産みだすまち」に関する政策について述べます。

まず、食の幸発信推進事業の見直しに関することについてであります。

食の幸発信推進事業が目的としていた、農業振興、食関連産業の強化、交流人口の拡大については、様々なソフト事業により、その目的の達成に向け取り組んで参ります。

農業振興における産直事業については、出荷者の高齢化や市場分析、マーケティング不足などにより販売額が減少傾向になっていることから、産直に集中的に取り組む専門人材を新たに配置し、生産支援や新規出荷者の確保、農産物の集出荷に係る物流改革や新たな販路拡大などを進め、産直振興による農家の所得向上に向けた取り組みを強化して参ります。

食関連産業の強化については、地域農産物を使った新たな商品の開発や改良を支援するための補助金を新設し、地域農産物の消費拡大と加工事業者の育成強化を進めて価格競争力を高めて参ります。また、改正食品衛生法に対応した設備改修への補助金も新設しており、産直事業における農産加工品の強化を図って参ります。

交流人口の拡大については、まずは市内の観光資源の魅力アップと面的な連携が重要です。本年1月にJR西日本から職員派遣を受けた雲南市観光協会や雲南広域連合と連携しながら、アフターコロナを見据えた体験型の観光コンテンツの開発、インバウンドへの対応、木次線の活用も含めた広域観光の推進を図って参ります。さらに、和鋼生産たたら体験交流施設を活用した近代たたら操業や菅谷たたら山内を含めた観光ルートの創出や、民間事業者が進める「たたらの里づくりプロジェクト」との連携など、「たたら」をはじめとする地域資源を活用した観光振興を推進して参ります。

また、既存観光施設の活用、再生により交流人口の拡大をめざす考えであります。特に、食の幸の建設予定地であったさくらの里きすきや交通状況の変化に対応する必要がある掛合の里といった既存の道の駅については、産直販売の観点も含め、その再生に向けた検討を進めて参ります。

続いて、農業振興についてであります。

昨年の米価の下落は、米づくりを中心とする本市の農業に大きな影響を与えました。

米の需給調整については、国に計画的生産の強化を要望してきておりますが、本市としましても、プレミアムつや姫たたら焔米の一層のブランド化、販売と生産の連携を図るなど、市場変動に強い売れる米づくりをめざした取り組みを進めて参ります。

一方で、利益が上がりにくいものの、農地を守り、地域を維持するために農業を継続している小規模農家に対しても、共同で機械や施設等を整備する経費の一部を助成する新たな支援制度を創設して参ります。

続いて、農作物の有害鳥獣対策についてであります。

農作物の鳥獣被害防止のために設置される防護柵の経費の一部を助成する雲南市農作物鳥獣被害防止対策事業の予算枠を大幅に拡充し、市民の皆様からの要望増加に対応して参ります。また、有害鳥獣の捕獲につきましても、引き続き市猟友会の皆様にご協力をいただきながら積極的に取り組み、被害の防止に努めて参ります。

続いて、畜産振興についてであります。

本年10月に鹿児島県で開催される第12回全国和牛能力共進会が間近に迫って参りました。前回の宮城県大会以降、県の全国和牛能力共進会出品対策本部をはじめとする関係機関の協力のもと、出品対策に取り組んで参りました。今後、巡回調査、集畜指導会などの出品対策をより一層強化し、本年7月の県代表牛最終選抜会で県代表を勝ち取れるよう、全力を尽くして参ります。

続いて、林業振興についてであります。

森林環境譲与税を活用して、引き続き森林資源を把握するためのレーザ計測、森林資源の解析を行い、森林整備を進めていくとともに、竹林伐採も含めた里山整備、担い手確保、2箇所の木材流通拠点施設を核とする森林情報と流通に係るプラットフォームの構築、市産材を活用した新商品開発等など、川上から川下までの一体的な支援を図って参ります。また、今後の森林環境譲与税の活用や森林整備の集約化の方針を示す雲南市林業振興ビジョンの策定を進め、林業振興をより一層推進して参ります。

最後に「行政経営」について述べます。

まず、令和4年度の組織見直しについてであります。

災害復旧・復興、新型コロナウイルス感染症対策を重点的に進めながらも、直面する行政課題に迅速に対応していくため、組織機構の見直しを行います。

本市の情報化の推進と情報発信力の強化を目的として、ICT戦略室を情報システム課に糾合し、併せて情報政策課に広報官を配置するとともに課名を「広報広聴課」に改めます。

脱炭素社会の実現に向けて市全体で取り組みを展開していくため、環境政策室を「環境政策課」として強化し、脱炭素推進官を配置いたします。

食の幸発信推進事業の見直しに伴う諸課題への対応と道の駅施設等の活性化に向けた計画策定等を進めるため、観光振興課内に「道の駅再生推進室」を設置し、併せて農政課に産直振興推進官を配置いたします。さらに、観光振興課にコロナ収束後の観光誘客を積極的に推進するため、広域観光推進官を配置いたします。

国民スポーツ大会及び全国障害者スポーツ大会に向けた準備を進めるとともに、スポーツ・文化の振興を図るため、教育委員会社会教育課内に「スポーツ文化振興室」を設置し、スポーツ文化振興担当官を配置いたします。

続いて、令和4年度一般会計当初予算及び令和3年度3月補正予算についてであります。

まず、令和4年度一般会計当初予算について述べます。

令和4年度国の予算案では、地方交付税総額は対前年度を0.6兆円上回る18.1兆円確保されましたが、臨時財政対策債は対前年度比3.7兆円の減額となり、実質的な地方交付税は3.1兆円の減額となっています。一方、国税及び地方税は増額を見込んでおり、地方の一般財源総額は前年度とほぼ同額が確保されるよう見積もられています。雲南市の令和4年度一般会計当初予算につきましては、災害からの復旧、復興を最優先課題とし、併せて新型コロナウイルス感染症の影響に配慮した対応がとれるよう必要な予算措置を行い、対前年度比15.2%増の315億3千万円で編成いたしました。

続いて、令和3年度3月補正予算についてであります。

一般会計では、除雪総務管理事業1億2百万円、新型コロナウイルス感染症対応基金積立金1億円、永井隆博士顕彰基金積立金5千万円、新型コロナウイルスワクチン接種対策事業3千2百万円、退職手当特別負担金5千5百万円などを追加計上し、特別会計等では、国民健康保険事業特別会計、農業労働災害共済事業特別会計、生活排水処理事業特別会計、水道事業会計、下水道事業会計及び病院事業会計で、それぞれ事業内容の変更等に伴う予算を計上しております。

その外、議案として、承認2件、条例15件、規約3件、一般事件35件、諮問事項2件、報告事項2件を提出しておりますので、慎重にご審議いただき、可決賜りますようお願い申し上げます。

私の市政運営に臨む所信の一端を申し述べさせていただきましたが、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げ、開会にあたってのご挨拶といたします。

令和4年2月28日

雲南市長 石 飛 厚 志


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